モンハン勢がダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか 作:H-13
「ハチミツは置いてませんか?」
ヤマトは初めて市場の様な出店の様な場所に来ていた。
新鮮な良い野菜が食べたければデメテル・ファミリアを尋ねれば良いと教わったがハチミツはそうも行かない様だ。
回復薬グレートから始まり特別効果が良いものにはなんでも使うこととなるハチミツ。ヤマトの手持ちは56。たった56。
自分の畑の隅にあるものを細々と取りながらクエストで機会があれば採取する程度。
アルバトリオンやアカム、ウカムをソロで攻略する毎に5〜10個消費していては減る一方である。
偶に村長にアオアシラ討伐を頼みながらハチミツ狩りに出かけるのは誰しも一度はしたことがあるだろう。俺は沢山やった。
衣食住のある程度を確保できたために次に行うのは調合実験。
幸いなことに回復薬自体は10スタック程アイテムボックス内に眠っている。
オラリオのハチミツと、ユクモ村の回復薬で回復薬グレートが作れるとしたら10万ゼニー位ならお供え物として神に祀っても良かった。
やはり周りの商品よりは高め。これだけ発展した都市でも甘味は人気と言うことだろう。
小さい瓶いっぱいに詰められコルクがされた1瓶50ヴァリスのハチミツ。あるだけ32.3個を買い漁るシルソル装備の狩人は中々に周りから浮いていた事は本人だけが気が付いていなかった。
「へぇ、色々あるもんだな。」
一言、調合実験と言ってもオラリオ産の回復ポーションとヤマトが持つ回復薬は根本から違うモノである。
知見を広げる為に脚を運んだのはへファイストスに勧められたディアンケヒト・ファミリアである。
ピンからキリ。但し底辺が高い。質が良いものが並ぶ店内。
冒険者を治療する窓口に間違ってたどり着いてしまったヤマトを連れて来てくれた女性に礼を言うが、今のヤマトは完全に冷やかし客である。
顔が隠れた全身鎧の上にへファイストス製の武器を背負ってはいるがあの雰囲気の上位冒険者を誰も知らなかったが故に店内を彷徨く姿を不審者一歩手前の視線で監視されていた。
薬草にアオキノコのみの単純明快の回復薬とは違い色々混ぜられているのだけを確認し、手持ちでは下限のものを2個しか買えないことに気が付きそそくさとそこを後にした。
調合の書を過剰に持って、実験実験。ん、調合自体はできる様だ。
【回復薬グレート改】
…………ほう。説明文を見ても回復薬グレートの上位互換として成立している。回復数値としては75。MAX150の内の半分。強くないか?
ユクモのハチミツに切り替えて…
【回復薬グレート】
環境は関係ないとすると素材か。ハチミツを見比べては確かにユクモ村で採取したハチミツは蜂の巣がそのままくっ付いていたりする。オラリオのハチミツは濾されているのか明らかに純度が良いものであった。
面白い。ハチミツを濾し純度を上げるだけで薬としての効果が上がるのか。
ユクモ村では当たり前の様に素材そのものを調合し作ったものを使用していたが、改めて考えると戦地でも変わらず同程度の性能のモノを作る為の手間の削減と考えれば合点が行く。
新天地にて知見が広がりニコニコのヤマトであった。ただ、懐が寂しい。2億はあるが資産を切り売りした結果である。
本格的にダンジョンに潜り金を稼ぎ、帰り道の探索を始めようと考えるヤマトであった。