ようこそ超能力者のいる教室へ 作:鴨の加茂
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『燃堂 力』
一言で説明すれば僕の天敵だ。理由は単純だが[テレパシー]が効かないのである。いや、厳密には何かをする時以外は常に何も考えていないのだ。普通の人間であれば『思考する』→『行動に移す』ので僕に危害を加えようとしても先に察知し反応が出来る。だが、この男の場合は『思考する』=『行動に移す』とタイムラグが無いのである。
思考した時既に行動に移している為、コイツの思い付きで僕が急に包丁で刺されたら事前に対処する事は出来ない。
それにしても日本一の進学校に燃堂?まるで悪夢だな。
僕は無視して歩き出す。基本的に無視してても付いてくるがただそれだけだ。
「ん?誰だオメー。なんか、相棒って感じがしたんだけどよ。お?」
そう言うと燃堂は門の中へと歩いて行った。
なるほど、燃堂も僕については覚えてなかったのか。まぁ無理も無い話だ。僕の両親に関しても僕の事は覚えていても超能力については知らなかった様子だったからな。
何ひとつ意味が分からないが情報収集しようにもテレパシーで聞こえてくる声はさっきから(おっふ)ばかりだ。つまり彼女もこの学校に居るのだろう。始業式前のHRが始まるまでまだ少し時間があるな。さて、話を聞きに行くとしようか。誰にって?全ての元凶にだ。
『テレポート』
「あれ?楠雄じゃん。今日って入学式じゃなかったっけ?」
とぼけるな。
「あれ、楠雄?どうして喋らないの?」
色々あり過ぎて忘れていた。
『斉木 空助』
僕の兄であり間違い無く地球一の頭脳を持つ男だ。とある機械を頭に付けている事により僕のテレパシーを無効化しているので僕の声を届ける事も、向こうの声を聞くことも出来ない。
「あぁ、この機械かい?これはね、道端で5Gを怖がって頭にアルミホイル巻きながらデモを起こそうとしてる人達が居てさ。それがとても滑稽だったから例え宇宙人でも頭の中身を覗けない機械を作って配ってあげたんだよ」
(安全性が保証されてない!危険な可能性がある!)(こんな怪しいもの頭に付けられるか!)(寧ろ思考盗聴を促進させる機械なんじゃないか?)
…あぁ、よかったな。どうやら彼等はとても喜んでくれてるみたいだぞ。
「あっ、もしかして楠雄さ。急に超能力に目覚めてテレパシーで会話しようとしてる?」
……急に?僕は生まれた時から超能力者だ。
「うーんそれなら、『楠雄が超能力者』の世界から来た楠雄と『この世界』の楠雄が入れ替わった?昨日の時点で楠雄はただの人間だったしね」
何でそんな事を把握してるんだ?まぁいい。それなら早く元の世界に戻せ。
「良いの?機械は作れるけどその機械を使ったら双方の地球が崩壊するレベルのエネルギーを使うよ?」
は?
「取り敢えず何が原因かは分からないしもうすぐHRの時間でしょ?また何か分かったら連絡するよ」
そうだな。まずは教室に行くとしよう。燃堂に照橋さん、愉快な仲間達がそれだけで終わるとは思えないしな。