ジムかん。(トレセン学園内ジムの管理人の話。   作:なっぞのひと

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ひさびさです


69.無表情で何を考えているかわからないタイプが一番やばい

「ピザ、パスタ、ブルスケッタ、パニーノとかイタリアンな軽食はわかるけど、パッタイ、カオパット、ソムタム、パッ・カナー、カオマンガイって、ヨーロッパと東南アジアの料理ってまた極端な。」

 

「どちらもプロからしっかり教わっているので本場の味を楽しめますよ。」

 

「組み合わせが珍しいのはいいとして、ドリンクのほうが圧倒的に多いというか…特にコーヒーの数と淹れ方がかなりあるんですね。」

 

「もともと補食用の軽食で高タンパク低脂肪のものばかり選んでいますから、コーヒーが多いのは私の元々の仕事がバリスタだからってのと趣味ですね、あとは色々な豆の知識や抽出技術をカフェに学ばせたいってのもあります。」

 

「ずいぶんカフェさんの事買ってるんですね?あ、カオマンガイお願いします。」

 

「畏まりました。カフェはエスプレッソの技術は発展途上ですが、ハンドドリップなら将来国内のJBCCなら余裕で、WBCCのような世界大会で優勝も可能でしょう。」

 

元々スープで炊き上げた米に茹で鶏をのせて、つけダレと一緒に差し出しながら答えた。

 

 

「へー、カフェってそんなすげーんだ。」

 

「コーヒーに関してはそうですね、レースだとどのくらい凄いのかは全くわかりませんが。」

 

「ジムかん、レースにもうちょっと興味持った方が良いよ、マジで。」

 

「私がレースに興味を持ってしまったら中立を保てなくなりますからね、そんな出来た人間じゃないんですよ、私は。」

 

流の返答に思うところがあったのか。

 

「せめてカフェのレースぐらい興味持てよっておもうけどさ、それならそれでそれでいいんじゃね?この前食べたパリパリのやつとカフェラテおねがい。」

 

トーセンジョーダンは軽く流して、メニューを見ながら過去に覚えていたものを頼んだ。

 

「スフォリアテッラとカフェラテですね。」

 

流はスフォリアテッラを2つオーブンに入れ焼き始めつつ、バスケットをグラインダーにセットし軽く粉を整えてからタンピングするとレバー式マシンにセットし、次に鍋に入れた牛乳を火にかけ湯気が出始めたと同時に泡立て器で軽くかき混ぜ泡立てることでフォームドミルクを作り上げた。

 

 ついでレバー式マシンの上部に熱湯を注ぎ、カップをセットするとレバーを一気に引き下げ抽出を開始し、蜂蜜のように流れ出すエスプレッソを出し終えると素早くミルクと混ぜてカフェラテを作り終えてトーセンジョーダンの前に置き、ほとんどタイムラグもなくオーブンで焼き上げたスフォリアテッラを差し出した。

 

バリスタとして無駄のない所作にマンハッタンカフェはもちろん、トーセンジョーダン、近くに座っていたハカタコマチも見入っていた。

 

「ありがと、てか、めちゃ早っ!3分もたってなくね?」

 

「半自動のエスプレッソマシンを使えば、もう少し早くなるのですが、流石に場所が取れないのと一度学園の経費で落とそうとしたら理事長から却下されたので、置いていません。」

 

「けーひってなに?」

 

「学園のお金ですね」

 

「いくらするんそれ?」

 

「私の欲しいやつはドイツ製で業務用の1グループのやつで300万くらいですね。」

 

「バカだろアンタ。」

 

「前に教材や応急処置用の道具の領収書を出したときに、誤って焙煎機やら高級ミル類の領収書混ぜて出してしまったときは、ギリギリまで気付かれなかったんですが…」

 

「それわざとじゃね?」

 

「わざとじゃないんですよ、無くして領収書が混ざってたときは驚きましたし、そのまま経費で落としてくれればよかったのにとは思いましたが。」

 

「いやよくねーし、あたしだってわかるよ。」

 

「バレなきゃ良い、うまくやれという言葉がありまして。」

 

「やっぱわざとじゃん。」

 

「それは良いとして、ラテとお菓子が冷めますよ。」

 

「え、マジで?」

 

「美味しいうちに食べていただかないと。」

 

「でさ、ジムかんから見てカフェはどうなん?」

 

上手くごまかせたなと思いつつも流はトーセンジョーダンの問いについて考える。

 

「顔や性格に関して答えるなら、文句なしのガチのどストライクなんですが…」

 

「いや、そっちは別にどうでもいいから、ウマ娘としてはどうなんかなって。」

 

「アスリートとしてみるなら、長距離向きでしょうけど、いかんせんコーヒー飲みすぎですね。」

 

「コーヒー飲みすぎって、駄目なん?」

 

「コーヒーの成分って鉄とか亜鉛の吸収を妨げるんですよだから貧血になりやすいんです。」

 

「鉄と亜鉛って金属じゃん、うちらって金属食べる必要あるん!?」

 

驚くトーセンジョーダンにハカタコマチが

 

「ジョーダンさん、栄養学の補修しましょ私が一緒に見てあげるから。」

 

トーセンジョーダンが嫌そうな顔を教官に向けるのを流はスルーした。

 

「元々カフェは珈琲を飲みすぎる事による、腹痛を恐れて、そんなに量は飲まなかったのですが……私が焙煎した質の良い豆を試してもらったり、よりたくさん飲めるようになる方法を伝授したり一緒に焙煎してたら、飲む量が倍近くになったので。」

 

「それジムかんのせいじゃん。」

 

 珈琲を飲むと腹痛を起こす理由の一つは、豆の油分の劣化によるところが大きい、保存状態の良い焙煎後の豆は油の鮮度が良く腹痛のリスクが少なく、更にペーパードリップは豆の油分が大幅にカットされそのリスクは格段に下がる。

 

其の上で流はコーヒーカフェインの刺激を抑える意味でも水分も一緒に取ってもらうことでクロロゲン酸やカフェインの濃度を下げつつ排出効率も良くしている。

 

「そのせいで、ただでさえ骨格が細いのに、コーヒーを飲みまくるから栄養の吸収率が悪くなって、筋肉や脂肪がつきにくく全体的に体に厚みが無いんですよ、なぜか、顔はまんまるでもちもちしてて二の腕はぷにぷにしてるのに。」

 

「コーヒーってそんなに太りにくくなるんだ。」

 

「発汗や代謝を促進するだけでなく脂肪燃焼効果も大きいです、カフェの場合はかなりコーヒーの成分と相性が良いので顕著ですね。」

 

流は奥で焙煎豆のチェックをしているマンハッタンカフェを見て

 

「焙煎は汗をかきやすいから特に脱水に気をつけてほしいのですけどね、どうしても臭いが出ますからね。」

 

「くさいとか言うなよ、アンタただでさえデリカシーないんだから。」

 

流はいつもより眉間にシワを寄せていた。

 

「いえ、そうじゃなくて汗とコーヒーとか色々混ざったカフェの匂いに凄く胸が高鳴ってしまって…この状態で2、3日風呂キャンでもしてくれたなら、私は確実に道を踏み外してしまうでしょうね。」

 

「うわ…マジヤバ、でもカフェは綺麗好きだから大丈夫か。」

 

『そういう事じゃねえんだよなあ。』と【お友だち】もドン引きしていた。

 

 

 

 

 




最近は遅筆気味です。

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