「というわけで、並行世界だと死人が出るからこっちでセッションして欲しいんや!」
「意味がわからん」
「死人が出る歌って何よ」
「そもそも歌なんてろくに歌ったこともないですが」
交流会前日に呼び出され、意味のわからない大歓迎を受けた京都一行は辟易した顔をしていた。
大体事情は事前に聞いているし楽譜も事前にもらっている。
でもできるかどうかとやるかどうかは別問題である。
「しかし、個性というので魅了の力を付与してるのじゃろ? 普通に劣るしつまらんと思うのじゃが」
「幻滅させたいんだよ。五条先生が歌姫の歌聞いちゃってやばいからさ。同じ声で下手な歌ならイメージ壊れるかなって」
「はぁ?」
「個性やから呪力で耳覆っても半分しか意味ないんやけど。当たり前のことすぎて、説明忘れてしまったんや」
「ちょっと、死人が出る歌って言ったわよね」
「大丈夫なのですか」
「ちょっと音が耳から離れなくて困ってるみたい。今も少し休んでる。最終的に向こうの五条さんは慣れてたから、大丈夫だと思うんだけど、出来ることはしておいた方がいいかなって」
「何をやっておるのだ、六眼は……」
「って事で、これが3人の録音テープな。呪力は防げるから、耳を覆うのは忘れずにな」
「死人が出る歌を聞けっての?」
「自分の声ならなんとかなるかなって。死ぬっつっても、死ぬってわかるトラップ前にしても引き寄せられるってだけだから。後ちょっとなら操れる」
「十分怖いわよ。個性なんなのよ」
「人魚」
「あー」
「なるほどの」
「そんなのもあるのか。私は?」
「吸血鬼」
「あー」
「わしは?」
「音ー。音波を操れるの」
「わしの演奏には魅了自体の効力はないのじゃな」
「そう」
「じゃあ聞いてみるかの」
「私の魅了の力はどんなものなのかな」
「んー。魅了そのものの個性じゃないから、テレビに出てる歌手みたいにカッ飛ぶまではいかない。うっとりするくらい?」
「かっ飛ぶとは。まあでも聞いてみようかな。五条家には一つ貸とお伝え下さい」
「私はやめておくわ、聞くの怖いもの。貴方達は聞いた事あるの?」
「めっちゃ歌うもん、逃れられへんわ。せやから同じ職場嫌で東京来たんや、自分。悟くんとか可哀想やったわ。学生時代」
「録音の奴は戦う時によく使うから使い方授業で習ったし慣れるまで聞いた。生歌は記憶も飛ぶから覚えてない」
「そこまで有用な歌って何よ。怖いわよ。あ、でも歌以外の向こうの私の動画は見たいわ」
ということで、セッションと動画撮影である。
直と悠は大盛り上がりだった。後、加茂憲紀は着せ替え人形もやらされた。
五条の治療は無事終わり、交流会中だが五条爆睡。
それによって恙無く交流会は開始された。
なお、京都校の会議の様子である。
「ああも歓迎されるとやり辛いな……宿儺の器暗殺」
「大人気でしたね、ドラキュラ先輩」「やめてくれ」
「私は小喰羅の方が危険人物に思えたけど。なんで好きなタイプ聞かれて涎垂らしながら周囲の人間の名前あげるのよ……。しかもそれが原因でまさかの保護者同伴ってあり得ないでしょ。いっそ欠席させなさいよ」
「人間の味は覚えさせないって爆轟先生息巻いてたね」
「それは是非とも頑張って欲しい。特にこの交流会中は」
東京校の会議の様子である。
「こんな時は、歌姫先生の歌の録音! これを囮に集めて眠らせて人も呪霊も一網打尽」
「はい没収。それなしで頑張りや」
「隙あらば問題起こすじゃん」
「すみません……」
「悠仁は悪くねーから」
そんなわけで、交流会が開始された!
東京京都交流会事件
交流会の最中、特級呪霊と呪詛師による襲撃が発生。
死者2名。警備員が襲われ、呪具保管庫から宿儺の指及び呪胎九相図が盗難。
行方不明者2名。
禪院 爆轟は特級呪霊と呪詛師に誘拐。
虎杖 小喰羅が呪霊の内一体、呪霊花御を捕食した後、精神に異常をきたし、捉えていた呪詛師を捕食。逃亡。
両名の捜索が急がれる。
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