ようこそ超能力者のいる教室へ   作:鴨の加茂

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Ψ難の始まり

突然だが、少しだけ僕の出す問題を真剣に聞いて、答えを考えてみて欲しい。

 

問い・人は平等であるか否か

 

今の世の中、テレビでもSNSでも平等、平等と訴えて止まない。

例えば特殊能力を手に入れたスーパーヒーローの漫画。そこには能力に嫉妬した敵が出てくるのが記憶にあるのではないだろうか。

スーパーヒーローと言うと大袈裟だがそれは大小の違いしか無く、頭が良いとか運動が出来る。異性からモテるなんてのも嫉妬の理由にはなるだろう。

この世の中のありとあらゆる物にはこれまたありとあらゆる側面が存在する。簡単に言うと見る視点によって見える景色が変わると言う事だ。

普通なら超能力なんてそれこそ嫉妬の的になる力だが僕からしたら意味が分からない。例えば[透視能力]─思春期の男子なら好意を寄せる異性の裸を……とか想像するだろうがそんなに良い物では無い。何故なら好きな子の裸どころか臓器、骨格まで丸見えになるからだ。

例えば「テレパシー能力」これは酷い。一見すれば他人の考えが分かる便利な能力だが映画館に行けば誰かのネタバレを拾い、自分に向けたサプライズは事前に全て理解してしまう。可愛い愛玩動物も内心では『ニンゲン…ウマソウ』とこの通りだ。

 

つまり生まれた時から超能力者である僕、斉木楠雄の答えは世界は不平等な物と言う結論だ。何故なら僕には人並みの幸せがこの力のおかげで存在しないのだから。

 

僕は沢山の物を奪われたのだ。

 

苦労して何かを成し遂げた達成感も、好きな人の意味深なメールにドキドキする事も、サプライズパーティーでサプライズすることも僕には出来ないのだ。

 

とはいえ、今更別に不満なんてないし普通の人間になりたいとも思っていない。

 

この人生もそれほど悪くない。

それが今まで超能力者として生きた結論だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あらすじがこれで終わると思ったか?長くなって悪いが、まだ続くぞ。

 

僕が超能力者である事は両親を含めて両手に余裕で収まる程度の人間しか知らない。そんな平穏な生活を満喫していたのだが、今朝の目覚はいつもと違ったのだ。

僕の通う私立PK学園高校の制服は真緑である。だが僕の家には真っ赤な制服しか無かった。

そして、朝食を食べようとリビングに降りたら両親から頭の機械について『個性的なアクセサリー』と言われ更には髪色について『反抗期に突入してグレた』とまで言われたのだ。漫画やアニメを見た事のある人は覚えているだろうが僕の頭に付いている機械は強過ぎる力を抑える為の物だ。しかし、注目を集めるデザインなので僕は[マインドコントロール]の力を使い自然な物として世間に受け入れさせている。そうでなくても両親は超能力の事も機械の事も知っているはずだ。

まぁ、もう一度[マインドコントロール]を使い頭の機械の件は片付いたのだがおかしい所はまだまだあった。

毎朝僕の[テレポート]で出社する父は規則正しく家を出て自力で会社に向かい、何にもない普通の日なのに母は今日は入学式だからと弁当を持たせてくれた。

 

テレパシーで母の心の声が聞こえてきて分かったのだが今日、僕は高度育成高等学校という学校に入学をするらしい。そしてその高校は国が運営する進学率100%を誇る全寮制のエリート校だとか。

 

これもダークリユニオンによる世界侵略の一環なのか?世界を悪戯に作り替えて何が楽しい。

 

……失礼、どうやら僕も言葉通りに人生初めてのサプライズで少々混乱している。

 

[千里眼]を使いPK学園のある筈の場所を見てみるとなんて事だろうか、そこには大きな自然公園が出来ている。全く見覚えの無い景色だ。

 

事態は飲み込めないが超能力の事を両親が知らない上にPK学園の存在しない今、僕は高度育成高等学校に入学するしか無さそうだ。




各話タイトルに関しましては思い付き次第付けます。
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