【ヒトソウルが叫びたがってるんだ!】(完結)   作:ハヤモ

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相変わらず(ry。


14.やり取り

 

 

「質問ッ! 何故ツユハライに退学を!?」

 

 

小さくも勇ましい理事長は、詰問会において食って掛かった。

基本的に上の決定には従うものだが、明らかに不透明な件に対して理事長は不服従を示す。

いち生徒とはいえ、愛する学園生徒に変わりなく、それを唐突に退学させろなどと筋の通らない話でしかない故に。

 

 

「説明するまでもありませんわい。 お伝えした通りです、理事長」

「反論ッ! 選抜レース不参加、他生徒への問題行動ッ。 確かに良い事ではない、しかしッ! 入学して日の浅い内に退学などと!」

「本人は退学届を出しておるのでしょう?」

「そ、それは……事実であるが!」

 

 

しかし勢いを削がれてしまう。

退学の件は理不尽だが、本人が届出を早々にしているのもまた事実。

 

その理由がエロ本回収して、さっさと逃げたいという最悪な理由であったが、それは本人以外誰も知らない。

 

 

「それを受理せず籍を置いているのは紛れもなく貴女ですぞ。 これは職権濫用では? その件も含めての具申だったのだがね」

「ぐっ。 ツユハライは成績優秀、それでいて危険思想であった……手放すのは惜しくもあり危険であるが為!」

「なら、尚更に切り離すべきでしょうに……尻尾を早く切り離さないと本体まで喰われますぞ。 それとも何か理由がおありかね?」

(屈辱ッ! この男、よくも愛する生徒を!)

 

 

トカゲの尻尾切りの様に言われ、怒りでプルプル震える理事長。

けれど伊達や酔狂で理事長の席にいる訳ではない。 深呼吸して考える。

 

 

(必ず何か絡んでいる! この男の言い回し的に私と彼女に探りを入れている様にも……そもそもツユハライが何故、この様な目に遭う? 問題はそこ!)

 

 

相手のペースに終始流される訳にはいかない。

理事長、反撃。 可愛いだけが彼女ではない!

 

 

「説明ッ! 愛すべき未来ある生徒を正当な理由なく退学に出来ない!」

「ですから、十分な理由があるでしょうに」

「直入ッ! いち生徒に対して、何故わざわざ絡む! 納得いく説明を求む!」

「ふぅむ……堂々巡りですな。 これ以上は話の無駄ですわい」

「くっ!」

 

 

しかし逃げられる!

理事長の幼い見た目もあるが、やはり駄目……説明を正直に求めてもはぐらかされ終了!

 

しかし悪しき男側も、決して余裕はない!

 

ここでツライさんがURAの隠す秘匿領域にハッキングしたなんて言えば、一時はツライさんをツライ目に遭わせられる。

 

それは容易な想像ッ!

が、しかしある……その先の問題ッ!

 

その件を追求すれば闇が明るみに出るし、自首されでもして警察沙汰になれば、悪党共は道連れにされてブタ箱行きからの臭い飯!

 

地位と金を守る為、ここはリスクを犯せない。

 

なので相手のツッコミの少ない未熟さを利用して、上手くのらりくらりと逃げたのだ。

逆に言えば、この件は悪党側にすれば余裕はない事を意味する。 ちょいと突けば崩壊する、互いに薄氷の上にいる状態なのだ。

厄介な状況だ。 生き残る為には誤魔化し騙し、突き放しつつも本筋から逸らす甘い餌を撒くしかない。

 

URAそのものへのダメージも勿論あるし、それに伴う世間のイメージ低下を避けるというのもあるが、個人の欲望で動く悪党からすれば自分第1、組織への心配なんて大してなかった。

 

 

「とはいえ貴女の生徒を想う気持ちは尊重致しますぞ。 ワシも鬼ではない、暫く待たん事もないですが……当生徒、ツユハライがレースに出てトレセン学園生徒としての本分を発揮してくれるなら、ですが」

(疑問ッ! どういう理屈の上で走れば許される事態になる? 走って解決する問題に感じない!)

「どうですかな?」

「停戦ッ! 先ず当生徒に聞かねばならない、ここまで出走していない故、時間を貰いたい!」

「くくくっ、わかりました。 良い返事をお待ちしておりますぞ」

 

 

こうして、1度お開きになった。

これ以上建設的ではない言葉のドッチボールをしても、何も解決しない。

理事長は怒りと謎にモヤモヤしながらも、学園へと帰る事となる。

 

 

「懇願ッ! ツユハライ、頼むぞ!」

 

 

哀れツライさん。

新たな戦場にブチ込まれる意味では、今回も社畜道を行かされそうだ……ッ!

 

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

「という訳だ! 走って欲しい!」

 

 

生徒会室の次は理事長室にラブコール。

なんなんや……ワイがナニしたっちゅーねん!

 

いや、分かっとる。

ウマ娘として入学したのに、レースに出ないのは駄目……理事長的にもアウッ!

 

 

「……分かりました。 ですが足を怪我して完全じゃありません」

「無理にとは言えないッ! けれど君の為でもある! 分かって欲しい!」

 

 

未勝利で馬刺しENDってのは無いにせよ、退学はあり得るからね。

あと、上の言う無理にとは言えない的な、選択肢をチラつかせて優しさを見せても、あまり嬉しくない。

というのもそれ、実質選択肢無いようなもの。

下っ端は黙ってYESと頷くしかない。

 

 

「分かりました、出来る限り頑張ります」

「感謝ッ! そして謝罪ッ! 力無い私を許せ!」

 

 

何が何だか。

更なる上に言われたんだろうな、きっと。

彼女もまた、ツライさんなのだ。




某芸人ネタ風
ツライ「ケーキ屋の新作。 詫びも兼ねてアヤベ達にあげよ」
トプロ「すごいっ!? あのっ、これ……おいしいです!!
え〜っ、おいしい……! すごく……すごいです、わ〜っ、あのっ……おいしいです……!!」
アヤベ「語彙、凄いわよ」
ツライ「連呼するだけじゃあかんってコト。 例えばこうするんや。
……おお、おいしい! 店で出せるレベルですよ!」
アヤベ「出してるのよ!?」
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