少し時系列戻ります。
[Momo Talk]
『こんにちは。ミレニアムサイエンススクール、セミナー所属の早瀬ユウカよ。この間のシャーレ奪還作戦で会ったのだけど、覚えてるかしら?』
『勿論覚えてます!』
『良かったわ。シャーレの所属になったと聞いたのだけど』
『はい、一応......』
『本当なのね......えっと、シャーレの奪還作戦について、弾丸の経費の振込が確認できていないんだけど、そちらで処理はできているかしら?』
『す、すみません!請求書の作り方がまだ分かってなくて......』
『まだ慣れていないだろうし、仕方ないわ。今度挨拶がてらミレニアムで使っている請求書の雛形を持っていくから、その時にお願いね』
『はい!ありがとうございます!』
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シャーレの仕事を始めてから大体一週間ほど経った日、ユウカちゃんからモモトークが届いた。
そう、これは全先生ご存知......ユウカちゃんのメモロビイベントであるッ!
こんなイベントをスルーするなんてあり得ないよね!
まあ実際請求書の作り方を知らないのは本当なんだけど。
そんなこんなで今日はユウカちゃんがシャーレを訪ねて来てくれる日だ。今日をユウカ記念日とする!
「シルベさん?いるかしら?」
「は、はい!」
ユウカちゃんを招き入れる。
ミレニアムサイエンススクールの二年生、早瀬ユウカちゃん。
かの学園では密かに『冷酷な算術使い』との異名で呼ばれているらしいけど......その実態は、問題を起こす各部活の生徒達にもゲロ甘な頼れる生徒会役員である。
「どうぞ、お茶です......」
「あら、ありがとう」
あの時はいっぱいいっぱいでハスミちゃんの膝枕しか堪能できなかったけど。あのユウカちゃんが目の前にいるこの状況、素晴らしすぎやしないだろうか。
ああ、めちゃくちゃに可愛いなぁ......
「どう?シャーレの仕事は上手くいってる?」
「えっと、わからないことだらけですが、一応......」
横目で山積みの書類を見る。よく言えば今の所は大きな事件もなく、悪く言えば慢性的に書類仕事のオンパレードだ。
「大変そうね......というかこれ、あなたの昼食?もう少し食べないと、体がもたないわよ?」
「その、お金がなくって」
シャーレを代行すると決めた時はあまりの責任の重さに挫けそうになったが、いいこともある。それはこうして絆イベントを多少なりとも体験することができるのだっ......!
そんな訳で今日はコッペパン買ってきました。原作再現にはこだわる派です。
「お金がない?シャーレってそんなに薄給なの?」
「その、ゲームを買いすぎちゃって......」
世界が変われば、作られるものの根底も変わる。要するに、私が居た世界とは全く違うベストセラーゲームが山のようにあるのだ。
『モモフレンズの森』とか、『寿ー司ーロボット回転』とか、やりたいゲームが掘れば掘るほど出てきてしまうのだ。
元々ソシャゲをやり込んでるくらいにはゲーム好きな私が我慢できるはずもなく——
っていや!ユウカちゃんのメモロビを見るための作戦ですよ!無駄遣いじゃない!
「食費を削ってまで買うのは良くないと思うわ!家計簿はちゃんとつけてるの?」
「つけてないです......」
「もう......!高校生になったんだから、そのくらいはやらないと。私が整理するから、直近の領収書を探して!」
何とまあ面倒見のいいカーチャンだろうか。本当好き。
そうして、ユウカちゃんと一緒に領収書の整理をするというメモロビ体験をした。私の心のシャッターが火を吹くぜ!
そういえば、原作で先生が『クラブ・ふわりん』の領収書を見られて怒られていたのだけれど。
調べてみるとそれは、ふわふわな小動物達が動物学校でいろいろなクラブ活動をするという内容のソシャゲだった。絶対いかがわしいゲームだと思ってたよ......ごめん先生。
ちなみにただ今『限定SSRチベットスナギツネ』ピックアップ中です。編成すると穴掘り効率脅威の250%UP。先生の二万円はこれか?天井したのか?ちょっと親近感湧いてきたな......
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「こんな感じかしらね。これからはちゃんと家計簿に記録するのよ?」
「ありがとうございます!あと確定申告もしてください......」
「なんでよ......しないわよ!」
「え、嘘っ.......!?」
「な、何でそんな驚いてるの!?」
そんな、ユウカちゃんは確定申告をしてくれそうな彼女第一位だったはず......!やはりイケメン先生にしかしてくれないのか......
「まあ、どうしてもって言うなら?手伝ってあげなくもないけど......」
いやこれは押せばやってくれるタイプだ。これぞ私たちのユウカちゃん!
「それじゃあ私は帰るけれど、ちゃんと消費は計画的にするのよ?シャーレのお仕事は大変かもしれないけど、頑張ってね」
「はい!ありがとうございます!」
やっぱりユウカちゃん、原作より優しかった気がするな。これも私が一年生だからか。
裏を返せばそれだけ頼りないということだ。先生の代わりになんてなれる気はしないが、とにかく先生に少しでも良い状態でバトンタッチできるようにしなければ!
それはそれとして、超楽しかったです!
そうして私は新たな決意と共に、ユウカちゃんとの楽しい時間を過ごしたのでした。