ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います 作:ラウラペロペロ部部長
青天の霹靂と言う言葉がある。意味としては突然訪れた驚愕の出来事、と言った感じの意味だ。
俺はISの世界に転生したという衝撃には及ばないものの、青天の霹靂と表せる出来事を今現在リアルタイムで体感している。
『日本で世界初のISの適性を持つ男性が発見されました』
「ほぉん、もうそんな時期か……」
クソ親の職場の休憩所でコーヒーを飲みながら番を待っていると、設置されていたテレビからそんなぶっ飛んだ内容のニュースが流れてきた。
なんやかんや今まで原作キャラと関わり合いになって来て17年、ここはISの世界なんだなぁと思ってはいたのだが……いざ、原作が始まってみると感慨深いものがある。
そんな俺とは別のベクトルの驚愕を受けているのがクソ親の職場の職員達。今じゃ聞き慣れ、喋り慣れたドイツ語で色々と話しているのが聞こえてくる。
「神聖なISを男が操るなんてッ!」ってな差別意識マシマシでヒステリックに叫ぶ女の言葉もあれば、「なぜ今になって急に……!?」と彼ら科学者としては至極真っ当な叫びも聞こえる。
転生者である俺も適性があるのだろうか、なんて考えながら残ったコーヒーを吸いつくして、ゴミ箱に空になった紙コップとストローを投げ捨てる。我が番とお揃いで購入した時計を確認すれば、彼女の仕事終わりから15分経っている。
そろそろ彼女が到着する頃だろうと思い、いつも通りマスクと帽子を付けていることを確認、そしてサングラスをかけてクソ親の職場から出る。
外に出ると、日本の春風に比べると幾分か冷たい風が頬を撫でる。風の吹いてきた方をサングラスを外して見れば、俺の番でありISの原作キャラであるラウラがこちらに駆けて来ているのが見えた。
このままサングラスを外していると花粉で目が死ぬので、すぐさまかけなおす。スギやヒノキの花粉は無いが、シラカバやトネリコの花粉がこの時期はヤバい。
目に手が触れないようにサングラスをかけなおす。そして、ラウラの方を見ると、ちょうど俺の目の前で少しも息を乱さずに立っていた。
「すまない、待たせたな」
「いんや、俺も来たとこだから大丈夫」
恋人のような会話(世間一般的には俺達は恋人と言われるが)をしながら、手を繋いで2人で2人の帰路に就く。
我が家(と言っても軍関係者の社宅のようなものだが)に帰るまでの道すがら、ラウラは今日の出来事をいつものように俺に話してくれる。
笑顔を浮かべて楽し気に今日の出来事を話す彼女。やはり初対面の時……いや、原作で見た時よりもだいぶ感情豊かだ。その事実を想うと、毎回自分が原作を壊しつつあることを自覚する。
「そういえば、
「おう、さっきニュースで見たぜ」
「そうか、いや、その件を受けてドイツでも全国で男性がIS適性を持っているかの検査を行う事になったんだ。それで、来週丸々1週間。使用されるISの警護に私たちが就くことになった」
どことなく得意気だったかと思えば、言葉尻に行くにつれてテンションが下がっていくラウラ。ちょっとラウラは俺に依存しすぎだと思うんだ……俺もラウラに結構依存してる自覚はあるから何も言えないけど。
「そっか、それじゃあ来週は会えないのか」
「そうだな……その、出来ればいいんだが……会いに来てくれないか? 流石の私も1週間離れ離れと言うのは、その……辛い」
俺の番ってば可愛すぎないか? 言ってすぐに顔を背けて手を繋いでいない方の手で顔を隠してしまったから見えないが、耳が真っ赤なので恐らく顔も真っ赤なのだろう。
「了解、絶対に会いに行く」
「……ありがとう」
可愛い(脳死)。
俺がちょっと軽く死にかけていた間に我が家に着く。エントランスを抜けてエレベーターに乗り、俺達の部屋の階層で降りて外廊下を歩く。そして、自分達の部屋の玄関の鍵を開けて部屋に入る。
「「ただいま」」
2人そろって言い、2人とも中に入ってから玄関扉を閉じ、靴を脱いで靴箱に入れる。ドイツは日本と同じで家の中では靴を脱ぐ人が多い。まぁ、土足文化が下地にあるので人によっては土足で家に入るのだが。
しっかりと手洗いとうがいをして、リビングのソファに腰掛けてテレビを点ける。すると先程とは違うチャンネルだが、先程と同じようにIS適性持ちの男についてのニュースが流れている。
まだ、名前は出されていないがこのIS適性を持つ男が誰かを俺は知っている。世界最強の名を持つ織斑千冬、その弟であり……この世界では俺の幼馴染でもある織斑一夏。それがいま世界を騒がせているIS適性を持つ男である。
そんな織斑一夏が世界で1人だけのIS適性を持つ男として、自分以外全員女のIS学園でラブコメするのが本来のインフィニット・ストラトスという物語である。
まぁ、現時点で原作ヒロインのラウラが俺の番になっている訳だが。今更だけど番って言い方はどうかと思う……本当に今更だけど。でもまぁ、面白いし気に入っているから今後も番で良いだろう。
「八雲~えいっ」
「ヴッ! ……どうした、甘えたい気分なのか?」
「ああ……よいしょっと」
テレビを見ていると、ザ・軍人といったカッチリした服装からラフな部屋着に着替えたラウラが抱き着いて来る。甘えたいのか、と聞けば肯定と共に俺の膝に座る。どうも、ラウラ専用の背もたれです。
マジで俺が言えたことじゃないけどラウラ俺に依存し過ぎだと思う。まぁ、確かにちょっと依存してくれたら良いな~と思ってたけどここまでとは思わないじゃん?
でも正直原作と違っている彼女を見ると、完全に俺に毒されてしまっていると思うし、それがとても心地よい。俺ってば意外と独占欲が強いのかもしれない。
「八雲と一週間も離れるなんて……」
「うんうん、軍人として長期任務とか長期訓練が今まで無かったのが奇跡なんだよ。これから(原作が始まって)忙しくなるだろうし、慣れないと」
「それは、そうだが……」
原作が始まればラウラは1人でIS学園に行くことになるだろう。うん、このメンタルのままIS学園に行って俺と会えない時間が続けばIS使ってでも帰って来そうで怖いわ。
やはり俺もIS適正があって欲しいものだ。転生特典や転生時の設定として適正を貰った覚えは無いので確率は低いだろうが。いや、もしかしたら転生時に俺に言っていないだけで適性をくれているかもしれない。と言うかそうであってくれ。
まぁ、貰った転生特典的に多分適正も自動的についてると思うんですけどね。でも心配なものは心配だ。俺ってば家の鍵を閉めたかどうかを家を出て10分後くらいに不安になるタイプなのだ。そういう時ラウラが居るとしっかり確認してくれてるから安心! さては、これ俺もラウラが居ないとヤバいな?
「はぁ、いっそ八雲も適性があれば、護衛として四六時中一緒に居れるのに……」
「ははっ、そんなこと無いだろ」
ラウラの右足で待機状態となっている彼女の専用機であるレーゲンを触りながら言う。コイツマジでついてる位置がエッチ過ぎると思う。
「ッ! 八雲――!?」
「ん、どうしたラウラ、そんなダムが壊されたビーバーみたいな顔して」
「う、腕に……」
「腕? うん、程よい弾力があるな……特に異常はないが?」
「ええい、私のじゃなくお前のだ!」
自棄に切羽詰まった感じのラウラに急かされて、俺の腕を見る。左手はいつも通り正常、右腕にはレーゲンの腕が展開されている。
うん、右腕にはレーゲンの腕が展開されている。それを認識した瞬間膨大な情報が脳に直接流し込まれ、頭痛がする。SDカードやUSBメモリの気分が解った……なんてのんきなこと考えてる場合じゃねぇ!?
「ちょっと待って、ちょっと待って! ちょっと待って!! なんで? え、なんで俺の腕にレーゲンの腕が付いてるの?? なに、そんなにラウラのこと嫌いになったのレーゲンちゃん??」
「落ち着け八雲、とりあえずちょっと上に連絡してみるから」
「ラウラそれ電話じゃなくてテレビのリモコンだぞ?」
「ダメだな、落ち着けない。どうしてレーゲンが八雲の腕に展開されているんだ!?」
「俺が聞きてぇよ!!」
適性があるにしても、ちょっとこういきなりすぎると言いますか。なんでラウラにピッタリ合うように色々と調整されて、その上でラウラにしか動かせないようにロックやら何やらがかけられているであろうレーゲンが俺の腕に??
ラウラも俺も挙動不審で大混乱である。
「あっ、でもレーゲンはちゃんと待機状態として足に……でもなぜ腕だけ分離して居るんだ?」
「うおっ、消えた」
レーゲンの状態を確認しようとしたのか、ラウラが立ち上がると同時に俺の右腕に展開していたレーゲンが消える。なるほど距離の問題か……いや、何が?
「……これってつまりさ、俺にも適性が――」
「――ある、という事だろうな」
「やったじゃんラウラ、これで護衛として四六時中一緒に居れるぞ」
「ああ……いや、八雲の両親を考えるとあり得ないが万が一にも研究所でモルモット扱いされる可能性が出てくるよりは1週間我慢した方が良かった」
そうじゃん、俺ってば研究所行行きの可能性があるのか。そんなことになったらラウラが大暴走した挙句2人でVSドイツの駆け落ち大作戦でも始めちゃいそうだけども。
まぁ、ラウラの言う通りあのクソ両親の地位的に研究所行きでモルモットと言うことも無いだろう。
「あ、そういえば来週本当に会えなくなるじゃん。多分自宅待機だろうし」
「……もう嫌だ、今日は疲れたから何も考えたくない」
「うおっと」
まさに通労困憊と言った感じでラウラが抱き着いて来る。どうも、ラウラ専用背もたれの次はラウラ専用のベッドです。本当にこんなこと言ってる場合かなぁ……?
「いっそ隠蔽するか……」などというバリクソ不問な事を言いながら俺を吸っているラウラの頭を撫でながら、いつの間にやら織斑一夏を実名に加えて顔写真付きで報道しているテレビを見て、明日は我が身と身震いした。
ラウラは
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可愛い
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美しい
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両方