転生したらゲド・ライッシュだった   作:色々残念

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ようやく思いついたので更新します


第31話、適性のある武器

自分に剣や槍を扱う才能があることは理解しているが、他の武器を弓以外は殆ど試したことがないことに気付いた。

 

1度気になると実際に試してみたいと思うようになり、椿にも相談してみると、多種多様な武器を椿が集めてくれるらしい。

 

それで実際に使ってみて、適性のある武器を探してみようということになった。

 

数日後、集まった山のような武器の数々から1つずつ試していく。

 

全ての武器を試すには、かなりの時間がかかりそうだったが、1日で終わらなくても続けていくとしよう。

 

様々な武器を試していくと、どうやら俺は短剣にも適性があるようで、自由自在に短剣を扱うことができた。

 

Lvが低い時は、上層や中層で魔石をモンスターから抜き取る際に短剣を使っていたが、武器として使ってみたのは、これが初めてになる。

 

それでも淀みなく短剣を振るうことが出来ていて、流れる水のように滑らかに動けていた。

 

順手から逆手に持ち換えて短剣を振るうと、短剣の刃が空気を斬り裂いて音を鳴らす。

 

武器を使った試し斬りの為に、椿が用意していた鉄棒を容易く断ち斬ることも可能であった短剣は椿の作品ではないようだが、出来は悪くない。

 

どうやらこの短剣は、ヘファイストス・ファミリアの上級鍛冶師が試しに作った作品であるようで、今回椿が集めた武器の数々は、ヘファイストス・ファミリアの鍛冶師達が作った試作品ばかりであるようだ。

 

「Lv6のお主が武器を振るってくれると聞いたヘファイストス・ファミリアの鍛冶師達が、試作品を快く提供してくれたのでな。武器を集めるのには、そう手間はかからんかったぞ」

 

快活に笑っていた椿は、ヘファイストス・ファミリアの団長としての人脈で、今回の武器を集めたことを語った。

 

「まあ、流石に椿でも種類が全く違う武器を短期間で数十種類以上も作るのは不可能だとは思っていたけど、そうやって武器を集めていたのか」

 

「第一級冒険者に自らが作った武器を握ってもらいたいと考える鍛冶師は、ヘファイストス・ファミリアにも数多く存在しておるからな」

 

「なるほど、試作品だとしても鍛冶師達が快く武器を用意してくれた理由は、そうだったのか。多種多様な武器を試してみたいと思った俺にとっては、とても助かることだが、椿は良いのか?」

 

「たまには団長として他の鍛冶師達に刺激を与えることも必要だと判断したまでだ。それに手前は、お主の専属鍛冶師の座を、他の鍛冶師に譲るつもりはないぞ」

 

「それを聞いて安心した。これからもよろしく頼むぞ椿」

 

「うむ、任せろゲド」

 

椿との会話を終わらせて、次の武器を手に取り、適性があるか試していくと、新たに適性がある武器を発見。

 

その武器は斧であり、かつて冒険者になる前に、木を切る時に使ったことがある程度であるが、実際に武器として使ってみると適性があったことは確かだ。

 

風を斬って振るう斧に振り回されることはなく、しっかりと斧という武器を扱うことが出来ている。

 

斧の重さと自らの腕力を全て破壊力に変えることが可能であり、試し斬り用の鉄棒を斧で砕くことも出来てしまった。

 

俺が実際に試してみて、適性があった武器については椿が詳細に記録しているようで、全ての武器の適性を確かめた後、俺に適性があった武器は専属鍛冶師の椿が新たに作ってくれるらしい。

 

それからも俺は椿が集めてくれた多種多様な武器を実際に使って試していく。

 

極東から伝わった刀は、元日本人として扱ってみたい武器だったが大太刀や打刀には適性が無く、俺に適性があったのは脇差だけだった。

 

少し悲しい気持ちにはなったが、脇差を振るう俺の姿は様になっていたようで、初めて刀を握ったとは思えない程に脇差を扱えていたみたいだ。

 

まるで身体の一部や手の延長であるかのように、とても自然に脇差を扱えていた俺は、試し斬り用の鉄棒を、まるでバターを斬るかのように簡単に斬ることが出来てしまう。

 

脇差の素材となっていたのも同じく鉄であり、使った脇差自体も業物という程ではない代物だった。

 

鉄棒と素材に差が無く、脇差も平凡な脇差だったなら、俺の純粋な技量で斬鉄を行うことが出来たということになる。

 

試し斬り用の鉄棒を斬った脇差での斬撃は、見ていた椿が思わず唸ってしまう程、素晴らしい斬撃だったらしい。

 

とりあえず、脇差は短剣よりも適性がありそうだ。

 

それからも他の武器を試していくと、今度は手に装着する鉤爪に適性があった。

 

4本爪の鉄製の鉤爪で引っ掻くような攻撃をすると試し斬り用の鉄棒が、爪の形に抉れていく。

 

「妙な武器に適性があるのだな」

 

「それは俺もそう思う」

 

首を傾げながらも俺の武器の適性を詳細に記録していた椿の言葉には、同意しかない。

 

何でこんな武器に適性があるのか気になるところではあるが、使いたいと思う武器では無かった。

 

「一応適性もあるようなので鉤爪も作っておくか?」

 

そう聞いてきた椿に返す言葉は決まっている。

 

「鉤爪は必要ないから止めてくれ」

 

扱えるとしても欲しいとは思わない武器である鉤爪を用意されては困るので、作成は頼まない。

 

「それでは記録だけ残しておくことにしよう」

 

「そうしてくれると助かる」

 

数日使って全ての武器を試すことが出来たが、鉤爪は記録だけを残しておくことになる。

 

他の適性があった武器は椿に作ってもらうことになっているので、俺は素材を集める為にダンジョンの深層へと向かった。

 

コロシアムで無限に生成される強化種を一通り倒し、ドロップアイテムと魔石を回収していると現れたのは漆黒のスパルトイ。

 

手に持つ骨剣も黒く染まっているスパルトイは、骨剣を構えて此方に突撃してくる。

 

骨の身体の何処にそんな力があるのか、ダンジョンの床が陥没してヒビが入る程の踏み込みから骨剣による突撃突きをスパルトイが放つ。

 

「女神の戦車」よりも速い漆黒のスパルトイの突撃突きを「白断」で受け止めると、漆黒のスパルトイは高速の連続突きを繰り出してきた。

 

凄まじい速度の連続突きを全て「白断」で弾いていくと、今度は袈裟斬りを放ってきた漆黒のスパルトイ。

 

左上から右下、右上から左下、左横から右横と、漆黒のスパルトイは連続で斬撃を繰り出す。

 

更に続けて、左下から右上、右下から左上と骨剣を動かしてから、最後に2回転して漆黒のスパルトイは広範囲を斬りつけてきた。

 

今度は一旦此方から距離を取ると骨剣を構えて突進し、右横から左横に大きく斬りつけてくる漆黒のスパルトイ。

 

様々な斬撃を繰り出し続ける漆黒のスパルトイの攻撃は止まることなく続いていく。

 

漆黒のスパルトイはバックステップで此方の攻撃を避けてから大きく踏み込んで、床に傷跡が残る程に深く、右下から左上に斬り上げてきた。

 

続けて、腰を深く落として骨剣を左下から右上へと大きく斬り上げながら飛び上がり、その後に頭上から骨剣を振り下ろして兜割りを放ってくる漆黒のスパルトイ。

 

右上から左下へと骨剣を動かした後に、漆黒のスパルトイは連続で叩きつけるかのように骨剣を振るう。

 

右下から左上、左下から右上へと骨剣を振るってから、漆黒のスパルトイはその場で軽やかに回転して、骨剣で斬りつけてくる。

 

全てを「白断」で受け止めているが、一撃一撃が重く速い漆黒のスパルトイの攻撃。

 

白兵戦が強いスパルトイの異常個体は間違いなく強いが、此方は負けるつもりはない。

 

真正面から真っ直ぐ振り下ろした「白断」の刃を受け止めさせて接近し、刃を受け止めさせたまま柄を動かして、握っている「白断」の柄を漆黒のスパルトイへと叩き込む。

 

強烈な打撃を叩き込まれた漆黒のスパルトイの胸骨にヒビが入り、体勢も揺らいだ。

 

その状態でも反撃をしようとした漆黒のスパルトイだが、揺らいだ体勢で繰り出す斬撃は甘い。

 

「白断」で漆黒のスパルトイの骨剣を大きく弾き上げて、返す刃で斬撃を叩き込んでいく。

 

此方が「白断」で狙う場所は胸部であり、狙い通りにヒビが入っていた胸骨を大きく斬り裂くことが出来た。

 

直撃した下からの斬り上げで骨の身体を「白断」で断ち斬られた漆黒のスパルトイには弱点があり、斬られて露になった胸骨の中にある魔石こそが漆黒のスパルトイの弱点。

 

再び打ち合わせることになった骨剣と「白断」の刃。

 

何度か打ち合ってから骨剣と「白断」で鍔迫り合いとなった時、露になっている漆黒のスパルトイの魔石を狙い、俺は右手で抜き手を繰り出す。

 

指が漆黒のスパルトイの魔石を貫いて、微塵に砕いた瞬間、消滅していく漆黒のスパルトイの身体。

 

弱点である魔石を砕かれたモンスターは消滅するしかない。

 

完全に消滅していった漆黒のスパルトイが残したドロップアイテムは、漆黒のスパルトイと同じ色をした骨剣だけであったようだ。

 

帰り道で遭遇した階層主のウダイオスと1人で戦うことになったが、慌てることなく落ち着いて戦うことが出来た。

 

黒剣から衝撃波を放ち、無尽蔵に通常のスパルトイを生み出してくるウダイオスを相手に「竜鱗鎧化」を発動した状態で「白断」を構え、迅速に接近。

 

視界が届く範囲なら何処からでも剣山を生やせるウダイオスが、黒い剣山を生やしてきたが、俺の全身に「竜鱗鎧化」で形成された装甲を破る程の威力は無い。

 

ウダイオスが振り下ろす黒剣から放たれて扇状に広がっていく衝撃波も、俺なら簡単に避けることが出来る。

 

このウダイオスが繰り出せる攻撃は全て俺に通用せず、此方からの攻撃はウダイオスに通用することは確実だ。

 

ならば此方が負けることは有り得ない。

 

素早くウダイオスに近付いて跳躍し、頭頂部から「白断」で真っ二つに両断していくとウダイオスの魔石も斬り裂かれていき、消滅していくウダイオス。

 

ドロップアイテムであるウダイオスの黒剣だけが残った。

 

素材となりそうな物は充分に手に入れたので、ダンジョンから出るとしよう。

 

周囲にモンスターが居ないことをしっかりと確認してから空間転移で自室まで戻り、それからギルドで魔石を換金。

 

深層で手に入れたドロップアイテムを持って椿の元へと向かい、全てのドロップアイテムを椿に提供しておく。

 

それなりに大量のドロップアイテムにはなったが、椿なら有効に活用してくれる筈だ。

 

短剣と斧と脇差の素材となるには充分であるので、完成を期待しておこう。

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