Fクラスだけど、優等生のあなたに恋をした。   作:孤独なバカ

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木下優子とカフェにて

「とりあえず落ち着いたか?」

「……えぇ。ごめんなさい。取り乱したわ。」

「別に構わないけど。それとこれ。」

 

俺は先ほど受け取った本を取り出す。現在近所にある喫茶店に来ていた。というよりも引きづられていたって言っても過言ではないのだけど。

 

「……えっと、あの、その。」

「言わないって。アニメとか結構見てるからそこら辺の知識もあるしな。」

「…そ、そう。でも何で大沢くんがあそこにいたの?」

「漫画の発売日なのと、理系の参考書探し。……流石に、理系が最悪一桁台なのは不味いからな。」

「…苦手以前の問題じゃないかしら?」

 

辛辣だが、流石に数学や物理が酷すぎる自覚はある。

 

「自覚はしてる。だからFクラスなんだろ?勉強は文系は勉強しなくても解けるから殆ど理系に勉強回してるんだけどなぁ。どこから出来てないのか参考書見ても全く分からないのがなぁ。」

「勉強はしてるのよね。」

「生憎雄二や明久みたいに体動かすのは得意じゃないし、秀吉やムッツリーニみたいに何かが特段に得意ってことではないから努力するしかないんだけどな。鉄人や、高橋先生には時々見てもらうんだけど……鉄人はともかく高橋先生は分かった体で説明するから俺には合ってないんだよなぁ。日本史や世界史だったら高橋先生のいっていること理解できるから単純に基礎が出来てないんだろうけど。実際中学の時に遊び回っていたつけがきてる感じだろうな。」

 

遊び回っていたのは事実だからなぁ。まぁ、進学高である文月学園に進学できたのも内申が高いことによる推薦入試ってことでもあるのだが。

 

「……」

「なんだよ。」

「いえ。聞いていた噂と違うから。」

「……あんまりいい噂はなさそうだな。まぁ大抵否定できないけども。」

「否定できないの?」

「彼奴等とつるんでいたらな。まぁ、何かと問題に絡んでいるしな。まぁ、根がいいヤツらだから尚更たちが悪い。バカ正直だからこそ鉄人も頭を抱えながらも面倒見てるだろ?そうじゃなければ既に退学だろ。」

「…貴方ね。それは友達としてどうなのよ。」

「いや、流石に、鉄人の私物を売り払ったのは擁護できないだろ。いくら小学生の女の子を助ける為に自分の私物を殆ど売ってまで助けようとしたとはいえ先生の物を勝手に売るのはなぁ。観察処分者で持ちこたえたのは鉄人に俺が報告したからだしな」

 

やってることは犯罪なんだよなぁ。確か葉月ちゃんだっけ?まぁ実際そんなことをしようとしてたなら協力なんてしてないしな。

 

「話逸れたけど、まぁ基礎ができてないから参考書探ししてたんだけど、解説見ても基本的に分かっていること前提のやつばかりだから苦戦してるんだよ。……勉強については親は何も言わないけど大学に行ってみたいって気持ちはあるしな。」

「なるほど……でなんであの本屋に来ていたの?」

「昔からあの本屋おっちゃんが趣味でやってるから人少ないんだよ。在庫も豊富だし、元々おっちゃんが出版社でてるからツテもあるから人気作手に入りやすいしな。」

「……なるほど私と同じ理由なのね。うかつだったかしら。」

「人目に付きにくい点ではあってるだろ?何なら木下さんがあの店知ってる方が驚きなんだけど。」

「人目に付きにくいから。通販で買うこともあるけど、発売日に届かないものも多いし。」

「分かる。好きな本だったら発売日に見たいよな。」

「でしょ。それにあまり褒められた趣味でもないでしょ?」

 

木下さんが気になってるのがそこなのは優等生で通ってることだろう。

 

「俺はあまり気にしないけど、まぁ、腐女子オープンにしてるのは…Dクラスの玉野くらいだしな。」

「本当に?貴方気にしないの?」

「別に。そういう女子がいることは知ってるし、まぁそういう噂があることも知ってるしな。BLで影バスとか元々少年誌で普通に面白いバスケ漫画だし、二次創作まで触ってたら普通に聞くだろ。」

「そ、そう。ならいいのだけど。そういう貴方は何を読むの?」

「俺は基本的には学園ものや日常物が好きかな。感動するやつや恋愛系はよく見るかな。」

「意外ね。」

「よく言われる。まぁ、雑食だし、ヒデに勧められた原作小説を買ったりしてるから本当に何でも見るんだよなぁ。ホラーも耐性あるし、何なら結構映画とかも見に行ってることは木下さんも知ってるだろ?」

 

とここからは趣味の話になると木下さんも最初は戸惑っていたが少しずつ笑顔が増えてきて話せる仲間に飢えていたのか話が繋がり始める。

お互いにヒデの影響もあるのでオススメのドラマなどを話せるのも大きい。まぁ、それでも殆どが木下さんのBL本の話なんだが。いつもと違うところは笑っているところだろう。

その時に始めて木下さんの笑顔を見た気がするくらいには魅力的な笑顔を纏わせていたのだ。

……流石に、痺れ薬を飲ませて無理やり手に入れようとしているところは理解はできないが。

閉店間際まで話が途切れることがなく、木下さんはその後も話し続けて、どこか会計時にはいかにもやってしまったみたいな顔をしていたのだった。

 

 

「……あの、大沢くん。」

「ん?どうした?」

「できれば、さっきのことは言わないでほしいんだけど。」

「……俺、そんなに言いふらす奴に見えるか?」

 

木下さんを送る最中にトボトボと歩いている木下さん。

 

「そうことではないけど……幻滅したでしょ?学園では優等生を演じている私がこんなんだったなんて。」

「いや、根本的に俺はあんまり学園の木下さん知らないし、というよりも木下さんは俺達のこと避けてなかった?」

「まぁ、そうなんだけど……分かっていたの?」

「まぁな。つーか俺達なんて進学校ではいいふうに見られないだろ。馬鹿騒ぎして成績も最下位付近。それでいてあんなに問題行為起こしているんだから。木下さんの方が合ってるだろ。正直俺自身でも明久達のグループに関わりたくないだろうし。」

 

冷静に外から見たら十分可笑しい自覚はあるんだよなぁ。最初の縁とはいえだけど。

 

「それに、別に優等生ってことには変わりないだろ?学校とプライベートくらいは別でいたいだろうし。なんなら家まで優等生の方が気持ち悪いって。」

「……そうなのかしら?」

「俺はそう思うし、なんなら俺はいつもの木下さんよりは好きなことを話していた木下さんの方が可愛いとは思ったけど。」

「かわっ!?」

「木下さん自然に笑ってたぞ。料理も俺は作るんだけど、美味しかったときは自然と笑顔になるんだよ。……本当に好きなんだろ?」

 

今までのが本物の笑顔って否定はできないけど今回話していた姿は間違えなく本物と呼べる笑顔だったのだ。

 

「それに言ってるだろ?俺は気にしないって。なんならその本は俺が見ても面白いと思うのか興味あるかな。てか買ってみたから勉強終わりに読むつもりだし。」

「本当に変わってるわね。大沢くん。」

 

自覚はあるけど、こんなに正面から言われたことはないんだが。まぁ楽しそうにクスクス笑っている木下さんを見てたらいつもとのギャップにまぁいいかっと思えるのは可愛い女の子の特権なんだよなぁ。

そんなことを話しながら木下さんの家に着く。

 

「それじゃあありがとう。……楽しかったわ。」

「ならよかった。」

 

少し困惑してたが、あの笑顔を見る限り本当に楽しめたと信じたいけど。

すると小さく手を振って

 

「またね。大沢くん。」

 

恥ずかしそうな笑みを浮かべ家へと戻っていった。

…その笑顔は反則だろ。

少し見惚れて動けずにいた

狙ってやったんならたちが悪いと思いつつも今日あの本屋にいってよかったと感じ家に戻るのであった。

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