新米教師・五条悟   作:Bacon and Egg

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3 千日の勤学より一時の名匠

 

「あの子を下の名前で呼ばないのって、天内理子を思い出すから?」

 

家入の予想に反して、五条はぱちりと瞬きをした後首を傾げた。

 

「天内?何で?」

「下の名前一緒じゃん」

「あ〜、そういうこと?無い無い、そもそも僕あいつのこと名字で呼んでたし」

「…そ。まあ五条にそんな情緒無いか」

「え、悪口?」

 

ていうか、と五条が続ける。

 

「僕が下の名前で呼んでるのオマエらだけだろ。七海も伊地知も名字で呼んでるしさ」

「案外可愛いとこあるよな、五条」

「はあ〜〜?可愛いよりイケメンがぴったりでしょ」

 

答えるのが面倒で家入はその言葉をスルーすることにした。デスクの前の回転椅子に腰掛け、なおも文句を垂れる五条を呆れた目で見つめる。

 

「私の話はもう終わったから早く行けば。理子が待ちぼうけになるんじゃない」

「引き止めといてよく言うよ。じゃあね〜」

 

ひらひらと手を振って五条が出て行く。騒がしかった医務室に静けさが戻ってきた。

 

「…オマエら、ね」

 

その言い回しを敢えてしたのか、それとも2年半前までの癖が抜けていないのか。

家入は胡散臭い笑みが特徴的な、かつて学び舎を共にした男を思い浮かべた。そこでふと気がつく。

 

「いや歌姫先輩のことも呼び捨てしてんだろ、あのクズ」

 

***

 

体術の授業があった次の日、私は大抵筋肉痛になる。昨日の体術の授業で2日ぶりに会った五条先生に言ったら、まだ身体が慣れてないだけだよ〜、と軽い調子でフォローされた。

 

ちなみに今は現代文の授業中で、普段私の先生役をしている補助監督の人達(だいたい3人ぐらいがローテーションで来ている)も出払っているらしく、4年生の伊地知先輩が教えてくれている。先輩は呪術師ではなく補助監督になる予定のようで、仕事の一環として任されたらしい。

私の初任務は日暮れを過ぎてからになると予め連絡されている。五条先生は任務と任務の合間で私の付き添いをするのだと言っていた。

 

「伊地知先輩」

「はい、何でしょう」

 

練習問題用のプリントを解くのにも飽きてきて先輩に話しかけると、伊地知先輩は教卓のところで書き込んでいた書類から顔を上げた。

 

「先輩は五条先生の後輩になるんですよね」

「そうです」

「体術って教えてもらったことありますか?」

「…ありますよ」

 

五条先生、の名前を聞いた瞬間に一筋だけ放たれる緑色(恐れ)。この先輩は五条先生のことがすごく苦手みたいだった。現に今も目を泳がせているし、…まあこんなあからさまに態度に出ていたら普通の人でも気がつくと思う。

 

「大変でした?」

「それはもちろん」

「すっごい厳しそう」

「そうですね…当時の五条さんは今よりだいぶ尖ってましたからね」

「へえ〜〜意外です」

 

尖ってた、というと所謂元ヤン的な?確かに裏表が激しそうだとは思っていたけど、そういう系だったのにはちょっとびっくり。今度家入先生にも聞いてみようかな。

 

「補助監督って忙しいですか?」

「私はまだ見習いのような段階ですが、それでも相当忙しいのは確かです」

「…私、授業全部自習でも良いですよ。プリントは教科書見ればできるし」

 

少し前から思っていたことだった。人手不足だと言う割に授業が自習になることは少なく、補助監督の人は私の授業に来てくれている。生徒が多いならまだしも私とマンツーマンになるこの空間に、ただでさえ忙しい中人員を削ってまで来てもらう価値があるとも思えなかった。

 

「呪術高専に来た以上、学生も呪術師として役割を果たすことが求められます。ですがそれは普通の高校に通う学生のような生活を奪って良い理由にはなりません」

「“普通の学生生活”の一環として授業を受けるべきってことですか?」

「はい」

「…伊地知先輩って」

「はい?」

「お人好しって言われません?」

「いえ、今初めて言われましたね。…練習問題終わりました?」

「あ、はい」

「丸付けしますよ」

 

解き終わったプリントを伊地知先輩に渡す。赤いペン先を見ながら、今日ずっと気になっていたことを聞いてみることにした。

 

「今日初任務なんです」

「知ってますよ」

「上手くできると思います?」

「上手くできるか、ではなく、とにかく無事で帰ってくることを考えてください」

「はい、すみません」

「宮永さんなら上手くできると思いますよ。五条さんも来ると聞きましたし」

 

全部合ってました、とプリントを返される。現代文は得意だから間違えることの方が少ないけど、私は根っからの文系だからこれが数学とかになると間違いが多すぎて気まずい。

ありがとうございます、と言ってから受け取った。

 

「五条先生って強いんです…よね?」

「はい。とても」

「特級でしたっけ」

「そうです。五条さんを含めて2人しかいません」

 

初めて聞く情報だった。めっちゃ少ないじゃん。

 

「誰なんですか?」

「九十九さんという女性の方です。特級ではありますが高専からの任務は請け負わない、言わばフリーですね」

 

フリーという言い方がアナウンサーみたいで面白い。

でもそれはつまり、特級呪霊が出たら、その任務に向かうのは五条先生しかいないってことだ。

 

「ブラックですね」

「ええ、五条さんはかなり忙しくされてると思いますよ」

 

そうなんですね、と頷いてから席に戻った。

 

なんで教師になったんだろう、という疑問が浮かんだのは仕方のないことだと思う。

スカウトの時点で既に、呪術界が深刻な人手不足であろうことは察せられた。実際に入学してみてそれは肌で感じたし、学生すら任務に向かわせるのだから文字通り猫の手も借りたいような状況なのだろうと思う。その中で更に2人しかいない特級呪術師──実質1人のようなものだけど、そのレベルの任務に当たらなければならない五条先生。

私だったら教師になろうなんて気概は持てない。

伊地知先輩なら知ってるかも、と思って聞こうとした矢先、授業が終わる時刻になってしまった。

 

「では今日の授業はここまでになります。任務の時間までは高専内で待機をお願いします」

「あ、はい。ありがとうございました」

 

慌ただしく伊地知先輩が出て行く。時刻は午後4時を示していた。任務は午後6時ぐらいと言われているから、それまで寮の部屋で待つことにした。

 

 

携帯が鳴る音がして、読んでいた小説から顔を上げる。いつの間にか部屋は薄暗くて、時計を見れば午後5時45分を指していた。

ベッドの上に置きっぱなしだった携帯電話は五条先生からの着信を知らせていた。

入学して早々に、呪術に関する緊急連絡先だと言って五条先生から電話番号とメールアドレスのメモを渡されていた。すぐに登録したけど実際に着信があったのは今日が初めてだ。

 

「はい、宮永です」

『おつかれサマンサ〜!今から任務だけど準備できてる?』

「はい。もう行けます」

『さっすが〜、じゃあ寮の玄関で待ってて。昨日の体術で渡した刀も忘れずにね!』

「はーい。じゃあまた後で…失礼します」

 

携帯を閉じて制服のスカートに付いているポケットに入れる。昨日先生から渡されていた刀を持って部屋を出る。刀といっても時代劇に出てくる小脇差のような、それほど大きくない、私でも楽に扱えるような代物だった。

寮の玄関に向かうと、五条先生はもう到着していた。こちらに背を向けたまま立っている五条先生に後ろから「おかえりなさい」と声をかける。

 

「ただいマンモ〜ス。補助監督が車で待ってるから行こう」

「はい」

 

先生の2〜3歩後ろを着いていく。

ほんとに背たっかいな、もう壁じゃん。この先生と体術の授業やってるの褒めてほしい、本当に。

 

「宮永〜」

「はい?」

 

突然話しかけられてびっくりした。五条先生は振り返ることなくそのまま喋りだした。若干声が遠い。

 

「緊張してる?」

「あんまよく分かんないです」

「あはは、そうだよねえ」

 

今は緊張してないけど、実際に任務の場になったら緊張する可能性は十分にあった。五条先生の後頭部を何となく見つめながら着いていく。

 

教室で思っていた『なんで教師になろうと思ったんだろう』という疑問を思い出した。流石に失礼だろうから直接は聞かない。

でも五条先生、子どもが特別好きなわけでも無さそうだしなあ。この先生は私の成長を喜ぶというよりも()()()()()()()()()()()()と言った方がしっくりくる。

どちらにせよ、忙しい中で私の授業や任務に時間を割いてもらっているので、良い先生だという評価に変わりはないのだけれど。

 

「五条先生」

「んー?」

「今日、最後の授業の担当が伊地知先輩だったんですよ」

「へえ」

「先生って昔元ヤンだったんですか?」

「え?どうしてそんな話になっちゃうわけ?」

 

歩きながら振り返ってきた五条先生はきょとんと目を丸くしていて、本当に不思議そうな顔をしている。

 

「伊地知先輩が、先生は今より尖ってたから体術も厳しかったって」

「…あ〜〜なるほどね〜〜」

 

空を仰いだ五条先生は苦笑いを浮かべていた。

 

「元ヤンだったわけじゃないよ。今よりちょっと生意気だったってだけ」

「あ、そうなんですか」

「そそ。てか宮永、伊地知のこと先輩呼びしてるの?ウケるね」

 

心底愉快そうに五条先生が言う。

 

「…?先輩なので先輩って呼びますよ」

「そりゃそうか。くく、似合わね〜」

 

私に先輩呼びされている伊地知先輩のことがよっぽど面白いらしい。五条先生はしばらくツボっていた。

車のところへ到着すると補助監督の男の人が降りてきた。あの人は見かけたことがある。名前は…黒崎さんだったと思う。

 

「任務の行き帰りは補助監督が運転する車で移動するよ〜」

「ああ、だから人手が足りないんですね」

「宮永ってたまに辛辣だよね〜。ま、事実だけど。昼間だと電車とかバス使うときもあるよ」

 

後ろ乗りな、と五条先生に促されて右側の後部座席に乗り込む。ドアを開ける前に運転席の外に立つ黒崎さんに、お願いします、と声をかけた。

 

「出発します」

 

黒崎さんが一言声をかけてから車が発進する。左に座る五条先生を何気なく見て私はちょっと笑ってしまった。

 

「…先生、狭そうですね」

「狭そう、じゃなくて狭いんだよ〜」

 

 

「お気をつけて」

 

黒崎さんの声を残して帳が下りる。廃ビルを中心に覆われたその中には私と五条先生しかいない。

 

「任務の概要、メールで送られてきたと思うけど見た?」

「はい。4級呪霊が1体って書いてありました」

 

五条先生は頷くと目の前に立つ廃ビルを指差した。相当年季の入ってそうなコンクリート製のビルは4階建てになっていて、ホラーゲームとかに出てきそうな様相を呈している。

 

「窓からはあのビルで呪霊を確認したって報告が来てる。行ってみよっか」

「はい」

 

五条先生は私の後ろを着いてくるだけで何も言わなかった。初任務の付き添いで来ているのだから当然だ。

1階の部屋を一通り見て、何もいなかったので階段を上がって2階に向かう。突き当たりの部屋の前まで来たとき、中に気配を感じて思わず五条先生を振り返った。先生は静かに私の方を見ていた。

 

「宮永、僕が付き添えるのは今日だけだよ」

 

暗に構うなと窘められる。私は小脇差を抜くと鞘をベルトとスカートの間に挟んでから部屋に入った。

何と形容していいか分からない見た目の呪霊が1匹、こちらを見て佇んでいる。目の位置がはっきりしているから感情は視えやすい。

青色(悲しみ)赤色(怒り)の2色──嫉妬だ。呪霊の頭上から刀を振り下ろせば祓霊完了。あっさり終わったことに拍子抜けしたが、帳は下りたまま一向に上がる気配を見せない。授業では祓い終わると勝手に帳が上がるって教えられたんだけどな。

 

「五条せんせ、」

「宮永、おいで」

 

私の声に被せて五条先生の声がした。

五条先生は部屋の入口付近に立ったまま、私に手招きしている。普段と違って少し真剣な表情だった。

 

「呪霊1体で合ってますよね?」

「うん、宮永の任務は終わったよ。予定外の呪霊がいるね」

「予定外?」

 

五条先生は頷くと、窓から外を見下ろした。それから何かを見つけたらしく、外行こうか、と歩き始めた。

 

「まだ呪霊がいるんですか?」

「そう。たまぁにね、任務予定外の呪霊が現れることがあるんだよ」

 

そう言いながら五条先生はサングラスを外してポケットにしまう。廃ビルの外に出ると、五条先生は先程窓から見下ろしていた方向へ足を進めた。先生が不意に足を止める。

視線の先を追って初めて、離れたところにいる()()が見えた。木陰から、呪霊や人の目を見たときに視える感情の色だけが見え隠れしている。

 

「1級か。すぐ終わるから僕から離れないでね」

「はい」

 

私が祓った4級呪霊とは比にならないぐらい気持ち悪い形のやつが姿を現す。五条先生は1級だと言っていたから相当等級が上の呪霊ということになる。…等級が上がると目を見なくても感情の色が視えるんだ、と初めて気がつく。まあ、それは後で先生に報告するとして。

 

離れないようにとの言葉に従って、私はなるべく五条先生の近くに寄った。

呪霊と対峙したときに五条先生がどんな表情をするのか気になって見上げてみる。横顔しか見えなかったけど、右目から迸る感情が私の目に映り込んだ。

 

オレンジ色はすなわち期待の感情を示す。

期待というのは『経験や現状から未来を予期して待ち構える態度』のことで、わくわくする、という意味の期待だけではない。この場合はどちらかというと予期に近いものだ。

 

「──術式順転、蒼」

 

静かな声と同時に掌印が組まれ、刹那、凄まじい勢いで呪力が放たれる。咄嗟に目を瞑ってしまってよく見えなかったけど、どうやら五条先生は呪霊を祓い終わったらしい。さっきまで呪霊がいたところは激しい窪みが残っているだけだった。

帳が上がっていく。日がとっくに落ちて空は暗く、星が綺麗に見える。

黒崎さんは帳を下ろす前と同じところに立っていて、窪みを目にすると何があったか悟ったらしい。

 

「五条さん、これは…」

「報告外の呪霊が出た。等級は1級。ちゃんと報告上げといてね〜」

「はい、承知しました」

 

黒崎さんは運転席に乗り込むと携帯で電話をかけ始めた。それを何となく眺めていると、五条先生から名前を呼ばれた。なんか今日の五条先生、めちゃくちゃ名前呼んでくる気がする。

 

「なんですか?」

「さっきの1級呪霊のことなんだけどね、本来ここにいないはずだった…いや、()()()()()()()()()んだよ。どうしてか分かる?」

 

呪霊の存在意義の話かと思ったが、そういうことではなさそうだった。少し考えて思いついた答えを口にする。

 

「報告に無かったからですか?」

「ビンゴ!宮永に課された任務は4級呪霊1体だし、窓からもそう報告されてるから、これは補助監督の確認ミスだね」

 

五条先生はポケットからサングラスを取り出すといつものように掛け直した。

 

「こういう取りこぼしは、これから任務に出るといっぱいあると思うよ。でも自分の等級より明らかに上の呪霊が出たときは、すぐ帳の外にいる補助監督か呪術高専に電話してね」

「…はい。分かりました」

「そうしたらすぐに応援を送ってくれるはずだからね〜」

 

車乗ろっか、と言われて行きのように乗り込む。車が発進する前に五条先生は黒崎さんに向かって携帯の画面を差し出して見せた。

 

「次の任務まで時間あるからここ寄ってくれる?宮永も一緒に行くから」

「承知しました」

 

ゆったりと車が動き出す。私の名前が出てきたのを不思議に思って五条先生の顔を見ていると、先生は黒崎さんに見せた画面をそのまま私に見せてきた。お店のホームページが映し出されている。

 

「ラーメンですか?」

「そ。ちょうどいい時間だから一緒に食べよ」

 

思わず五条先生の顔を見上げると、なぜかウインクをされた。意図は不明。でも、と私は声を漏らす。思ったより困ったような声が出た。

 

「でも?」

「私、寮にお財布置いてきちゃったんですよ」

「僕が奢るに決まってるでしょ。そんなこと気にしなくていいの」

「え」

「5歳しか変わらなくても、僕一応先生だからね」

 

得意気に笑った五条先生の向こうの窓越し、暗くなった空に、一際美しい金星が煌めいていた。

 

 

車が止まると、五条先生は「1時間ぐらいしたらまたここに来て」と言ってさっさと降りていった。黒崎さんに、ありがとうございました、と声をかけてから私も急いで後を追った。

 

「らっしゃーせー。何名様ですか?」

「2人」

「カウンターどーぞー」

 

五条先生はずんずん進んで1番奥のカウンター席に座った。仕事帰りのサラリーマンらしき男の人が先生をびっくりしたように眺めている。お気持ち大変よく分かります、なんて。

 

「何食べる?」

 

時刻は19時、初めての任務の疲れも相まってお腹の減り具合はちょうど良い。五条先生が差し出してきたメニューを眺める。

 

「味噌ラーメンにします」

「僕醤油にしよっと。すみませーん」

 

若い男の人が近づいてくる。奥で麺茹でてる年輩の人が店主かな。

 

「ハイ、ご注文お伺いします」

「味噌ラーメン1つと醤油ラーメンの大1つ、あと炒飯」

「かしこまりました」

 

五条先生はラーメン大盛りに炒飯も食べるらしい。多いな、と思いかけて、でも体格を考えれば妥当な気がした。注文を待つ間、さっきの任務で気がついたことを報告しようと口を開く。

 

「先生、さっきの任務て気づいたことがあるんです。あ、1級呪霊の方なんですけど」

「うん」

「等級が上がると目を見なくても感情の色が視えるみたいです」

 

五条先生は頬杖をついたまま瞬きをした。何か考えるように視線を彷徨わせると、納得したような顔で私を見る。

 

「視えやすい分、祓うときに必要な呪力は増えるかもね〜」

「そういうことですか」

「そゆこと」

「お待たせしましたー、味噌ラーメンと醤油ラーメンの大です」

 

いただきます、と手を合わせる。五条先生の炒飯も後からやってきた。

 

「そういえば宮永ってさ」

「はい」

「挨拶ちゃんとするよね」

「?はい」

 

突然何を言い出すのかと困惑して五条先生を見ると、先生はラーメンを食べ終えて炒飯に移っていた。食べるの早すぎない?

 

「僕が任務行く前に行ってらっしゃいとか、帰ってきたらおかえりなさいとか。車乗るときも挨拶してたし。なんで?」

「挨拶はちゃんとしなさいって言われて育ったので、癖ですかね」

「ふうん、そうなんだ」

 

そう言って五条先生は再び炒飯を食べ始めた。挨拶ぐらいで何をそんなに不思議がることがあるんだろう。

 

「早く食べないと迎え来ちゃうよ〜」

 

五条先生の声で思考を中断し、私はラーメンを啜った。

 




宮永は多分、1人でもこのラーメン屋に来るようになります。
次回は五条先生から見た宮永も書くつもりです〜
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