モンハン勢がダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか 作:H-13
折角なので、速攻で仕上げてみました。
「ヤマト君、稼ぎの方はどうだったかい?」
そんな事を聞かれて魔石やら何やらを換金して来るのを忘れていた。
もう夜も遅く、ヘスティアが用意してくれていたじゃが丸君を夕ご飯にしようとしていた時間である。
「初めてだったから仕方無いね。あ、そういえばヘファイストスが鉱石を持ってきて欲しいって言ってたよ。気になるから僕もついて行っちゃおうかな~。」
「俺は気にしないからヘファイストスの邪魔しなければ大丈夫じゃないか…?」
幾らカンストゼニーを持っていてもこの世界では使えないモノ。未練を斬り捨てこの世界での金策を考えなければろくにコレクション集めも捗らないだろう。
そんな昨日の会話から一晩。ヘファイストス・ファミリアに向かう道中にてサンドイッチとホットミルクを買ってみた。
クリームに果物が挟まった甘めのサンドイッチ。朝に食べるのは若干重いように感じたがこれがまたホットミルクに合うのだ。
朝は肌寒い。身体の芯からあっためてくれた朝食をちゃんと2人で完食してから、もうお馴染みとなったヘファイストスの事務室へ足を運んだ。
「鉄鉱石」「大地の結晶」「マカライト鉱石」
「ユニオン鉱石」「グラシスメタル」「紅蓮石」「カブレライト鉱石」
アイテムボックスの中で埋まっていた鉱石を99単位で持って来た。上記には書かなかったがあと4.5種類もポーチの中に眠っている。
採掘のメインは護符である。けして鉱石では無い。武器も防具もそれなりのモノは作れるが最上位になる前提であれば繋ぎの立ち位置になってしまうのは否めない性能なのだ。
そんなアイテムボックスを圧迫し、必要に応じて売り払ってすら居た鉱石を、ヘファイストスは価値ありと結論付けた。
純度は決して高くないのだ。採掘したソレを形にしたようなモノが多いのだが、この世界には無い効果を得られるモノが多いらしい。
一番ヘファイストスが価値をあげたものが「紅蓮石」である。
鉱石同士を高熱で結合することが出来る常時燃え盛る鉱石は、これまでの常識を覆せる。そんな事を言っていたが鍛冶師では無いヤマトには「そうなんだ」と頷く程度のことしか出来なかった。
鉱石は有限ではあるのだがヤマト自身が持っていてなにかに使うかと言われたら否である。
元々渡して武具を作ってくれていた鍛冶師はユクモ村にしか居ない。
折角なので、ヘファイストスに買い取って貰うことにした。
鉱石を眺めながら思考の海へと沈んでしまった彼女にやんわりと提案すれば即座に食い付いてきたのは言うまでもないだろう。
今日持って来たモノ全て納品して、端数を切り捨てて2億ヴァリス前後。鉄鉱石も含めても1個平均20万ヴァリス前後である。
・無限の供給は出来ず、1種類ごとに6スタック前後であること。
・仕入先が現在ヤマトしか無いこと。
これが価格をヘファイストス自身が適正価格として釣り上げた理由である。
安いと臍を曲げられてゴブニュ・ファミリアに流されるより良いと思ったかはヘファイストスしか分からぬ事であった。
そもヤマトは鍛冶系ファミリアはヘファイストス・ファミリアしか知らないのだからその心配は杞憂であるのだが。
「ヤマト君ヤマト君!…僕ちゃんとした家に住みたいなぁ?」
「2億もあれば家が立つか?」
「豪邸を建てないんなら5000万もあれば十分よ。腕の良いトコロ紹介するわよ?」
ヘスティアは可愛いしヘファイストスは横の繋がりをしっかりしている。良い事だ。プーギーもここに居ればな。なでなで出来たんだが。
「あそこの土地に立ててしまって良いのか?」
「今後もご贔屓にしてくれるって約束してくれるなら土地の所有権をヘスティアにあげる事も考えるわよ?」
「だ、そうだけど?」
「え?ぁ、なんでヤマト君が他人事なのさ!ヤマト君が決めるコトだ。僕はソレを尊重するぜ!」
「そうだな、拒否する理由が見付からないが、良いのか?」
「良いわよ。貴方をどっかに取られるより何倍もいいもの。」
「ならば頼もう。少しづつモンスターの素材も置きに来る。業務の妨げに成らない程度に弄ってくれると助かるのだが。」
「最優先でやるわ。でもモンスターそのものの素材…そのモンスターの生態や、見た目、戦い方とかその都度教えて貰っても良いかしら。加工するにはかなり大切な事よ?」
「その位なら構わない。俺が知っているモノ程度ならば教えよう」
「良し。ヘスティア、明日までに書類は作っておくから取りに来なさい?」
「分かったよ!」
こうして、ヘスティア・ファミリアのちゃんとしたホームが出来ることが確定した瞬間であった。
鉱石の価値をあんまり分かってないヤマトなので値段付けはヘファイストスが全部やりました。