「直哉。そろそろ、お前も依頼をこなしてもらう。五条家との合同任務だ。怪我をさせるなよ。絶対に怪我をさせるなよ。人間に暴力を振るうなど、禪院家の名折れだからな」
「わかっとるわ」
「ならば良い」
鋼の個性を持つパパの着る着物の裾を掴む。
研ぎ澄まされた鋼であるパパの手を握ったら切れてしまうから。
幾重にも用意された結界や電子的なセキュリティの門を通って、たどり着いた先に、不機嫌そうな顔をした人間ちゃんがおった。目は厳重に包帯で巻かれとって、痛々しかった。怪我をした訳やのうて、目を保護するんやって。それでもわかるほど、綺麗な子供やった。自分ら、個性持ちは汚れてるんやって。確かに自分とは全然違って、綺麗やった。清らかって、こういうのを言うんやな。
」
「ぜ、禪院直哉! 個性は爆発や! 今日はよろしゅう!」
「……あっそ」
つまらなそうに五条悟は答えた。
ともに車に乗って、しばし。
突如爆発音とともに、車が襲われた。
「人間ちゃーん! こんにちは〜!」
ヴィランが言う。
「あ、あう……」
どうやら、人間ちゃんは無下限で無事だった模様。
ただ、多勢に無勢だ。ヴィランは複数いる。
直哉は震え、それでも覚悟を決めた。
「おやおや、2人いるゾォー? どっちが人間ちゃんかなあー?」
「両方連れて行けばいいだろ」
「明らかに片方異形系な上に個性使っとるやろ、間違える馬鹿がおるかい」
「異形〜? どっちも人間ちゃんに見えるぞ〜?」
「目が宇宙なんや。ブラックホールの個性を持っとるからな」
「なるほど……。つまり、人間ちゃんはお前かぁー!」
「だからそう言っとるやろ」
「ブラックホールか……面倒だな。人間だけ連れ去ればいいか」
直哉が捕獲される。爆発を使えば簡単に抜け出せるが、そうすれば個性持ちだとバレる。
「おい、直哉!」
「大丈夫やってん。自分、人間ちゃんやから、価値があるんや。下手な真似はせんやろ」
移動系の個性を持ったヴィランが、個性を使う。
そうして、直哉は攫われた。
服を剥かれ、オークションに出される。
グスグスと泣いていた直哉は、落ち着くと、覚悟を決めた。
「決めた……。お前らみんな爆殺する」
そうして、まず手枷を爆破する。
オークション会場にはてだれもいた。
だが、爆破の個性で頑張って戦った。
大乱闘して、押さえつけられて、殴られて、泣いて。
「すんげーぼろぼろ」
声をかけられて顔を上げると、呆れた顔の美貌の少年がいた。
「仕事終えて即追いかけた。仕事は大事だからな。待たせてごめん」
ヴィランの攻撃が片っ端から止められていく。
「蒼」
ヴィランを一掃して、手を差し伸べる人間ちゃんで最強の呪術師は、本当に格好良かった。
「雑魚が無理すんなよ。……サンキュ」
これが、直哉と五条の出会いである。