「勘違いしないでね? 別にこれをきっかけに付き合うとかないし」
目の前にいる少女は脱ぎ捨てた下着を手に取る
彼女の話が頭に入らない
なんかボーっとして現実感がない
「メアドとかも交換しないし」
さっきまでの感触が経験したことの無い快楽で
「多分これっきり」
紛れもない事実なんだな
俺はたったいま童貞を捨てた
彼女の部屋から出て家に向かう
頭の中には自分と彼女が交わった感覚のことしかなく、街の喧騒も、人の声も全く聞こえなかった。そもそもどうしてこんなことになったかというと
友達に合コンに誘われて、いざ行ってみるが、あまり馴染めなかった。相手の女性1人が退屈そうにしていて、彼女が飲み物を取りに行く姿を見ると、自分も部屋を出る。溜息をついてジュースをグラスに注いでいた。
「楽しくねーの?」
「何? ノリ悪いって文句言いに来たの?」
見るからに不機嫌だ。彼女の名前は橘瑠衣。感情が乏しく、かなりぶっきらぼうなことも言っていた。さっき部屋でも好きな曲は何と俺の友人が聞いていたが、彼女は冷めた感じで
「どの曲も薄っぺらく感じる」
と言って場を冷めた。それから俺の友人達がどうにかして場を温め直してたが、彼女は楽しそうな顔を一度もしていなかった
「別に不機嫌そうにしていたら気にするでしょ」
「別に不機嫌じゃない。これが普通。ただ合コンとか慣れなくて上手くノルていないだけ」
「俺も慣れてはいねーのよ正直。高校デビューしたんだけど、空気に慣れなくてさ」
それから彼女と話をしていると、思いのほか話が続く。彼女はぽつりとこう言ってきた
「2人で抜け出さない?」
俺達は友達を置いてカラオケ屋から出る。彼女の後ろを付いていくと、ある建物に入り、部屋に通される
「ここどこ?」
「私の部屋。藤井君だっけ? ここであたしとHしてくんない?」
「…は?」
「あたしとが嫌なら帰っていいけど」
「え、は、え、なんで?」
「経験としてしてみたいんだよね」
「?」
「何事もそうだけど、知っている人は知らない人を見下すじゃん。あれが嫌なの。子ども扱いされてろくに話も通じない。ならそれを知りたいと思うのは当然でしょ? 今日の合コンはそれが目的で来たの」
「そ、そうか。でも、な、なんで俺?」
「あんた初めてでしょ」
見えない矢が俺の心臓を貫いた
い、痛い
「だから誘ったの。慣れた人に喰われるのも気に食わないから。で、どうするの? するの? しないの?」
思い浮かべるのは大好きな人
その大好きな人にも、子ども扱いをされて、話を聞いてくれないときがあった。まさしく今の彼女と同じだ
彼女は俺の瞳をジッと見つめる
「わ、わかった」
俺は服を脱いで、彼女の座るベッドに近づいた
「で、どうだった?」
「うーん。私は私のままなんだって思った。こんな感じかーって」
そんなことを思い出しながら家に着いた
寝る時は悶々としてとても寝付けなかった
翌日学校の屋上で趣味の小説を書いていると大好きな人が現れた
彼女の名前は橘日奈。俺の通う赤森高校の英語教師で、バレーボール部の顧問をしている新任教師だ。そして俺の大好きな人。
執筆中の小説を隠すと文句を言われるが、それを適当に流していく。彼女の横顔に少し陰が出来ていた。
「なんかあったんすか?」
「え?」
「前に来た時も1人で凹んでいるところを見たので」
「べっつにー。ただなんとなくボーっとしていただけだよ」
彼女と話をしていると心臓がドキドキしてうるさい。顔を見るとすぐに真っ赤になってしまう。楽しく話をしていると、予鈴が鳴ってしまい、彼女は屋上から去って行った。
昼休みになって屋上に行くと、また橘先生がいた。彼女は涙を流していた。
「ほら、やっぱり何かあるんでしょ。もやもやしているのはよくないっすよ」
「藤井君…やだな…カッコ悪いところを見せちゃったね」
流れる涙を手で拭いながら俺と向き合う。今にも泣き崩れそうな感じがした。
「相談聞きます! 相談は大げさかもしれないけど、話を聞くだけでも…」
大好きな人が泣いている。それを見ているだけの自分が嫌だった。
「ほんとになんでも聞きます! 先生が心配だかr」
「ありがとう」
俺の話を遮るように彼女は呟く
「ありがとうね藤井君。でもね、大人には大人の事情があるのよ」
何事もそうだけど、知っている人は知らない人を見下すじゃん。あれが嫌なの。子ども扱いされてろくに話も通じない。ならそれを知りたいと思うのは当然でしょ?
昨日の彼女の発言を思い出した
ここで自分の意見をもっと言わないときっと後悔する
気が付いたら口が勝手に動いていた
「子ども扱いするなよ!!!」
初めて先生を怒鳴ってしまった
彼女は驚きの表情で俺を見ている
「なんすか大人の事情って…! 幼稚園児じゃあるまいし、そんなに俺のことが頼りないすか!? 先生と俺の何がそんなに違うんすか!? ここで落ち込んでいる先生を見て、先生といっても1人の人間なんだって思って、少しでも力になりたいと思ったんす! だからあんな顔をしてなんでもないと言われるのはとても辛いです! 先生には頼りなく見えるかもしれないけど、その辺の奴等とは違う! だって! だって…」
秘めていた思いが勝手に出てくる
止めようと頭の中で思っていても口が喋り続ける
「俺は! 先生のことが! 先生のことが…」
その先が言えなかった
ピピピピ
彼女は懐から携帯電話を取り出し、通話を始める
鐘がなる
もうすぐ昼休みが終わる時間だ
彼女は電話を終えて
「先生が何かな?」
「…なんでもないです」
「そう。じゃあ戻りましょうか」
俺は
彼女の顔を見るのが怖くなってしまった
授業を受けていても全く耳に入らない
適当に授業を終えて、友人に話しかける。
「なぁ、女子ってどんな男なら好きになるんだ?」
「…どうしたなおー? ついに好きな女でも出来たか?」
「いや友達に相談されて」
「あーはいはい。そういう古いのはいいから。そうだな、やっぱあれだろ」
「あれ?」
「テクニックを磨くことだな。あと場数を踏む」
「…そうだよなー。俺もそうかなって思ってさ」
「おや、お友達はもう経験済み?」
「らしい」
「ならもっとやることだな。何事も数をこなさないと上手くなれねーよ」
「…ちなみに、友人は相手が年上って言ってたんだけど」
「んー。そうなるともっと上手くなる必要があるな」
「そうなのか?」
「年上の女の年齢が分からないが、多かれ少なかれ年上の女は大体経験済みだ。なんなら、小学生で経験しているやつもいるしな」
「そ、そうなのか?」
「あぁ。この前近所の公園で小学生くらいの男女がやってたなー。あれ気付かれないと思っているのかねー。ほれ、動画撮ったんだ」
友人はくつくつと笑いながら見せてきた。画面には確かに小学生らしき体格の男女が身体を交わっていた。
「…経験って好きな人でするのか?」
「いやそれはやめておけ」
今までヘラヘラと話していた友人が真顔になる
「好きな人と経験して、もし上手く行かなかったら落ち込むだろ。こういうのは、その辺の女を捕まえるんだよ」
「…そう伝えておく」
「あぁ伝えておいてくれ。なおには特に伝えておけよー」
「いやなんで俺だよ」
「なんでだろうな~?」
学校が終わり家に帰る
スマホで経験の仕方とかを調べていると、インターホンが鳴る
出るとそこにはこの前行為をした橘瑠衣と、大好きな先生橘日奈と母親らしき人がいた
話を聞いていなかったが、どうやら父さんは再婚するらしい
再婚する女性の娘2人が、この2人というとてもミラクルなことが起きた
2人の顔を見るのがかなり気まずい
瑠衣は視線合うけど日奈とは目を合わせられない
日奈も俺を避けているようだ
そんなこんなで気まずい夕食を終えて
俺は瑠衣の部屋に訪れた
こういうのは悩んでいたら切り出せないから、もう思い切って言ってしまおう
「あのさ」
「んー?」
「俺とHしてくんない?」
「は、なんで?」
「Hの練習がしたい」
「…まぁいいけど」
「いいのか!?」
「うっさ。別に、ゴムある?」
「あ、あぁ」
「じゃあしよ」
彼女は特に嫌がることもせず、服を脱ぎ始めた
「めんどくさい顔しないで、さっさとしなよ」
服を全て脱いで、彼女は布団に横になった
俺も服を脱いで彼女の隣に座った
「どうだった?」
「痛かった」
「そうか。ならまた今度お願いな。瑠衣が気持ちよくなれるように頑張るから」
「なんで?」
「好きな人が出来た時に、がっかりさせたくないんだ。だから練習したい」
「なるほどねー。わかった。しっかり勉強してね」
初対面から自分の部屋にあげてHしようと言ってきた子だ
面構えが違う
特に俺を非難するような言動もせず、ただ作業をこなしている感じだった
それが気に食わない
息が乱れるくらいに気持ちよくさせなきゃ先生は振り向いてくれない
もっともっと女の身体を知らないといけない
「瑠衣」
「んー?」
「俺、もっと頑張るから。だからダメなところはダメって言って欲しい」
「はいはい。わかりましたよー」
俺はヤリ〇ンになることを決めた
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