「訊きたいことが色々あるんだけど…」
「えぇ?面倒だなあ。じゃ、三つまでね」
「三つか…」
何とか動けるぐらいにまで回復した俺は、ずんずん進んでいく白の後ろを付いて歩いていた。そして訊きそびれていたことを訊こうと思ったんだが…
「三つ…三つかぁ」
訊きたいことは山ほど有る。根の国とは何なのか、ここは何処にあるんだとか、お前は何者だとか…
「早くしないと目的地に着いちゃうよー?」
どれにしようかと悩んでると白にそう急かされてしまった。
「そもそも何処に向かってるんだこれ?」
「え?穢れが溜まってるところ、妖怪が出るんだよねぇ。はい一つ目ね」
「あっ!」
つい無意識に質問してしまった。しかも答えがまた良く分からない…さっきから分からないことばかりで本当に頭が痛くなってきた。
「……ん?死んでるんだから痛みとか感じないんじゃあ…」
「それは魄が生きてきたときの感覚を覚えてるからだねぇ。五感とか日常でずっと機能してるものは魄が覚えてる、だから痛いとか感じる訳よ」
「へぇ…」
「そもそも魄は肉体部分に関連してるとこだからね。ここの魄は自分が生きてきた中で一番やってきたことをしてるとか幸せだったときの姿をしてるよ」
さっきの説明は何だったのかと思うくらいに白は丁寧に説明してくれた…ちょっと、いや大分わからないところが有るけど。
「つまり、五感とかは魄?が覚えると?」
「そ、でも感じられても受け止めて考える魂の部分がないから普通は無駄なんだけどねー。はい二つ目ね?」
…しまった。また無意識の内に質問をしてしまった。最後…最後はどんな質問をするべきなんだ?
「ホントに早くしないと着いちゃうよー?」
「ま、待って!今考えているから!」
質問したいことは色々ある。色々あるから最後に訊かないといけないことを選ぶのに時間が欲しい!そう言っても聞かない白の歩みは止まらないでどんどん進んでいく。最後だから一番大切なこと…あ。
「なぁ、俺は…本当に生き返れるのか?」
白の足がピタリと止まり俺を見る。一番大切なこと、白に付いて行って生き返られるのか、それを真っ先に訊かなきゃいけなかった。
「そうだねぇ、正直に言うと僕は生き返る方法なんて知らない」
「え」
「でもね、その方法を知ってるかもしれない、生き返らせることが出来るかもしれない人は知ってる。だから安心して付いてきなよ」
そう答えた白の顔は相変わらず紙のせいで見えなかったけど、今までのからかうような声じゃなくて優しく語りかけるような声だった。
「…わかった」
「それでヨシ!じゃ、そろそろ着くから準備してね」
「準備?なんの?」
「囮…もとい戦う準備!」
…信じるのはちょっと早まったかもしれない