ありふれない化け物共で異世界最恐?   作:A6M2Zero

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夏休みで家に帰ってモチベ回復中のA6デス。速く更新とか言ってながらやってなかった…許し亭許し亭…


閉話 傭兵は魔王に出会う 後編

「いや少なくない?」

 

「ギャッ!!」

 

飛び出してきたチンピラにナイフを投げ込む。狙った場所から少しズレてしまったが相手の右肩に着弾。チンピラは痛みで思わず片手剣を落とす。

 

うーん練度はそこそこだけど所詮はチンピラってとこか。命のやり取りを経験してないなコリャ…

 

僕は右肩を抑えて座り込むチンピラの脳天に蹴りを入れながらそう考えた。

 

蹴りを入れたチンピラは泡吹きながら倒れ込み痙攣している。まぁ大丈夫だろう…多分。

 

今ので28人目。近くの拠点がやられているから犯人捜しで出払っていると思っていたけど余り出てなかったようだ。ただ本部の癖に数が少ない。内部でドンパチしてるからか?

 

 

最初の大男はパワーだけであんまり良く無かった。他のやつはまぁ…お察し下さい()

 

「ン?また来る?今度はなんだろう。早めにぶっ倒れてほしいけどな…」

 

入口から人が出てくる。だが戦闘員ではない。マスクを付けた人間だ。恐らくオークションに出てた人間だ。

 

「うへぇ数多い…コレでも喰らえ」

 

必殺!撒菱!!

 

ーー撒菱とは、忍者が使っていたとされる罠の1つで道にばら撒くことで追手の足に刺さり、騒いでいる間に逃げる為のお手軽罠であるーー

 

「ギャッ! イデッ!! あ、足が!!」

 

踏んでしまったものは痛みで足が止まる。ソレが最前列。しかも後続はパニック状態ときた。どうなるかは一目瞭然。

 

「うわァァァ!!待て!止まれ!グッ」

 

「痛い!踏むな!つぶ…」

 

「とまギュッ‼」

 

最前列が後続に押され転倒、ドミノのようにその上に転倒していく。連鎖するにつれ一番下にかかる圧力が大きくなりソレに耐えられず骨が潰れて死ぬ。圧死という訳だ。

 

「うわ…やらないほうが良かった…」

 

まー人間が潰れる訳である。何処ぞの魔女のフレッシュトマトより酷い光景が出来上がる。

 

地獄絵図とはこの事か…教育上よろしくないものが出来上がる訳だ。生きてるの可哀想だし殺っとくか…なんか目見開いたまま固まってるのいるし発狂してるのいるし…

 

ガシュッ!!

 

ズッ!!

 

「終わったか?」

 

ーー人間だったものの山が出来た入り口ーー

 

うわ…ミュウちゃんに悪いの見せちゃいかんな…

 

呑気にそんな事を考えながら頭を掻いた時。真上に急上昇するのが1つ…一人?と子供。

 

「ン?ンン!?」

 

いきなり空を飛ぶ人間に思わず驚愕の声が上がるが彼を見て納得する。彼から溢れる尋常ではない魔力量を。魔獣の物に似た禍々しい物を。

 

「え…えぇ…なんなんアレ…」

 

ーーオイ、死にたくなければ速くそこから退避しろーー

 

ーー君…直接脳内にーー

 

ーー速くしろ。花火になりたいのか?ーー

 

ーーイヤスグニデマスーー

 

 

彼ーーハジメと名乗ったーーが脳内に直接話しかける。言われた通り僕はすぐに逃げ出す。

 

逃げて2秒たった時。突如拠点が爆発した。中の金目の物もいっしょに。ーー嗚呼…ソレがあれば暫くは食っていけた…なんなら子供たちにご馳走してやれた…ーー爆風でふっ飛ばされ、破片が当たらないよう障壁を張ったユウトはそう思った。涙が出そうだった。

 

 

「あやべグエッ!!」

 

 

 

 

 

………受け身を忘れていた。

 

 

 

 

 

「倒壊した建物二十二棟、半壊した建物四十四棟、消滅した建物五棟、死亡が確認されたフリートホーフの構成員九十八名、再起不能四十四名、重傷二十八名、行方不明者百十九名、身元不明遺体126名……で? 何か言い訳はあるかい?」

 

「カッとなったので計画的にやった。反省も後悔もない」

 

「依頼を遂行するための障害を排除しただけ。」

 

「はぁ~~~~~~~~~」

 

冒険者ギルドの応接室で、報告書片手にジト目でハジメ達を睨むイルワだったが、出された茶菓子を膝に載せた海人族の幼女と分け合いながらモリモリ食べている姿と反省の欠片もない言葉と、傭兵のあっけらかんとした態度に激しく脱力する。

 

「まさかと思うけど……メアシュタットの水槽やら壁やらを破壊してリーマンが空を飛んで逃げたという話……関係ないよね?」

 

「……ミュウ、これも美味いぞ? 食ってみろ」

 

「あ~ん」

 

「初耳なんですけどソレ…後ミュウちゃん?どういう事?」

 

 ハジメは平然とミュウにお菓子を食べさせているが、隣に座るシアの目が一瞬泳いだのをイルワは見逃さなかった。再び、深い、それはもうとても深い溜息を吐く。片手が自然と胃の辺りを撫でさすり、傍らの秘書長ドットが、さり気なく胃薬を渡した。

 

 

 

「まぁ、やりすぎ感は否めないけど、私達も裏組織に関しては手を焼いていたからね……今回の件は正直助かったといえば助かったとも言える。彼等は明確な証拠を残さず、表向きはまっとうな商売をしているし、仮に違法な現場を検挙してもトカゲの尻尾切りでね……はっきりいって彼等の根絶なんて夢物語というのが現状だった……ただ、これで裏世界の均衡が大きく崩れたからね……はぁ、保安局と連携して冒険者も色々大変になりそうだよ」

 

「まぁ、元々、其の辺はフューレンの行政が何とかするところだろ。今回は、たまたま身内にまで手を出されそうだったから、反撃したまでだし……」

 

「すいません…ご迷惑おかけします…」

 

「唯の反撃で、フューレンにおける裏世界三大組織の一つを半日で殲滅かい? ホント、洒落にならないね。後、謝られても困るよ。」

 

 苦笑いするイルワは、何だか十年くらい一気に年をとったように見えた。

 

「一応、そういう犯罪者集団が二度と俺達に手を出さないように、見せしめを兼ねて盛大にやったんだ。支部長も、俺らの名前使ってくれていいんだぞ? 何なら、支部長お抱えの〝金〟だってことにすれば……相当抑止力になるんじゃないか?」

 

彼、ハジメは抑止力として名前を使って良いと提案した。

 

「おや、いいのかい? それは凄く助かるのだけど……そういう利用されるようなのは嫌うタイプだろう?」

 

 彼の言葉に、意外そうな表情を見せるイルワ。だが、その瞳は「えっ? マジで? 是非!」と雄弁に物語っている。彼は苦笑いしながら、肩を竦めた。

 

「まぁ、持ちつ持たれつってな。世話になるんだし、それくらいは構わねぇよ。支部長なら、そのへんの匙加減もわかるだろうし。俺らのせいで、フューレンで裏組織の戦争が起きました、一般人が巻き込まれましたってのは気分悪いしな」

 

「……ふむ。ハジメ君、少し変わったかい? 初めて会ったときの君は、仲間の事以外どうでもいいと考えているように見えたのだけど……ウルでいい事でもあったのかな?」

 

「……まぁ、俺的には悪いことばかりじゃなかったよ」

 

 流石は大都市のギルド支部長、相手のことをよく見ている。ハジメの微妙な変化も気がついたようだ。その変化はイルワからしても好ましいものだったので、彼からの提案を有り難く受け取る。

 

「僕はちょっと勘弁して下さい。仕事ができなくなってしまう…」

 

「君は…ユウト君だったかな?傭兵が何故ここに?」

 

「あ〜その…ハジメ…君?の隣に座ってる。ミュウちゃんを探しに…」

 

「ユウトお兄ちゃん!これ美味しいよ!」

 

「あ、ありがとう。ミュウちゃん?お母さんが心配してたよ?一緒に帰ろう?」

僕はミュウちゃんに手を差し出した。

「やっ!!」

僕の提案が嫌だったらしい。ハジメ君に掴まった。

 

ちょっと待って。…ハジメ君、君なんでそんなに睨むんだい!?

 

ーーーーーーーーーー

ーーー

まぁギルド支部長が各方面を奔走してくれたお陰で今回の事は不問になった……のだが…

 

「……パパ」

 

「ゑ?」

 

「………………な、何だって? 悪い、ミュウ。よく聞こえなかったんだ。もう一度頼む」

 

「パパ」

 

「……そ、それはあれか? 海人族の言葉で〝お兄ちゃん〟とか〝ハジメ〟という意味か?」

 

「ううん。パパはパパなの」

 

「うん、ちょっと待とうか」

 

「ミュウちゃん?どうしたの急に…」

 

 ハジメが、目元を手で押さえ揉みほぐしている内に、シアさんーー兎人族の娘だったーーがおずおずとミュウちゃんに何故〝パパ〟なのか聞いてみる。すると……

 

「ミュウね、パパいないの……ミュウが生まれる前に神様のところにいっちゃったの……キーちゃんにもルーちゃんにもミーちゃんにもいるのにミュウにはいないの……だからお兄ちゃんがパパなの」

 

「何となくわかったが、何が〝だから〟何だとツッコミたい。ミュウ。頼むからパパは勘弁してくれ。俺は、まだ十七なんだぞ?」

 

「……へ?」

 

「やっ、パパなの!」

 

「わかった。もうお兄ちゃんでいい! 贅沢はいわないからパパは止めてくれ!」

 

「やっーー!! パパはミュウのパパなのー!」

 

ーーやべぇよ…なんて報告したらいいんだ…パパ(ハジメ君)について行くと言ってるし…ーー

 

その後、ハジメ君はあの手この手でミュウの〝パパ〟を撤回させようと試みるが、ミュウ的にお兄ちゃんよりしっくり来たようで意外なほどの強情さを見せて、結局、撤回には至らなかった。こうなったら、もう、エリセンに送り届けた時に母親に説得してもらうしかないと、その意見で僕とハジメ君は合意した。そうして別れたのだが…

 

「あ、経緯聞いたりするの忘れた。」

 

とんでもないミスをしてしまったらしい。

 

 

おまけ

 

ーー傭兵設定ーー

織田ユウト

天職 技士

身長162cm

体重49kg

 

前回の召喚呼び出された人間。ハジメと同じイレギュラー。脅威度はハジメよりも劣るが実力は十分。エリセン近くの洋上で“家“を修理しながら養子の二人と共に暮らしている。彼の家近くにはよく【編集済み】が現れるようでそこからパーツなどを回収し、修理・売却の他に傭兵業で稼いでいる。“騙して悪いが“をよくされていたが撤退・不意打ち・撃退で今までなんとかしてきた。

農業にも詳しいらしい。

一時期メンタルの状態が悪かったものの今では微塵も感じさせない。

お人好しで優しすぎるところがあるがそのせいで苦労することもしばしば…

武器はナイフを好んで使う。理由は腕力・握力が人と比べて小さいからだとか。

 

キレさせるには身長に対する悪口と嫌がらせをすればいい。威力がおかしいドロップキックが飛んでくるぞ!!




ハイ。次からちゃんとほんへに戻ります。

春樹の行動はどっちが見たい?

  • ハジメ同行√
  • 単独行動√(後に合流)
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