モンハン勢がダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか   作:H-13

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ヤマトのアビリティやスキルはとりあえず妥当だとは思っていますが何かあればコメントください。

《発展アビリティについて》
狩人→数多のモンスターを狩った経験値
剣士→大剣太刀双剣をメインに好んで使っていた経験値。ランス、ガンランスはあんまり好きではなかった為『槍士』は発現していない。
破砕→執拗に部位破壊を狙うスタイルを元にした経験値
逃走→誰しも体力がヤバい時にはモンスターから逃走するだろう。敵から逃げる時に限りハンター誰しもに備え付けられたリミッター解除(移動速度上昇)である


誤字報告、感想、評価等ありがとうございます。モチベに繋がっています。

会話の違和感があり数度書き直しました。難産でした。



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「さて…作っていたモノが出来たから来てもらったけど?ソレは何かしら?」

 

「封龍剣【超絶一門】とか呼ばれてる双剣だな。スキルのお陰で俺のアイテムボックスが使える様になったからお礼に1つあげようかと__。」

 

「…、あげる?」

 

「3本あるから1本位な?火山マラソンしてれば普通に出てくるんだが攻撃力低くて観賞用みたいなモンなんだ。古代技術が使われてるから作り方は知らないが、鍛冶神なら悪いようにはしないだろ?ま、その代わりあんたの武器がもっと欲しいんだが…。」

 

「…この武器は貴方の持つコレクションの中だとどの位の立ち位置かしら。」

 

「レアリティで言えば中の上か?まぁ武器強化が面倒臭い奴だから上の下までなら上げられるぞ?…って、いや。実践で俺が使うことは無いからな?」

 

「……そうね。それなら有難く貰っておくわ。それよりも、貴方の世界のインゴットとか素材?の方が私は興味があるけれど…あるかしら?」

 

「ん?後で持ってこようか、大量にあるぞ。俺に鍛治の技術は無いし修めるよりも頼んでしまった方が出来が良いからな。───それよりも、出来た双剣が気になっている所だが。」

 

「…貴方のソレを見せられた後ってなると見劣りがするかもしれないけれど。銘は「蒼剣」。アダマンタイトを高温で私でも扱える柔らかさにしてから極限まで叩いて鍛えたの。特別な属性を付与出来る余地が無いくらいまでね。」

 

目の前に置かれたのは実用性第一を持って考えられたシンプルな二振りの双剣。自分が知るモノより短め、分厚い刀身でありながら手に持てば絶妙な重さと重心が手に馴染む。

 

本来アダマンタイトとは黒い鉱石なのだろう。全体的に黒から紺寄りの色合いにも関わらず、縁を象る色は蒼く透けた様な独特な色合いを放っていた。鋭く研がれた刃はその色が顕著であり、銘に相応しい色をしていた。

 

順手、逆手、クルクルと数度危うくない程度に扱って見せてから満足した様に先程封龍剣が収まっていたソコに装備した。

 

「感謝する。俺からしてみればそこらの竜の剣より余程価値がある。天龍は狩れば幾らでも素材は取れるがここまでの技術は中々買えん。」

 

「私こそありがとうと言っておこうかしら。貴方の武器を見たからこそ、今のままでは満足出来なくなったんだから。」

 

ヤマトが去った後に、ヘファイストスはその双剣に触れる。高い龍属性と失われた技術で造られた高度なソレに、神としてでは無く一人の鍛冶師として成長出来ると改めて実感したようだ。

 

 

 

 

「エイナ・チュール、コレで良いだろう。ダンジョンに入れさせてくれ。」

 

ド素人の冒険者らしからぬ武具を身にまとった男性。それにしては恩恵も無くファミリアにも属していない不思議な人。

 

提示した必要なコトを全てクリアして戻ってきた彼が見せた双剣には「ヘファイストス」の刻印が。それがエイナには盗品に見えて仕方が無かった。

 

「ヤマト氏、これを何処で?」

 

「神ヘファイストスに打って貰ったんだが?いや、大丈夫。こうしてりょうしゅうしょ?を貰ってきた。ちゃんと代金も支払い済みだ。」

 

ペラリ。ヤマトが懐から取り出した紙はヘファイストス・ファミリアの領収書。紙質が最高級品の為コレを作成したのは椿・コルブランドかヘファイストス本人か。

 

額も額である。3000万ヴァリスを一括支払いと。レベル1が?頭が可笑しくなりそうだった。

 

「支払ったお金の出処は…?」

 

「神フレイヤが支払った。まぁ色々あってな。ちょうどいいから払って貰っただけだ。」

 

なんで冒険者初心者のヤマトと最大ファミリアの主神が繋がってて神ヘファイストスが自ら槌を振るったのだ。

 

「チュール!!そこまでだ。」

 

「ギルド長!然し…!」

 

「黙っていろ。…神ウラノスからの直々の呼び出しだ。付いてこい。」

 

エイナはぽかんと口を開け、頭の中を疑問符が駆け巡っているうちにロイマンはヤマトを連れて主神ウラノスが居るギルドの奥へと向かっていってしまった。

 

「─────ッ!もう、何なのよ!!!」

 

エイナの手元にはヘファイストス・ファミリアの領収書とヤマトが記載した個人の記録だけが残っていた。

 

 

「ロイマン、ご苦労。執務に戻って良いぞ。」

 

「…無礼の無いようにな!」

 

薄暗い「祈祷の間」。その奥の石椅子に座る巨神がウラノスなのだろう。

 

「良く来た。ヤマト…異界の超越者。」

 

「あー、呼ばれるような何かやったか?」

 

「【猛者】との一騎打ち、ヘファイストスの双剣。それだけでも十分にその「何か」に当てはまる。」

 

「不可抗力ってやつだ。悪いな、神…誰だっけ?」

 

「ウラノスだ。」

 

「なら神ウラノス、呼び出した理由を知りたい。」

 

「────御主は、意志を持つモンスターと会ったことはあるか?」

 

「そりゃあるだろ。龍とか意志やら知性ない方が少数だ。」

 

「なら言葉を喋るモンスターは?」

 

「あー、まぁ一応な。アイルー…二足歩行の喋る猫がいるんだがそいつらをモンスターと呼んで良いのかは分からないけど。盗みの達人だ。クソ弱いけどな。」

 

「────そうか。ならば最後だ。敵対せず友好的に接してくるモンスターがいた場合どうする?」

 

「あ?うーん、そうだなぁ。普通に?害にもならないんなら攻撃はしないな。だが警戒も怠ることは無いだろ。知性があるんだ、騙すコトを覚えてても不思議じゃない。敵対するならば…良い素材を落としてくれることに期待するね。」

 

「…質問は以上だ。時間を取らせた。…我が権限を持って汝の要望を通しておこう。明日にはスムーズにダンジョンに入れるだろう。」

 

「質問に答えただけだが…いや、よそう。有難く。感謝する。」

 

 

 

 

 

 

「フェルズ。どう見えた?」

 

「────この世界の害にはならぬだろう。むしろ黒竜を打倒する上でのひとつの切り札になり得る。…それに、異端者の中には冒険者否定派も少なくない。彼が受け身の時点で仲間に引き入れるのはやめた方が良さそうだ。」


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