Fクラスだけど、優等生のあなたに恋をした。   作:孤独なバカ

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第5話

 

「お疲れ雄二。」

「そっちこそ。よくDクラスの教室を占拠できたな。」

「まぁ、試験受け直させてもらって結果を出さないわけにはいけないからな。まぁゲームやアニメが元になってる科目ならそこそこ強いぞ。結構でたからな。」

 

それに点数が高い相手がいた場合平賀は確実にその場から離脱するという雄二の予想通りなのでそこまで難しいことをやってない。

 

 

「大沢くんと姫路さんにFクラスにいること自体予想外だったよ。」

「まぁ、普通なら俺も最低はEクラスだと思ってたけど、とことん担当教員で下振れを引いたからな。」

「騙し討ちもれっきと歴とした戦略だ。」

「わかっている。進級初日にFクラスからの挑戦と舐めていたこっちが悪い。それとルールに従って設備を明け渡す。ただもう放課後だから作業は明日にしてくれないか?」

「……まぁ、雄二次第だろ。そこら辺の判断は。」

 

俺が答えると雄二はおもっても思ってもない言葉を口にした。

 

「いや、その必要はない。」

「ん?」

「Dクラスを奪う気はないからだ。」

 

マジか。俺は少しだけ唖然としたしたようにする。

 

「二人とも忘れたのか? 俺達の目標はあくまでもAクラスだろう?」

「それならなんでわざわざDクラスを相手にしたのさ?」

「少しは自分で考えろ。そんなんだからお前は近所の中学生に『馬鹿なお兄ちゃん』なんて愛称をつけられるんだ」

「なっ! そんな半端にリアルな嘘をつかないでよ!」

「なんだ? それとも小学生だったか?」

「人違いです。」

「……お前まさか本当に言われたことがあるのか?」

 

雄二が絶句している。まぁ、小学生に馬鹿なお兄ちゃんって言われることはないしな。

結末を知っている俺としては妥当なんだけど。

 

「とにかく俺達は、Dクラスの設備には一切手を出すつもりはない。その代わりに、一つ条件があるんだ。」

 

雄二は一体何を条件にするんだ?そんなこと考えているとその答えはすぐに平賀から聞かれることになる。

 

「一応聞かせてくれないか?」

「なに、そんなに大したことじゃない。俺が指示を出したら、窓の外にあるあれを動かなくして貰いたい。」

「エアコン?」

 

俺は少しだけ考える。確かあれはBクラスの奴だったはず。

 

「次のBクラス戦の作戦に必要なんだ。当然学校の設備を壊すわけだから、教師陣にある程度は睨まれるかも知れないが、そう悪い取引じゃないだろう?」

 

まぁ、アキたちならともかく初犯なら厳重注意くらいで済むはずだ。俺も恐らく厳重注意だろうけど、こういったことはアキや雄二とつるんでいるとよくある話だ。

 

「そういや、今日新刊発売日だから帰っていいか?」

「新刊って、そういや漫画発売日だった?後から僕にも読ませて。」

「別にいいけど、汚すなよ。」

「汚す物は何もないよ。」

「まぁ、いいぞ。どうせ今日はこれ以上は何もないしな。秀吉も部活動に向かったぞ。」

「了解。それとDクラスと3ヶ月の不可侵だけは結んでおけよ。Aクラスを目指す上で後々奇襲とか面倒だし。」

「そんなん分かってるさ。」

 

 

俺は軽く軽口を叩きながら教室を出る。

その後ろでは未だ話し合いの声は聞こえていた。

 

「おっちゃん。これもう在庫ないのか?」

「あ?それはってなんだ坊主か。お得意様の分はバックにあるからな。」

「なんだ。それじゃあ俺の分はあるのか?」

「そりゃ予約してたからある。」

「サンキューおっちゃん。」

「相変わらずだな。少し待ってろ。おい。雅人。レジ少し見とけ。」

「はいはい。圭吾くんいつもありがとうね。」

 

俺が行き着きの書店は学校から結構離れている。本屋のおっちゃんとも知り合いであるため利用しているのだ。人はいつも結構少ないが、おっちゃんが元は出版会社の編集者を勤めていたこともあり、より人気の本が多くここに集まることもあり、人気本の発売日には多くの客で賑わう。

まぁ、小学生のころから坊主って言われてきたお兄さん的な存在でもあるので俺に接する時はお互いに客と店主ではなくお互いに近所の友達みたいになっている。

待っている間は参考書コーナーに向かう。流石に来年受験でもあるので日頃の勉強時間はとっている。

まぁ、苦手科目の数学や物理の参考書なんて分からないし、正直数学など理系分野さえよくなれば国公立大も狙えるようになる。まぁ、上手くはいってないからこんなにボロボロな点数を叩き出しているんだけど。

そんな中で俺はいつも通りどの参考書を悩んでいた時だった。

見覚えのあるスカート姿の、いや性別は違うがうちの学校の女子の制服を着たヒデとよく似ている可愛らしい女性が何か困ったようにしていた。

Aクラスにヒデによく似ている木下優子って名前の姉貴がいる。

膨らんでいるところが膨らんでいることもあり、見間違うことはないと思うが本当によく似ているんだな。まぁ同級生の姉貴ってことだし見過ごすこと。か

 

「木下さん?どうした?」

「えっ?って大沢くんじゃない。どうしたって。」

「いや、なんか困っているようにしていたから。レジならあそこだけど。」

「あっ。その。」

「…ん?」

 

俺は木下さんの手元を見るとそこにはとある本が見える。それはライトノベルらしきものがある。確かあれは女子の間ではBLとして有名だったはずだ。そしてレジには若い男性。そういえば同じ高校でここによくBL本を買いに来ている女子がいるってよく聞いていたな。

 

「……あぁ。なるほど。おっちゃんなら今バックヤードに俺のライトノベルと漫画取りに行っているからもう少しかかるぞ?」

「へ?」

「その本面白いのか?BL本って読んだことないけど。」

「えっ、えっと、これは秀吉が…」

「ヒデはライトノベルは読まないよ。ヒデ、台本とかはよく読むけど小説とかは苦手だし、実際現代文とか苦手だろ?ヒデの部屋って今まで演劇のビデオとか台本とかは置いてあるけど小説類は少ないし。」

「……」

 

すると青ざめていく木下さん。

そういえば優等生として有名だからなぁ。もしかしてこういうことも隠してるのか?

 

「好きなら好きでいいじゃん。」

「へ?」

「木下さんが何が好きであろうと別にいいと思うけど?俺もよく女の子通しがいちゃいちゃしてる小説読むし、別に本の好みなんて自由だろ。」

「それはそうだけど。」

「まぁ、俺は気にしないから。なんなら俺の買い物のついでに買って来てあげようか?」

「いいの?」

「元々ここ知り合いの店だから。てか、あのおっちゃん元々出版社勤めだったから本には詳しいから気をつけた方がいいと思うけど。」

「……えっ?」

「ばれないようにするなら兄ちゃんの方がいいぞ。本には詳しくないし。」

「…もしかして、あのお爺さんそういう本も詳しいの?」

「詳しいぞ。なんなら俺よりもラノベとかは詳しいし、元々そういう小説の編集長だったらしいからなぁ。」

 

さらに青ざめていく木下さんに俺は急いで会計に向かう。おっちゃんにバレないようについでに参考書を持ちながらにいちゃんに会計してもらおうと苦笑してしまうのであった。

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