ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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第28話「敵を倒すまでが遠足だ」

 アリーナのど真ん中で、ブリッツを展開した八雲が舞うようにして地上を駆ける。

 

「何と言うか……速すぎではありませんこと?」

「ああ、俺の白式でも追いつけるかどうか分からないレベルで速い――うおっ、なんだあの動きキモいな……」

 

 ケラウノスを展開していない状態のブリッツは、その重厚かつ複雑な装甲を持った状態で姿勢を崩さないようにPICがフル稼働している。故にケラウノスに搭載された追加PICが無ければ飛行は不可能だ。

 

 しかし、ブリッツ自体にスラスターが搭載されていない訳ではない。何ならこの学園に存在するどのISよりも大推力のスラスターが搭載されている。具体的に言えば追加装甲(バカの産物)を3つ展開した状態で白式の80%くらいの速度で地上を移動できる。

 

 そんなバカ推力なスラスターを追加装甲無しの状態で使用しているのだから…まぁ、気持ちの悪い機動になる。

 

「何と言うか……見ているだけで眩暈がしますわね」

「平衡感覚どうなってるんだ八雲先輩……」

 

 そんな八雲を見てドン引きしている専用機持ちの2人。箒は剣道部の練習で鈴音は本国からの用事で今日は居ないらしい。つまりセシリアにはライバルがいない状態というわけだ。私も先人としてこれを機に進展することを願っている。

 

「あの動きもラウラが教えたのか?」

「酷い風評被害だな、訴えたら勝てるレベルだぞ」

「では独学であの動きを……?」

「才能、だろうな」

 

 瞬時加速中に瞬時加速を行いつつ180度ターンをして進行方向を変えた八雲を見ながらそんなことを考える。八雲は飛ぶことを好むが、正直飛ばずに地上からリボルバーを打ち込んでいた方が強いと思う。

 

 というか間違いなく強い。織斑先生にも勝てるレベルで強い。

 

「おかしな拘りが無ければなぁ……そういう所が好きなんだが」

「自然に惚気ないでくださいます?」

 

 良いだろう別に。こうして大っぴらに惚気られるようになったのはつい最近なんだから。本当になんと言うべきか、八雲は過剰なまでに私を大事にする癖があるからな。また何かキッカケがあれば私を遠ざけようとする可能性は十分ある。

 

 そうなったときの対処法はこの前のあれで学んだから問題は無いんだがな。番の面倒臭い所くらい対処できるようにならなくてどうすると言うんだ。

 

 相変わらずノールックで置きエイムしながら亜音速で動き回っている八雲から目を逸らして時間を確認しておく。そろそろ休憩時間を挟まなければならない。

 

「今度、八雲先輩に地上での機動教えてもらうか」

「使う機会があれば良いですけど……ISが地を這うなんて嫌な予感しかしないのでご免ですわ」

「違いないな」

 

 いつも通り2丁拳銃で銃弾と銃弾をぶつけて全方位攻撃を行う八雲を見ながら、あんな戦い方を強制される世界は嫌だなと言葉を交わす。八雲のやっていたゲームに出て来たな、100㎞先の戦闘機をレーザーで撃墜する化け物……なんだったか。

 

 ブザーが鳴り、標的だった物が全て撤収される。命中率は100%、全て標的のど真ん中に命中している。八雲にとっては当たり前のことだが、八雲と同じく射撃を主体とするセシリアからしてみれば自身の腕との差に吐き気すら催す結果だろう。

 

 私もドイツに居た時に本気で勝負して負けた時は……うん、自信を無くした。こっちは高レートのアサルトライフルを使って居るのにそれに対してリボルバー1丁で圧倒しないで欲しい。

 

「さて、それじゃあ私はそろそろ八雲を襲撃する時間だから行ってくる」

「ラウラってザ・鬼軍曹って感じだな……」

「私は少佐だぞ、一夏」

 

 トンっと飛び降りながらISを展開してそのまま八雲にワイヤーブレードを撃ち込む。無論、銃を使うことを禁止していなかったためにそれら全てがAICによって強制停止させられる。

 

 やはり銃を使える状態の八雲相手では若干分が悪い。今も私の頭を正確に射貫く軌道で飛んでくる銃弾をAICで止めながらそんなことを考える。

 

「一息くらいつかせてくれよ」

「本気で鍛えろと言ったのはそっちだろう?」

 

 ワイヤーブレードを半ば強引に巻き取って回収。八雲がリロードをするタイミングで瞬時加速を用いて地上を滑るようにして吶喊する。

 

 八雲の扱うAICは私のとは違い持続時間が短く効果も薄い。しかし、1発でも当たってしまえばこちらの動きは阻害され、そんな事になれば八雲程の腕前でなくてもすぐさま全身ハチの巣にされてしまう。

 

 しかし、避けない。向かって来る弾丸を全てこちらのAICで無力化して真正面から最短距離で殴る。これが地上戦における八雲攻略への最短経路。

 

「全く相性が悪いぜクソが!」

「その相性でくらいついて来るお前も大概だがなッ!」

「褒めて貰えて光栄だぜブチ落とすッ!」

 

 吶喊する私を迎撃するために撃ち切った分のリロードを終わらせた八雲が一切の狙いを付けないデタラメに6連射を行う。

 

 その瞬間、削られるようにしてレーゲンのスラスターが半壊した。

 

 即座に足と腕を使い獣のように4つの点で着地。即座にレールカノンで八雲を牽制しようとするが遅れて着弾した弾丸によってそれは叶わない。

 

「チェックメイトだ、これでようやく俺は休憩時間を勝ち取れたって訳だな?」

「ああ、合格点だ」

 

 八雲によって制御されていたAICが解かれる。損傷もそこそこ重い事だしと私がレーゲンを引っ込めれば八雲もブリッツを引っ込めてこちらへと歩いて来る。よし、油断しているな。

 

 さて、あの油断している大馬鹿野郎を昼食の前に一発投げ飛ばしてやろう。

ラウラは

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