ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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第22話「エラーを吐くなら早めに吐け」

「おーおー、授業をサボるなんて悪い子ちゃんが居たもんだ」

「……おはよう」

 

 朝を少し過ぎたくらいの……大体3時限目くらいの時間。格納庫の端の方で何時ぞやのように簪に話しかける。こんなキザなセリフで話しかけた事は……多分あったな、俺のことだし。 

 

「進捗どうですか~プロフェッサー?」

「やめて……それに、授業をサボってるのは貴方もでしょ?」

「ぐうの音も出ねぇや」

 

 よっこらせ、と近くに転がっていたパイプ椅子を組み立てて座る。この座る瞬間にぶっ壊れてしまいそうな不安感がたまらねぇぜ。

 

「進捗はどんなもんだ?」

「スラスターとPIC周りは殆ど終わった、後は武器系統だけ」

「そうかそうか。武器周りは残念ながら専門外だから何とも言えない……近接戦闘機能ないしね、俺のIS」

 

 何度考え直してもとんでもないクソ機体である。ゲームのネタ機体の方がマシってどうなのだろうか。国連がこんなクソ機体を送って来るとかやっぱこの世界終わってるな。

 

 まぁ、元はドイツ製なんですけどねお客さん。そう考えると納得の性能かもしれないな……兵器に関してはなかなかの変態だし、ドイツって。

 

「逆にどうしてそこまでスラスターとPIC……特にスラスターにそんなに詳しいの?」

「(前世で)勉強したからに決まってるだろ」 

 

 演習中に目の前でフラットスピンを起こしたF-14を見たからね。ガチで怖かったよあれマジで本当にクソ怖かったよ。見てたから分かるけど横のGで意識が飛んで脱出すらできない訳だからな。スピンし始める前のパイロットの悲鳴と、落ちるまで大声で呼びかけてた無線は未だに鮮明に思い出せる。 

 

 そんな事あったら勉強するしかないじゃないか。役に立たないと分かっていても、知らないで死ぬよりは知ってて死ぬ方がまだマシだし。

 

「……簪は、スラスター関連で死なないでくれよ。特にラウラの前で」

「別に、死にたくないから事故でも起きない限り死なない」

「そりゃあ良い。安心して寝れるぜ」 

 

 別に俺は簪が死のうがちょいと悲しいなァ程度で済むが、ラウラの方はそうは行かないだろうし。

 

「……本当にどこまでもラウラを大事にするんだね」

「お、分かる?」

「アレ見たら誰でも解ると思う」

「へぇ……解るんだぁ」

 

 アレ、と言われて何のことだかと一瞬悩んだがどう考えてもあの3人組を撃った事だろうなと思い至る。確かにラウラについて言われた瞬間自分でも無意識に発砲してましたわ。ウソ、俺ってばラウラのこと大好きすぎ?

 

「普通は殴るくらいで終わりだよ……なのに撃つなんて」

「あ~……殴るより得意だからね、撃つ方が」

「もうそこからおかしい」

 

 まぁ、普通は殴る方が得意だもんね。俺は……ほら、ひ弱だからさ。ちょっとコンマ0秒で同じ点にほぼ同時に銃弾を撃ち込むくらいしかできないですねぇ……ひ弱だから!

 

「まぁ、それなら簪も同じだろ。あの時自分もあんな事になってたら撃ってたとか言ってたじゃないか」

「だから解るんだよ」

「納得した顔しておくぜ」

 

 スタンド使いとスタンド使いは惹かれ合うとかなんとかってやつだな。日本だと類は友を呼ぶとかなんとか。

 

 くだらない雑談をしながらも簪はキーボードを叩いてコードを書き、俺はそれを見て粗探しをする。スラスター以外は専門外だが解らないとは言ってないからな。言ってたとしても言ってない。

 

 とは言っても大した粗は見つからず、たまに指摘するだけの詰まらない時間が流れる。

 

「そういえば、どうして授業サボったの?」

「先生を撃った」

「……昨晩のアレ?」

「そそ、顔面狙ったんだけどちょっと躊躇しちゃって返り討ちになっちゃった」

 

 ピタッっと簪の動きが止まって錆びたギアのようにこちらを振り返る。

 

「うわっ……」

「”うわっ”とはなんだ”うわっ”とは」

 

 簪の瞳に反射した目以外が包帯に覆われて、サングラスを着けた男が不満げに言う。まぁ、紛れも無く俺である。我ながらイケてるねぇ、クソがよシネカスクソ行き遅れブリュンヒルデ。

 

 全く……ちょっと顔面に銃弾ぶち込もうとしたくらいで可愛い生徒をボコボコにしやがってよ。元はと言えばテメェが俺とシャルロットを同室にしたからこうなってんだぞクソが。

 

「うわぁ……」

「言語能力失ったんかお前」

「だって……こう、怨念を感じるから」

 

 織斑先生への怨念はたっぷりあるぞ。今なら怨念だけであの人に腰痛を付与できそうだ。俺が平将門だったら呪い殺せたのになぁ……。

 

「それで、授業に出るのを禁止されちゃったの?」

「いや、別に。腹立つから中指立てて教室から逃げてきた」

「ロックだ……」

 

 個人的にはロックはあまり好かないんだけどね。

 

「……あ、ラウラは?」

「俺の帽子被せてきたから昼休みまでは持つ……んじゃないかなぁ。多分恐らくmaybe」

「なんでメイビーの発音がそんなに滑らかなの……?」

「ドイツ人だからな」

「メイビーは英語でしょ」

「困った、テキトー言ってたのがバレた」

「心配しなくても貴方とある程度関りがあれば解る」

 

 こりゃ手厳しいねぇ、と笑って。ふと倉庫の入り口を見る。

 

 どうやら俺達以外にも授業をサボっている悪い子が居るようだ。まぁ、状況的に簪の姉の……なんだっけ、刀奈とかそんな感じの名前の子だろう。ご丁寧に気配を隠してこちらを監視しているから見て来ている方向は解るが、ピンポイントで何処に居るかはわからない。

 

 俺が偶然たまたま銃を握って居なければ気付かなかっただろう。

 

「……あれ、エラーが出た」

「見せてくれ!」

「そんなニッコニコで来ないで……顔見えないけど声色で分かる」

 

 しょうがないだろ。人のミスを指摘するのは楽しいんだから。エラーを吐いたのは脚部……いや、なんか他の部分もエラー吐いてるな。

 

 ふむ、腕の動作域と体が若干重なってるのが原因だな。そっからPICと近接戦闘関連のやつを巻き込んで……脚部の方にも影響が出たか。クッソめんどくさいぞこれ。

 

「簪、悪いニュースがある」

「……言って」

「腕の動作域設定からやり直し♡」

「ウソダドンドコドーン!!」

 

 俺のキッショイ声か、これから始まるデスマーチ。そのどちらかに対して奇怪な悲鳴を上げた簪。日本のどこかの方言かな? 青森とかその辺の。

 

「うう……もっと早くエラーを出してよ……」

「一旦休憩した方が良いぞ。こういう時にやると絶対にまたやらかす。ソースは俺とクソ両親」

 

 思い返せばくぁwせdrftgyふじこlp

 

「イヤナコトヲオモイダシカケタ」

 

 泣きそう……というか多分泣いてる。40歳で徹夜は本当に辛いんだよォッ!!

 

 こんな感じで2人揃ってダメージを負い。2人揃ってドンヨリとした雰囲気のまま。2人揃って一言も発さずに休憩を始めた。ナードしか居ねぇぞこの空間。

ラウラは

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