昔々、地球は二つの種族によって支配されていた。
一方は人間。
そして、もう一方はウマ娘。
そのウマ娘は「魔法」というものを使えたという。
この二つの種族はそれぞれ違う生活を送っていた。
ある時は協力し合い、ある時は争っていた。
ある日、この二つの種族の間で大きな戦争が起きた。
全ての人間とウマ娘を巻き込んだこの戦争は
数えきれないほどの友情、愛情を破壊した。
ウマ娘の方が身体能力が高く、魔法も使えていたが、
人間の団結力がそれを僅かに上回った。
戦況は次第に人間側が優勢になった。
やがて、自分たちの負けを悟ったウマ娘たちは地下へ逃げ込み、
人間から自分たちを守るために巨大な結界を作り上げた。
人間は後を追おうとしたが、結界に阻まれて諦めた。
そして、それから何年、何十年、何百年と長い年月が経った。
202X年
ウマ娘という存在、そして彼女たちとの大戦争が伝説として語り継がれるようになった時代。
とある島国に「府中山」という山があった。
その国の首都のすぐ近くにある山には二つの伝説があった。
一つは「ウマ娘たちが逃げ込んだ山」。
そして、もう一つは「入った人間は二度と戻って来ない」
というものだった。
人々は皆その山を恐れ、立ち入ろうとしなかった。
そんな中、その山に一人の青年が立ち入った。
好奇心からなのか、それともそうする運命にあったのか青年にも分からなかった。
青年は山麓にある横穴に入り注意深く進んでいった。
その先には大きな縦穴があった。
それ以上の収穫が見込めないと思った青年は引き返そうとした
しかし、足を滑らせてその穴に落ちてしまった。
ウマ娘たちの住む地下の世界へと……
………
地下世界。
人間との戦争に負けたウマ娘がいる世界。
そんな世界にある青年が落ちてきた。
落ちた先には花が咲き乱れていた。それがクッションとなって助かったが、当然、全ての衝撃を吸収できるわけがないので、痛みが全身に走る。徐々に痛みが治まると青年は立ち上がった。上を見上げるとさっき自分が落ちた穴から太陽の光が差し込んでいた。ここから上へ登っていくのは無理そうだ。辺りを見渡すと門が太陽によって照らされていた。青年はその門に向かった。
門の先を覗くそこには一本の菊が植えられていた。しかし、それ以外は何もなかったため、青年は一安心した。門を潜って先へ進む。
突然、さっきの菊が動いた。よく見てみるとその菊には顔があった。そして、その顔は怯えていた。
???「二、ニンゲン…!?」
その菊は青年から距離を取って話し始めた。
???「や、やぁ…。ボクの名前はキッカ。菊に花でキッカ……。」
キッカ「えっとね。その……この世界は殺すか殺されるかだから……」
キッカと名乗ったその菊は段々と弱々しいしゃべりになっていく。そして、今にも泣きだしそうな顔で青年を見た。
キッカ「お願い……ボクを殺さないで…」
突然そんなことを言われた青年は困惑した。いきなり人殺しのような扱いを受けたのだ。取り敢えず、殺さないと伝えて理由を聞いてみることにした。
キッカ「…え?こ、殺さない?よかった……え?さっきの殺すか殺されるかは何かって?」
するとキッカは下を向いて言った。
キッカ「この世界のルールさ。強いのだけが生き残れるということさ。ボクみたいな弱いのは怯えながら暮らさなきゃいけないんだ。」
キッカはそう言った。
キッカ「ああ、そうだ。キミの名前を聞いていなかったね。何ていうの?……フリスク?あー、うん。まあ、いい名前だと思うよ。取り敢えず君は今すくここから逃げないといけないよ。着いてきて。」
すると、キッカは突然地中に埋まった。フリスクが驚いていると先の部屋にいた。
キッカ「ああ、これ、ボクの力。地面の中を動けるんだ。こうやって強いヤツから逃げているってわけ。」
キッカ「もし、ウマ娘と戦うことになった時の対処法を教えるから来て!」
フリスクはキッカのもとに駆け寄った。