風ノ迅~a vision of the future~   作:kikoumaster

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第3話 実力派エリートの悩み

 今日は定例会議の為、防衛任務を終えてボーダー本部に着くと会議室に向かう…

 

 そんな俺に…

 

「迅さん~今、暇?」

 元気な少年が声をかけてくる。

 

「おお~駿か、突然だな~今から会議だよ」

 ボーダー本部所属 A級4位 草壁隊の緑川駿だった。

 

「じゃあ~その後は?」

 彼はまるで玩具をねだるように俺を見つめていた

 

「何時に終わるか分らんぞ~また別の日な」

 いつもなら仮想空間で相手してやるんだが…

 

「ちぇ~分かったよ…じゃあまたね、迅さん!」

 聞き分けの良いヤツだから助かる。

 

 にしても駿のヤツ、元気だな~

 

 さて会議会議と~

 

 

 

 シューンー

 

 扉が開くと既に城戸司令、忍田本部長、林籐支部長、各署長が揃っていた。

「遅いぞ~」

 鬼怒田さんのドスの利いた声が響く

 

「いや~遅れてすいません~」

 すぐに椅子に座ると何事も無く会議が始まる。

 

 そして議題は…次の大規模侵攻の事である。

 

「迅の予知だと来年辺りに来そうだとの話だが…」

 城戸指令はジロリと俺を見つつ確認をしたいそうだ…

 

「ええ~予知では来年そうそうだと俺のサイドエフェクトが囁いています」

 

「お前からの報告だと4年前の侵攻とは比べ物ならない物量が来ると?」

 

 …

 

 その大規模侵攻の為に、隊員の増強と訓練、本部の強化、ネイバー技術の収集等々いつもの各署長の嘆願など…後は打ち合わせで気が付けば午前様…

 

「では解散だ…次の会議は…」

 

 会議室を出ると…

 

「迅~玉狛に帰るが車乗っていくか?」

 玉狛支部の林籐支部長が声をかけてくる。

 

「はい頼みます」

 俺は御相伴に預かる事にした。

 

 

 

 しばらく車に揺られながらも…

「迅…まあそう気負うな…まだ時間はある」

 煙草を吸いながら唐突に声をかけてくる。

 

「ええ…でも…道がない事には…」

 やはり顔に出てるのか…悩みは尽きない。

 

 いつもそうだ…

 救いのある道があるなら迷わずそちらに行けばいい…普通はそう思うし俺も迷わずそうしてた。

 

 だが救いのある道の先に絶望があったら果たしてどれだけの人はその道に行くだろう?

 

 ましてやこれから起こる侵攻でどの道を選んでも…良い悪いを選んでも最悪しか無いのなら一体どの道に進むのが良いのだろう。

 

 迂闊に相談もできない。

 

 その選択で多くの人の犠牲があるのなら不用意に相談などできない。

 

 母さん…俺は母さんを犠牲にしてしまった。

 母さんに相談して母さんをそれを選択した…でもそれって本当に必要だったのかな?

 

 言わなければ母さんは知らないで逝ったとしたらそれを知ってる俺は潰れていたよ…母さんはそれを知ってたから自分で選んだ…だよね…

 

「着いたぞ〜迅」

 林籐支部長が声をかけてくれる。

 

「ああ〜すいません」

 俺は車から降りて玄関に入ると…

 

「…陽太郎…またこんなところで寝て…風邪引くぞ」

 俺は陽太郎を抱き上げると側に寄り添ってた雷神丸が着いてくる。

 支部長が予定より遅かったのだろう〜帰ってくるのが、待ちくたびれたんだだろう。

 

「すまんな迅」

 支部長も付いてきて部屋のドアを開けると俺から陽太郎を抱き上げるとベッドに寝かす…雷神丸も一緒に寄り添いながら…

 

 もう少し様子を見てから俺も部屋で寝るわと声をかけてきて支部長は部屋に残る。

 

 おやすみなさいと2人に聞こえてるかわからないぐらいの小さい声でドアを閉めて自分の部屋へ

 

 明日は朝からまた暗躍しないとな…

 

 侵攻もあるが他の案件もあるからな。

 

 本当、実力派エリートは忙しい〜




迅のお母さんの話はオリジナルなので…
2話で助ける事で別の問題が発生した時、普通の人なら悩みますし…まして肉親の母を助ける事で助けた事で次の問題が最悪だった場合、潰れるんじゃないかと…
そんな場合、母に聞けば母は悠一が潰れない為に選択するかもしれない。
そんな事があったんであろうかと三輪の姉さんを見捨てた訳では無いけど三輪弟が泣きながら迅に助けを求めていたのを静観していたのかな~と
まあ三輪姉さんは完全に死んでいただろうし三輪がボーダーに入る未来視を見てて静観していたのか…
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