転生したらゲド・ライッシュだった   作:色々残念

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思いついたので更新します


第24話、射手の嗜み

ミアハ・ファミリアでの仕事を全て終わらせた後、ステイタスの更新をしてもらう為に神ミアハの自室へと向かう。

 

深層での戦いで、恐らくステイタスが伸びている筈だ。

 

神ミアハの自室で背中を晒した状態になってからベッドにうつ伏せになり、神血で俺のステイタスを更新していく神ミアハと世間話をしてみた。

 

「ミアハ・ファミリアの団長になって仕事が少し増えましたけど、やることはそんなに変わらないですね」

 

「団長とは言っても団員が、副団長のナァーザも合わせて2人しかいないファミリアだからな。大手のファミリアと比べれば、団長のやることは少ないかもしれん」

 

「ミアハ・ファミリアに入団を希望する人も居ないんで、面接をすることもありませんからね」

 

「やはりまだ、多額の借金があるファミリアだと思われているのだろうな。よし、ステイタスの更新が終わったぞ。紙にステイタスを書き写して渡すので、少し待て」

 

「じゃあ、その間に上着を用意しときますよ」

 

神ミアハにステイタスの更新をしてもらい、紙に更新された背中のステイタスを書き写してもらっている間に脱いでいた上着を手に持っておく。

 

「ステイタスは紙に書き写し終わったので服を着ても構わんぞ。新しいスキルも発現していたが、それは自分で確認してみるといい」

 

上着を着てから神ミアハが差し出す紙を受け取り、紙に書かれていた今の自分のステイタスを確認してみた。

 

Lv5

 力:H136→B755

耐久:H127→B734

器用:G248→S971

敏捷:G219→B742

魔力:F375→SS1083

幸運:C→B

耐異常:D→C

神秘:C→B

精癒:G→F

 

《魔法》

 

【リトルフィート】速攻縮小魔法

 

【スティール】速攻窃盗魔法

 

【ムードメーカー】詠唱変化魔法

 

詠唱前半

 

「心理之王、御調子者、調子者」

 

詠唱後半

 

「箒星よ、歩みを速めよ」思考加速

 

「道化の星よ、運命を変える奇跡をここに」運命改変

 

「恒温の星よ、その熱を燃やせ」不測操作

 

「流れる星よ、空を開け」空間操作

 

「眩い星よ、重なりあえ」多重結界

 

《スキル》

 

【龍の手】

・あらゆるものを倍加する

 

【創薬師】

・薬品作成時、発展アビリティ創薬と薬師の一時発現

・作成した薬品の品質向上

 

【竜鱗鎧化】

・体表に魔素を吸収して自己修復する装甲を形成する

・耐久に応じて強度上昇

 

【断ち切る力】

・周囲の空間を断ち切る

・攻撃には使用できない

 

【竜撃会心】

・弱点となる部位に攻撃が当たった時、特大ダメージを与える

 

【射手の嗜み】

・遠距離武器装備時、発展アビリティ狙撃と千里眼の一時発現

・遠距離武器の攻撃力増大

 

更新された新しいステイタスは、こんな感じになっていたが、新しいスキルである「射手の嗜み」と書いて「シューター」と読むスキルが発現したのは、アスフィさんと一緒に遠距離武器になる魔道具を作成していたからだろう。

 

発現した新しいスキルの「射手の嗜み」を試す為には遠距離武器が必要になる。

 

ボーガンや弓を買いに行ってみるのもいいかもしれない。

 

という訳で武器屋でボーガンや弓を探してみたが、上層や中層くらいでしか通用しないものしか売っていなかった。

 

最低でも下層で通用するものが欲しかったが、弓とボーガンは人気が無いようで、第一級冒険者用の弓とボーガンが売られている店は存在しないみたいだ。

 

こうなったら新しく作った方が早いと判断した俺は、参考資料として購入した弓とボーガンの構造を頭に叩き込む。

 

1人では難しいかと思って椿にも作成協力を頼んでみると「面白そうだ」と了承してもらえたので、まずは強靭な弓とボーガンを作成する為の素材集めが始まる。

 

弓とボーガンの素材は、下層で発見したアダマンタイトを使用することになり、弦はゴライアスの硬皮を使ってみることにした。

 

それから矢に使うブルークラブの鋼殻を集める為に、ひたすらブルークラブを狩る日々。

 

大量の矢が集まったところで、試し射ちをしていき、椿と共に更に試行錯誤を重ねていく。

 

そうして積み重ねた日々により、遂に強靭な弓とボーガンが完成。

 

椿は急な仕事が入ってしまって同行ができなくなってしまったが、俺だけでもこの弓とボーガンをダンジョンで実際に使ってみるとしよう。

 

試す場所は下層だ。

 

リトルフィートで小さくして鞄にしまっておいた弓と矢束にボーガンを、ダンジョンの下層で取り出して元の大きさに戻す。

 

弓を持った瞬間、スキル「射手の嗜み」により、発展アビリティが発現したことがわかった。

 

発現した発展アビリティの千里眼により、遠方に居るモンスターを発見。

 

弓を構えて狙いを定めた矢をモンスターに放つ。

 

狙撃により命中率と飛距離が伸びた矢が、遠く離れたモンスターに命中したことが千里眼によって確認できる。

 

第一級冒険者で無ければ矢を放つこともできない強弓から放たれた矢は、スキル「射手の嗜み」により増大した攻撃力を発揮していたようだ。

 

強靭な弓から放たれた矢による一射で絶命していたモンスターは、もう動くことはない。

 

続けてボーガンも試してみたが、流石に弓ほどの威力はないようでモンスターが一射で絶命することはなかった。

 

それでも下層のモンスターを倒すことはできるので、ボーガンの性能が悪い訳ではないだろう。

 

下層で数十体以上のモンスターを倒し、弓とボーガンの性能を充分に確かめることはできたので、そろそろ帰ることにした。

 

「心理之王、御調子者、調子者」

 

後半の詠唱を変えると効果が変わるムードメーカーの魔法。

 

「流れる星よ、空を開け」

 

今回使うのは空間操作の効果であり、空間転移を使うつもりだ。

 

「ムードメーカー」

 

周囲にモンスターが居ないことをしっかりと確認し、ダンジョンの下層からミアハ・ファミリアの自室まで、空間操作の効果で使えるようになる空間転移で移動。

 

空間操作の効果を使うと精神力の消費が高いが、マインドダウンになるほどではない。

 

一気にショートカットができる空間転移があれば、ダンジョンのどの階層からであろうと直ぐに脱出することが可能だった。

 

行ったことがある場所なら、逆にダンジョン内部に空間転移で向かうこともできる。

 

今なら51階層にまで空間転移で向かえるが、深層のモンスターが空間転移で地上に来てしまわないように、安全階層である50階層から向かった方が良さそうだ。

 

とりあえず下層で入手した魔石とドロップアイテムをギルドで換金してもらいにいくと、それなりの額のヴァリスが手に入ったので部屋の金庫に貯金しておく。

 

必要な物だけにヴァリスを使っているからか、貯金が貯まる速度がかなり早いが、それは悪いことではない。

 

椿の工房にも向かい、実際に完成した弓とボーガンを使ってみた感想を椿にも伝えておいた。

 

「そうか、下層のモンスターでも問題なく倒せたのなら、あの弓は深層で通用するかもしれんな」

 

「もっと強靭な弦があれば、更に弓の威力を高めることができるかもしれない」

 

「うむ、更なる素材を探してみるのも悪くはないか。手前は仕事で手が離せんが、そこはお主に任せよう」

 

「急いでいる訳ではないから、気長に探してみるとするよ」

 

「もし素材が見つかったら手前に見せに来てくれんか。お主なら面白い素材を見つけそうだ」

 

「わかった。良い素材が見つかったら見せに行くよ」

 

椿とそんな約束をして数日後、ダンジョンに向かい、17階層の嘆きの大壁にまで到着。

 

嘆きの大壁から生まれた階層主のゴライアスは、いつもの灰褐色ではなく黒いゴライアスだった。

 

また異常個体かとは思ったが、通常のゴライアスよりも強度が高い硬皮をドロップアイテムとして落とすかもしれないと考えた俺は、黒いゴライアスを倒すと決める。

 

背負っていた「白断」を上段に構えた状態で「竜鱗鎧化」を発動すると、黒いゴライアスに真正面から突っ込んだ。

 

拳を叩き込んでくる黒いゴライアスの攻撃を「竜鱗鎧化」で形成された装甲で受け止めながら、上段に構えた「白断」を振り下ろす。

 

両断されて真っ二つになった黒いゴライアスの右拳。

 

それでも黒いゴライアスは異常個体であるからか、右拳が再生されていく。

 

試し斬りをしてみた感触からすると、通常のゴライアスよりも強度が高いことは理解できたが、斬れない強度ではなかった。

 

そして再生する異常個体のモンスターを倒すなら、弱点である魔石を狙えばいいと俺は知っている。

 

ならば、負ける理由はない。

 

「白断」を振るい、付着した血を落としてから、上段から中段に構え直す。

 

通常のゴライアスと色は違っていても大きさは変わっていないことから、恐らくは魔石の位置も同じ筈だ。

 

狙う場所は胸部の魔石。

 

力強く地面を踏み込み、跳躍。

 

振るった「白断」で黒いゴライアスの右肩から真っ直ぐ横一文字に斬り裂いていき、胸部を通過して左肩まで両断していくと魔石も破壊できたらしい。

 

消滅していく黒いゴライアスの身体。

 

残されたのは黒いゴライアスの硬皮だけだった。

 

黒いゴライアスの硬皮は、通常のゴライアスの硬皮よりも重量があるみたいだ。

 

それでもお目当てのドロップアイテムをゲットすることができたので、多少の重量は気にならない。

 

この黒いゴライアスの硬皮を持って帰ったら、椿に見せてみるとしよう。

 

そう決めてリトルフィートで小さくした黒いゴライアスの硬皮を鞄にしまうと、ダンジョンを出る為に上の階層に上がっていく。

 

いつも空間転移を使うと、便利さに慣れすぎてしまうので、今回は使わなかった。

 

さっそく椿の工房に行き、黒いゴライアスの硬皮を見せると、驚きながらも喜んでいた椿。

 

「多少重くなってしまうが、これで更に弓の威力を上げることが可能になるぞ」

 

仕事が終わっていた椿と一緒に黒いゴライアスの硬皮を弦にした弓を作っていくと、凄まじい強弓が完成。

 

黒いゴライアスの硬皮を使った弓は、通常のゴライアスの硬皮を使っていた弓とは比べ物にならない威力があるようだ。

 

そんな黒いゴライアスの硬皮は、弓の弦の素材として使うだけでは使いきれないほどの量がある。

 

「残った素材は椿が使ってくれ」

 

「良いのか、それならありがたく貰っておくとしよう」

 

残った素材は協力してくれた椿に全て渡しておくことにした。

 

椿なら間違いなく悪用することはないだろう。




狙撃、千里眼

出典、この素晴らしい世界に祝福を、主人公のカズマ

狙撃は飛び道具を扱う際の飛距離が伸び、幸運値が高いほどに命中率が増すスキル
千里眼は遠方の視認、および暗視が可能になるスキル
アニメでは暗視ゴーグルのような緑色の視覚効果となっていた

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