モンハン勢がダンまち世界に迷い込むのは間違っているだろうか   作:H-13

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ヤマトはハンターなだけで勉強嫌いとか物覚えが悪いとかは無いです。普通にエゴが強めでとち狂ってるだけです。

また、ウラノスがヤマトの正体を知っていたのはフェルズの活躍です。

ちょっと短め。


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翌日。ウラノスは嘘をついた。何がスムーズにだ。

 

御機嫌で朝ギルドに赴けば半分怒っているエイナ・チュールに捕まってしまったのだ。

 

早く試し斬りをしに行きたいヤマトであったが、彼女の出してきたモノがモノなだけに文句は出て来ないままにギルドに留まっていた。

 

『ダンジョンの正規ルート』

 

ハンターにとってこれ程までに重要で強く訴え掛けてくるワードは無いだろう。だからこそ率先してソレを暗記し、覚えて。半日もした頃には17階層までの正規ルートの地図と出てくるモンスターを丸暗記してしまった。

 

未知が広がっているから楽しかったとは本人の弁であった。エイナからしてみれば良い意味での予想外。

 

出店で買った昼飯を片手にギルドからダンジョンへと向かうヤマトを見るエイナの目は少しはマシになったと記載しておく。

 

完全に語弊が解けなかったのはギルド長から直々に降りて来た「ヤマトの深層までの攻略許可」であった。

 

それに対してエイナが取れた対応がダンジョンの正規ルート、モンスターの詳細を覚えさせること程度しか出来なかっただけである。

 

 

 

「聞くのと見るのは全然違うな。…忠告は聞いておくもんだなぁ。」

 

もうトレードマークの様にヤマトを表すシルソル装備にヘファイストスお手製の「蒼剣」を背にさせばダンジョンの正規ルートを確かめるように1層から順繰りと下に降りていった。

 

半分人型のゴブリンやコボルトに少し困惑した様な表情をしてはいたがドスジャギィよりも弱くて凄い拍子抜けをしていた。

 

6層。漸く骨のある「ウォーシャドウ」という敵が出てきたかと思えば一太刀で塵となってしまった。凄く勿体ない。なんで死体が残らない。なんで剥ぎ取り出来ない。残念に思いながら塵の中に落ちていた「ウォーシャドウの指刃」を拾い上げ、更に下へ、下へ。

 

 

 

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「霊刀ユクモ・真打」「王牙刀【伏雷】」「カラミティペイン」

 

「吼剣【地咬】」「ギガスクラッシュ」「崩鉈キクキカムルバス」

 

 

神ヘファイストスの事務室、鍛冶も出来るソコ。床に布一枚敷いた上に並べられたヤマトが持ち込んだ武器の数々。身長と変わらぬ長さの太刀に、盾付きの片手剣。

 

霊刀ユクモは置いておいたとしてもヘファイストスの思う常識的な武器とはかけ離れているモノが大多数であった。

 

ほとんどと言えるほど素材の価値を最大限引き出し、魔剣の様に属性を内包させた未知なる武器作製技術。

 

否、ヤマトの話を聞く限り魔石というモノが存在せず討伐後も死体は残る。故にモンスターの素材を存分に扱えるからこその作り方なのだろう。

 

見方によればこれらの素材は生きている。死してなおその性質を強く強く保ち、他のモンスターを害せる程のモノを持っている。

 

属性がなくとも同じ事。武器を持つだけで防御力が上がる?その代わり鈍だと言われたとしても名前にある通りに叩き付けられればそれだけで脅威である。

 

ヤマトが鍛冶師でない事が悔やまれる。致し方ないことではあるのだが。

 

オリハルコンすら鍛えるのは覚悟を持って行わなければならないただのヒトであるこの身体。

 

なれど、知識とこの身に染み付いた技術は超越存在のソレ。ならば─────コレは鍛冶師ヘファイストスとしての挑戦である。この技術を再現し、その上で超えて見せよう。

 

事務作業を自分の子供に丸投げして一日中槌を振るう主神。ちらっと見た団長の椿はソレに感化されてその下に事務作業をさらに丸投げし、工房に籠ったとか。

 

レベル5では足りぬとダンジョン攻略と鍛冶を並行しながら行いレベル6の壁に辿り着いたのはそう遠くない未来であった。

 

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ヘファイストス→ヤマトが帰ってきたら素材の買取検討。

 

椿・コルブランド→主神がなんか面白いことをしてるけどそれより鍛冶師として成長しようとしてるのを感じ取り感化されてる。37歳。


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