【ヒトソウルが叫びたがってるんだ!】(完結)   作:ハヤモ

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相変わらずツライさん。
抜け殻にならない様にしたくも……。

未来を知っている者は……。


21.観測者

選抜レースを走ったツライさんに、多少口を閉ざしたかに思われたお偉いさんだが、直ぐにも次の文句が飛び出てきてしまう。

 

 

「ツユハライめ、トレーナー契約を悉く断りおって。 やはり、何処かの差金だな」

 

 

入学しておきながら、走らないとは何事か。

生徒もトレーナーもツライさんには思うモノがあったが、お偉いさんとしては別方面で気にしなければならなかった。

走らねば金にならない、というのもそうだが、ツライさんに関してはもっと別……データバンクへの不正アクセスの件がある。

この件は内々で処理しなければならない。 でなければ地位、名声、金がパァになるのは自分含めた悪徳の者達故に。

ただ幸か不幸か、ツライさんはトレセン生徒であり何も力がない。 強いて理事長が邪魔なだけで、その気になれば抹消出来る。 それこそこの世から、存在した記憶ごと。

 

 

「データ絡み、探りを入れる為に潜入してきた者、と見た方が良いかの」

「はい。 それと、もしかしたら彼女も……」

「ウマソウル同様やってきた、とでも? だが彼女はウマ娘。 ヒトではない。 ヒトの事情や歴史の記憶があるとは思えんよ」

 

 

まさかのオカルト発言……ッ!

が、あり得る……ウマ娘世界、普通にある!

 

 

「何にせよ、いつの世にも出てくる正義ぶった偽善者の1人。 有象無象、経済や政治に疎い者が好き勝手しては回るものも回らん。 世の中、結局は権力と金なのだ。 最も、上の連中が邪魔でワシ直々に潰せないのが残念だがね」

 

 

見えないところでも話は進む。

ツライさんも自業自得だし周囲を巻き込んで助かろうとしている為に同情し難いが、それでも足掻く。 お互いに。

 

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

人の為にする善と書き偽善と読む。

やらぬ善よりやる偽善。

が、しかし。 ワイのしている事は誰かが幸せになるわけでもなく、寧ろ不幸……ッ!

なのに動くはワイの為……自己中ッ!

 

生き残りたい……ただ、それだけッ!

 

会社クビになるかヒト(ウマ娘)クビになるか選ぶなら、今世では会社(URA)をクビになるぞ理事長オォーッ!

 

……さても現状を報告する。

ふざけてられない。

 

オカルトをも味方にして、例のアクセス権の人物……分かっているだけで2人……判明したものの、その先に詰まった。

 

ソイツらが何故、ワイなんかを排除したがっているのかは分からんままだ。

タキオンとシャカが整理してくれた記録と公表されているのを比較してみたりしているも、まるで意味が分からんぞ!

なのでゴルシ風に袋に詰めて攫って拷問に掛ける方法を考えたが、警備を物理的に突破するのは現実的じゃない。 足もつく。 ウマ娘なだけに。

 

 

「あぁ〜、もぅ! どうすりゃ良いんだ!」

 

 

自室でムシャクシャ。

汗や汚れでベトベトの髪を掻きむしる。

 

消されてしまうのも時間の問題だ。

オトモダチのような、守護霊的なスピリチュアル要素……ナニも考えず神頼み……悪手……完全にソレは……ッ!

 

 

「……風呂入ろ」

 

 

考えても解決しない。

一旦休憩して体を流そう。

 

 

「やっぱ、矛盾した記録に鍵が? 金額の変動に不審点が見られないなら……不正は気付かなければ、分からなければ不正ではない……でも、証拠もなく隠蔽なんて……そもそも認識出来ないナニかが働いているなら?」

 

 

移動しながらブツクサ。

もし、もしそうならば……認識出来ないなら、いくら計算しても駄目ならば。

現実的な事にアプローチをしてみて、それでも妙な感覚が憑いてくるなら、コレはオカルト方面ではなかろうか。

シャカが絶対的信用を置いている自作PCだって、何度やっても駄目だった計算がトレーナーと共に駆け抜けた先、求めていた答えを得る事になった様に。

 

思考実験の類で考える。

森で木が倒れたとする。 それを認識出来るヒトがいないとしたら倒れたと証明出来ない。 その結果、木は倒れていない。 下手すると森すら存在しないと言う。

 

いやソレ滅茶苦茶じゃね、と思う考えも……けれど確かに事象が存在したと言えるなら、何処かに観測している者がいるという事で……。

この場合は、森や木を認識している何者かがいる、事象を生み出した者がいる……。

 

 

「ウマ娘たちの運命を自由に綴れる観測者がいるとでも? それは神の所業……いや、そんな者は認めたく無いが……観測するなら、どういった位置で、どんな奴が得をする……考えろ……考えるんだ……」

 

 

服を脱ぎ、シャワーを浴びる……。

 

 

中身元限界社畜、ガワはウマ娘。

 

が、カット……ッ!

この小説……挿絵なし……ッ!

 

センシティブ……駄目、絶対……ッ!

 

 

 

が、この世界……別方面でも危険!

 

走りもせず、皆が知らない世界で動く陰は幾つあるのか。

 

白日の元に晒す為、それを阻止する為、ただ生き残りたいが為。

 

────暗躍するはツライさんのみならず。




後書き
【親睦】
Q. あなたは友人を殺してしまいます。 これから死体を処理するところですが、あなたは死体処理に慣れている為1人でも行うことができますが、なぜか知人に泣きつき手伝ってもらうことにしました。 それは何故ですか?
A.ツユハライの解答
秘密を共有して親密になり、次のターゲットに出来るように、または仕事仲間を増やす為。


【傀儡】
Q. あなたは教師で、クラスの学級委員長を選ばなければなりません。 どんな生徒にしますか?
A.ツユハライの解答
特徴の無い生徒。 陰から支配しやすい為。


(以下、構想/ネタバレ注意)















犯 人:元トレーナー
現URAの悪のお偉いさん。 転生者。
競馬好きのギャンブラーで、借金をしまくり人生破綻。 黒服らによる強制労働に就かされ、身体を壊して死亡。 その後ウマ娘世界に転生。
ウマ娘が元世界の馬と同名、同運命なのを知り、記憶を頼りにトレーナーとして活躍。 歳月が経ちURAの偉い奴に昇進。 前世ではありえなかったウハウハ生活に完全に染まり悪の道へ。
真犯人:たずな
ウマ娘が食い物にされている状況を察し、良く思っていなかったものの、URA、トレセンやウマ娘の未来を思い動けずにいた。
そんな中、自己犠牲を厭わず法律に触れる事を平然とやるツユハライの登場で考えは現実味を帯び始め……。

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