【ヒトソウルが叫びたがってるんだ!】(完結)   作:ハヤモ

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相変わらずツライさん。


16.危うい状況

 

 

「感謝ッ! 選抜レース見事だった!」

 

 

またも理事長に呼び出されるワイ。

トイレには間に合ったから……その後だったから……うん、大丈夫……。

何故かホイホイやってきたトレーナーにもツライさんだったが、あしらって此処まで来た。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

いや良くな、いや大丈夫!

鸚鵡返、蹄跡……じゃなく定石!

 

 

「はい。 ご心配には及びません」

 

 

努めて上司に笑顔!

本当はツライさんでも!

 

社畜ッ、嫌でも笑顔……愛想笑い!

 

 

「本当に無理はしないでくれ! 此方の都合で、脚を無理に動かしている故に!」

 

 

話、進めましょうや理事長……心配してますオーラは要らない……それで時間を浪費するなら医療品や賞品の方が欲しい。

 

 

「いやいや、トレセン生徒としての本分を果たせたかと。 それより本題に入りましょう」

「了解ッ! 今回の経緯について説明しよう!」

 

 

そうして始まる謎説明。

何故、理事長がわざわざ、いち生徒に過ぎないワイに絡んできたのかというと。

 

URA上層部の一部で不穏な気配があり、何か策謀に巻き込まれているのではとの事。

 

ワイ、何かしたかなぁ。 あっ。

 

 

「心当たりがあるなら、言って欲しい!」

 

 

言えるかッ!

まさかURA秘匿領域にハッキングしたとは!

 

退学しても、その先は闇ッ!

お先真っ暗!

 

とはいえ罪を他人に擦るのも難しい!

データバンク上で確認出来たPCを扱っているウマ娘、記憶ではエアシャカール、動画編集しているツインターボらがいるが、面識がないから頼れない!

 

 

「どうした?」

「あっ、いえ」

 

 

いかん。 歯切れが悪いと完璧アウッ!

何とか乗り切らねば!

 

 

「記憶に無いですね」

 

 

またも逃げッ! 悪手ッ!

いつもワイの人生はこう上手くいかぬ!

誰もワイを愛さない……ッ!

 

 

「何か思い出したら報告するように!」

「アッハイ……警察には?」

「そこまで沙汰になっていない。 体裁を守りたいのだろう。 しかぁし! 最悪は連絡行くであろう!」

「分かりました。 ありがとうございます」

 

 

ワイ、退室。

 

そして心で叫ぶッ!!

 

 

終わったアアアッ!!!?

 

 

ヤベェよヤベェよ。

どう落とし前つけるよコレ。

 

思っていたよりヤバい状況になった!

安易に踏み込むべきでなかった!

 

後悔先に立たず!

 

こうなったら下手に退学は出来ない!

何とか学園をシェルター代わりにして、解決策を見つけねば!

 

そもそも!

何故ワイの様な生徒に対して上が動く!

 

警察にでも頼めば良いのに!

いや分かる。 分かってしまう。

前世辺りもあった事。 おるある……!

 

内々で処理したい腹が見え見え……!

だなら公僕に頼れない……当然!

 

下手するとワイ、消される……クビより恐ろしい処理をされる!

まさかの馬刺しEND、今世でもあり得る!?

 

 

「いや待て逆に考えるんだ。 コソコソしている奴がいるって事は、公表されたらマズいナニかがデータにあるって事」

 

 

ソイツをばら撒いちまえば……?

 

リーク……しかし、最悪失墜……ウマ娘の地位!

 

チラつく笑顔のウマ娘達!

こんなワイの身を案じてくれた理事長!

 

 

「いや余計な事を考えるな。 ワイはワイの身の安全を考えればならんのだから」

 

 

なのに、何故、こんなにも胸が苦しいんや!

今まで散々やらかしてきたのに!

ヒト時代、殺されても文句言えない裏切り行為もあったのに!

 

畜生ッ!

 

そもそも悪いのは上ッ!

ワイらに関係ない!

 

 

「しかしナニを隠しているんだか。 吸い出したデータの中にヤバいのが無いなら、また侵入しないとだけど、セキュリティがな……既に待ち伏せ、監視されてると考えると、踏みたく無い手順」

 

 

頼れる社畜はいないもんか。

それか監視員がいるなら、捕まえる手もある。

 

 

「とにかく検索やね」

 

 

脚を引き摺り自室に戻るワイ。

既に日常から外れつつある自覚はある。

 

けども、何を今更。

前々世から中途半端に記憶を引き継ぐワイ、苦しみは積み重なって掃き捨て余りある。

今更少し仕事が増えたところで……。

 

それにワイを消せるものなら消してみぃ。

 

それで消えてしまえるなら、ツライさんの記憶が消えて眠れるなら救い。

 

ある意味、本望やて。

 

ああ、その時は誰か悲しんでくれるかな。

 

前々世は無縁仏、前世は屠殺場行きだったかもやからなぁ……。

 

誰かの記憶に、心に傷として残れるなら、ワイは生きていける……そうなるよう、多少は足掻かねばな。




Q.あなたはアイディア商品を考えました。
しかしある日、自分の考えたアイディアとそっくりな商品が大ヒットしている事に気が付きました。
あなたは、その関係者を殺害してしまいましたが、それは何故ですか?
A.ツユハライの解答:
自分が監視されている可能性がある為。
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