ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います 作:ラウラペロペロ部部長
「Fickt euch!*1」
そう吐き捨て、第二次世界大戦中の米軍のクリーブランド級かって程の対空砲火を避けながら、2機のゴーレムの隙を伺う。幸いにも1機無力化しているのでまだマシだが、それでも結構キツイ。
「カミカゼでもするか? えェ!?」
自分で言っててなんだが、論外だ。ラウラを相手にした時と違って、迎撃されている状況で爆発反応装甲を纏って特攻とか持っていけても1機だろうし、持っていける確率も5%あれば良い方だろう。それで、残った1機にエネルギー切れの俺は殺されて、簪も殺される。本当に論外だよ。
だから、真っ向から2機とも墜とすしかない。
「真っ向から、ねぇ……」
一旦大きく後退して、【シュツルム・ファウスト】を腰にマウントする。そして【ナハト】の反動抑制機構にエネルギーをチャージしていく。
ふむ、原作通りこっちが動かなければ、向こうも一切動かないのはありがたいな……【ナハト】の反動抑制機構の完全チャージ完了まで1分。いや、フルパワーじゃないから10秒もあれば十分だ。
そして幸いなことに、10秒間俺とゴーレム2機は互いに微動だにしなかった。
「ふぅ……」
深呼吸して、クイックドロウで1発、ゴーレムの胴体を撃ち抜く。こちらの動きを認識したゴーレムが回避行動を行う前に弾丸はゴーレムに到達する。
……なんと言うか、Japaneseショッギョムッジョを思い知った。
火薬による初期加速によって撃ち出され、試製電磁加速装置による中期加速、そして【ナハト】による終末加速を受けた弾丸は、凄まじい衝撃波を発生させながら寸分の狂いも無くゴーレムの胴体を貫き、AICを発動させた。
肝心の撃ち抜いたゴーレムの方は、命中した瞬間にライフルリングによって弾丸に加えられていた回転と同じ方向に胴体が捻じ切られたかと思うと、同じく回転が加えられた衝撃波とAICによる作用で粉砕された。
さらにその破片と衝撃波が隣に居たゴーレムに殺到し、そちらのゴーレムもズタボロになって撃墜……まだ稼働してるから最初に頭を潰した奴と一緒に止めを刺そう、刺した。
終わってみれば、エネルギーをチャージし始めてから20秒にも満たない攻防……蹂躙だったが、なんと言うか被害がヤバい。格納庫の壁や床は(弾丸の衝撃波とゴーレムのビームで)ズタボロだし、衝撃波で備品の大半が散乱している。
そしてやはり目を引くのは哀れにも胴体から粉微塵になった1機のゴーレムである。
「コイツらが脆かったにしても、1割の加速でこれか……」
そう、ゴーレムは脆い。原作だと結構装甲が厚そうだと思ったが……いや、これ多分、対俺用に調整された機体だな?
大した火力が無い(大嘘)な鈍重(閉所では最速)機体相手に装甲を削って機動力を上げるのは滅茶苦茶良い選択だと思う。
まぁ、ブリッツが変態機体だったおかげで相手の意表を突けたわけだ。ありがとう国連、ありがとうドイツ!
代表候補決定戦でも変な意地を張らずに【シュツルム・ファウスト】を使ってたら勝てたかもしれないのになぁ……なんて考えていると、俺が完全に破壊した無人機を見に来た簪が呟いた。
「……これ、無人機だ」
やっべ、そういえば無人のISってありえないんだよな、現状だと。ヨシ、知らなかった体にしよう。
「マジで? いや、良かった……殺しちゃったかと思った」
「その割にはヘッドショット連発してたけど……」
「だって怖かったんだもん」
「17歳の男がだもんって……気持ち悪い」
「おっと、心は硝子だぞ」
精神的ダメージを受けたが誤魔化せたので良しとしよう。
とりあえず、こっちの脅威は排除できたのだが……まだ嫌な予感がビンビンしている。これ絶対アリーナの方も原作と乖離起こしてるんだろうなぁ……責任をもって対処に行かなきゃならん。
「……ちょっと行ってくる」
「うん、ここは私が片付けておくから……いってらっしゃい」
「やっぱり、ラウラが心配なんだろうなぁ……」
聞こえてるぞ簪! 否定できないけどさァ!?
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原作と違う、そう呟いたのは鈴が苦戦を強いられていたゴーレムをたった一撃で粉砕した八雲であった。
原作では試合の途中に乱入したゴーレムを一夏と鈴が共闘して倒すというストーリーであったはずだ。しかし、【ナハト】によって加速された弾丸によって文字通り粉砕されて粉微塵となりアリーナに散らばるこのゴーレムは、一夏の敗北と言う形で決着した後に現れた。
後の時間軸に起こるVTシステムの暴走事件の時とは違い隙が無く、IS間のエネルギーの補給が不可能であった一夏は撤退し、最低限のエネルギーをピットで補給してアリーナのドアを破壊するなどして避難誘導。そして鈴は1人で戦闘と原作とは違う行動をそれぞれしていた。
それを目の当たりにして大いに焦っているのが、ゴーレムの開けた穴から狙撃した後に内部に侵入した八雲である。
「鈴! ラウラはどこだ!?」
なぜ八雲が焦っているのか。そう、ラウラだ、ラウラが居ない。一夏が避難誘導しているのも、鈴が1人で応戦しているのもISのハイパーセンサーで確認できた。しかし、どこを見てもラウラが居ないのだ。
想定外のことが起こっていると認識した八雲の焦り方は尋常ではなく。人目を憚らずにラウラの安否を鈴に問う。
「ラウラは通路で無人機と戦闘中! 同じ黒い奴が2機――ってもう行っちゃった……」
鈴が通路と言った瞬間にはアリーナのシールドで電磁加速を行い爆速でピットに突入していった八雲。そんな八雲の様子と、アリーナに散らばっているゴーレムだったものを交互に見て、鈴はポツリと呟いた。
「愛の力って、凄いのね」
代表候補決定戦のあの結果を知っていて、その上ゴーレムと長時間1人でやりあった鈴だからこそ言える感想であった。
さて、場面変わってアリーナの通路。ラウラはシュヴァルツェア・レーゲンを展開してゴーレム2機と互角に戦闘を繰り広げていた。
5週間もの間、番である八雲との接触がほとんど消えた為に精神崩壊寸前の茫然自失状態であるのにも関わらずこの強さ、やっぱりラウラは最高だと思うんだ。
作者の個人的な感想は置いておいて。ラウラが2機相手に互角で戦闘をできているのは、場所が通路であるというのが大きいだろう。
AICとワイヤーブレード、そして大型レールカノンは進路が前後しかない直線状の通路では大きな力を発揮する。しかし、呆然自失状態であるためかラウラは攻撃を行わない。
故に、互角である。
まぁ、精神状態が良ければ攻撃するという選択肢を取り、一瞬で鎮圧できてたのだが……
ゴーレムがラウラにビームを放とうと腕を向ければ、ワイヤーブレードで逸らされAICで固定される。これの繰り返しでじんわりじんわりとゴーレムのシールドエネルギーが減っていく。泥試合というか塩試合というか……やる気って言うの大事なのだなと思う。
そんなやる気の無いラウラが通路の中央に移動した瞬間。空気の破裂する音と壁を銃弾が掠める音が通路に鳴り響く。ISのハイパーセンサーを用いても、全く同時に放たれたとしか認識できない6発の弾丸は、ラウラを避けて跳弾してゴーレム2機を貫く。
「あっ……」
目の前でAICと衝撃波によって粉微塵になるゴーレム2機。
ラウラは思考する、誰がやった? 紛れもなく八雲だ。どうしてやった? 私を守るためだ。そこまで考えたラウラは、脱力してレーゲンを解除しながら膝から崩れ落ちる。
「ラウラっ!!」
そして、番が崩れ落ちるのを見逃す八雲ではない。電磁加速で初速を稼ぎ、少し跳躍した瞬間にブリッツを解除。そのままの勢いで滑り込みセーフでラウラを抱きとめる。この際少し膝を痛めたのは言うまでもない。
「大丈夫か!? どこを怪我した!? 意識はしっかりしているか――!?」
急にラウラが倒れたものだから、声を荒げてラウラの無事を確認する八雲。そんな八雲の口を塞いだのはやはりラウラである。自身を抱きとめた八雲にそれはもう深く粘着質なキスをする。
5週間の空白を埋めるような、数分間に及ぶディープキス。もちろん八雲は誰かに見られたら(ラウラが)ヤバいと抵抗したが、残念なことにフィジカルで負けているため最初の30秒で完全に鎮圧される。
「ぷはっ――おい! ちょっと、ラウラ……ラウラ?」
「……そうだ、最初からこうすればよかったのだな」
「ちょ、ちょっとラウラさん? 上から退いてくれると有難いかなぁって……ちょっと待て脱がそうとするなっ! そして脱ぐなっ!?」
キスを終えた後、仰向けに押し倒された八雲に跨って、自身のISスーツと八雲のISスーツに手をかけるラウラ。抵抗しようにもマウントポジションを取られている上にフィジカルで負けているのでどうしようもない八雲。男として恥ずかしくないのだろうか。
パサリと落ちた眼帯に気付き、八雲がラウラの瞳を見ると、両の瞳が5週間前のあの日とは対照的に、爛々と輝いて見えた。
「なるほどね、ハイライトが消えてる時よりもハイライトが強い時の方がヤバいと……なんて言ってる場合じゃねぇんだよなぁ!? 落ち着けラウラ! 男が逆レされてるシーンなんて需要無いぞ!! いや、あるわ……でも俺には需要無いから止めろ!!」
「そうだ、そうだ、八雲が性犯罪者と言われるのなら、貶されるのなら、私も性犯罪者になれば良いんだ」
「トンデモ理論!? 敗戦寸前のヒトラーでもそこまで血迷ってなかったぞテメェ!?」
力だけでは抵抗できないのならと言葉での抵抗を合わせればよいのだ! と、八雲が必死に説得するが、残念なことに
残念なことにラウラにはもう正気は残っていない。5週間もの空白の期間は、八雲に深く依存するラウラにとってあまりにも長すぎたのだ。
「おい、おい! おいおいおいおいおいおい!! やめろ、本当にやめてくれ! こんなことをしたって何になるんだ!?」
「少なくとも、八雲と私が一緒に居られるようになるだろう?」
「断言するが絶対に無理だぞ!? なんかこう……多分絶対別の問題になる!!」
冷静に考えろ冷静に! と叫ぶ八雲をラウラは一切無視して、もう少しで八雲のISスーツが脱がせるというタイミング、そこで
『八雲! ラウラ! そっちに新しくISが3機!!』
「ふぁ!? うせやろこの状況で!?」
「……チッ」
鈴からの通信に舌打ちをして、八雲の上から退いてレーゲンを展開するラウラ。瞬間、通路に現れる3つの影。
「見つけた、2人目よ」
「出来れば殺さずに捕縛だけど……面倒臭いわね、殺しましょう」
「あの銀髪は?」
「殺していいでしょ」
おい、原作と違うぞクソ野郎、どうして人間が乗ってるISが居るんだクソ。そんなことを考えながら、ブリッツを展開しラウラを殺すと宣ったISに狙いをつける八雲。ガチ軍人と元軍人現エセ軍人だからか行動が早い。
そんな番に向けて先頭のISが引き金を引く。放たれた銃弾の半分を八雲が撃ち落とし、半分をラウラのAICが止めて、落とす。この2人が組んだら恐らく篠ノ之束でさえ倒せるのではないのだろうか。
というかダイス次第では勝てる(確信)。
「ヒューー! 俺達に実弾遠距離武器は無力だ、と思って頂けるかな? あと出来ればラウラのこと落ち着かせてくれない? ちょっと冷静じゃないみたいなんだよ、こういうのって同じ女の方が良いって言うじゃない?」
「ふざけるな!」
こんな状況でもユーモアを忘れない八雲にイラついたISが再び引き金を引く――直前に、ラウラを殺すと宣った一番後ろのISが、生身の
「ファッ!! 織斑先生ィッ!?」
IS用の刀を振り回し、2機目を壁に叩き付ける世界最強に驚愕する八雲。平然と、混乱している残りの1機に大型レールカノンをブチ込み撃墜するラウラ。明らかにリミッターを外している威力である。絶対に後で怒られるなぁ、俺も……と顔を覆う八雲。
「はぁ……何か嫌な予感がすると思って来てみれば。この前とは真逆な事が起きているとはな」
「ハーン? さては見てたな見てたんなら止めてくださいよ!?」
「いや、監視カメラを確認していた山田先生から聞いた」
「すんませんした!!」
45度の綺麗な謝罪を行う八雲。間違いを素直に認めるのは大事だからね、決して千冬が怖いわけではないのである。
ガチャリ、と音が鳴る。最初に斬り倒されたISは辛うじて意識とシールドエネルギーが残っていた。故に、手に持つライフルを発砲しようと震える腕を八雲に向ける。
しかし、鳴り響くのは【シュツルム・ファウスト】の銃声。相も変わらず1発しか撃っていないように見えるし聞こえるのに、しっかり6発の銃弾を叩きこまれたISは沈黙する。
そんな神技を披露しながらも平然と八雲は言う。
「それはそうと、織斑先生って本当に人間なんです? IS用の刀を振り回してISを鎮圧するなんて……」
「たった今IS用の銃を生身で連射したお前が言えることか?」
「うーん、ぐぅの音も出ない」
ヘラヘラと笑いながらブリッツを解除し、ゆっくりと後退りする八雲。
「それじゃ、帰りま――」
「逃がすと思うか?」
「Fickt euch!*2」
知らないのか? 魔王からは逃げられない。
ラウラは
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可愛い
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美しい
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両方