昼休み、それは学校の日常生活においての休息の時間だ。いつもは誰もいない教室で一人で昼食を食べて、まったりとするところだが、今日は違った。
「山崎さん、あなたはまた課題を忘れましたね?あれだけちゃんと出してくださいと言ったじゃないですか」
怒られていた。いや叱られていた。どっちも同じなのだろうか。
目の前の女子は氷川紗夜。1年生の頃から同じクラスで、その頃から彼女には叱られていた。課題やら髪型やら服装やらでどんなことでも食ってかかってきた。いつも一人でいる僕をなぜか探し当て、そこでいつも僕を怒るのだった。あまり人と関わりたくない僕からしてみれば、いい迷惑だった。関わりたくないからこそ場所を移しているのに、怒る声で人に見つけられてしまう。
「ごめん、でも僕ちゃんと先生に忘れたって言ったはずだけど」
「あなたはいつも反省しないじゃないですか。定期的に忘れるのはダメです。今度こそは忘れ物しないようにしてもらわないと」
「どうして僕にそんな忘れ物して欲しくないのさ。別に氷川の成績には関係ないはずだが。それに風紀を乱すようなことでもないだろう」
「それは……」
「それは?」
「っ//なんでもありません///とにかくちゃんと課題を出すように!」
そういうと氷川は顔を赤くして、急いで去っていってしまった。
なんだったんだ、一体。
こうして氷川が絡んでくることがこれまでも結構あった。僕が何をしたっていうんだ。
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昼食を食べて、暇つぶしに本でも読もうと思い、図書室に行った。今日は何を読もうかな。まだ時間は結構あるので、読める本もあるはずだ。
図書筆に入ると、
「あっ、山崎さん……」
またもや同じクラスの人がいた。
彼女は白金燐子。彼女も1年の頃から同じクラスだった。図書室に行くと大体いる。1年生の頃から同じ読書好きとして仲はよかったほうだ。
図書室では静かにしないといけないので、手だけあげて答えた。白金も笑顔で答えてくれた。
今日は何を読もうかな。太宰もいいが、もう大半読んだ。2周目を読む人もいるが、僕はあまりしなかった。川端か。いや今日は谷崎だ。この短い時間じゃ全部は読めないが、暇つぶしにはなるだろう。
座る場所を目で探すが、椅子はどこにも空いてなかった。集まるのに図書室を使う生徒もいるため、いつも図書室は満席だった。しかし、一つだけ空いている席を見つけた。僕はカウンターに近寄って、本を読んでいる白金に小さい声で話しかける。
「白金」
「?、はい」
「そこ使わせてくれないか?」
僕がカウンターの中を指差した。そこには使われていないパイプ椅子があった。白金が状況を把握すると
「はい、どうぞ」
微笑んで開けてくれた。
読書中はどんなことでも忘れられる。その中の登場人物は文字を超えて、脳内で動き出していた。心理小説だったら、その心の中が手に取るようにわかる。しかし現実世界ではそんなことはない。人の心は常に移り変わり、どんどん拠り所を変えていく。そんな寄生を繰り返しながら、人間は生きていく。
寄生というのは、簡単なことではない。その寄生先によって、自分を変えていく必要がある。それならば寄生先なんぞいらん、そう言ってきたのが偉人と呼ばれた人たちだった。偉人になれなかった人が愚者になり、世間へと堕ちていくのだ。
昼休みが終わるチャイムがなった。図書室には白金と自分以外誰もいなかった。みんな授業の準備をするために帰ったのだろう。白金は机に突っ伏して寝ていた。このままでは授業に遅れてしまう。
「おーい、白金。起きろ。昼休み終わったぞ」
「ふわぁ。うーん。あ、そ、そんな時間でしたか////」
起きたら、顔を赤くしていた。暑かったのだろうか。
「じゃあ鍵閉めていくぞ」
「はい……。先に行ってください。私は鍵を返さないといけないので」
「わかった。ああ、そうだ」
僕が行こうとした直前に止まった。
「氷川に言っといてくれ。また理由を聞かせてくれって」
「?わかりました……」
そうして僕は教室に戻った。
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(山崎さんに寝顔を見られたかも////恥ずかしい////)
Roseliaの練習にいてもまだ恥ずかしさは残っていた。
休憩中に氷川さんに聞いた。
「さ、氷川さん……」
「なんですか白金さん?」
「山崎くんが、また理由を聞かせてくれって言ってました。どういうことなんでしょうか?」
「な//全く。あの人は人の気持ちもわからないのかしら///」
氷川さんが顔を赤く染めてた。もしかして氷川さんもあの人のことを?
「氷川さん、一緒に頑張りましょうね……!」
「え?ええ(バンドのことかしら?)」
日常はまたも過ぎていく。
リクエストを活動報告で募集しているので、何卒よろしくお願いします。