転生したらゲド・ライッシュだった   作:色々残念

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第14話、ヘルメス・ファミリア

鍛冶師として忙しそうにしている椿とは、しばらくパーティを組めないので、俺は新たに発現した魔法である「ムードメーカー」の効果の検証を、ダンジョンの中層で行いながら日々を過ごす。

 

詠唱を変えると効果も変わる特殊な魔法の「ムードメーカー」は精神力の消費が、それぞれの効果によって違っているようだ。

 

運命改変が特に精神力の消費が多く、1番消費が少ないのは、気分が高揚している時に攻撃力を上昇させることが可能な不測操作であった。

 

しかし、特に気分が高揚していない時に使うと無駄に精神力を消費するだけとなる不測操作は、使い所が難しい効果だろう。

 

常に気分が高揚している訳ではないので、自身を強化する時は「龍の手」のスキルを使った方が、使い勝手が良い。

 

不測操作以外の効果は精神力の消費が高いが便利な効果が揃っていて、中でも戦闘に役立つのは思考加速と運命改変に多重結界といったところになる。

 

知覚速度を引き上げる思考加速を使えば、どんな行動をするか判断する速度を早めることができて、戦闘中でも判断を誤ることが無くなる筈だ。

 

死の運命すらも改変することが可能な運命改変があれば、戦闘で受けた致命傷すらも無かったことにすることが可能だろう。

 

様々な効果の結界を重ね合わせてあらゆる攻撃に備えることができる多重結界を使えば、大規模なモンスターの攻撃を防ぐことも不可能ではない。

 

戦闘以外に役立つのは間違いなく空間操作だが、1度行ったことがある場所なら何処にでも自由に移動が可能になる空間転移ができることは、あまり公にはしない方が良さそうだ。

 

この空間操作の効果がバレると、明らかに面倒事になるのは間違いないな。

 

信頼できる相手以外には教えないようにしておこう。

 

教えても大丈夫なのは神ミアハとナァーザと椿くらいだろうか。

 

ギルドの担当アドバイザーの人には黙っておくかな。

 

担当アドバイザーの人は信頼できるとは思うが、ギルドの上が信頼できないから仕方がない。

 

黙っておいた方が良いと俺の勘も言っているので、それに従っておくとしよう。

 

中層で魔法の検証を行いながらモンスターとも戦ってみたりもしたので、一応神ミアハにステイタスを更新してもらうことにした。

 

Lv4

 力:H130

耐久:I98

器用:G257

敏捷:H170

魔力:F369

幸運:F

耐異常:G

神秘:I

 

《魔法》

 

【リトルフィート】速攻縮小魔法

 

【スティール】速攻窃盗魔法

 

【ムードメーカー】詠唱変化魔法

 

詠唱前半

 

「心理之王、御調子者、調子者」

 

詠唱後半

 

「箒星よ、歩みを速めよ」思考加速

 

「道化の星よ、運命を変える奇跡をここに」運命改変

 

「恒温の星よ、その熱を燃やせ」不測操作

 

「流れる星よ、空を開け」空間操作

 

「眩い星よ、重なりあえ」多重結界

 

《スキル》

 

【龍の手】

・あらゆるものを倍加する

 

【創薬師】

・薬品作成時、発展アビリティ創薬と薬師の一時発現

・作成した薬品の品質向上

 

【竜鱗鎧化】

・体表に魔素を吸収して自己修復する装甲を形成する

・耐久に応じて強度上昇

 

【断ち切る力】

・周囲の空間を断ち切る

・攻撃には使用できない

 

ステイタスはこんな感じになったが、魔力の伸びが良いのは魔法を沢山使ったからだろうな。

 

魔力以外だと器用の伸びが悪くないのは、長剣を振るう時に力任せではなく技を用いて振るい、長剣を長持ちさせるように扱っているからなのかもしれない。

 

中層でも伸ばせるステイタスがあるならガンガン伸ばしていきたいところだ。

 

マインドポーションを多目に持っていって、精神力の回復をしながら、精神力の消費が多い魔法を連続で使っていけば、魔力を更に伸ばせそうな気がする。

 

そんな直感に従って、中層でひたすら「ムードメーカー」の魔法を使いまくってみた。

 

運命改変と空間操作以外の効果を発動させていき、精神力をギリギリまで消費していく。

 

それだけではなく中層のモンスターとの戦闘も行っていき、スキルも武器も使わずに素手で倒してみたりもしたが、そちらも多少は効果があったようだ。

 

Lv4

 力:H130→G221

耐久:I98 →H134

器用:G257→F382

敏捷:H170→G295

魔力:F369→C673

 

ステイタスを神ミアハに更新してもらうと魔力が大幅に上がっており、器用と敏捷も中々の上がり具合となった。

 

やはり精神力の消費が高い魔法を使いまくると魔力の伸びが良いみたいだ。

 

とはいえマインドポーションの材料費もタダではないので、安定して稼げるようになっていなければできない方法だろう。

 

今はソロでも中層で稼げているから問題はないので、魔力のステイタスを大幅に伸ばすことができるのなら、またやってもいいかもしれないな。

 

ミアハ・ファミリアのホームの店舗で色々と手伝いも行いながらダンジョンでマインドポーションの材料費を稼ぐ日々をおくっていると、店舗に来客が現れた。

 

見覚えのある犬人の女性と眼鏡をかけた女性は、以前ダンジョンの25階層で俺が助けた女性達であることは間違いない。

 

こうして無事な姿を見ていると、あの時助けられて良かったと俺は思う。

 

「居たよ、団長!アンフィス・バエナから助けてくれたのはあの人で間違いない!」

 

そう言いながら此方を指差してくる犬人の女性。

 

「そうですか、ようやく見つかりましたか。もう帰っていいですよルルネ。後は私が団長として、お礼を言います」

 

ルルネという名前である犬人の女性を帰らせようとしている眼鏡の女性は、どうやらファミリアの団長でもあるらしい。

 

「何でよ!あたしもお礼言いたいのに!」

 

「貴女が余計なことまで言いそうだからです。早く帰りなさいルルネ。怒りますよ」

 

「ううっ、わかったわよ」

 

「寄り道しないで帰りなさい」

 

不満がありそうだった犬人の女性に帰るように命じて、手早く帰らせた眼鏡の女性が此方に近付いてくる。

 

「お名前を聞かせてもらってもよろしいですか」

 

「ゲド・ライッシュと申しますが、貴女は?」

 

「私はアスフィ・アル・アンドロメダ。ヘルメス・ファミリアの団長を務めているものです」

 

「ヘルメス・ファミリアの団長は万能者という2つ名を持っている高名なアイテムメイカーだと聞いていますよ」

 

「此方も竜殺しの魔帝の噂は聞いていましたが、まさかあの異常な個体のアンフィス・バエナまで倒してしまうとは思ってもみませんでした」

 

「かなり疲れましたけどね」

 

「ヘルメス・ファミリアが無事に生きて戻れたのは戦ってくれた貴方のおかげです。心から感謝します。ありがとうございました」

 

深々と頭を下げてきたアスフィ・アル・アンドロメダさんは、ヘルメス・ファミリアの団長として頭を下げていた。

 

「感謝は受け取りました。頭を上げてください。これでご用件は終わりですか?」

 

「いえ、ファミリアの団長として感謝だけを伝えて終わりではありません。救援の際に使用していただいた物資についても補償を行わなくては、適正価格でお支払いします」

 

「ハイポーション26本に、マーメイドの生き血がありますから結構な金額になると思いますが」

 

「うっ、ちなみにマーメイドの生き血は、どの程度の量を使用したのでしょうか」

 

恐る恐る聞いてきたアスフィ・アル・アンドロメダさんは、使用されたマーメイドの生き血の正確な量を知りたいようだ。

 

「この瓶になみなみ一杯分くらいですね」

 

試験管のようなポーションの瓶が2本入る程度の大きさがある瓶を見せておき、使用されたマーメイドの生き血がどれだけの量だったか教えておく。

 

「そこまで使われてたなんて聞いてないわよルルネ!」

 

既にこの場には居ない犬人の女性に怒っていたアスフィ・アル・アンドロメダさんは、マーメイドの生き血が治療に使われたことは知っていても、大量に使われたことまでは知らなかったらしい。

 

「失礼、取り乱しました。直ぐに支払える金額ではないので、少々お時間をいただきたいのですが」

 

「治療は勝手に俺がやったことですから支払ってもらわなくても別に構わないですよ」

 

「いえ、そういう訳にはいきません。貴方は私の命の恩人でもあるのです。助けてもらった礼は言葉だけでは足りません。是非とも受け取っていただかなくては!」

 

礼を受け取ると言わないと帰りそうもないアスフィ・アル・アンドロメダさんは、熱意がある人であることは確かだ。

 

しかし、大量のマーメイドの生き血の適正価格は、そう簡単に支払える額のヴァリスではない。

 

ヘルメス・ファミリアでも支払いには苦労するだろう。

 

という訳で、使用したアイテムの適正価格であるヴァリスを貰うことよりも興味があることを、俺はアスフィ・アル・アンドロメダさんに提案してみることにした。

 

「実はランクアップした時に、発展アビリティで神秘を取得したんですが、アイテム作りが中々上手くいかないんですよ。高名なアイテムメイカーである貴女に、アイテムの作り方を是非とも教わりたいんです。それを謝礼金代わりにしてくれませんか」

 

「なるほど、私の技術をお望みでしたか。それならば全力でお教えしましょう!まず最初は基本的な魔道具の作り方から教えていきますが、徐々に発展させていきますのでよろしくお願いします!」

 

俺の提案を快く引き受けて、やる気に満ち溢れたアスフィ・アル・アンドロメダさんが、魔道具の作り方を教えてくれるようなので、教わりながら徐々に作り方を覚えていくとしよう。

 

とりあえずこれならどちらも損はしていないような気がするな。

 

まあ、アイテム作りの先生が見つかったことは俺にとっては嬉しいことだ。

 

作りたいアイテムが作れるようになるまで頑張っていこうか。

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