ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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第5話「圧倒的実力差」

 負けだ。

 

 途中までは良い線行ってたと思ったが、圧倒的な経験と実力の差は覆せなかった。いやぁ、言い訳のしようが無いほどに実力差があり過ぎる。良くもまぁ3割もラウラのシールドエネルギーを削れたものだ。俺ってば天才!

 

 それにしても、女って言うのは酷い生き物だな。俺達が奮戦してる間は黙ってた癖に俺がやられた瞬間に大歓声である。

 

 しかも、ヒソヒソと「織斑くんは凄い! 流石千冬様の弟!」とか言っているのに、俺に対しては「ドイツ軍で訓練を受けてたのにあんなあっさり落ちるなんて、ザッコ」とか言っているのである。

 

 ブリッツちゃんさ、気をきかせてハイパーセンサーの感度を落とすとかしようよ。俺じゃなければメンタルが死んでたよ?

 

 というかこの距離でもハッキリ聞こえるハイパーセンサーすげぇ。篠ノ之束博士って本当に偉大! でも天災ウサギなんだよなぁ……残念。

 

「八雲先輩……」

 

 と、声をかけてきたのは悲痛な顔の一夏……ああ、そうだよな。俺が聞こえるんだからお前も聞こえるよな。お前は正義感が強くて、優しい奴だから、自分が先に落ちたのに、俺がこんな風に言われてるのは気に喰わないんだろう。

 

「いやぁ、事実過ぎて何も言えねぇや。ほれ、一夏戻ろうぜ……あ、戦闘技術は返しとくぞ」

 

 お前は気にすんな、とバシバシと一夏の背中を叩いて励ます。俺に近接技術吸われててもあそこまで粘ったんだから誇れ誇れ。胸を張って良いんだぞ、男として。

 

 そもそも、ISに乗れた時点で他の男の出来なかった事を成し遂げまくってるんだから気に追うことは無い。

 

「先輩……俺からしたら、途中2回も優位に立つだけで凄いと思う」

「慰めてくれるのか? ありがとよ」

「八雲先輩に素直に感謝されるとゾワッとする」

「前言撤回、一回殴らせろ先に落ちやがって」

 

 いやぁ、俺ってば今凄い青春してるわ。いや、ラウラと番になれてる時点でもう青春が人の形をしたのが俺だ! と言えるレベルだが……あれだよ、男の友情ってやつだ。

 

 さてと、ハイパーセンサーでラウラの様子を伺う。アイツのことだからアリーナ席に向かってレールカノンをぶちかますくらいやりかねないからな……とんでもねぇ奴だなそう考えると。

 

「……セーフか」

 

 怒りのオーラが可視化できそうなほどには激おこぷんぷん丸だが、冷静ではあるようだ。いやぁ、良かった。こんなことでラウラとクラスメイトの間に亀裂が入ったりしたら罪悪感でハゲるわ。

 

 さてと、この後はラウラとセシリアの試合だろうから、番としてラウラの見送りをしよう。

 

 

 

================

 

 

 

「やっほ~お疲れラウラ」

「……八雲」

「あらぁ~眉間にしわが寄っちゃってるね……俺のことは気にすんな、そういうものだし、ノーダメージだから」

 

 HAHAHAと笑って言う。実際大してメンタルに来てないので気にしないで欲しい。それよりも未だに一夏が俺に対してちょっと丁寧な口調なのが傷つく。先輩呼びは昔からだから良いんだけど、箒に完全タメ口なのに俺にはちょっと丁寧なのとか本当に心に来る。

 

「……分かった、八雲がそういうなら気にはしない」

「おう!」

『第2試合を開始します、ボーデヴィッヒさんとオルコットさんはアリーナに出てください』

 

 山田先生のアナウンスが聞こえた。休憩時間短くないか……? と思ったが俺らが瞬殺されたから対して消耗してないんだろうなぁ。やだ、俺と一夏ってば弱すぎ!?

 

「……八雲、お前は強いぞ。地上でなら教官から逃げることも出来るだろうし、リボルバーでの射撃ならIS用でなくてもISを落とせるだろう」

「前者はともかく後者は言い過ぎじゃない??」

「銃弾を5回反射させて200m先の的のど真ん中に当てる腕があれば、ISの関節部を撃つことぐらい可能だろう?」

「出来るけども、絶対防御がなぁ……」

 

 リボルバーの射撃に関しては俺は世界一だからな。まぁ、それ以外の銃はIS使ったとしてもマトモに当てられる気がしないんだけども。

 

 ある眼帯のおっちゃん曰く「そもそもお前はオートマチックに向いていない。体が柔らかく反動を受け流してしまう上に、リコイルの衝撃を肘を曲げて吸収する癖がある。どちらかというとリボルバー向きだ」とのことなのでリボルバー以外は諦めているんだ。

 

 最近はガンプレイにも拘ってます。最近2丁で出来るようになったので今度ラウラに見せるつもりだ。

 

 モニターを確認するとセシリアが空中で待機しているのが移されている。そろそろ見送るべきだな。

 

「よっしゃ、行って来いラウラ! 試合後に滅茶苦茶甘やかしてやるから」

「! ああ、行ってくる……ん――」

 

 語彙力のない俺の精一杯の激励に、少し躊躇いつつも口へのフレンチキスを返して格納庫から飛び立つラウラ。一瞬脳が理解を拒み何もできなくなった俺氏。

 

 ラウラってば慣れないことしてたからめっちゃ顔赤くなってたなぁ……俺も顔、熱いわぁ。不意打ちはダメやぞ不意打ちは、不意打ちはダメだって国際条約でも決まってるし古事記にも書いてある。にしても……

 

「クッソ、タダでさえ手を出さないように我慢してるのにアイツはぁああああああ!!」

 

 俺が性欲を持て余し、発狂しているといつの間にやら試合が開始している。まだまだ熱を帯びた顔をパンッっと両手で叩き、思考を切り替えて試合を観戦する。

 

 相互互換で想定された用途が少し異なるとは言えAICを搭載している点ではシュヴァルツェア・レーゲンとシュヴァルツェア・ブリッツは似通っている。参考になる点は大いにあるだろう。

 

 開始直後は互いに探り合い、ラウラはレールカノンで、セシリアは手に持つスナイパーライフルで撃ちあう。お互いに当てる気はそこまで無いのか被弾は無い。すげぇ、最初から参考にならねぇ。

 

「……お、ラウラが動いたな」

 

 レールカノンによる射撃を停止し、プラズマ手刀を添加して突撃。それに対してセシリアはビットを展開し迎撃を試みる。

 

「ッチ、エネルギー兵器相手にAICは効きが悪いな……だがビット本体ならば!」

「マズッ!? 戻りなさいティアーズ!」

 

 1機のビットが破壊されたのを認識したセシリアはすぐさま残った3機のビットを自身の周囲に再展開。ビットの強みは生かせなくはなるが、遠距離からの連続射撃に切り替えるようだ。

 

 ふむ、互いに弱点を突き合っているな。ラウラからすればエネルギー兵器はAICでの防御がし辛い。セシリアからすればビットをAICで固定されて破壊されてしまう。

 

 この勝負、自身の土俵に引き摺り込んだ方が勝つだろう。

 

「これがプロ同士の戦いか……」

 

 次元の違いを思い知らされる。俺もラウラを守れるように努力しなければ……!

 

 真正面からの連続射撃による迎撃に切り替えたセシリアに対して突撃を続けるラウラ。いくら連続射撃とは言え、一方向からの射撃を楽々と避けてセシリアとの距離を縮めていく。

 

「一度引いて――」

「――やらせるとでも?」

 

 ワイヤーブレードがセシリアに殺到し、彼女を斬り裂く。しかも、セシリアを斬り裂いたワイヤーブレードは急角度で曲がりビットを破壊する。ビットは残り2機か……本当に俺の番ってすげぇな。マジで終わったら沢山甘やかしてあげよう。

 

「これがドイツの代表候補生……」

「どうした、イギリスの代表候補生はこの程度か?」

 

 煽ってるなぁ……だが事実、最初は互角だったがその後はずっとラウラの優勢。しかし、止めを刺し切れていない。セシリアもセシリアで凄いと思うんだ……結論、俺は雑魚!

 

 ワイヤーブレードを振り払い、セシリアは引き撃ちする。ふむ、動きながらビットは使えないのな、原作知識があやふやだから確認できて良かった。

 

 引き撃ちを行うセシリアに対してラウラはレールカノンによる砲撃で反撃。焦っていたのか、それともダメージが蓄積していたのか。火薬による初期加速、電磁加速による終末加速を経て、レールカノンから発射された弾丸はセシリアに命中した。

 

「まだまだァッ!」

 

 あ、今のラウラのセリフの感じ俺っぽかったな。いやぁ、似るもんなんですねぇ、番ってさ。

 

 レールカノンの砲口がセシリアとは真逆の砲口に向けられた、かと思えばレールカノンを発射し、その反動で初速を稼いでセシリアへと3度目の突撃。

 

 反動で飛ぶとかA-10*1かよ。もしくは宇宙戦艦ヤマト*2かな?

 

「反動で加速だなんて――!?」

「こういった手は八雲と見たアニメで学んだからな」

 

 そういや一緒に宇宙戦艦ヤマト2199見ましたわ。でもまさか本当に参考にするとは思わないじゃん? でもアニメの動きを参考にするってのも意外といけるんだなぁ、覚えておこう。

 

 3度目の突撃、今度は逃がさないと言わんばかりにラウラはセシリアの体にワイヤーブレード2本を絡めて、固定する。そして残りの4本で()()()4()()()()()()を破壊した。

 

「ミサイルビットまで……!?」

「初戦は味方とは言え、2回戦で敵になる可能性は十分にあったからな、調べさせてもらった」

 

 ヒュー! 俺の番かっけぇぇ! 心なしかキメ顔なの可愛いね、股間に来る。

 

 正真正銘、最後の一撃として4本のワイヤーブレードがセシリアに殺到する。

 

 ビーーーーッと言うブザーの音が鳴り、放送が始まる直前のマイクに電源が入る音が聞こえる。学生時代は休み時間にこの音が聞こえるたびに「誰が呼び出される!?」ってなってたなぁ……あ、前世の学校です。

 

『ボーデヴィッヒさんの勝利です!』

 

 割れんばかりの歓声が格納庫まで響く。ラウラってば人気者だね……ちょっと嫉妬しちゃうわ。男の嫉妬なんて醜いだけなのに。

 

 ワイヤーブレードからセシリアを開放し、地面に下ろしたラウラはすぐさま格納庫への出入り口に入る。ここまでがモニターで確認した事、ここからは俺の肉眼で確認することである。

 

 爆音と共に格納庫に着陸するラウラ。床に傷が付いちゃうでしょうが!

 

 まぁ、んなことはどうでも良い。今はラウラにねぎらいの言葉でもッ――

 

「はぁ~私頑張ったぞ八雲! ありがとう、お前の応援のおかげだ。そうだ、私、勝ったんだぞ、褒めてくれ!」

 

 ラウラがレーゲンを解除した瞬間、俺は地面に押し倒されていた。コイツ、人間が認識できない速度で俺に甘えて来たのか……? 恐ろしい子! でも可愛いな畜生! 黒兎隊の隊長なのに犬の耳と尻尾が見える見える……あれ、これ本当に生えてない?

 

 とりあえず撫でよう。うん、犬耳は幻覚だったわ……それはそうとして、滅茶苦茶可愛い。

 

 家や寮以外で、ここまでラウラが素を曝け出すのを見るのは初めてかもしれない。誰にも見られたくないという欲のあまり腰にいつも携帯している愛銃で格納庫の監視カメラを撃ち抜いてしまった。

 

 しっかりと跳弾させて当てたから監視カメラから俺が発砲した様子は見えないし、サプレッサーを付けているから、音はラウラの声に掻き消されただろう……ん? リボルバーにサプレッサーが付けられる訳が無いだろって? それがね、付けられるリボルバーがあるんですよ、M1895っていうんだけどね。

 

 って今は銃の話をするのではなくラウラを滅茶苦茶褒めて甘やかしてやらなければ。

 

「ラウラは凄いな」

「ああ!」

「イギリスの代表候補生相手に圧勝して」

「ふふ……そうだろうそうだろう」

「こんなにも可愛くて」

「う、うむ……」

 

 さてと、ラウラはレーゲンを解除してすぐさま俺に抱き着いて来た。ISに乗る以上ISスーツが必要だ。ああ、俺は制服を着ているが、俺の試合が終わってすぐに来たので下はISスーツである。

 

 そんなことは良くて。つまりラウラはISスーツで俺に密着しているのである。ただでさえなんかもう色々と我慢ならなくなって来たのにこれはあんまりじゃないか?

 

 だが俺は我慢強い男である。

 

「俺の、最高の番だ」

「……面と向かって言われると照れるな」

 

 クソ可愛いっすわ、俺の番。

*1
A-10の逸話としてガトリング砲の反動で後ろに飛んだと言う物がある。

*2
旧作のヤマトも2199のヤマトも波動砲の反動で窮地を脱している。

ラウラは

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