東京都府中にあるトレーニングセンター。
日本ウマ娘トレーニングセンター学園。
ウマ娘のレース、運営を管理するURA管轄の中では最高峰レベルの施設であり、生徒数は2千人弱というマンモス校(一般のケナガマンモスって実際は皆が思う程巨大ではなかったらしいが)。 最寄りは京王電鉄京王線府中駅。
在校生は皆、国民的スポーツ・エンターテイメントとして位置付けられている「トゥインクル・シリーズ」への出場と勝利を目指しているけど、当然、生徒数に対して輝けるのは一握りの生徒のみ。
生徒も教職員も地方では異次元レベル扱いされるようなエリートたちがしのぎを削る戦場なのは皆さんご存知やな?
ともすればケガに病気、戦績の悪さが原因で学園を去る者も数多く存在するっちゅうのも説明不要。
そんな厳しい戦国乱世にぶち込まれた不幸なワイの秘蔵コレクションを救出すべく、やむなく門をくぐりましたとさ、まる。
「はぇー。 ここがトレセンですか」
などとアホ抜かしつつ、目の前に聳える大きな校舎や整備された周囲を見やるワイ。
ワイの事をジロジロ見てくる可愛い制服のウマ娘達を無視しつつ、ワイは寮に向けて足を進める。 距離があるので社畜時代を思い出してのダッシュであるがね。
中等部と高等部のウマ娘と学舎、寮は当然、あらゆる練習施設や食べ放題のカフェテリア、室内プールなんかもある。 ともすればウマ娘のあんな姿やこんな姿を拝められる聖地なのよさ。
贅沢の極み。
言葉を尽くしても足らぬ足らぬは工夫が足らぬ。
足だけなら4千はあるんやけどな。 とまぁ下らんボケをしても仕方なし。
建設、運営に関わる社畜の皆さんへの涙を禁じ得ない。 ウマ娘のお嬢ちゃんは感謝して、どうぞ。
だがしかぁしッ!
ワイの目的はレースでも施設を堪能するんでもないわッ! エロ本を回収、直ちに撤収すっぺオーバー!
「という事で生徒会だの皇帝様だの、誰が来ようが余裕のヨッちゃんよ。 (社畜営業を)脚で稼いで来たワイにゃ、かけっこポニーちゃんの相手をする余裕なんてないんよ!」
ちょっと大きな声で言ってしまった所為で、ザワついてしまった校門前。
まぁこの瞬間限りの君達には関係ないからヨシ!
「すぐ終わる。 関わらん方がえぇよ」
一応警告を申し訳程度に述べとく。
貴重な青春を退学者に使う事はねぇと。
ワイはえっちぃ本回収して実家に送り返したら、さっさと退学届出して普通校に転校すっから。
そんじゃ、あばよとっつぁん!
「そんなワイに絶望しても仕方ない、か」
フッ……と最後に添えておく。
カツの千切キャベツの如く。
いやぁ、道草食ったけど修正出来るレベルで良かった良かった!
おっしゃあ!
ワイは今度こそノーマルエンドを目指すで!
レース?
そんなん辞退させて頂きます。
足は走るん為だけにあるとちゃいますから。
というか無理に使って惨め味合うんも嫌やん、そんなん。
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その日、トレセン生徒に戦慄が走る!
高等部に編入してきた無名の駆け出しウマ娘が、突然に校門前で豪語しおったのだ!
「生徒会だの皇帝様だの、誰が来ようが余裕のヨッちゃんよ。 脚で稼いで来たワイにゃ、かけっこポニーちゃんの相手をする余裕なんてないんよ!」
聞いたウマ娘は戦慄と共に震え上がり、またある者は怒り心頭であった。
入学式もある新学期の朝から大事件。
ここはトレセン。 努力してきた数多のウマ娘が集いし戦場、ソレをかけっこだのポニーだのと軽んじるバカの発言は到底許し難し。
挙句、かの皇帝含む三冠バらのいる生徒会を敵に回すたぁ、正気の沙汰とは到底思わなんだ。
「な、なによ突然」
「トレセンを舐めてるデース」
「あのウマ娘さんは一体……?」
「あらあら、少しお灸を据えませんとね」
「あー、あー、私は知りませんよーだ」
「嘘でしょ……」
狼狽する面々も。
最初こそ難関試験をパスした編入生というから、知り得た一部トレーナーとウマ娘が多少注目した程度でしかなかったウマ娘。
そんなウマ娘をいざ見れば、妙な熱意を纏わせ……不敵の笑みを浮かべてトレセン全体に宣戦布告、悪く言えば侮辱したのだ。
ましてや生徒会長で最強のウマ娘、皇帝の名を頂戴していているシンボリルドルフまで。
こうなれば必然、闘争心溢れるウマ娘達に揉まれて潰されるのは火を見るよりも明らか。
同時にあっさりと火は回り、運悪く皇帝のウマ耳にも届いてしまう。
「"血気"盛んな編入生が"決起"した様だね」
「会長、笑い事ではありません」
そんな火遊びより危険なウマ娘の面倒を見るなんて真っ平御免。 トレーナーは早々に手を引き、真に血気盛んなウマ娘は奴を潰す為に動き出す。
刹那、奴は知っていたかの様に更なる爆弾発言を投下。 不敵な笑みで、けれど目は本気で。
「すぐ終わる。 関わらん方がえぇよ」
(ッ!?)
ゾクリとした寒気。 足を止める面々。
その自信は何処から来るのか。 その歴戦の目は、どれだけの死闘の限りを尽くせば出来るのか。
努力をしてきたウマ娘には分かる。
コイツはホラ吹きじゃない。 ガチのヤバい奴だ!
「そんなワイに絶望しても仕方ない、か」
奴は挑発すると、その場を立ち去った。
どれだけの研磨を積めば、それ程の自信と目をする事が出来るのか。
その意味、理性では手を引くにも、本能では火傷してでも火中の栗を拾いたくなる思いが募り、ウマ娘やトレーナーの注目を再度浴びる事になる。
「しかし、あの目は……ふふっ、心底震えるのは久し振りだ。 私をその気にさせたんだ、責任をとって貰う」
本人の知らないところで、初日早々大変な事になっていくトレセン学園。
ツライさんの受難は既に始まっているのだった。
書くの難しいですね……。
どこまでいけるのか(遠い目。