ISに乗れるらしいので欲望のまま使い倒したいと思います   作:ラウラペロペロ部部長

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第8話「ドイツのボブ・マンデン」

[0.00]

 

 電光掲示板の輝く数字を一瞬確認して、深呼吸する。

 

 いつもは制服の上着で隠れている愛銃を抜きやすいように、制服の上着は脱いでおいたので存分に早撃ち出来るだろう。

 

 IS学園の屋内射撃場で、ISではなく生身で立っている俺は目立つらしく、周囲の女子達がこちらを興味深そうに見ている。そんな事よりもあっちでボコボコにされている一夏を見てくればいいのに。

 

「ふぅ……ふっ――!」

 

 目の前に現れた6つの的をクイックドロウと人力6点バースト射撃で撃ち抜く。全ての弾丸が、それぞれ的の中心に穴をあけたのを確認して電光掲示板を見る。

 

[0.00]

 

 相も変わらず0.00のままの電光掲示板。この機械は0.01秒までしか測定できないため、0.01秒未満の俺のクイックドロウからの一連の流れは測れずに、0.01のままなのだろう。うむ、個人的に100点満点の結果だな。

 

 M1895のシリンダーを勢いよく回し、手早く排莢とリロードを行う。6つの空薬莢が地面に落ち、6つの弾薬が装填されたことを確認。そうしたらトリガーガードに中指を入れてクルクルとまわして腰のホルスターに収納する。

 

 かれこれ30分程度通常の銃で訓練していたのだが、いつも間にやら一夏達よりも俺へ注目する目線が多くなっている気がする。

 

「さて、次はISでやるべさ」

 

 待機状態のブリッツを起動させて展開。ハイパーセンサーが起動をしたのを確認してから自分の手にシュツルム・ファウストを展開する。

 

 そうしたのなら、整備員にお願いしてブリッツの腰につけて付けてもらったホルスターにシュツルム・ファウストを入れる。

 

 やっぱり、早撃ちって言うのは人類最強の技だからね、練習はするに限る。

 

 因みにタダでさえ電磁加速を使うとかなりの射程と威力になるコイツだが、遠距離用オートクチュール【ナハト】を使用すると、理論上偏差なしでISSに銃弾が当てられるようになる。

 

 その場合の弾丸の初速度は秒速480km……マッハ1400に相当する速度である。無論そんな速度で物体が動けばすさまじい衝撃波が発生する上に、もし仮にISに命中したらバリアー事消し飛んでしまうため制限されているがね。

 

 今日は【ナハト】は使用せずに【シュツルム・ファウスト】のみを使用する。近距離だしまずは基本に慣れないといけないし。

 

「まずは手始めに……」

 

 屋内射撃場に5つの的が現れる。今回のモードは最初の的が撃ち抜かれてから最後の的が撃ち抜かれるまでの時間を競う訓練だ。とりあえず歴代最高記録でも出しておくかな。

 

 5つの的の位置を確認して、クイックドロウからの人力5点バースト射撃を行い全ての銃弾を跳弾させる。俺の直感が正しければ……

 

 よし、跳弾させた5つの弾丸全てがほとんど同時にそれぞれの的に着弾した。電光掲示板には0.00秒の文字とランキング1に俺の名前が刻まれている。うーん、快感! ドイツ軍の射撃場のランキングは総なめしたから次はIS学園の射撃場だな。

 

 さてさて……もう少し、訓練の続きと行こうか。

 

 

 

================

 

 

 

「八雲の異名、言い得て妙だな」

「なんだよ急に」

 

 寮の自室でいつも通りテレビを見ながら、膝に座るラウラの頭の匂いを嗅いでいるとそんなことを言われた。眼帯を外しているため、こちらを見上げる琥珀の瞳がしっかりと見える。可愛いなクソ。

 

「”ドイツのボブ・マンデン”……正直ボブ・マンデンよりも八雲は凄いが」

「そりゃあそうだろう。リボルバーに関して、俺は世界一クールで最強だぜ?」

 

 腰から愛銃を抜き、トリガーガードに中指を入れてクルクルと回して答える。勿論膝の上で俺を背もたれにしているラウラに当たらないように細心の注意を払っているのは言うまでもない。

 

 ボブ・マンデンと言えば早撃ち0.02秒と言う俺よりも遥かに長いが、しかし当時世界で最も短い時間での正確な射撃を得意としていた。俺の方が上だと自覚はしているが尊敬すべき先輩なのは確かだが、俺の方が上なのである。俺の方が上なのである!

 

「ふふっ、ああ、八雲は誰よりも強いガンマンだ」

「ありゃ? 口に出てたか?」

「出てないぞ。だが、お前のことだからどうせ「俺の方がボブ・マンデンよりも上だ~」と思っていただろう?」

 

 俺の声真似をしたラウラの可愛さに脳をやられてラウラが何を話していたか解らなかったが――――あ、ダメだ俺今バカになってる。ちょっと今思考がまとまらない。

 

「ああもう本当に可愛いなお前は。良くもそう人の劣情を煽る」

「や、八雲……?」

 

 視界いっぱいの銀色、その中の赤と琥珀がこちらを見つめる。

 

「こっちが我慢してるって言うのに、本当にお前は」

「う、あぅぅ……うわぁ!?」

 

 番を抱きしめたまま後ろに倒れ込み、その際クルリと位置を変えて押し倒す体勢に変える。そうすると俺の影の中で顔を赤くして挙動不審になっているラウラが目に入る。

 

「ああもう、可愛いなぁ」

「な、何をする八雲! いくらお前でもこんな事……!」

 

 ダメだダメだと言いながらも、俺を突き飛ばして止めさせようとはしないラウラ。本心では嫌だと思って居ないのか、それとも俺に暴力を振るいたくないのか……あるいは両方か。

 

 真っ白な肌を朱に染めて、赤と琥珀の瞳に涙を貯めたラウラの服に手をかけたところで――

 

「何をしている、この大馬鹿者」

 

 我らが頼れる織斑先生の声と、頭への強い衝撃と、スパァンと空気の爆ぜる音が聞こえて意識が途切れた。

 

 

 

================

 

 

 

「なるほど……言い訳は以上か? まぁ、何を言った所でお前は性犯罪者だが」

「いやもう全くもっておっしゃる通りです織斑先生」

 

 ベッドに座りこちらを見下す織斑先生の言葉に土下座しながら同意する。いや、マジで本当に俺は性犯罪者だ。織斑先生の後ろから覗き込んでくるラウラと目が合う……あ、逸らされた。死んで詫びます。

 

 なぜか没収されていなかった愛銃を抜いて蟀谷に撃つ。速さにして0.02秒といった所であろうか。だがこのような事を思考できている時点で俺は死んでいないため、狙いを外したのか――

 

「AICで止められたのか……」

「や、八雲……!?」

 

 唖然とした目でこちらを見るラウラ。琥珀に輝く越界の瞳と部分展開されたレーゲンを見るに俺の0.02秒に反応して弾丸をAICで止めたのだろう。と、なると銃身部分に弾丸が残っているため2発目の発射は不可能……あ、そもそもブリッツが絶対防御発動させるわ。

 

 どちらにせよ死ねないわ、俺の馬鹿め。

 

「どうやらお前は私の思った以上の大馬鹿者らしいな……愛する女を襲いそうになって、その罪悪感で命を絶つのか? 相手の意思を確認すらせず、話し合いを放棄して逃げるだと? ふざけるのも大概にしろ」

 

 いや、もう本当におっしゃる通りです。でもね、俺にとってラウラって言うのはもう人生そのものなんだ。そんな彼女に嫌われたとあれば、命を絶つのは当たり前じゃないですか? だって、存在するだけで彼女に嫌悪感を与えるわけですから。

 

「黙っておこうと思ったが言うぞ。お前が呑気に気絶している間にラウラにも話を聞いていた」

「き、教官!?」

「うるさい、黙っていろ! 私だって教え子の問題を解決しようと思っていたら急に惚気られてイライラしているんだ!」

「私情ですか!?」

 

 何やら荒ぶり始めた織斑先生と顔を真っ赤にして焦るラウラ。おかしいな、さっきまでシリアスな空気だったんだけど。

 

「ラウラはお前に襲われて嫌に思ったどころか、むしろ嬉しいとまで思ったんだと。だが、襲おうとしていたお前は明らかに正気ではなかったそうじゃないか、ええ? ラウラは、正気のお前に抱いて欲しかったんだそうだ……クソッ、口の中が甘い! 私は部屋で飲むから後は勝手にしろ!」

 

 言い切った織斑先生は乱暴に扉を開けて部屋を出ていく。なんかドアから鳴っちゃいけない音が鳴っていたけどそんな事よりも……。

 

 この空気でどうしろと????

 

 あれ、さっきまでシリアスやってたよね? なんでいつの間にか普通に気まずいだけの空間になってるの? てか俺はどうするのが正解なの?? いや、まずは普通に謝らないとな。

 

「ラウラ」

「ぴぅっ!?」

 

 毛布を被ってその下から奇声を上げるラウラ。同じ過ちを犯したら今度こそ自殺を決行するという覚悟を決めて性欲を抑える。75歳が性欲に振り回されるのってどうなの? とは思うが実際問題17歳の体なので仕方がない。仕方がなくねぇよハゲ!!

 

「その、すまんかった。お詫びに何でもするからバカな俺を許してくれないか?」

「…………」

 

 ラウラが見ているかは分からないが土下座を決める。ポーズではなくしっかりと謝罪の意を込めた土下座である。これで許してもらえなかったら人知れず自殺を決行します。

 

「…………じゃあ、今度デートに行こう」

「それで良ければいくらでも」

「なら、許す……だから頭を上げてくれ」

 

 言われた通りに頭を上げると、唇に柔らかい感触。色々なものがこみあげてきて、再びヤバいことになりそうだったので再び腰から愛銃を抜いて、今度は銃身を持って俺の頭に叩きつける。

 

「ゴボウァッ!?」

「八雲!?」

 

 ぶっ倒れる俺にワタワタと焦っているラウラ。可愛いね、クソがよぉ(自己嫌悪)。

 

 マジで、精神年齢含めて17歳だったころの俺はどうやってこの溢れる性欲を抑えてたんだよ……と思った所で、意識が途絶えた。

ラウラは

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