ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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第25話「あーあ! 俺もビットが使えたらなァ!!」

 往々にして、バトル漫画の修行パートは人気が出ないものである。そりゃあそうだ、俺たち読者が求めるのは圧倒的悪とそれに対する解放のカタルシスであって、その道中ではない。

 

 だが、実際には修行パートこそが最も大切なのだと俺は思う。力なくして勝利はありえないからな。

 

「だからと言って近接戦闘システムがない機体で近接訓練をさせるなァッ!!」

「ゴタゴタ言うな! 次は2本だ!!」

「ほわああああああああああああああああ!?」

 

 俺のIS唯一の近接武器であるムラマサブレードを振り回して全方位から襲い来るレーゲンのワイヤーブレードを切り払う。先ほども言ったが俺の機体、ブリッツには近接戦闘関連のシステムが搭載されていないので攻撃はすべてマニュアル操作だ。

 

 つまり少しでも操作を誤れば腕が曲がらない方向に曲がってしまう訳だ。デスゲームかよ。

 

 脳内で悪態をつきながらも体は驚異に対して反応する。右上左からの下……ってな感じで、ある程度の間隔があるにしても普通にマジの勢いでこっちを貫こうとするワイヤーブレードを切り払う。良いなぁこういう武器……なんでブリッツにはクソ兵装しか搭載されてないんだろうなぁ。

 

「あーあ! 俺もビットが使えたらなァ!!」

「使えばいいだろう?」

「カタツムリよりも遅い無駄にでかいシールドビットなんて普通に盾として使ったほうが効率良いわハゲ!!」

「誰がハゲだ!!」

「知らねぇよォッ!!」

 

 先ほどよりも勢いを増したワイヤーブレードを切り払いながら叫ぶ。

 

「3本だ!」

「ラウラの鬼! 小悪魔!!」

 

 3本になったことで遂に殆ど攻撃の間隔がゼロになった。それで勢いはそのままなんだからふざけんじゃねぇよマジで。

 

 ハイパーセンサーで全方位のワイヤーブレードを常に注視して、こちらに向かってきたものを切り払うだけの作業。ただ、普通の人間は全方位を見れる視界なんて無いので、長くこんなことをしていると普通に頭がおかしくなりそうになる。

 

 殆ど無くなっていた間隔が、さらに短縮されて殆ど同時にワイヤーブレードが連続で襲い来る。流石にそれら全てを切り払うのは化け物(織斑千冬)でもないと無理だから回避も加える。

 

「4本!!」

「ふぁあああああああああああああ!?」

 

 

 

================

 

 

 

 近接戦闘において八雲は弱い。これはIS学園に入学する前の軍での訓練で判明していたことだ。

 

 弱いとは言っても才能はあるし筋も良い、適正もあるし技術もある。ただ体が柔らかすぎる。何回冷静に考えても肘や膝が逆側に180度曲がるのはおかしいと私は思う。

 

 その柔らかさ故に日本の柔道等の関節技が全く意味をなさないが、代わりに攻めの威力が絶望的に低い。

 

 もうあれはISに乗ってもどうしようも無いというのが我々ドイツ軍の総意なので、攻めに関しては諦める。その代わり、守りに関しては織斑先生を相手にできるくらいにはなって貰う。

 

 実際、逃げに関しては他の追随を許さないのだから、それに守りの戦闘技術が合わされば行けるはずだ。

 

 そう思ってこの訓練を始めたのだが――

 

「まさか、逃げ無しでここまで対応してくるとはな」

 

 我が番ながら誇らしい。今すぐ抱きしめてどこがどうすごいかとか色々言いたい。

 

 けれども今の私はドイツ軍少佐のラウラ・ボーデヴィッヒ、そのような姿は見せられない。八雲には悪いが織斑先生式のスパルタ訓練で行かせて貰う。タッグマッチまでには4分の3織斑先生レベルまでなら守り切れるようにしてやろう。

 

「4本!!」

「ふぁあああああああああああああ!?」

 

 八雲は奇怪な声で叫びながら4本のワイヤーブレードを切り払い、躱し、叩き落す。すでに代表候補生並みの守りの力はあるだろう。多分私よりもある。

 

 全く同時に3本を向かわせ、その迎撃後の隙に残りの1本を叩きこむ。すると、2本を切り払い、1本をクルリと回って回避して、その回避後を狙った1本は蹴り飛ばされる。

 

「スッゾコラアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

「……すごい」

 

 今の攻防で刀だけでは無理だと悟ったのだろう。シールドエネルギーが削れるのも厭わずに足でワイヤーブレードを逸らし始める。いや、装甲部分で滑らせているからシールドエネルギーには全く影響が出ていないな……こういう時全身装甲のアドバンテージが分かるな。

 

 まぁ、部分装甲のISにも普通は手の部分に装甲があるから全身装甲のアドバンテージというわけではないが。やっぱりあの量の装甲はいらないと思う。理論上は日本の戦艦ヤマトの主砲一斉射を耐えられる(搭乗者は運が良くて重症)らしいし……やっぱり過剰だと思う。

 

 等と考えながらもワイヤーブレードで八雲を狙い続ける。無意識でここまで動かせるようになったのは今回の私側の収穫だな。

 

 ワイヤーブレードを全て引っ込めて八雲に近づく。肩で息をしているがまだまだ行けそうなのはやはり素質があるからだろう。

 

「やっと……終わり……?」

「ああ、今日のところは終わりだ」

「やったぜーーーーッ!!!! 俺は自由だァあああああああッ!!」

 

 八雲が両腕を上げて、空中でグルグルと高速回転して喜ぶ。キツかったのは解るが、ここまで喜ばれるとモヤモヤする。

 

 まぁ、明日デートの予定だからそんなことは気にしないでやるが。私は出来た番だからな、番の軽い失言くらいなら見逃してやろう。

 

 ……やっぱりちょっと許せないので回転している八雲の脇腹にワイヤーブレードを叩きこんでおく。

 

「不意打ちィッ!?」

 

 あ、墜落した。

 

 

 

============

 

 

 

「あ~一晩経っても腰が痛い」

 

 トントンと腰を叩いてマッサージする。ちょっとマシになったかなぁ……なんて考えるが、普通に考えてそんな訳が無い。

 

 いやぁ、マジで腰が痛い。こんなに痛くなったのは前世ぶりだよ本当に。確か……50歳のころに相棒の娘ちゃんの突撃を腰に受けてヤバい音が鳴ったと思ったら激痛で死にかけたんだよな。いやぁ、あの時の俺は娘ちゃんにバレないように振舞えたのは俺マジで凄い、頑張った。

 

 ふと、腕時計を見ると待ち合わせの時間まであと5分といったところだった。正直一緒に学園から出かければいいと思うのだが、ラウラが待ち合わせもデートの醍醐味と言っていたので大人しく先に出てきた。

 

 まぁね、こうして今日のラウラはどんな格好で来るのだろうかなんて考えながら待つ時間は悪くはないから、別に文句は無いしな。

 

「ラウラはどんな格好で来るんだろうなァ……」

 

 個人的には白いワンピースのような清楚な服装がドストライクなのでそこら辺で来てほしい。というか多分そこら辺で来るだろう。俺が清楚な服が好きってことバレてるし。

 

 改めて考えるとラウラは俺の性癖とか好みとか諸々を把握してるからもうなんか勝てる気がしない。ぶっちゃけ卒業まで理性が持つ気もしない。でも、せめて……せめて個人的な収入が得れるようになるまでは手を出さない――!!

 

「――八雲」

 

 ふと耳元で名前を呼ばれて、反射的に振り返る。

 

 太陽のような笑顔で、白いワンピースに黒のカーディガンを羽織ったラウラが立っていた。先ほどまで俺の顔の横に頭があったからなのだろう、鼻から息を吸うと彼女の使うシャンプーと彼女自身の香りが混ざった匂いがする。

 

 やっぱり、耐えられないかもしれない。

ラウラは

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