モンハン勢がダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか   作:H-13

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ちなみに現在は原作開始時1年前前後になります。


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「少し良いかしら?」

 

「─────ん、ああ、失礼。邪魔だったか?」

 

「こんなに長時間居るのに何も買わないから私に報告が来たのよ。」

 

「失礼。未知が溢れていて楽しくて楽しくて仕方が無くてな。…俺はヤマトと云う。貴女は…?」

 

「ヘファイストス、ここの主神よ?」

 

「あぁ、神ヘファイストスか。申し訳無いな。オラリオには3日前に来たばかりなのだ。神というものもな、あったのは貴女で2人目だ。」

 

「……そうは見えないけれど。」

 

「あまり言いふらさない方が良いとその神にも言われていてな。…話してしまっても良いと思うのだが。…あと、此処に神ヘスティアは居るか?」

 

「ヘスティアに用事なんて珍しいわね。アレなら私の部屋でゴロゴロしている筈よ。」

 

「有難い。俺はまだファミリアに所属して居なくてな。ギルドには神ヘスティアを勧められた…といった所だ。」

 

「嘘は…言っていないわね。いいわ。丁度私も貴方のソレに興味があった所だし。」

 

 

こうしてヘファイストスの事務室に脚を踏み入れる事となった。

 

「あ、ヘファイストス!すぐ帰ってきたんだね!わ!彼を迎えに行ったのかい?」

 

「迎えに行くって程じゃないけれど。まぁ連れて来たのは事実ね。ヤマト、彼女がヘスティアよ?」

 

「初めまして。神ヘスティア。俺はヤマト。よろしく頼みたい。」

 

がっちりとその柔らかな手と握手をした後に、神ヘファイストスの方を向く。

 

とりあえず武器を取り外して彼女の机に置いた。それは生命を刈り取る形をしていると言っても間違いは無い。【終焉】の銘は伊達では無いのだ。

 

次に防具。頭、胸当、篭手、垂れ、靴に分かれているソレを一つずつ外せば晒されるのはインナー姿。

 

激戦の跡を物語る傷を身体中に遺した戦士の身体。

 

「まずは俺の話をしよう。神は嘘が見抜けるのだろう?ならば話そう。と言っても簡単にだがな?」

 

ユクモ村の事、生い立ちやハンターのこと。この武器を作った過程やその素材になった黒龍の一角のコト。

 

静かに神ヘファイストスは【終焉】を観察しながら聴き入り、神ヘスティアも口を挟むこと無く聞いてくれた。

 

「このくらいだ。…嘘はあったか?」

 

「…無いわね。ヘスティアも?」

 

「あ、うん。僕も保証する。ヤマト君の話に嘘は無いよ。」

 

「は〜〜〜〜〜〜…。」

 

神ヘファイストスが極度の疲労と頭痛を抑えるように椅子に座り込んだ。

 

「こんな素材、この世界には無いもの。神界にもあるか分からない。良く討伐して加工出来たわね。私でも…アルカナムを使えない今の状態だと加工は困難よ?」

 

「そんなに凄いものなのかいヘファイストス!?」

 

「正に未知ね。それで…ヤマトって言ったかしら。ファミリアに入ってないのなら…ヘスティアは辞めておきなさい?こんな爆弾を抱え込める力は今のヘスティアには無いわよ?」

 

「え!僕の眷属になる為に来てくれたのかい!?」

 

「一応ギルドに勧められましたからね。話してみようかと思って来て見た感じです。」

 

「…ヤマトはどう考えているのかしら?」

 

「正直に言えば帰る手段を探すのが先だと思いますけどね。…未知が広がっているならしばらくはオラリオに居たいと思っていたりします。…だからこそ身軽な方がいい。」

 

「……私から大手に紹介する事も出来るわよ?」

 

「なんか悪いかなって。」

 

「善意だけって訳じゃないのよ?貴方ならば直ぐに最前線に行ける。その直感があるわ?なんなら私が貴方の専属鍛冶師になっても良い。…はっきり言ってあの装備を使っている貴方に私の子供の作る武具じゃ釣り合わないもの。」

 

「コレクションに入れていいなと思う出来のものは何個かあったんだけど?」

 

「決死の死闘の時にそのコレクションに命を預けられる?」

 

「無理だな」

 

「そういう事よ。ソレにダンジョンでその武器だけで挑むと絶対に窮屈になる。そうね…値段は良いものを見せてもらったからおまけして3000万。後払いで良いわよ?丁度手も空いているし。」

 

「有難い限りだが。良いのか?」

 

「良いのよ。私が打ちたいだけだから。」

 

「となると…双剣がよいか。短めで四肢の延長線上になる様なモノを頼みたい。」

 

「色々使えるの?」

 

「大剣、太刀、片手剣、双剣、ランス、ガンランス。あとはスラッシュアックスか。大体は使えるぞ?太刀、双剣辺りが好みではあったが。」

 

「扱えるなら良いわ。そうね…。10日もあれば出来るだろうから取りに来て?」

 

「承知した。それと、先程の申し出は申し訳無いが辞退したいと思う。神ヘスティア、良ければ私と契約を交わして貰えないだろうか。」

 

「え、ぼ、僕でいいのかいヤマト君!?」

 

「横との繋がりは大事なのは分かっているけれど俺は訳ありだからな。ソレにソロも長いから一人の方が気軽だったりする。」

 

「やった!やった!ヘファイストス!やったよ!初めての僕の眷属だ!」

 

「良かったわね。ならヘスティア、出てって貰おうかしら」

 

「……………ぇ゛」

 

「当たり前じゃない。自分の子供が出来たのに何時までもヒモで居られると思わない方が良いわよ?…ヤマトはお金を持っている?」

 

「ミア母さんから5000ヴァリス貰ったからそれだけはある。」

 

「ふぅん。そうなると。あそこかな。ヤマト、ヘスティア。ボロっちいけど、雨風は防げる場所を貸してあげる。お金を稼いだらちゃんとした場所を買いなさい?」

 

「有難い。感謝しよう。」

 

「場所は…この辺りの廃教会。その地下室よ。」

 

こうして、神ヘスティアの眷属になる事が決まり、ヘファイストスが専属鍛冶師となり。住処が決まったのであった。


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