ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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ダイスと安価で展開を決めてるのに意外と原作と乖離しないなぁ……とか思ってたらヤバいことになりました(今回の話ではない)。

頑張るぞぉ!


第21話「ふむ、やはりコスタリカのコーヒーは旨い」

「……」

「……」

 

 一切の雑音を許さぬ無音の空間が俺の部屋に満ちている。俺の目の前に居るのはラウラではなく先ほど正体を見破ったシャルロット。滅茶苦茶気まずいです誰か助けて。

 

 さて、なんでこんなことになったのかを考えよう。そうだねクソ織斑先生の部屋決めのせいだね! 一生独身で孤独死すればいいのにあの女……これ、前世の俺に対する凄いブーメランだな。

 

「っと、待たせたな。デュノアはオレンジジュースで良かったか?」

「う、うん……アリガトウトザイマス」

「それで八雲と私はコーヒー……ああ、勿論八雲のはブラックだ」

「さんきゅ」

 

 こういう時はコーヒーを飲むに限る。あ~生き返る! やはりコスタリカコーヒーは旨い。あの辺の気候と土壌が良いのかな? あそこら辺は気温が高くて熱帯雨林があったはず……でも乾季はそこまで無かったはずだから熱帯モンスーン気候でファイナルアンサーだ。

 

 諸々が片付いたら答え合わせしよう。

 

「ふぅ……それで、もう一度確認するが本当にこの部屋に行けと言われたのか?」

「うん、山田先生に鍵も渡されたよ」

「だろうな、ピッキングの痕跡は残って無かったし……とりあえず、山田先生――いや、織斑先生に確認頼めるかラウラ」

「分かった、少し待っててくれ」

 

 ナチュラルに俺のポケットからスマホを取ったラウラが部屋の外に出る。ちょっと待ってあまりにも自然過ぎてスルーしかけてたけどなんで俺のスマホ持って行った?? お前のスマホにも織斑先生の連絡先あるの知ってるぞ? 何なら同じライ〇グループに入ってるだろ??

 

 冷静に考えて俺とラウラと織斑先生3人だけのライ〇グループクソ怖いな、退会したい。

 

「……これ俺が言う事じゃないかもしれないけどさ」

「な、なにかな?」

「クッソ気まずいよな、この状況」

「君のせいじゃないかな?」

「まずお前が男として入学してきたのが原因なんだよなぁ……マジでなんで男として入学したの? 見たところLGBTQ関連じゃなさそうだけども」

 

 思わず踏み込んだことを言ったけれど……まぁ、問題は無いだろう。俺が口外しなければ、と前に付くけども。まぁ、変に原作が拗れると真っ先に俺が死にそうだから口外はしない。今更な気もするけども、そこは気分の問題だ。

 

 それで、俺はしばらくぶりにラウラ以外の異性と2人きりなわけだが……いやぁ、恐らくこの後起こることを考えると精神がすり減る。俺ってばなんでこうもラウラ関連だとメンタル弱々になっちゃうんだろ。

 

 お互いそれぞれの飲み物を飲んで黙る空間。そろそろ耐え兼ねようかという時に扉が開く音がした。

 

「ただいま、織斑先生に確認を取ったぞ」

「おう結果を教えてくれ。あとスマホ返して」

 

 戻ってきたラウラに結果を聞きつつスマホを返すように催促する。おい、なんで無視してコーヒーを飲む……しかも俺のコーヒーを。いやん、間接キスなんて恥ずかし~い……ちょっと待って自分で想像したのにゲロ吐きそう。

 

「ああ、織斑先生からしっかりと部屋は間違っていないというお墨付きをもらった」

「まさかこんなに早く銃を使うことになるとは思わなかったぜ」

「ええ!?」

 

 ラウラの言葉に迷わず銃を取り出した俺に驚くシャルロット。すげぇな3秒で状況がカオスになったぞ。でも気にせずに行くわ。

 

「と言う訳で行ってくる」

「止めんか」

 

 覚悟を決めて立ち上がろうとしたところを一息に投げ飛ばされる。この投げ方はもしかしなくても普通に死ぬが? 上下が逆さまになった視界で相変わらず俺のコーヒーを飲むラウラと唖然としているシャルロットを見ながら溜息を吐く。

 

 それはそうと銃を持ってる人間から銃を取らずに投げ飛ばすのは暴発が怖いから止めた方が良いと思うの。俺じゃなきゃ暴発してたな間違いない。

 

「えぇっと……2人は仲が良いんだね?」

「まぁ、そうだな」

「ドイツからの付き合いだからね、俺ら」

 

 ドイツからの付き合いというか、ドイツからのお付き合いなんだけども……冷静に考えて5年付き合って体の関係が無いって滅茶苦茶プラトニックな関係だよな俺ら。

 

「それで、晴れて俺らは同居人になったわけらしいが……大丈夫か? 色んな意味で」

「……まぁ、学校が決めた事だから仕方がないんじゃない?」

 

 諦めたような口調で言う彼女に、一抹の申し訳なさを感じたが……別にいいや、どうせ一夏に救われ――あ(察し)。

 

 あのラッキースケベイベント起こらないやん……シャルロットの性別判明しないじゃん! ヤッベどうしよマジでどうしよ!

 

「やっぱ織斑先生に直談判しに行かなきゃ(鉛球をぶち込まなきゃ)!」

「どういう結論なのかな!?」

 

 ようやく投げられっぱなしの格好から立ち上がり部屋を出ようとドアノブに手をかけて、部屋を飛び出した。

 

 

 

================

 

 

 

「ね、ねえあれ本当に大丈夫なの!? あれってどう見ても実銃だったよ!?」

「ん? ああ、大丈夫だ。恐らく鎮圧されるし最悪でも相討ちだ」

「それ本当に最悪だね!?」

 

 自身のカップを手に取り、コーヒーを啜りながらラウラは言う。

 

「さてと……ここからは女と女の話し合いをしようじゃないか、シャルロット・デュノア」

「――何かな?」

「ふむ、その感情の切り替えは見事だな。見習いたいものだ……切実に」

 

 八雲との接触が断たれて精神を疲弊させていた自分を思い出したラウラは言う。

 

「っと、話が逸れたな。そうだそうだ、女と女の話し合いをしよう。と言っても実に簡単な内容だ、お前が何をしようと知ったことは無いが八雲には決して手を出すな」

「……それはどういう意味でかな?」

「言葉通りの意味だ」

 

 先程、シャルロットの感情の切り替えを羨んでいた時とは打って変わって、見られるだけで異様に冷たい氷が背筋に触れたかのような、そんな寒気を感じさせる目でラウラはシャルロットを見据えていた。

 

「……織斑君の方は?」

「好きにしろ、知らん」

「仲が良いように見えたけど、随分薄情なんだね?」

「別に好きでもない男の性癖が歪もうが知らないからな」

「……んん? ちょっと待って、性癖?」

 

 先程までシリアスな空気が流れていた部屋に、一転してどこか緩い空気が流れ始める。お察しの通りアンジャッシュ状態だったことにシャルロットが違和感を持ったのだ。

 

「何が不思議なのだ? 男装女子に言い寄られて性癖が歪むのは当然だろう」

「当然なのかなァ? というか言い寄るって何さ! いや、確かにボクの役割はハニートラップだけどさ?」

 

 まぁ、やりたくなかったんだけどとシャルロットは続ける。どうしてボクなんかにこんな重要な役目を任せたんだろうなぁ、とも彼女は考える。

 

 そこで、ふと当然の疑問が浮かんだ。当然のようにスルーしていたが、なぜラウラは自分が八雲に言い寄って欲しくないと思ったのだろうかと。さらに言えば、ラウラの口調からして言い寄る以外のことは別にどうでも良いと思っている節もある。

 

 生憎彼女は訓練など受けていない思春期の女子。そういったことへの好奇心は当然持ち合わせている。

 

「……それで、どうして八重之君に言い寄られたくないの?」

「それは、私達が番だからだ」

 

 ピシリと音が聞こえたのではないかと錯覚するほどに、シャルロットの動きが停止する。何なら心臓まで止まってるかもしれない。

 

 番、ツガイ、つがい……日本の言葉で対になるものを表す言葉。単純に対になる物品を表すこともあるが、主に夫婦やカップル――それも動物の――を表す言葉だったはずだ。

 

「……Sérieusement?*1 番って……couple marié*2――いや、ドイツ語だと……Ehepaar?*3

「Das ist richtig*4……これで質問には答えただろう。それで、八雲には手を出さないと誓えるか?」

 

 さも当然といった具合に自分と八雲が夫婦なのだと言ってのけて微笑むラウラに、もはや一種の畏敬の念を覚えるレベルのシャルロット。

 

 なお、2人は日本で言う婚約段階なのでまだ夫婦ではない、よってラウラは大噓つきなのだがそんな事をシャルロットが知る由は無い。少なくとも今は。

 

「いやぁ、別に恋愛的にあれこれってつもりはないし……ちなみにだけど遺伝子を採取したり機体のデータを盗んだりするのは?」

「別に、好きにすればいいのではないか? 無駄だが」

「む、無駄って……」

「遺伝子はともかく、機体に関しては本当に無駄だからな」

 

 どこか遠い目で語るラウラに、どうしてなのかとシャルロットは問う。そうすれば、問われたのだから答えねばなるまいとラウラは口を開いた。

 

「まず、パッケージが無ければ飛行することが出来ない欠陥機がベース。適性が無い故に普通に盾として使うしかない無駄にデカいシールドビット。かの戦艦大和を超えるオーバースペックな重装甲……強いて言うなら電磁加速装置くらいか? マトモな第3世代武装は」

「ええ……あ、でもドイツ秘蔵のAICが搭載されてるって聞いたんだけど――」

「――使い勝手は最悪だがな。なんせ銃弾が相手に命中した瞬間に強く思わなければ発動しない上に効力は6発でようやく私のレーゲンに搭載されているAICと同等程度……あれはもう八雲以外は扱えない専用装備だな」

 

 そこまでボロクソに言うことはあるのだろうか。もしここにそのISがあればきっと泣いていることだろう……ISに悲しいという感情があるのかはわからないが。

 

「さてと、そろそろだな」

「そろそろって――」

 

 ラウラがコーヒーを手に取った瞬間、寮に銃声が鳴り響く。あっという間に部屋の窓から見えるグラウンドや、周囲の部屋や廊下が騒がしくなる。

 

 恐怖に慄く悲鳴、状況を理解できていないであろう声。様々な音が渦巻く中で、ラウラは優雅にコーヒーを飲み終えた。

 

「ふむ、やはりコスタリカのコーヒーは旨い」

*1
マジで?

*2
夫婦

*3
夫婦ってコト?

*4
その通りだ

ラウラは

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