ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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第26話「悔しいから昼食は激辛料理屋にしてやろ」

 率直に言うと、白いワンピースを着たラウラはでたらめに可愛い。だってそうだろう? 銀の長髪を風に靡かせ、ワンピースのスカート部分も穏やかに揺れる。しかも紅と琥珀の瞳と目が合えば、ニッコリと笑ってくれる。

 

 これはもう戦略兵器だと思うよ俺ァ。

 

 そんなラウラと手をつなぎながら歩くんだから俺はもう世界で一番幸せだ。

 

「あいかわらず、八雲は代り映えしないな」

「悪かったな、私服がスーツで」

 

 まぁ、体格とか諸々考えると黒スーツが安パイなんだよ。あと厄介な虫ケラ除けにもなる。男も女も今の時代マジで厄介な奴は厄介だからな。

 

「まぁでも、スーツの俺はカッコいいだろ?」

「……それは、そうだが。やっぱり私もいろんな八雲を見てみ――よし、今日は八雲の服を買いに行こう」

「オーケー、お嬢様の仰せのままに」

 

 はい、デートプラン崩壊RTAタイマーストップ。ぶっつけ本番の即興デートの始まりじゃい! こういう青春っぽいことを、前世の学生時代に経験したかったな(遠い目)。

 

 前世の青春を今世で取り戻そうなんて思ったわけではないが。ここ最近結構青春している気がする。まぁ、前世もかなり青春していた気がしなくもないけど。

 

 今日は少し遠めのショッピングモールに行く予定だったので、大まかな予定に変更はいらないだろう。リカバリー出来るようにしてて偉いぞ、3日前の俺。

 

 さて、そんなことを考えていると暖かい風が正面から吹き込んでくる。ビル風というやつだろうか。

 

 ふと横を見れば、先ほどよりも強くラウラの髪が靡く。なんというか、不適切な表現なんだろうが……あの日、俺が正真正銘子供のころに見た吹き流しを思い出した。

 

「ん……良い気候だな」

「そうだな。今日の最高気温は28度らしいし、真昼間以外なら涼しく過ごせそうだ。それはそうとして花粉は滅びろ」

 

 今朝確認した今日の諸々の予報を思い出して思わず暴言を吐く。

 

 俺がマスクとサングラスを手放せないのは顔の火傷以上に花粉のせいだ。マジで花粉症どうにかしたいのにどうにもならないの本当にゴミ。人造人間作るくらいなら花粉症を人類から根絶してくれ。

 

 花粉を意識したことにより目と鼻が痒くなってクシャミをしてしまう俺を見て、ラウラは小さく笑う。お前――それは酷いぞ、マジで。そんなんされたら俺愛想尽かしちゃ――

 

八雲……?

「すまん愛想尽かしたりしないから泣かないでくれ。ちょっと真面目に俺が誘拐犯に見られちゃうから」

 

 周囲の目が痛い。ここが目込みの世界だったら今頃俺は糸にまかれて逆さに吊られているだろう。あーもうほら、嫌いになんてならないから、な? とラウラを抱き上げて横抱きにする。

 

 あー周囲の視線が痛い。

 

「軽率にそんなことを考えないで……」

「はいはい、ごめんな。それはそうとしてマジでエスパーなの? 俺、完璧なポーカーフェイスしてたと思うんだけど」

「八雲はわからないのか?」

 

 俺に横抱きにされたラウラの顔を見る。そして、ラウラの頬にキスをする。

 

「キスして欲しい……だろ?」

「正しくは口にキスして欲しい、だな」

「……さてはお前ウソ泣きだな?」

 

 俺がそう口にした瞬間、ラウラは俺の手から逃げ出す。次はラウラがなんて考えているか完全にわかるぞ。

 

「「バレたか」だろ?」

「正解だ」

「止めてくれよ、心臓に悪い」

 

 太陽のような笑顔でラウラは笑う。原作の彼女はこんなことは絶対にしないだろう。やはり、俺の存在で彼女は大いに歪んでしまったようだ。

 

 俺だけのラウラ、可愛いな。

 

「ほら、早く行くぞ八雲」

「はぁ……お前は目的地知らないだろ?」

「そうだな、だから早く行こう」

「はいはい」

 

 ラウラのもとに駆け寄って、再び手を繋ぐ。

 

 ……暖かいなぁ。

 

 

 

================

 

 

 

 初めて来たショッピングモールは、休日だからか混んでいた。といっても某テーマパークのような絶望的な混み具合ではない。

 

 そうだな……所々に設置してあるベンチに嫁か彼女の買い物が終わるまで待っているのであろう男達が座りながらスマホをいじっているくらいだ。買い物時間が短いラウラの番である俺には縁が無いな。

 

 ラウラに手を引かれてモールの地図の前に立つ。

 

「ふむ……ユニクロがあるな。とりあえずここから回るとしよう」

「複数店回る感じなのか……」

 

 服なんて着れればいいじゃないか。スーツで良いじゃないか。

 

 そんな俺の考えを知ってか知らずかラウラは俺の腕を引いてショッピングモールの中を進む。知ってか知らずかとは言ったが絶対知ってるな、俺にだけエスパーだし。

 

「別にエスパーという程でもないが?」

「じゃあなんで分かるんだ……」

「番だからな」

 

 いや、その理論だと俺がラウラの思考を読めない理由が――まぁ、確かにラウラが考えてることはなんとなく分かるけどさ。でも流石に考えてる単語までは分からないからな?

 

 そんな俺の思考も見透かしているだろうラウラは、少し笑って変わらず俺の腕を引く。なんか……ラウラだけ俺の考えを読めるってのは不公平を感じる。

 

 2分ほど歩くと、我らがユニクロに到着した。まぁ、俺は行ったことないんだけど。つまりこれが俺にとっての初ユニクロってワケだ。

 

「さてと……八雲にはどんな服が似合うだろうか」

「スーツとか良いと思うんだが?」

「フォーマルな雰囲気の服が良さそうだな。少し待っていてくれ」

「あれ~? 無視~?」

 

 俺を何らかの武術で座らせたラウラはユニクロの中へ消えていく。なんで手を握られただけで俺は座らせられたんだ……? 渋川剛気のあれか??

 

 どういう原理で無理やり座らせられたかが全く分からないため釈然としないが、待てと言われたので大人しく待つことにする。先ほども言ったがラウラは買い物にあまり時間をかけない。5分も待てば長い方だ。

 

 だから、よくある恋人や妻の買い物を待つ男の気分なんて味わう心配は無いのだ。

 

「……って、思ってた時期が俺にもありましたよ」

 

 遅い。あまりにも遅すぎる。なんやかんや30分くらい待っている。

 

 おかしいなぁ、ラウラの買い物ってこんなに長くないはずなんだけどなぁ。3分で10着くらい買うもんなぁ。1着18秒で買うの決められるってラウラ凄くない? なんかコツとかあるのかな。

 

 そんな事を考えて時間を潰すが、やはりラウラは戻ってこない。なんか問題でも起こしたのかなと心配になってきた。

 

「って心配したころに帰って来たよ」

 

 ナンパしてきた男の指をへし折ったとかそういう問題起こしてないかを本気で心配しかけたところでユニクロの袋を持ったラウラがユニクロから出て来た。

 

 さて、今この瞬間に2歳年下で身長が下の彼女から服を買ってもらう17歳(高1)の男という絵面が生まれたわけですが……どうすれば私の尊厳を回復できますか? え、俺クズ男じゃん、どうすれば良いん?

 

「まぁ、確かに八雲はクズだな。性根腐ってるし」

「帰って来て早々罵倒とか俺の事嫌いなん?」

「大好きだが?」

「んんッ!?」

 

 ちょっと余りにも真っ直ぐ大好きと言われてしまったので思わず照れてしまう。うへ~動いてないのに暑い……。

 

 流石に周囲の視線が気になってきたのでラウラの手を引いてユニクロの前から離れる。うるせぇごちそうさまじゃねえぞそこのカップル! 末永く幸せになァ!!

 

「性根は腐ってるのに、性格は良いから困る」

「何か言いましたかねラウラさん……!?」

「いいや、何も? それで、私の手を取ってどこに連れて行くんだ?」

 

 ニヤニヤしているラウラに少しイラッとしながら、「そろそろ良い時間だから昼食にしよう」とラウラに言う。俺の感情を見透かしたのであろうラウラは、大人しく分かったと言って俺に行き先を委ねた。

 

 あ~……なんでこんなに今日の俺は余裕が無いんだ。クッソ色々と悔しいから昼食は激辛料理屋にしてやろ。

ラウラは

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