シャーレ所属顧問、サオリ先生   作:ベレッタM92F

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対策委員会―7

銀行の陰に潜む怪しい六人組。

その中の一人()が、誰かに通信をする。

 

「アヤ…0(ゼロ)、準備はいいか?」

『はい、既に銀行の設備全般を掌握しています。いつでもいけます』

「よし、じゃあ合わせてくれ」

 

そう言いながらタブレット(シッテムの箱)を起動して何かをしようとする。

……なぜ私は三人称で語っているんだろうな。

まあ細かいことはいい、やるぞ。

 

「アロナ先生」

『はい!』

 

アロナ先生に頼み、銀行の電力を全て落としてもらう。

そして全員に突撃命令を出して銀行に入る。

中は阿鼻叫喚。まあ急に電気が落ちたら怖いものだ。

パソコンを使っていたら特にな!

 

「うわっ!ああああっ!」

「うわああっ!」

「なっ、何が起きて…うああっ!!」

「グワーッ!」

「アバーッ!」

 

そんな中にいるマーケットガード達をメンバーが撃って殴って制圧する。

なぜそんなに手際が良いのか……あまり考えるのはやめておこう、ちょっと傷つく。

メインルーム辺りのマーケットガードを倒したのを確認した後、アロナ先生を介してナンバー0に電力を元に戻してもらう。

そして、ドドン!と擬音が付きそうな感じで私達が並ぶ。

 

 

 

そう、私達こそ、覆面水着団だ!

 

 

 

そんなことが起こる数分前。

銀行を襲うと宣言したシロコに驚いた私。

きっとこの時はアルのなんですっての顔みたいになっていたことだろう。声は出ていなかったようで、誰もこちらに気付かなくてよかったが。

私以外に驚いたのはヒフミ。

 

「はいっ!?」

 

なんて可愛らしい悲鳴に似た声を出す。

 

「だよねー。そういう展開になるよねー」

「はいいいっ!!??」

「わあ☆そしたら悪い銀行をやっつけるとしましょう!」

「えええっ!!??ちょ、ちょっと待ってください!」

 

ノリノリなホシノとノノミに声は届かない。可哀そうだな。

というかお前達覆面付けるの速くないか?

 

「はあ……マジで?マジなんだよね……?ふぅ、それなら……」

 

セリカは覆面を被り

 

「とことんまでやるしかないか!!」

 

と言った。

ヒフミはもはや言葉が作れない。

 

「…………はぁ、了解です。こうなったら止めても聞く耳持たないでしょうし……どうにかなる、はず……」

 

ついには最後のブレーキ役のアヤネまでやる気だった、

ヒフミは絶句している。

 

「ん、先生。そういえば先生の分が無かったから、作っておいた」

「あ、ありがとう……」

 

シロコから渡された青い覆面にはTの文字が。

……私も着けることになるとは……運命というのも、数奇だな。

 

「それと、ごめんヒフミ。あなたの分の覆面は準備が無い」

「うへー、ってことは、バレたら全部トリニティのせいだって言うしかないねー」

「は?」

「ええっ!?そ、そんな……覆面……なんで……えっと、だから……あ、あう……」

 

少し前から思っていたが、ホシノ意外と鬼畜だな……

というか言うしかない、じゃないが?最悪の場合トリニティと全面戦争になるぞ……

 

「それは可哀そうすぎます。ヒフミちゃん、とりあえずこれでもどうぞ☆」

 

そう言って何かを渡すノノミ。

って、あれは……!

 

「たい焼きの紙袋?おお!それなら大丈夫そー!」

「え?ちょ、ちょっと待ってください、皆さ…あ、あうう……」

 

抵抗虚しく紙袋を被せられたヒフミ。

紙袋の額の部分には5の数字が大きく描かれていた。

 

「……」

「ん、完璧」

「番号も振っておきました。ヒフミちゃんは5番です☆」

「見た目はラスボス級じゃない?悪の根源だねー、親分だねー」

「わ、私もご一緒するんですか?闇銀行の襲撃に……?」

「さっき約束したじゃーん?ヒフミちゃん、今日は私達と一緒に行動するって」

「う、うわあ……わ、私、もう生徒会の人達に合わせる顔がありません……」

「問題ないよ!私らは悪くないし!悪いのはあっち!だから襲うの!」

「ヒフミが参加する理由にはならなくないか?」

「せ、先生……!」

「でもせっかくなら参加してもらおう。ちょっとした職業体験だな」

「先生……!?」

 

ヒフミから何かを訴えるような目線を感じるが目を見てないので分かりません知りません。

今度ペロロ様の巨大クッション買ってあげるからな……!

 

「それじゃあ先生。例のセリフを」

 

シロコが私にそう言って銃を構える。アビドスチームはやる気満々。

しょうがない、行くか。

 

「……よし、銀行を襲うぞ」

 

 

 

そんなこんなで現在。

 

「全員その場に伏せなさい!持っている武器は捨てて!」

「言うこと聞かないと、痛い目にあいますよ☆」

「あ、あはは……皆さん、怪我しちゃいけないので……伏せてくださいね……」

 

シロコ、ノノミ、ヒフミが次々に警告する。……こんな状況でも苦笑いが出るのは大物だな。

 

「非常事態発生!非常事態発生!」

「うへ~無駄無駄~。外部に通報される警備システムの電源は落としちゃったからねー」

「ひ、ひいっ!」

「ほら、そこ!!伏せてってば!下手に動くとあの世行きだよ!?」

 

ホシノ、セリカもどんどん脅していく。

本当に才能の塊だな。犯罪者の。

 

「く、くそっ……!」

 

……ん?何か物音がした気が……

 

「やらせるかよぉっ!」

 

私のすぐ近くの柱の裏に、一人隠れていたようだ。

ハンドガンを構えてこちらに向ける。

 

「三手遅い」

「ぐわっ!?」

 

これくらいの距離なら、すぐに詰め寄って防げれる。銃身を掴んで引き寄せ、床に叩きつける。ついでに銃も奪う。

いわゆるCQCだ。

なに?暴力?子どもには手を出さないが、大人やロボットは知らん。

 

「ん、先…Ms,Tって、意外と強い?」

「凄いねせ…Ms,T!」

「嬉しいような嬉しくないような」

 

銃のマガジンを抜き、投げながら二人の声に反応する。

まあ、こっちに来たばかりの時に、無茶して怒られた時の事を思い出せば、褒められる方がいいか。

 

「うへ~ここまでは計画通り!次のステップに進もう―!リーダーのファウストさん!指示を願う!」

「えっ!?えっ!?ファウストって、わ、私ですか?リーダーですか?私が!?」

「リーダーです!ボスです!ちなみに私は……覆面水着団のクリスティーナだお♧」

「うわ、何それ!いつから覆面水着団なんて名前になったの!?それにダサすぎだし!」

 

セリカの言葉に苦笑いするノノミ。

待て、その名前はノノミが付けたのか……ここから始まったんだな……

 

「うへ、ファウストさんは怒ると怖いんだよー?いうこと聞かないと怒られるぞー?」

「あう……リーダーになっちゃいました……これじゃあ、ティーパーティーの名に泥を塗る羽目に……」

「……そこまで、気にしなくてもいいと思うぞ」

 

そこまで敬うような奴らではないような……

 

シロコが大体の行動をしてくれているため、変な動きをしている奴がいないか見張る以外にやることがない。

即興でよくここまでやる。

……ん?あそこにいる三人組は……アル以外の便利屋?なぜ……ああアルか。

流石に便利屋達には気付かれてるだろうし、小さく手を振っておこうか。

ムツキは小さく笑いながら、ハルカは控えめに手を振る。

カヨコは……何とも言えない顔でこちらを見るだけ。

と、アルは?

周りを見てみると……シロコがいるところから少し離れた場所にいた。

銀行員に銃を突き付けているシロコを見ながら、目を輝かせている。……気付いていないなあれは。

 

「あの、シロ……じゃなくて、ブルー先輩!ブツは手に入った?」

「あ、う、うん、確保した」

「それじゃ逃げるよー!全員撤収!」

「アディオ~ス☆」

「け、怪我人はいないようですし……すみませんでした、さよならっ!!!」

「ここで謝った方が怖くないか?」

 

私達は出口へ一目散に走る。

後ろからマーケットガードに通報している声が聞こえる。

 

「全員、戦闘準備!突破するぞ!」

 

道路には、大量のフェンスとマーケットガード達が。

一斉に銃口がこちらに向くが、

 

「ドローン展開」

「おじさんも行くよー!」

 

シロコのドローンミサイルで多数の敵を撃破。残った者は戦闘を走るホシノが盾を構えながらショットガンで倒していく。

 

「いっきまーす☆」

「どきなさい!」

「あ、あうう……ご、ごめんなさい!」

 

セリカ、ノノミ、ヒフミも続いて撃っていく。

道は空いていっているが……

 

「流石に、訓練された奴らだ。このままじゃ捕まるな」

「冷静に分析してる場合!?」

 

後ろからも追いかけられ、前にもどんどん現れてくる。

本当にマズいな。

 

 

このままだったら、な。

 

 

ドゴオォォン!

 

 

後ろに乗り捨てられていた車が突然爆発する。

 

「な、なに!?」

「なんだろうな?」

「その反応絶対知ってるでしょ!」

 

近くのビルの屋上を見てみると、チラッと一瞬光が見えた。スコープの反射だろう。

軽く手を振っておこう。

これでお前も名誉覆面水着団だ、ワカモ……

 

 

 

「うふふ……あなた様のお力になれるのなら、このワカモ、なんなりと♡」

 

 

 

後方からの敵はワカモが足止めしてくれるようだ。

なら、目の前に集中するだけでいい。

 

「Ms,Tが手を回してくれていたみたいだねー。じゃ、おじさん達は目の前に集中しよっか」

 

ホシノの言葉を皮切りに、前面の攻撃の圧を強める覆面水着団。

私は後方から指示を出す……が、私の指揮って実際どうなんだろうか。

やはり先生には劣る……

 

『っ、先生横です!』

「よっ、と」

 

横から警棒を振りかざしてきた奴を受け流して掴み、投げ……ようとしたが、不良のマーケットガードだったため、そのまま開放する。

 

「危ない危ない……っと、どうしようか……」

「……えっ?えっ?」

「……マーケットガードが困惑してるんだけど……ていっ!」

「ぐえっ!」

「投げられそうだったのに、解放されたらそうもなる」

「というか、銀行の時もそうでしたけど、Ms,Tって強くないですか?」

 

うーむ、戦闘もたいして役に立たないのはな……全員大人だったら殴れるんだが……まあ後で考えるか。

今は逃げること最優先だ。

 

『皆さん、もうすぐ敵の包囲網から逃れられます!』

「よし、皆聞いたな?あともう少しだ、このまま突っ切るぞ!」

「はい!」「うん!」「は、はい!」「うんー」「ん……!」

 

全員の士気も上々、という時に奴は現れた。

 

『皆さん気をつけてくださいっ!ゴリアテです!』

 

アヤネの言葉の後に、奴は―ゴリアテはすぐに現れた。

 

「一介の強盗団にここまでする!?」

「ブラックマーケットでも最大の銀行を襲ったらこうもなりますよぉ!!!」

 

セリカの言葉にヒフミの叫ぶ。

その叫びは辛そうだ。すまない……

そんなゴリアテは悲痛な声には反応せず、バンバン撃ってくる。

何とか全員近くの物陰に隠れて、無傷だ。

だが、長くは持たないぞ……!

 

「っ、ブルー!」

 

困った時のドローンミサイル。しかし……

 

「ごめん、弾切れ」

「もうか……!」

 

クソっ、あれだけ撃ちまくっていたらそうもなるか……こういう時、ミサキのミサイルやヒヨリの対物ライフルが欲しくなる……!

 

「運良くロケットランチャーでも落ちて来ないか……!?」

「じゃあこれいる?」

「ああ、ありがたく使わせて……」

「?ご主人様どうしたの?」

「……知ってるか、人は訳の分からないことが起こると泣くんだぞ」

 

私は涙を流しながら急に現れた()()()にそう言う。

滅茶苦茶ビックリした。こわい。

いやいやいやいや、ワカモとかなら分かるが、なぜここにアスナが!?なぜ!?

しかも多くの銃器を持ってだぞ!?お前そんな奴だったか!?

 

「……嫌だった?」

「そ、そんなことはないが、逆にありがたいが……そっちはどうなんだ?C&Cが簡単に関与していいものじゃ……制服?」

「今日はメイドアスナじゃなくて、女子高生アスナだよご主、いや先生!」

「Ms,Tです」

 

この強盗に先生は関与していません。

 

「今度は誰!?」

「ただの女子高生だ気にするな!」

「どう気にするなって言うのよ!?」

 

アスナを何とか隠すように答える。セリカの言うことはもっともである。

だが好機でもある!

 

「セリカ、受け取れ!」

「ロケラン!?たくっ、しょうがない、ね!」

 

投げ渡されたロケットランチャーを受け取ったセリカはゴリアテに撃ち込んだ。

不意打ちをもろにくらったゴリアテは綺麗にぶっ壊れて倒れた。

 

「よしっ!」

「後はちょっとの敵さんから逃げるだけですね!」

「先生「Ms,Tです」お掃除は任せて、皆と逃げちゃって」

 

アスナのその言葉に驚く。

 

「いいのか?」

「うん、先生の為ならね!」

「先生じゃないです」

 

先生が銀行強盗に関与してるわけないだろ!

 

「じゃ、いってらっしゃい!ご主人様!」

「……無理だけはするなよ」

 

私はアスナの頭を撫で、全員に走るように指示し、そのまま逃げた。

 

 

 

「……んふふ」

 

 

 

ワカモ、アスナの協力もあって何とかマーケットガードの包囲から逃がれられた。

覆面水着団の面々は覆面を脱いで息を吐く。

 

「はひー、息苦しい。もう脱いでいいよね?」

「のんびりしてらんないよー、急げ急げ。足止めが二人いるとはいえ、追ってはすぐ来るだろうし」

 

七囚人の一人と激強エージェントの一人がそうそう逃すか……?

 

「できるだけ離れないと……間もなく道路が封鎖されるはずです……」

「ご心配なく。万全の準備を整えておきましたから☆」

「えっいつの間に」

 

本当に初めて?アリウスでもそう急にはできないぞ?

 

「こっち、急いで」

 

シロコが覆面を被ったまま、私達を誘導する。

 

「あの、シロコ先輩……覆面脱がないの?邪魔じゃない?」

「天職を感じちゃったって言うか、もう魂の一部みたいなものになっちゃって、脱ぎたくないんじゃなーい?」

「シロコ先輩はアビドスに来て正解だわ……他の学校だったら、ものすごい事をやらかしてたかも……」

「そ、そうかな……」

 

確かに、特にゲヘナだったらと考えると……身震いがしてきた。

元の世界でも、何度かやったらしい噂を聞いたことがある。アビドスで良かった……

 

『……封鎖地点を突破。この先は安全です』

「やった!大成功!」

「……アヤネ、声上ずってないか?」

『き、気のせいですよ!覆面被ってて、慌てて脱いだわけじゃありませんし!と、とにかく!本当にブラックマーケットの闇銀行を襲っちゃうなんて……ふう……』

「シロコちゃん、集金記録の書類はちゃんと持ってるよね?」

 

ホシノがそう聞くが、シロコはなぜか困惑したような声で返答する。

 

「う、うん……バッグの中に」

 

そう言って鞄を開けると―

 

「……へ?なんじゃこりゃ!?鞄の中に……札束が……!?」

 

―ホシノが珍しく大声を出すくらいの札束が入っていた。

 

「うえええええっ!?シロコ先輩、現金を盗んじゃったの!?」

「ち、違う……目当ての書類はちゃんとある。このお金は、銀行の人が勝手に勘違いして入れただけで……」

「お金を盗むのは犯罪だぞシロコ」

「強盗の時点で犯罪だと思うんですけど……」

 

それは、まあそうだな。

 

「どれどれ……うへ、軽く一億はあるね。本当に五分で一億稼いじゃったよ~」

「こんな大金はほとんど見たことないな……で、どうするんだ?」

「何言ってんの!運ぶわよ!」

 

セリカがそう言って運ぼうとするが、慌ててアヤネが止める。

 

『ちょ、ちょっと待ってください!そのお金、使うつもりですか!?』

「アヤネちゃん、なんで?借金を返さなきゃ!」

『そんなことしたら……本当に犯罪だよ、セリカちゃん!!!』

「ヒフミ、今更じゃないか?」

「ど、どうして私に……!?静かにしておきましょう……」

「は、犯罪だから何!?このお金はそもそも、私達が汗水流して稼いだお金なんだよ!?それがあの闇銀行に流れてったんだよ!それに、そのままにしておいたら、犯罪の武器や兵器に変えられてたかもしれない!悪人のお金を盗んで、何が悪いの!?」

「私はセリカちゃんの意見に賛成です。犯罪者の資金ですし、私達が正しい使い方をした方がいいと思います」

「ほらね!これさえあれば、学校の借金をかなり減らせるんだよ!?」

 

セリカとノノミは使用賛成派、アヤネは反対派、か。

私がそう簡単に口を挟むことじゃないな。彼女達、アビドスの話だ。

さて、ホシノとシロコはどうする……?

 

「んむ……そうだね~……シロコちゃんはどう思う?」

「……自分の意見を述べるまでもない。ホシノ先輩が反対するだろうから」

「へ!?」

「ほう……」

「さすがはシロコちゃん。私の事、分かってるねー」

 

ホシノはセリカの目をしっかりと見る。

 

「私達に必要なのは書類だけ。お金じゃない。今回は悪人の犯罪資金だからいいとして、次はどうする?その次は?」

「……」

「こんな方法に慣れちゃうと……ゆくゆくはは、きっと平気で同じことをするようになるよ」

 

シロコ……分かっているか?

いやシロコはお金云々よりもただ強盗したいだけみたいだからな……そっちのほうが怖い。

 

「そしたら、この先またピンチになった時……『仕方ないよね』とか言いながら、やっちゃいけない事に手を出すと思う。うへ~、このおじさんとしては、可愛い後輩がそうなっちゃうのは嫌だなー」

 

「そうやって学校を守ったって、何の意味があるのさ」

 

……暴力、強盗、テロ……たとえ他人を傷つけて自分達を守ったところで、いらないものがついて回るだけだ。

だが、それを思い、行動できるのは、強い者か――間違いを犯して何かを無くした者だけだ。

ホシノ、もしかしてお前は……

 

「こんな方法を使うくらいなら、最初からノノミちゃんが持ってる光り輝くゴールドカードに頼ってたはずだよねー」

「……そう提案しましたが、ホシノ先輩が反対されました……そうですね、きちんとした方法で返済しなければ、アビドスはアビドスじゃなくなってしまう……」

「うへ、そういうこと~。だから、このバッグは置いていくよ。頂くのは必要な書類だけね。これは委員長としての命令だよ」

 

ホシノは毅然とした態度でそう言い放った。

……委員長命令なら、しょうがないな。

 

「……もおおおおっ!!!もどかしい!意味わかんない!こんな大金捨ててく!?変なところで真面目なんだから!」

「うん、委員長としての命令なら」

 

セリカはわけわからんという態度で叫び、反対にシロコはしっかりと頷く。

 

「私はアビドスさんの事情はよく知りませんが……このお金を持っていると、何か他のトラブルに巻き込まれるかもしれません。災いの種、みたいなものでしょうから……」

「……犯罪によって得られるものなんて、自身を燃やす炎ぐらいだからな。分かった。シャーレが処分しておこう」

「任せたよー先生」

 

その時だった。

 

『……!!待ってください!何者かがそちらに接近しています!』

 

アヤネからそう通信が届いた。

 

「何?追っ手か?」

『い、いえ…敵意は無い様子ですが………!?あ、あれは……』

「な、何?誰だったの?」

 

 

『べ、便利屋のアルさん!?』

 

 

何だアルか……アル!?

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