Re:2199イスカンダル大航海   作:ヤマト愛好家

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改メ号作戦2

 北米管区第七艦隊、巡洋戦艦2、巡洋艦1、駆逐艦1。

役目を果たし、冥王星沖合を去る。

 

 入れ替わり、冥王星から300万宇宙キロ地点に展開中のEURO管区の

陽電子単装狙撃砲を擁する第十三任務部隊が、

追撃しようとする敵駆逐艦に対して砲撃、

右弦艦首から左舷艦尾を過貫通させ爆沈。

第七艦隊を援護する。

 

 狙撃砲には3基のユニット型核融合炉が取り付けられ、

砲身、炉心には星間物質を取り込む形式の

冷却装置が幾重にも搭載されている。

 

 無論、精度は抜群であり、

300万宇宙キロから敵艦を狙撃できる。

元来、広大な宇宙空間で回避行動をとられると、単装では当たらないが、

狙撃砲は各任務部隊に9基配備され、

敵の予測される進路に対して9基全門で斉射、

確実に撃破するのである。

 

 砲身長は50メートル、口径は380ミリ。

毎分2発で艦艇よりも強力だが、防御性能は皆無。

あくまでも極東管区艦隊突撃に合わせての攻撃であり、

目的は北米艦隊の撤退支援である。

 

 これは、滅亡に瀕した地球が、

民間の発電所を徴発し、ユニット化した結果の代物。

現に地球では電力不足が多発し、飢餓が加速している。

 

 しかし、そうでもしなければ勝てない戦いだ。

今は、そういう時代なのだ……

 

 

 ────

 敵艦隊は未知の新手に戸惑いを隠せていなかった。

突如として次元跳躍を実現させた地球艦隊と、一撃必殺だが数が少なく

装填に異常に時間が掛かると踏んでいた陽電子砲を、

8秒間隔で撃ち続ける戦艦が出現し、

記録にある形状の艦艇は此方のビームを弾くのである。

 

 太陽系攻略を任ぜられた、ヴァルケ・シュルツは旗艦シュバリエルから

この異常事態に冷や汗が止まらなかった。

 

 「つい最近までワープすらできなかったテロンが、何故……ッ!」

 

 副官のガンツは、纏めた資料をホログラム投影する。

 

 「ワープ自体はそこまで難しい理論は必要としないようです。

ただ、膨大なエネルギーを生成できる主機が無ければ不可能なはず」

 

 「現に奴らはワープしている、臨機応変に対応するべきだ。

今の状態では我々は基地も艦隊も失ってしまうぞ」

 

 敵は此方の主砲を軽々弾いて突進してくる。

まるで、今は小マゼラン方面に居るであろう、

あのお方の座上艦を彷彿とさせるような艦だった。

 

 ガンツが平静を取り繕いつつ、

 

 「一度、本艦と直掩艦だけでもプラードへ戻りましょう」

 

 「戻ったところで何がある……」

 

 シュルツは視線を下げ、考える。 

 

 プラード(冥王星)には、小惑星を加熱する為の大口径照射砲があった。

奴らは確かそれに似たようなモノを使って、

木星沖海戦にて我が艦隊を狙撃していた事があったのである。

現に突出した一部味方艦隊は、主力と分断され、

狙撃されているという報告も入っていた。

 

 「いや、ガンツの言う通り一度撤退しよう」

 

 「何か妙案でも浮かんだのですか?」

 

 「ああ、奴らよりも上手くやる手法があるのだ」

 

 

 ──有名な反射衛星砲を用いた戦術である、が。

 

 ガンツは殿の艦隊を残し、冥王星へと進路を取る。

 

 短距離の次元跳躍で一気に冥王星南極へ。

 

 「シュルツ司令、これは……」

 

 「な、なんてことだ……」

 

 テロンの艦隊が冥王星から、

20万宇宙キロの地点から砲撃を加えていたのである。

さらに艦載機が地上を攻撃しており、

遮蔽していたはずであった南極の司令基地が露出し、

多数が炎上、滑走路はズタボロにされているのだ。

 

 「敵の数はッ!」

 

 「戦艦3、巡洋艦6、駆逐艦12です!」

 

 「物の数ではない、踏み潰せ!」

 

 「待ってください!」

 

 ガンツが珍しく食い下がる。

 

 「敵はここにゲシュタムジャンプした奴らです。

機関出力は今までの奴らとは確実に違うはず」

 

 シュルツはハッとした。

副官の助言に感謝しつつも、プラードへの攻撃は許せない。

 

 「全艦、射程圏内に入り次第攻撃!

だが、戦列を維持し、無理な攻撃はするな!」

 

 ガイデロール級の機関が唸りを上げる。

シュバリエルを先頭に、デストリア級3隻、

ケルカピア級5隻、クリピテラ級7隻が続く。

 

 「敵弾接近!!」

 

 「回避に集中しつつ、中央の戦艦級を狙えッ!」

 

 巧みな操艦でロールするシュバリエル。

青白い光が艦底を眩く照らす。

 

 「デストリアが食われましたッ!」

 

 「敵駆逐艦、高速で接近中ッ!」

 

 こちらの動きを察知していたと確信できるタイミングだった。

敵駆逐艦が尋常ではない加速をし、青白い光を放つと、

瞬時にデストリア級の上甲板を引き裂いた。

 

 上下左右、計12隻の敵駆逐艦は囲い込むような進路を取り、

一瞬にしてデストリア級2隻を戦闘不能に追い込む。

 

 「速いぞ奴ら!」

 

 「背後につかれた、誰かッ!誰かッ!」

 

 後部の133ミリ速射砲は跳弾、

クリピテラ級が追い回され、砲撃で一突きにされる。

 

 (このままでは食い荒らされてしまう)

 

 「ヤレトラー参謀より通信」

 

 「開け!」

 

 顎髭を蓄え、鍛え上げられた肉体のこの男こそ、

地球への遊星爆弾攻撃を立案した、ヴォル・ヤレトラーである。

 

 「北極付近の基地はまだ生きているとのこと!

そちらへ一度向かいましょう」

 

 ヤレトラーは見た目に反して知的であり、優秀な男であった。

そしてその男をシュルツも信頼していた。

 

 無言でうなずくと、

シュルツと直掩艦隊は加速しつつ軌道を冥王星北極へ。

 

 地球艦は追ってきてはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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