IS×FGO   作:如月/Kisaragi

3 / 11
3話目です。お待たせしました。
感想・評価お待ちしています。評価バーが赤色に染まって嬉しかったです。
今後も皆様が楽しめるように頑張ってまいります。何卒よろしくお願いします。

新作日間ランキング総合11位、新作日刊ランキング二次創作7位でした!(2/16)
皆さんの評価に支えられております、本当にありがとうございました!

それでは本編をどうぞ!


#3

見慣れた景色のカルデア管制室内から移動した藤丸一行は、談話室──一種の会議室的な部屋に集まり、話し合いを行なっていた。

会議室に集うのは、立香とマシュ、ソロモン(ロマニ)、ダヴィンチちゃん、ゴッフ所長。ホームズは「考えたいことがある」と告げて、どこかへと向かってしまった。

 

「……さて、リツカ。よく帰ってきてくれた」

「さっきからずっと言ってるけど、まさかキミがISを動かそうなどとは思ってなかったからねぇ。私たちもそれはそれは驚いたものさ!」

「いや、ダヴィンチちゃんも所長もフラグ乱立させてたでしょ……」

「なんだね、ロマニ・アーキマン前所長?」

「ヒェッ」

 

所長の一言を皮切りに、ダヴィンチちゃんが話す。

その言葉を咎めるようにロマニが喋ると、威圧的な所長の一言が返り、縮こまるロマニ。一応この中では一番強いサーヴァントの筈なのだが、抜けたところがとにかく多いせいであまり威厳がないのも相まってただの人間にしか見えない。

 

「ま、まあ所長。今はとりあえず、今後のことですよ」

「……ふむ。それもそうか。

とりあえず、現在の状況を説明する。よく聞いていてくれたまえ」

 

そう言って所長は、ロンドンやアトラス、そして国際連合の動きとカルデアの方針を語り出す。

 

ロンドンの時計塔はいま、とにかく大騒ぎらしい。現代兵器のように見えて、その動力源があまりにも()()()()()()()()に酷似したもので動くISにどのような対応を取るべきか決めかねているらしい。

その矢先で、まさかの藤丸立香がISを動かしてしまった。

これに時計塔のロードたちは卒倒してしまうものも現れ、蜂の巣を突いたような大騒ぎになっている。

 

アトラス院の方は、こちらはあまりISに興味もないらしく、不干渉の方針で行くとのことだったようだ。

ただ何人かの研究員がISに興味を抱いているらしく、今後も常に不干渉を行うとは確約できないとのこと。

 

そしてカルデアの元締めにして、国際的組織としてISの管理にも関わっている国際機関、国際連合。

彼らは今回の件に関して、カルデア──引いては、藤丸立香に要望があるのならばそれに準ずるとの方針であった。ようは藤丸立香に全て任せる、とのことらしい。

またこれに伴い、藤丸立香にIS学園への入学願望があれば、国連参加国のほとんどがそれを支援する用意がある、とのこと。

その際、藤丸立香の過去は厳重に秘匿され、IS委員会サイドなどには伝わらないように情報を操作する。すでに用意は整っているらしく、いつでも作戦を始められるとのことだった。

 

「どうやら国連の事務総長並びに魔術機関の総長は、一般人に世界を救い、世界を壊させた業を重く受け止めているらしい。よっぽどの人格者ではないかね?」

「なかなか現代の魔術師には珍しい魔術総長だね。事務総長もかなりの善人だ、これは信頼してもいいね」

「うむ。腐敗し切った時計塔上層部なんかよりも良い機関だ」

「そうだね。……立香くん、あとはキミ次第だ。ボクたちはキミの決定に従うよ」

 

所長、ダヴィンチ、ロマニの言葉を聞いた立香は目を瞑り、思考に浸る。

マシュはそんな様子の立香の袖を摘みながら、彼の一言を待ち続けている。

 

──藤丸立香は、普通の人間として、ただの高校生としての生活を、望んでいた。

でもそれは、多くの人を殺した自分が求めてはならないものだと、同時に思っていた。七つの世界を破壊して、そこに住む多くの霊長を殺した。その業を背負って生き続けてきた。

彼は、強迫観念のようなものに突き動かされて生きていた。

 

だが、立香はこの短い間の日本滞在と、そして全てを取り戻した後のカルデアに残り続けて、気づいた。自分の人生を決めるのは自分自身であると。

確かに大量の霊長を殺した責任はある。どのような虐殺者よりも多くを殺した実感も、いつだって手のひらの上にある。

だが、いや、だからこそ、決めたのだ。自分は日常を暮らし続けて、その中で贖罪の旅を続けると。

彼らから奪った日常を噛み締めて、責任を背負って、それでも生き続けると。

 

「所長。ドクター。ダヴィンチちゃん。マシュ。

──俺、決めたよ。IS学園に、行く」

 

心の奥底から搾り出すように放った一言は、確かな重みを持っていた。

その宣言を聞き届けた一行は、全員で視線を合わせて頷いた。

 

その瞬間、所長室のドアが開く音がした。

 

 

 


 

 

 

「──ふははははは!話は聞かせてもらったぞ、リツカ!何やら面白いことをしようしてるようだな!」

 

尊大。傲慢。絢爛。

彼の第一印象として、そのようなものを抱く人間は少なくない。

金色の髪。真紅の瞳に、高い鼻。すべてが整えられて、全てが彼のために整えられた言っても過言ではない、あまりにも完璧すぎる造形。

……一方で服のセンスは壊滅的であったが。

 

所長室のドアを開いて押し入って来た男は、我が物顔で会話に乱入すると饒舌で話し始めた。

 

「いやなに、そのように不思議な顔をするでない。我から貴様に提案があり来たまでのことよ」

 

──英雄王、ギルガメッシュ。

人類最古の英雄譚の主人公にして、偉大なるシュメールの王。

この世全ての財宝を束ね、自らの蔵にそれらを納め、「この世の財宝は全て我のものよ」と言わしめた、英雄の中の王。

 

そんな彼も此度の人理を巡る戦いに参列しており、英雄王としての全盛の姿、幼少期の姿、そして晩年の賢王として大成した姿の三人がこのカルデアに存在している。

 

「あのだねギルガメッシュ!突然押し入ってくるんじゃないよ、びっくりしたじゃないか」

「この我がそのような些末を気にするように見えるか、戯け」

「そういえばお前はそういうやつだったな……」

「ふん、()()貴様に用はない。ちょうど良い、ここにいるものは聞くが良い!特にそこの万能の天才はな!

────我は今、ISコアを持っている!」

 

空中に金色の波紋が開く。

そこから所長室の机の上に乗るのは、ただの球体のようにしか見えない物体Xだった。

だが立香にはそれが何であるかを理解していた。あれに触れたことで、己の人生が変化したことを何よりも痛感する彼だからこそ。

 

「……え、これ本物?」

 

ロマニの言葉を皮切りに、一堂に動揺が広がる。

どこから持ってきたんだ、何のために持ってきたんだ、これは改造してもいいのか。次から次へと問いが飛んでくる。

ギルガメッシュはそれを聞きながら、喜色を隠さない様子で語りを続けた。

 

「ハン!この我を誰だと心得る?我の黄金律はAだぞ、ISコアの一つ、手に入れることなど訳ないわ!」

「キミという英雄は、本当にデタラメなのだな……」

 

本物のISコアの前に、困惑が隠しきれない管制室組(一人はあまりの嬉しさに無言で喜びを隠しきれていないが)。ギルガメッシュのその言葉に一度は納得した一行。

一方で、まじまじとコアを見続ける立香は、一つの問いを口にした。

 

「で、これをどうするんですか?王様のことですから、ただ見せびらかしに来たというわけではないですよね?」

 

立香のその言葉をきいたギルガメッシュは振り向き、笑いながら立香のことを見つめ返した。

それを見た周りの皆も、ギルガメッシュと立香に注目する。

彼は一拍置いて、それから笑いながら、語った。

 

「ふははははは!流石はリツカ、やはり我のことをよく理解しておる!

無論、これはただ見せびらかす為にあるわけではない!手に入れた財は、使ってやるのが道理というもの。しかし我ではこれを扱えない故な、ただ腐らせるだけであった」

 

ギルガメッシュは興奮しながら、さらに語り続ける。

 

「かと言って凡百の雑種どもに、我の手に入れたこれを使わせるのも勿体がない。エルキドゥの体に埋め込むことも少しは考えたものよ──つい先刻まではな!」

 

どこかで緑髪の麗人が目を細くして、にっこりと笑う光景が目に浮かんですぐに消える。

えもいわれぬ殺気を感じたのは何故なのだろうか。

 

「……何やら殺気を感じたが、まあいい!兎にも角にも状況は変わった、そう、他ならぬ藤丸立香、貴様の手によってな!──我から、貴様の専用機をプレゼントしてやろう!」

 

その言葉に、空気が固まった。

──専用機。それは、国家代表などが所有するワンオフ機のこと。

それを持つものはエリートとしての資格を誇ることになる上に、実力者としてもまた認められることになる。いわばステータスのようなものだ。

 

それを、ギルガメッシュから、プレゼント?

 

「……ん?なんだ、珍妙な顔をしよって。我から渡すのはこのISコアのみよ。作るのはそこな天才と、あとは機械のスペシャリストたちにでも任せるがよかろう」

 

ギルガメッシュは呆れながら語ると、ISコアをダヴィンチに手渡す。

万能の天才のもとにオーパーツが渡り、そして目を輝かせた。

 

「なるほど事情は理解した!ギルガメッシュくん、もちろん隠れ蓑は用意してあるんだろ?」

「当然よ。我の財を使って会社を立ち上げてある!会社の銘は、“カルデアス・コーポレーション”よ!」

 

ギルガメッシュとダヴィンチがハイタッチを交わす。

その傍で、所長とマシュ、そして立香は目を閉じながら、深く考えるのをやめた。

 

 

 


 

 

 

こうしてIS作りを任されたダヴィンチは、さまざまなサーヴァントに意見を募りながらISの設計を始めた。

ソロモン、アルトリア・アヴァロン、マーリン。他にもアーサー、スカサハ、オデュッセウス、クー・フーリン、カルナ。さらには自らが兵器と同等の存在のエルキドゥ。

彼ら彼女らの尽力によって、どんどんと機体が組み上がっていった。

 

さらにこの組み立てには、サーヴァントユニバースのメンバーが大活躍だった。

謎のヒロインX、Xオルタ、XX、スペース・イシュタル。彼女らの技術によって、ISは魔改造──もはやドーピングの域にまで踏み掛けている──を施され、そして綿密な調整を経ていくこととなる。

 

さらにパイロットとなる立香にも訓練が課せられた。

ユニバース組による用語解説や機体操作の基礎・応用。

ウルク組、インド組の原始格闘術、ギリシャ組の英才教育。

ケルト組は槍術を。円卓組は西洋剣の使い方、そして騎士道を。

中国四千年の歴史が詰まった武術を手にいれ、日本組は当然の如く真剣の使い方をみっちりと扱いた。他にも、さまざまなサーヴァントたちによって、IS学園の試験まで、そしてIS学園入学までの間、1日の十二時間以上を頭脳の、そして身体と、精神の鍛錬に費やした。

 

とりわけ厳しい訓練だったのがメリュジーヌによる戦闘機動訓練だった。

のちに立香はこう語る。目を閉じるとすぐに、無限のお花畑が眼前に広がっていた、と。

 

そんな一幕の中で。

アルトリア・キャスターはとあるサーヴァントたちに集合をかけていた。

 

「魔術師の私から呼ばれている?それは本当ですか、アーサー」

「うん。しかしいったい何の用なのかな」

 

アルトリア・ペンドラゴン。そしてアーサー・ペンドラゴン。

二人の聖剣使いは並びながら、ゆっくりとした足取りで目的地へと向かう。

 

果たして目的の人物はそこにいた。ダヴィンチ工房の一角に作られた特務室の中に、彼女はダヴィンチと共にいた。

 

「お待たせしました、妖精の私。いったいどのようなご用件でしょうか」

「何か手伝いが必要なら、是非とも頼って欲しい」

「突然すみません、異世界の私たち。ISのデザインと、それから現在考えている()()()()I()S()()()()()()()()についての意見を共有したいと思いまして」

「マスターの、ですか?」

 

はい、と呟きながら、ダヴィンチと共に引いた図面を展開していく。

時代錯誤に思える紙で作られた図面は、少なくとも常人では理解できない図面としてそこにあった。

 

「簡単な仕様書はこっちに用意してあるよ。読むかい?」

「ああ。僕は図面を見てある程度理解できたから、これは彼女に渡してやってくれ、ダヴィンチ女史」

「わかったよ。あとでキミも見ておくといいよ」

 

仕様書を見ながら、アルトリアとアーサー、そしてアルトリア・アヴァロンは意見を出し合う。

そこには、次のようなものが書かれていた。

 


 

【IS仕様書・第3世代機のスペック並びに兵装に関する第一案】

機体名:常続きし人理の範(ロード・カルデアス)

主武装:レーザーブレード×2、実弾式リボルバー×1※1

単一仕様能力:英霊召喚(サモン・カルデアス)

数多くの藤丸立香の縁の中から、特定のサーヴァントの武装などを模倣しISに登録する※2

 

単一仕様能力戦闘形態・降臨『真円集う約束の星(ラウンド・オブ・アヴァロン)

主武装:浮遊型聖剣兵装×6

単発ビーム砲塔×1と、それらの周りに増設されている六連装ビーム砲塔の計七門の砲塔装備の自律可動兵器。藤丸立香の脳波に従い、自由に動かす。

 

神話決戦聖剣兵装・約束された勝利の剣(エクスカリバー)

浮遊型聖剣兵装を全機格納し、十三拘束の議決を経て使えるようになる、最終兵器。

星の内海の聖剣を喚び出し、高らかに勝利を謳う。

 

神話聖剣兵装・マルミアドワーズ

ギリシア神話にて登場する聖剣にして、大英雄ヘラクレスの持つ偉大なる剣。

共に戦う者に大いなる戦士の加護を齎し、勝利へと邁進する。

 

外観:アーサー・ペンドラゴンのプレートアーマーと、アルトリア(剣)の三臨に着ているマントを背に付ける予定。

また頭頂には王冠を被る。魔術による加護はここに集約させ、搭乗者の安全を確保する機構を展開させる。

さらに、主兵装のうち、マルミアドワーズは右手に持ち、浮遊兵装は右肩に浮き続ける形を想定。

 

※1

もともとは各英雄からの宝具などを一つずつ拡張領域に搭載予定だったが、どうあがいても収まりきらないことが判明した上雑多すぎる宝具の整理が極めて困難なため、単一仕様能力の開発・搭載のために、簡単な武装のみを搭載している。

 

※2

一度召喚したロードアウトはISに記録され、単一仕様能力解除後はワンコールで呼び出し可能。

初召喚の際には、カルデア式召喚詠唱による召喚が必要。以下に詠唱を用意しておく。

 

「素に(しろがね)(くろがね)。礎に石と契約の大公。祖には我が大師魔術王ソロモン。……」

 


 

「……悪くないように思えるよ。性能は十分だ、十三拘束をエクスカリバーに持たせておくのもいいと思う」

「はい。外観の設計図もなかなかに宜しいように見えます。これを用いて戦うマスターはさぞ優美に見えるでしょう」

 

仕様書を一通り読み、感想を述べる二人。

アーサーは鷹揚と頷きながら、アルトリアは微笑んで頷きながら、ISを評する。

 

「そうだろう!?私もそう思っているとも!我ながらいいモノを作ったと思っている」

「はい。これの制作にはダヴィンチ女史の助力が多大にありました、とても感謝しています」

 

感想を聞き届けたダヴィンチちゃんは、興奮した様子で語る。

身振り手振りを大きく振りながら、アルトリアのもとへと至った彼女は興奮状態のままマシンガントークを繰り広げ、アルトリアを何処かへ連れて行ってしまった。

去り際にアーサーに恨めし気な目を向けながらドナドナされていったアルトリアの目は死んでいた。

 

「……で、僕たちを呼んだ理由は?これに関する感想を述べるために、わざわざ呼んだというわけじゃないんだろう?」

「ええ、そうですね。実はアーサーに頼みたいことがあるのです。

──このISに搭載する、人工知能になってもらえませんか?」

 

アーサーは瞠目しながら、言葉を失った。

 

「……あ、すみません。言葉が足りていませんでした」

「…………それならよかった。今やっと理解が追いついたところだよ」

「本当に申し訳ありません。アーサーには……というか私もそうですし、セイバーアルトリアにもこれを頼むはずだったのですが、まあいいでしょう」

 

アルトリア・アヴァロンはそう前置いてから、語り始めた。

 

「このISには、いわゆる火器管制システム的なものを搭載して、仕様書に書いてある"浮遊型聖剣兵装"を操作させるつもりでした。

ですがシミュレーションを幾度となく試行しても、望み通りのサポートAIは作れませんでした。……最終手段として、月の管理者(BB)にAIを貸与してもらうことも考えましたが、ろくなことにならなそうだったので……」

 

悔しさをにじませながら語るアルトリア。

オリジナルたちと同じく、負けず嫌いの気はやはり強いのだ。

アーサーは頷いて、続きを聞く。

 

「なので、私は考えました。サーヴァントである我々がISのAIになれば百人力以上になれると。そう考えた私は、ISコアに憑依してある程度火器を動かせるようになる魔術を組み上げました」

 

詠唱を挟んで、それから一瞬で、アーサーたちの眼前には一つの魔法陣が浮かび上がっていた。

現代の魔術師どころか、神代にまで遡ってもこれをはっきりと解ける魔術師は居ないのではないかとも思えるほどに複雑化された魔術式。これを組み上げたアルトリア・アヴァロンの手腕に舌を巻いていると、そのまま話が続いていく。

 

「魔術式は組みあがっています。この魔術を使って、ISコアに憑依することで私たちはISの頭脳体としてリツカを援護できるようになります。

……アーサー。私とともに、これの実験台になってはくれませんか?」

「うん、いいとも。やろう」

 

アルトリアのその言葉に、アーサーは快諾して瞑目した。対面でその様子を見ていたアルトリア・アヴァロンは、自らの()によって、目の前の青年の真意を知った。

 

──アーサー・ペンドラゴンは、力になりたかった。世界でただ一人の、人類を救って見せたマスターの力になりたかったのだ。

彼の前に立ちはだかる敵を、これまで幾度となく倒してきた。騎士として、戦ってきた。なればこそ、今後も続いていく戦いに、己を剣として連れて行ってほしい、と。そう思わずにはいられなかったのだ。

 

アルトリア・アヴァロンはそれを読み解くと、魔術式に力を注いだ。

 

「では、式を起動します。その後は念話にてコンタクトしますので、それに従って下さい」

「ああ、了解したよ」

 

短い会話の後に、部屋に閃光が奔った。

 

アーサーの身体は霊体化し、それと同時にアルトリアの身体もまた、現世から消え失せた。

 

「……システム、すべて正常に起動。ISコア、経験搭載完了。憑依進行度、64%。……アーサー、そちらはどうですか?」

「こっちも概ね同じだよ。これは数値が100%まで進んだら、現世に戻ってくるのかい?」

「はい。100%まで進行したら、後はリツカがISを使用するときに、私たちの思考がこちらに飛ぶようになります。また、これをパスにしてIS学園の様子も見られるようになるので、リツカの安全確保にも最適、というわけです」

 

会話の間にも、同調率が進行していく。先ほどまでの緊迫した様子から、今は緩やかな状態が進んでいた。

 

「なるほど、こんな式をよく考えたね」

「マーリンと、それからモルガンにも手伝ってもらいました。彼の力になりたいというのは、どうやらあちらも同じだったようなので、すぐに話が通じて良かったと思っています。

……っと、どうやら同調終了したようです。魔術式を切ります」

 

その言葉と同時に、二人の身体が現世へと戻る。

手を開いて閉じてをしばらく繰り返したアーサーは、満足げに頷いて、それからアルトリアへ「ありがとう」と告げると、ダヴィンチちゃんに連れ去られた方のアルトリアを連れてくると告げて去っていった。

彼女がこちらに来たら、もう一度魔術を使って、それからこのAIに名前を付けよう。

アルトリア・アヴァロンは首をゆっくり回しながら、正史の自分が来るのを待ち続けるのであった。

 

 

 


 

 

 

そして来る4月。

ついに、物語の幕が上がろうとしていた。

 

「──ここが、IS学園」

 

人類史最後のマスターは、この学園で何を見て、そして何を得るのか。

新たなる物語が、こうして始まろうとしていた。




というわけで、なんだかごちゃごちゃしたような気がしなくもない3話目です。ご読了ありがとうございました。

小説の形態はいろいろと試行錯誤の段階なので、書き方が安定していません……本当に申し訳ない。
古代王の片割れが出せたので個人的にはまあ満足しています。

Twitterやってます、ぜひフォローお願いします。

https://twitter.com/Kisarag1_o

Twitterでは主に下らないツイートとか作業進捗を気ままに上げてます。

ということで、今後の展開というか、そんな感じのやつを下で書きます。
気になる方だけ見て行ってください。



「……私は、お姉ちゃんみたいにはなれない」

「私は、あの子と仲良くしていたい」

「わたくしの思いにお応えなさい……!ブルー・ティアーズ!」
「ここで、負けるわけには行かねえんだよ!起動しろ、零落白夜!」

「黄昏の時よ、再び。
──最果ての島、罪の都。最後の竜は我が胸に。いかなる滅びにも我らは屈せず。集え、円卓の守護者たち──」
十三拘束解放(シールサーティーン)円卓決議開始(ディシジョンスタート)!」

「────告げる。
汝の命運は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、人理の轍より応えよ。
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝、星見の言霊を纏う七天。
奔り、降し、裁きたまえ、天秤の守り手よ────!」

「あの、輝きは……」
「藤丸立香のIS適性、上昇を確認!
──Aランクを超えて、Sランクへと上がっていきます!」

「きっと、俺以外の誰でも良かった」
「止まることはできなかった」
「だってそれが、俺にできることだと思ってたから」

「だからこそ──俺は、俺の壊してきた世界が、俺の生きてきた世界が、忘れ去られないように、ここで戦う」
「英雄になんてなれやしない。なってやるもんか。
俺の知る英雄は、全員が偉大だ」

「問おう。君は、何を望む?」

第一章・『運命は誰のために』
近日公開予定

ぶっちゃけ他作品同士のカップリング(NL)って許せる?

  • はい
  • いいえ
  • ちくわ大明神
  • その他(DMお願いします)
  • なんでもいいよ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。