転生したエンジョイ勢はほのぼのと過ごしたい   作:エアーコンピューター

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多分、メイビー。


え?今年もゼロでしたが何か?

 

 

「あれ、何だっけ?」

 

 保健室に連れ込まれ、幼馴染であるミモザの話を聞くこと早15分。突然そんな事を言い出した。ボーマンダーとバンギラスが縄張り争いしててさー。超ウケるー。からだから全然分からん。うん。年取ると増えるよね。俺も書類の提出忘れるし、普通だよな。

 

「いや、どっちもちげーし。争ってたのはドラパルトとサザンドラだし。提出忘れるとこの前みたいにウチまで怒られるからちゃんとしろだし」

 

「どうして考えてる事わかったんだよ?」

 

「んー?あんたが分かりやすいだけ。あんた以外分かんないから」

 

 すっげー分かりやすいらしい。モブ子にも心の声が聞こえたのだろう。ポーカーフェイスを心掛けなきゃな。

 

「で、何の話だっけ」

 

「サザンドラって人形使って喋るあれみたいに見えない?ほら、あれ」

 

 ぁぁ!いっこく○のあれか。あの超絶すげぇ奴か。前世の子供の頃真似てやったことがあるが、スッゲームズイやつ。何だっけ?○ペット○ペット?違うような気がする。

 

「そういえば何だっけ?」

 

「パパっと答えを出しなさいよ。全くミズキのクセに」

 

「はいはい。すいませんね」

 

 気になるっちゃ気になるがまぁあれだ。あれ。それも忘れたが。まぁ、前を向いて歩くべしだ。

 

「よーし。そろそろ授業の準備するか」

 

「はぁ?この状態で放置するとか無いわー。そんなんだから誰とも付き合えないのよ」

 

「は?何か言った?」

 

 別にー。じゃあ、行くわ。別れ際はあっさりだ。もう二度と会えないわけじゃないし。カッコつける必要がない素の自分を出せる奴だし。そう考えると前回のモブ子は…?あれ、あいつ猫かぶってたよな。あ、ばけのかわか。黒髪三つ編み優等生から金髪縦ロールに進化してたがまぁ、いいか。そういう気分だっただけだろうし。今日の夕飯何食べようかなー。

 

 授業そっちのけで考えた一人焼き肉は、給料日前という高尚な理由で却下された。お手頃価格で量があって美味い奴、牛丼だな。あー久しぶりに大手チェーンのあの味が食いたいなー。

 

「私に謝りなさい!このダメ教師」

 

「あ?金髪縦ロールが走ってる?」

 

 一度見たら忘れないであろう金髪縦ロールが勢いよく走ってきた。いやー、生で拝める日が来るとは思わなかった。あんなに生きがいい金髪縦ロールは見た事がない。というかダメ教師とか言われてるし、何処の誰か知らないけど可哀想に。

 

「ろ、廊下なが、長すぎ。だし、お前も、無視すんなし」

 

「サザンドラ的な髪型だな。こう、あ、思い出した腹話術だ!」

 

 思い出したし、ミモザに教えてやるか。サザンドラは腹話術師っと。

 

「何が腹話術ですの!貴方のせいで私「あ、返信来たわ。うわぁ、リップ先輩がかぁ」ですのよ!肝心な部分にこうも被せてくるとはもう、怒りましたわ」

 

 勝負ですわー。とうるさい金髪縦ロールの勢いに負けつつ保健室に向かう。リップ先輩と(よくよく見たら)モブ子とではリップ先輩が上なのだ。あの先輩は俺を脅しうる黒歴史を持っているのだ。全くもって先輩と呼びたくない人物だが。

 

「もう、着きやがった…」

 

 モブ子にひっつかれつつ再びやって来た保健室。このドアを潜るとまたリップ先輩の仕事に付き合わされるから嫌なのだ。

 

「あぁ!頭が残念でもミモザ先生が直してくれますわ。ミモザ先生は医務室の天使ですので」

 

「誰の頭が残念じゃ、ボケ。いいか?保健室にはな天使じゃなくて魔王に会いに来たんだよ。分かったらさっさとどっか行くんだな」

 

 しっしっと追い払おうとしたが、興味津々丸!的な顔をしており、ミズキは逃げられなかった。いや、本当になんで付いて来たんだ?アレか?俺の頭をビフォーアフターするとか本気で思ってんのか?

 

「なら私が開けて差し上げますわ」

 

「開けるなよ。絶対開けるなよ。まだ心の準備が整って無いから開けるんじゃないぜ」

 

「はい。分かりましたの」

 

「ド天然ちゃんか!三回いったら、開けなきゃいけないだろ!」

 

 やはり、パルデア人には理解しづらいノリであるようだ。だがしかし、いつの日かパルデアにもこのノリを広めてやるのだ。

 

「い、いきなり怒鳴って何なんですの。私が何をしたっていうんですの」

 

「してないよな、逆に」

 

「逆にってどういうことですの!私お父様にも怒鳴られたことがありませんわ」

 

 ガルルル!とお互いが威嚇しあっている時にがらららっと軽い音がして保健室の扉が開いたのだ。そう、内側から。出て来たのは予想外の人物だった。

 

「押忍!ミズキ後輩!いいところにいたな」

 

「練習して作ったチョコだ!ミモザ後輩とリップの二人は食べたぞ。今は安らかに眠ってるがな」

 

「はっはっは後輩。遠慮するな。今なら大、中、小から選べるぞ」

 

「モブ子?廊下を走って行く女生徒は見たが?元気があって良いじゃないか」

 

「そんな顔をするな後輩!自慢じゃないが天にも登るくらい美味しいチョコだ。今ならアーンしてやるぞ」

 

「ん?頭の調子が悪い?はっはっは。いつもの事じゃ無いか。好意は無下にするものじゃないぞ」

 

「しょうがない後輩だな。特別にこの特大チョコをアーンしてやる」

 

 キョダイゲンエイをくらったように逃げられなくなった俺の目の前に迫るのは、コンビニおにぎり五つ分はありそうなチョコの塊を顔に近づけるキハダ先輩だった。






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