今回はちょっと頑張ってみました。
追記
2018.11.17 修正
僕が悪魔としての務めをこなしていく中で、偶々休みの時にアーシアと出会った事で知り合いとなってから数日後。
「いや、話を聞いてくれてありがとう。この年になると、一人暮らしは寂しくてね」
現在僕が召喚に応じて話し相手をしているのは、グレモリー眷属のお得意先である壮年の男性だった。どうも仕事に励む余りに婚期を逃してしまい、一段落して落ち着いた時に寂しさを感じたらしい。そんな折に適齢期に結婚していれば子供と同世代であろう僕達グレモリー眷属と知り合い、お得意先になったという訳だ。
「いえ。こちらこそ、ご贔屓にして頂いてありがとうございます。しかし、いいんですか? 僕が言うのも何ですけど、悪魔に話し相手になってもらって」
僕がつい尋ねてしまったことに対して、その壮年の男性は微笑みながらこう言ってくれた。
「いいんだよ。確かに、結婚していれば自分の子供と同世代であろう君達と話をする事で、私は自分を慰めているだけだろう。……だけどね、同時に君達の力に少しでもなりたいとも思っているんだ」
この壮年の男性の心遣いに、僕はただ感謝するしかなかった。……その時だ。
「チィッ!」
僕は左手からオーラブレイドを抜くと、壮年の男性の前に立って何度も振り抜いた。その瞬間、硬質な物がぶつかり合う甲高い音が鳴り響く。
「オンヤァ? せっかくおしまいにしてやろうとプレゼントした俺の攻撃、防いじゃいました? ……ふざけんじゃねぇぞ、悪魔ごときがぁ!」
そう声を掛けて来ると共にドア越しから攻撃を仕掛けて来た相手を見ると、拳銃を持った白髪の少年が現れた。顔付き自体は端正であるが、その欲望にぎらついた目が全てを台無しにしていた。……アレは殺戮快楽者の目だ。
「さてさて。俺様、クソの様な悪魔を狩り取っておまんま貰う
しかもどうやら頭も少々イカれているらしい。僕は発言の内容からそう判断した。そして、その本心を突く様な言葉を叩きつける。
「成る程、悪魔はおろか悪魔と契約する者も同罪だから天誅を下すといったところか。……唯のこじ付けだな。お前自身、ただ
……ランスロットさんと戦いたいという個人的な理由で古都ライムに攻め入ったバルバスと、それに乗じて面白半分にライムの住民を虐殺していたマルティムの様に。
あの二人の事を思い出して内心かなり苛立っていた僕の言葉に、フリードと名乗った少年は暫く黙りこんだ後、噴出したように笑い出した。
「……ブァッハッハッハッハ! 何これ、まさか悪魔に俺の事を理解するヤツが現れたってのか! クソでゴミでクズな悪魔に!」
しばらく大笑いした後で、一気に無表情になった。
「テメェ、ただじゃ殺さねぇ。手足切り捨てて、腹切り裂いて、五臓六腑ぶちまけて、体中ズタズタに切り刻んでから、最後に聖水漬けにして殺してやる。悪魔に理解されるなんて、冗談じゃねぇ」
向こうは既に戦闘態勢だ。このままでは契約者を護りながら戦う事になる。だから、先手を打って、高速神言で詠唱を完了させた。
「―――。プロテクション」
そして契約者の周りに防御結界を展開する。
「これで向こうは貴方を傷つける事が一切できません。だから、けしてここから出ない様にして下さい」
僕は壮年の男性にそう言い聞かせてから、フリードに対峙した。
「へぇ。悪魔が食い物にしている人間を護るんスか? ……笑える! 最っ高に笑えますぜ! 屑が屑を助けるってバッカじゃねぇ!」
フリードは僕の行動を愚かだと嘲笑っている。しかし、僕は大して気にならなかった。
「笑いたければ、笑えばいいさ。僕の行動の意味は、僕だけが知っていればいい。フリード・セルゼン、悪いが先が閊えている。お前だけに時間をかけるわけにはいかない」
僕はそう言うと、
「ハァ?
……どうやら神器の形状自体が余り知られていなかった様だ。尤も、形状が以前とは大きく変わっている為、たとえ知っていても解らなかっただろうが。まぁこちらにとっては好都合だ。
『Boost!』
一回目の強化が発動した。……これで十分だ。
『Explosion!!』
「さぁ、終わろうか」
僕は戦いの終わりを宣言する。
「ハァ? 何トチ狂って……」
僕の言葉に疑問をぶつけようとしたフリードの言葉は続かなかった。彼の眼にも映らない速度で踏み込み、鳩尾に横蹴りを叩き込んでやったからだ。彼は壁を二枚ぶち抜いて裏庭まで吹き飛び、そのまま動かなくなった。……気の流れに乱れはない。狸寝入りなどではなく完全に気を失っていた。どうやら苛立ちを紛らわす為に放ったせいか、少々力加減を間違えたらしい。だが、念の為に魔力の鎖による拘束魔法、チェーンバインドでフリードを拘束する。リヒトの話では、平行世界のミッドチルダという世界において一般的な拘束魔法らしい。
『全く。用心にも程があるだろう、相棒。あの程度の相手に俺の力など、勿体無くはないか?』
ドライグには少々呆れられてしまったようだ。しかし、今回の行動にはれっきとした理由がある。
「相手がフリードと名乗った悪魔祓いだけなら、結界張ったり神器使ったりする必要はなかったんだけどね。どうやら援軍が近付いている様だから、あえて神器を使って見せる事でミスリードを誘う様に仕込んだんだよ」
そう、こちらに近づいてくる存在があったのだ。しかし今は、この人が先だ。僕は壮年の男性を諭し始める。
「これで、僕達悪魔と関わる事が一体どういう事なのか、お解り頂けたかと思います。それに、今度は僕達がいない時に襲われるかもしれないのです。それを踏まえて、僕達との契約を継続するかを考えてみて下さい。幸い、貴方はまだ引き返す事ができます。……だから、もう少しだけ人と向き合ってみませんか?」
……この人はただ、一人が寂しくて話し相手を求めていただけだ。そして、たったそれだけの為に、これ以上命の危険に晒させる訳にもいかない。お得意様が減ってしまうのでリアス部長には悪いが、一度標的になった以上今後も狙われる可能性が大だ。
「兵藤君……」
壮年の男性はそう言ったきり口を噤んでしまった。
「では、失礼します。もし他の皆がここに来たら、こう伝えて下さい。
壮年の男性に伝言をお願いしてから、僕は表に出た。こちらに向かって来る堕天使達を引きつけて、少しでもここから遠ざける為に。
「何で、どうしてあんなに心優しいイッセーさんが悪魔なんですか?」
そこにいたもう一人の人間が、アーシアだった事は百も承知の上で。
幻影魔法であるフェイクシルエットで作ったアーシアの分身を抱えてある程度遠ざかった所で、追加で作った自分の分身と入れ替わると同時に、透明化魔法であるオプティックハイドを使用した。因みに、これらもリヒトやリインフォースから齎されたミッドチルダの魔法だった。更に仙術の基本である気配と気の流れの同調を併用する事で堕天使をやり過ごすと、そのまま部室に徒歩で戻っていった。
その帰った先で待っていたのは、表情こそ笑顔だがはっきりと怒りのオーラを発しているリアス部長ともじもじしながらも再会を喜んでくれているアーシアだった。
「……それでイッセー、弁解はあるかしら?」
「あっ、あの。お久しぶりです、イッセーさん。イッセーさんの主の方に無理を言って、連れて来て貰いました」
……何故こうなった?
そう思いつつも、まずは契約者の契約に従って話し相手をしている最中に「はぐれ」と思われる悪魔祓いに急襲された事を報告した。
「そう、それはいいのよ。いえ、よくはないのだけれども、イッセーなら問題なく撃退できるわね。私が聞きたいのはそういうことじゃないの。どうして危険を冒してまで堕天使達を引きつけたの? ……いえ、解り切ったことだったわ。あの契約者から堕天使達を遠ざける為ね。イッセー、貴方は余りにも優し過ぎるわ。だからお願い、もう少し私達を頼ってちょうだい」
リアス部長は少し涙ぐんでいた。契約に向かった先で「はぐれ」の悪魔祓いに襲われた揚句、契約者を護る為に危険な役目を自発的に負わせてしまった。主としてはこれ以上の失態はないだろう。でも、それは大きなミステイク。僕はそれをリアス部長に伝える事にした。
「リアス部長、僕はけして皆を頼りにしていない訳ではありません。ただ、時には自分の力だけで未来を切り開かなければならない。そんな世界に生きていると自覚しています。そして、今回が偶々そのケースだっただけです。それに、本当に頼っていなかったら、契約者の方とアーシアの護衛なんてお願いしませんよ。だから、
そう言って、僕は最敬礼で頭を下げた。……これだけは、伝えておきたかったのだ。すると、朱乃さんから溜息交じりの敗北宣言がなされた。
「部長、私達の負けですわ」
「そうね」
リアス部長もそれで納得してくれた様だ。
「それでリアス部長。確かに護衛こそ頼みましたけど、何故アーシアを此処に?」
後は、何故シスターのアーシアがここに連れられているのか、という事だ。この僕の問い掛けに対し、リアス部長は答えを返してくれた。
「この子の意志を尊重したのもあったけど、決定打は朱乃が提出した調査結果の報告書よ」
僕はリアス部長の言葉から、僕が頼んだ調査の結果が出た事を知った。
「調査結果の報告書? 調査が終わったんですか?」
僕が念を押す様に尋ねると、リアス部長はそれを肯定して朱乃さんに詳細を説明する様に指示した。
「えぇ、そうよ。朱乃、詳細をイッセーに説明してちょうだい」
「解りましたわ。イッセー君、早速説明しますわね」
そして、僕は朱乃さんの説明でアーシアの経歴を改めて確認する事になった。ただ、「魔女」として異端指定を受けて破門された後の経歴については、一年間も方々を転々とした後にとある神父に拾われ、受け入れ先として紹介されたのがこの町の廃教会だった、との事だった。
「……辛い目にあったんだね。アーシア」
僕にはただ慰めの言葉を掛ける事しかできなかった。朱乃さんの説明を聞いている内に、自分の過去を思い出してしまったのだろう、アーシアが泣き出してしまったからだ。
「私、きっとまだ主への信仰が足りないんですね。だから、主は私を助けてくれないんです」
アーシアはそう言って自分の信仰が足りない事を言い出したが、それは違う。
「アーシア、それは違うよ。神様に助けを求めたらいけない。そんなことをしても、神様はアーシアを決して助けたりしない。……いや、アーシアだけじゃない。どんなに助けを求められても、神様はきっと誰も助けたりはしないよ」
僕の言葉を聞いて、アーシアは驚きの感情を露わにしていた。……いや。他の皆、特に木場は普段からは考えられないくらいに驚きを露わにしていた。そして、アーシアは反射的に尋ねてきた。
「イッセーさんは主を信じていないんですか?」
……今のアーシアは信仰に、そして神に縋っているだけだ。だから、まずは自分の足で立つことから始めなければならない。
そう判断した僕は、アーシアの質問にしっかりと答えた。
「別に神様を信じていない訳じゃないよ。ただ、神様に甘えたら駄目だって言っているんだ。何故なら、神様は僕達に乗り越えられる試練しか与えないから。それはつまり、このぐらいの試練なら自分の力だけで乗り越えられるって、神様が僕達を信じているんだ。……昔、色々な事を僕に教えてくれた神父さんと、ふとした事で知り合ってから付き合いのあった神父さんの二人が時期こそ違うけど、全く同じ言葉で教えてくれたことなんだけどね」
僕はアーシアに伝えたい事を伝えた。……聖書の神を肯定する事を言ったにも関わらず激痛に苛まれないのを考えると、僕に宿った天使の力は本物なのだろう。一方、僕の言葉を聞き終えたアーシアは、また泣き出してしまった。
「……私、ただ主に甘えていただけで、主に頼らずに自分で何とかしようとしなかったのがいけなかったんですね」
どうやら大切なのは自分の足で歩いて行く事だと解ってくれた様だ。やがて、アーシアが泣き止む頃合いを見計らって、朱乃さんが補足説明を始める。
「アルジェントさんの経歴についてはこれで全て。それとアルジェントさんの治癒の力についてですけど、イッセー君の推測通り、回復系の神器によるもので間違いありませんわ。おそらくは
朱乃さんの補足説明を聞いた僕は、アーシアを一方的に祭り上げた挙句に一方的に破門した十字教教会に対して改めて怒りを感じていた。
「つまり神の奇跡でも何でもなく、唯の力だったという訳ですね。仮にも隣人愛を説く神の教えを遵守するべき人間が、立場惜しさにアーシアを切り捨てた訳ですか。……本当に大切な事は、けしてそんな事ではない筈なのに」
……聖剣計画の件も踏まえた上で十字教教会の現状を考えると、どうやら神父の鑑だと思っていた礼司さんの方が例外中の例外だったらしい。
「イッセーさん?」
アーシアは僕の言葉を聞いて、首を傾げていた。そこで、僕は自分の思っている事をそのままアーシアに伝える。
「結果として神の奇跡じゃなかったけど、それでも特殊な力で傷を治す事ができる。それ自体はとても素晴らしいものだと、僕は思う。……でも、だからこそ、本当はアーシアにはいらないはずの力だと思うんだ。何故なら、自分が辛い目に遭っていても、なお人に優しく接することができる。傷つき疲れて倒れてしまった人をその優しさで癒して、また立ち上がれるようにする事ができる。体でなく心を癒して救い上げる事ができる、無限の優しさ。そして、その優しさを悪魔にさえも向ける事のできる、種族を超越した慈愛の心。その優しさと慈愛の心こそが、神様がアーシアに与えた本当の宝物だと思うから」
僕は、この言葉がアーシアの心に届く事を切に願った。
Side:アーシア・アルジェント
「体でなく心を癒して救いあげる事ができる、無限の優しさ。そして、その優しさを悪魔にさえも向ける事のできる、種族を超越した慈愛の心。その優しさと慈愛の心こそが、神がアーシアに与えた本当の宝物だと思うから」
イッセーさんのこの言葉を聞いて、私はまた涙を流していました。私はさっきからずっと泣いてばかりで、本当に泣き虫です。でも、この涙はけして悲しいものではありません。
……だって、私を「聖女」でも「魔女」でもない、唯のアーシアとして見てくれたのですから。
嬉し涙が止まらなくて本格的に泣き出してしまった私を、イッセーさんは背中をさすって慰めてくれました。
Side end
アーシアが泣きやんだ後で、僕は朱乃さんにもう一つの調査結果についての説明を頼んだ。
「朱乃さん、堕天使の件ですが……」
「それもそうですわね。まずは結論から。今回の一件、上層部は一切関与していません。よって、堕天使達を討伐しても問題ありません。何せ、ここは悪魔の管理する土地。無断で侵入してきた向こうに非がありますし、下の独断による小競り合いという事で片付けられますわ。それと、イッセー君が報告した教会に
朱乃さんの説明を聞いて、僕は堕天使の行動について考察を深めていく。
「霊脈から魔力を? ……霊的儀式か。しかし何の儀式だ? いや待てよ。この時期にアーシアが来た事、連中は神器保持者を狙っている事、そして独断で行動する程に功名心に逸っている事。これらの条件を全て満たすには……」
「イッセー君?」
「……駄目です、祐斗先輩。イッセー先輩、こちらの声が全く聞こえていません。凄い集中力です」
木場と小猫ちゃんが声を掛けて来たのにも気づかずに、僕は
「そういう事か。連中の目当てはアーシアの神器だ。大方、神器を手土産にして立身出世を図るといったところか。そして僕を狙ったのは、本命の計画を行う際にここに来るための口実でもあった訳だな。……舐められているな、ドライグ。僕やお前もそうだけど、それ以上にリアス部長とソーナ会長が」
そう、全ては堕天使達の傲慢と虚栄心が原因だ。
『あぁ、どうやらその様だな。しかし、一戦交えているにも関わらず相棒が赤龍帝であることに気付かないとは、どうやら連中は文字通りの烏合の衆らしいな。まして相棒は歴代の赤龍帝によって鍛えあげられた史上初の存在であるなど、夢にも思っていないだろう。それに忘れている様だから、この際しっかりと思い出させてやるか。何故俺が神をも滅ぼす二天龍と謳われ、赤龍帝が天使と悪魔に畏怖されているのかをな』
ドライグも僕の言った事を理解し、賛同している。
「だったら、現在この駒王町にいる堕天使達にもう遠慮する必要はないな」
……正直に言って、襲撃を仕掛けられた時点で堕天使達を討ち果たすのは簡単だった。しかし、堕天使達との全面戦争は流石に避けたかったから、今までは見逃していた。その懸念が今、完全に払拭された。独断による行動である以上、向こうは何をされても味方の援軍を望めない。
ならば、必要な物はあと一つ。
僕はリアス部長に向き合い、跪いて右拳を胸に当てた状態で頭を下げて進言する。少々やり過ぎかもしれないが、貴族主義がまだ残っているという悪魔社会の事を考えると、こっちの方がきっと受けがいいはずだ。
「リアス部長、いえ
中々返事が来ないので顔を見て確認したい所だったが、流石に命令を待っている時にその様な無礼はできない。そして二、三分経過した頃にやっと返事が来た。
「……解ったわ。イッセー、私の管理する地で傍若無人に振る舞う堕天使達を全て討伐しなさい。これは私が主として貴方に与える、本当の意味での初めての命よ。その際、敵の拠点には貴方の他に祐斗と小猫を連れて行きなさい。貴方の助けになるはずよ」
……主の命は下った。ならば、後はただ往くのみ。
「Yes, your majesty. リアス・グレモリー眷属が一騎。
僕はその場から立ち上がり、そのまま振り返って部室の扉へと向かう。その途中、僕と同行する事になった木場と小猫ちゃんに声を掛ける。
「木場、小猫ちゃん。よろしく頼むよ」
すると、二人は僕に声を掛けられた事に少し驚きながらもしっかりと返事をしてきた。
「あっ、うん。解ったよ」
「……頑張ります」
そして、僕達はそのまま部室から出て、敵の本拠地である廃教会へと向かった。
さぁ、戦いを始めよう。ドライグやアリス、そしてロシウ老師を始めとする歴代赤龍帝の全員から名乗る事を認められた、今代の赤龍帝の名。今こそ、世界に知らしめる時だ。
Postscript
一誠達が出て行った後、アーシアは一誠達が出ていった扉に向かって頭を下げて感謝の意を伝えていた。
「……イッセーさん。ありがとうございます」
一方、朱乃はリアスに対して一誠が跪いて進言した時の心情を白状する様に迫った。この時の彼女の言葉使いは、プライベートにおける親友としての物だった。
「……リアス、白状しなさい。貴女、完全にイッセー君に魅入っていたでしょう?」
親友から白状する様に迫られたリアスは言葉に詰まりながらも、結局は素直に白状した。
「う、煩いわねぇ。……えぇ。その通りよ、朱乃。余りに様になっていて、格好良いと思ってしまったわ。だから、返事するのが遅れてしまったのよ」
すると、朱乃はある懸念をリアスに伝える。
「……でも、残念なのはイッセー君の主がリアスだけではないという事ね。今後、ソーナ様もアレを見る機会があるということになるわ」
朱乃の懸念を聞いたリアスは、少しだけ後悔した。
「……私、もっと鍛えておけば良かったわ。そうしたら、イッセーを私だけの眷属にすることができたかもしれないもの」
そうして親友同士の会話をしていた朱乃は、やがてプライベートの時間を終わらせる事を伝える。
「……プライベートタイムはここまで。では部長。私達は」
言葉使いを
「そうね。まずは、こちらを窺っている堕天使達を叩きましょう。アーシア・アルジェントといったかしら、私達と共に来てもらうわよ。流石にここに一人きりにする訳にもいかないから」
このリアスの指示に対して、特に断る理由のなかったアーシアは素直に応じる。
「解りました。よろしくお願いします」
そして、彼女達もまた動き始めた。
Postscript end
いかがだったでしょうか?
今回、一誠の出陣シーンは結構拘って作ってみました。
悪魔は基本的に貴族主義。それを解った上で上層部に対する受けの良さも考慮したら、一誠の立ち振る舞いはあながち間違ってはいないと思います。
……尤も、基本的にはカルい雰囲気のグレモリー眷属では、少々浮き気味になってしまいましたが。
では、また次の話でお会いしましょう。