Re:2199イスカンダル大航海   作:ヤマト愛好家

4 / 4
改メ号作戦3

 2188年3月から始まった、未知の敵との戦い。

当初は実体弾やミサイル、高圧増幅光線砲なども一応は

有効な打撃力として機能していた。

 

 しかし敵は素早く強靭であり、同年9月時点で発生した大規模な戦い、

木星沖海戦において、国連総軍は大打撃を被り、

極東管区もまた金剛型戦艦5隻を失ったのである。

 

 2190年1月、遊星爆弾が突如として北米管区ワシントン周辺に落着。

観測されたデータによれば、敵がエッジワースカイパーベルトを

駆逐艦で牽引、何らかの方法で再加熱して地球へ送り込んできたのである。

 

 対策として遊星爆弾は軌道判明後、

EURO管区開発の150cm超大口径高圧増幅掃射衛星砲を用いて、

月面軌道から処理をしていたのだが、敵は次元跳躍によりこの施設を破壊。

同年11月時点ではこれだけの施設を作る前に、EURO管区も大損害を受け、

地下居住区に逃れることになったのだ。

 

 そして2190年の時期は不明なれども、

極東管区は"波動エンジン"の技術と交流したのである。

 

 時は流れ2199年1月10日。

極東管区の大艦隊は、メ号作戦完遂の為に出撃した。

 

 遅ればせながらその陣容を紹介する。

 

 本艦隊は3つの艦隊から構成された連合艦隊であり、

 

前衛の極東管区第一艦隊は

 

・金剛型戦艦3隻

・村雨型巡洋艦6隻

・磯風型突撃宇宙駆逐艦12隻

 

中央に司令直掩艦隊

 

・超弩級宇宙戦艦1

・村雨型巡洋艦3

・磯風型突撃宇宙駆逐艦8

 

そして後衛が第一航空打撃艦隊

 

・蒼龍型航空母艦2

・村雨型4/改村雨型4

・磯風型突撃宇宙駆逐艦15

 

総数54隻で構成された極東管区第一連合艦隊である。

 

 また、全艦が主機を次元波動エンジンに換装し、

次元跳躍力を持っており、

機動力に優れ、波動防壁による艦体防御性能も著しく向上した。

主砲についても陽電子衝撃砲を搭載し、敵の帯磁性特殊加工も容易に貫く。

 

 この艦隊は6年かけて地下ドックで建造され、

この日を待っていたのである。

 

 「これより、敵遊星爆弾製造基地破壊を目的としたメ号作戦を開始する!

全艦トランスワープ準備!」

 

 沖田十三司令長官の号令一下、司令直掩艦隊全艦の操縦系統がヤマトへ。

 

 操縦桿を握る島は緊張を隠さない。

 

 「島君といったな、訓練通りにすればいい」

 

 「は、ハイッ!」

 

 沖田の声により強く操縦桿を握り締める。

古代もまた今の島に声をかける事はしない、いや、出来なかった。

 

 「各艦の操縦系統の同期確認、ワープ準備完了」

 

 「各自ベルト着用」

 

 「空間軸、および時間軸共に歪みナシ!」

 

 空間軸と時間軸、二つの線が重なり合うタイミングを見計らう。

これに失敗すると宇宙の根本原理を破壊しかねないのである。

 

 司令直掩艦隊所属の11隻全艦が準備完了を示す緑表示へ。

 

 

 「ワープ準備完了!」

 

 「トランスワープッ!」

 

 島復唱し「トランスワープ!」

 

 ヤマトは一気に加速する。

星の光も火星の風景も、光が後ろへ集まっていく。

そして目の前に出現した漆黒の空間に飛び込んでいくのだ。

 

──異次元、とも呼べるその空間には様々な宇宙が広がっている。

多元宇宙を示すが如く、恐竜、原始人、そして未知の生き物から、

車、そして機関車まで。

時間と時空がクタクタに煮込まれた、そんな空間を、

ヤマトを中心とした司令直掩艦隊12隻は進んでいる。

 

 ヤマト艦内は静けさに包まれる。

慣性制御が効いているにもかかわらず、謎の浮遊感があるのだ。

真田氏曰く、空間軸が曖昧になる為、三次元の位置座標が意味を成さず、

人間の感覚器官では把握できないのだという。

 

そして、ギギギギギッ、という音が突如として艦全体に響き渡る。

これはウラシマ効果を相殺するための装置、

次元エナーシャルキャンセラーが起動した音だ。

 

 体感時間は数分ほど、この音がしたという事は、

一気に通常空間へと戻るという事だ。

 

 漆黒の穴に再び突入。

体が椅子を感知した。

通常次元へと戻ってきたのである。

 

 「全艦波動防壁展開!全兵装起動!」

 

 古代は兵装起動レバーを一気に前に倒す。

起動音と同時に、滝のごとく全ての武装が[Active]と表示される。

 

 「正面28万宇宙キロに敵大艦隊、数174!」

 

 森雪の報告に、沖田はベルトを即座に外し、身を乗り出して指揮を執る。

 

 「正面突破だ、食い破る」

 

 ヤマトは他艦を振り切り、一気に速度を上げる。

 

 「撃ち方始めッ!」

 

 「てーッ!」

 

 48サンチ主砲正面2基6門が激しく発光、

青白い6本の奔流が薙ぎ払うように駆逐艦から戦艦に至るまでを両断。

瞬く間に6つの爆発。

 

 慌てる敵艦隊は各個バラバラに砲撃を浴びせるも、

ほとんどは見当違いの場所へ飛び、ラッキーショットは見事に弾き逸らす。

 

 「煙突ミサイル、短魚雷、全弾発射!」

 

 側面、上部双方から煙が上がり、

24本のミサイルが、各個ターゲットを追い回す。

 

 「シマカゼ、ユキカゼ、シラヌイ、ハツシマ先行します!」

 

 ヤマト両舷を一気に追い抜き、

ミサイルのごとく敵艦隊へ突入する磯風型突撃宇宙駆逐艦4隻。

 

 さらに上下左右に4隻が展開、村雨型は北米管区第七艦隊の援護に回る。

 

 「ヒリュウ、ソウリュウより通信、第一次攻撃隊を発艦させたとの事!」

 

 相原の報告に沖田は頷く。

島はヤマトを巧みに操り、古代は的確に攻撃目標を狙い、撃破する。

コスモレーダーを監視する森雪も、敵を意味する表示がポツ、ポツ、と

消えていく速度に驚きを隠せていなかった。

 

 戦況は敵艦隊の油断により一気に変化した。

北米管区を主力と侮っていた敵艦隊は、

自らの主砲が突如として通用しない艦隊の出現に際して、

逃げの一択という苦渋の選択をしたのだ。

 

 無論、全艦が陽電子ビーム砲に対して無敵というわけではない。

耐圧限界内であれば、の話である。

だがこの状況下においては、敵からは無敵艦隊に見えたのだろう。

 

 磯風型はとにかく素早い上に、機動力は当初から敵と同等であった。 

だが、波動エンジンに換装した本艦は、最早手が付けられないレベルである。

高機動力を以てして、敵駆逐艦を追い回し、

127ミリ三連装陽電子衝撃砲で斬り付ける。

艦首の新型魚雷を打ち放し、重巡洋艦に無視できない損害を与えるのだ。

 

 その運用はまるで歩兵を襲う騎馬隊の様である。

速力に劣る敵艦隊は、脆い艦尾を晒して串刺しに。

今まで通り装甲に頼ろうとした重巡洋艦は、

48サンチの主砲が容赦なく吹き飛ばす。

 

 2空母の航空隊も殺到し、3次元の戦場は瞬く間に狩場と化した。

 

 「前衛第一艦隊より報告、冥王星南部の基地を攻撃中との事!」

 

 「山南がやったか!ヨシ、そのまま続けろと伝えろ!」

 

 「了解!」

 

 直掩艦隊は食い破る。

メ号作戦の前段階はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。