「みはり!やっぱ嘘!寮には入らないぃ!」
まひろ は みはり が寮の説明をしただけで取り乱していた。
その原因というのも……
「名も知らぬ女子と相部屋だなんて!」
「それがどうしたっていうのよ」
「倫理的な問題だっ!俺は男だぞっ!」
「あら、今は女の子じゃなぁ〜い」
(お兄ちゃんはいくら変態だとはいえ、基本的に犯罪はしないことぐらい私は知ってるわ……。多分ね……)
「み、みはり!ど、どうにかならないのか!」
「もう決まったことよ。受け入れなさいお兄ちゃん」
「神は死んだぁ!」
絶望だ、などと言いながら地面にペタンと尻もちをつく まひろ。
「さっ、早く荷ほどきしちゃいましょ!」
「うえーん」
荷物を持たされズルズルと部屋に連れて行かれる。
「みはり〜。荷物が重いぞぉ〜。持ってくれ〜」
「もう少しで着くわ。頑張ってお兄ちゃん!」
バタンッ
みはり が勢いよく扉を開けて言った
「ここが、今日からお兄ちゃんの住まいよ!」
「お、お〜」
目の前に広がっていたのはしっかりとしたつくりの質素な部屋だった。
まひろ の脳裏には今は懐かしの自室で見た『と〇る科学の超電磁砲』に出てくる常盤台中学の寮に似ているなという感想が浮かんだ。それをこの場で言っても通じるものはいないだろうが...。
「豪華だけど ザ・寮って感じだな……」
「そうでしょ〜」
部屋にすでにある自分のものではない荷物を確認し、まひろはドキリとした。
(ほんとに誰かと同室なのか……。)
「あ、そうだ。お兄ちゃん」
「なんだ、みはり」
「荷解きまでは手伝うけどそれ以降は私は手伝えないからね!」
「ええ?!殺生な!」
「お兄ちゃんが真人間になるための第一歩!私はその…甘やかしちゃうから…、じゃなくてお兄ちゃんには自立が必要なの!」
「そ、そんなぁ!」
「ボケっとしてないで早く荷ほどきするのよお兄ちゃん!」
「うぅ~」
言葉にならない声をあげながらいろいろ持ち物を広げると当初詰め込んだはずのありったけの男の夢グッズ(漫画や見せられないような本、ゲーム機)が女の子物の衣服に置き換わっていた。
「?!」
「あ、そういやお兄ちゃん、教育に悪い不健全なものは取り除いておいたか~ら~ね~?」
「なッ!男の必需品が!」
「あんな破廉恥なものどこに置けるというのよ。当分は没収だからね!」
「そんなぁ~」
しょぼくれる まひろ を横目に見ながら若干かわいそうに思うも心を鬼にする みはり なのであった。
二人が色々しているとドアがガチャリと開いて誰かがのぞきこんできた
???「あれ?同室になる人?よろしくねー」
「アッツ、アッ、ア…」
「まひろの同室になってくれる子?おに…、妹をよろしくね!」
「よ、よろしくお願いします…」
未知との遭遇に まひろは小動物のように縮こまった。
あ、お久しぶりです。二年開いちゃいましたか…。同室は誰なんでしょうねぇ…?