転生したらゲド・ライッシュだった   作:色々残念

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思いついたので更新します


第34話、商品の配達

物を小さくすることが可能なリトルフィートの魔法を使えば大量のポーションや、その他の商品を運ぶことが可能だ。

 

毎回毎回ミアハ・ファミリアの店舗にまで大量のポーションを買いに来るのが大変だと思っているファミリアは多かったようで、お試しで配達サービスを始めてみると、殆どのファミリアが配達を頼んできた。

 

エナジーポーションを大量に購入していく神ディアンケヒトも配達サービスを希望したので、神ディアンケヒトが購入したエナジーポーションが大量に詰まった木箱をリトルフィートで小さくしてディアンケヒト・ファミリアにまで運んでいく。

 

エナジーポーションを運んでいる最中に神ディアンケヒトから聞かされたのは、ディアンケヒト・ファミリアの団長であるアミッドが、再びミアハ・ファミリアに押し掛けるかもしれないということだった。

 

「ワシでもアミッドは止められんからな、お主に任せておくぞ」

 

「前は酷いことになってましたよね。アミッドを止めようとして引き摺られて、力尽きたところで放置されてましたし」

 

「放置されたワシを助けてくれたのもお主だったからな、あれは流石に酷いと思った」

 

そんなことを話している内にディアンケヒト・ファミリアにまで到着。

 

神ディアンケヒトの自室にまでリトルフィートで中身ごと小さくした木箱を運んでいき、指示された場所に元の大きさに戻した木箱を置いた。

 

ディアンケヒト・ファミリアへの配達を終わらせてから、ミアハ・ファミリアの店舗に戻り、別のファミリアに頼まれたポーションを幾つかの木箱に詰めて、全ての木箱をリトルフィートで小さくすると手早く配達。

 

様々なファミリアにポーションを配達していくと、全てのファミリアが、また配達サービスを頼みたいと言ってくる。

 

大量のポーションを頼んでいた大手のファミリアは、頼んだ当日に届く素早い配達がかなり気に入ったらしい。

 

やはり団員が多い大手のファミリアであるほどポーションの消費も多いようで、大量のポーションが必要になるようだ。

 

それからも様々なファミリアが配達を頼んできたが、個人的な配達を頼む人達も何人か居た。

 

フィンさんが個人的に頼んできたエナジーポーションと胃薬に、おまけとして薬用酒も詰めた詰め合わせを用意して、ロキ・ファミリアのホームにまで配達しに向かう。

 

到着したロキ・ファミリアのホームで門番に用件を伝えると、今日は荷物が届くとフィンさんから話を通されていた門番の1人がホームの案内を申し出てくれた。

 

フィンさんの自室にまで案内してくれた門番がドアをノックしてから「ミアハ・ファミリアの団長が商品の配達に来たようです」とフィンさんに伝えてくれる。

 

「入ってもらっても構わないよ」

 

そう言ってくれたフィンさんの言葉に従って室内に入ると出迎えてくれたフィンさん。

 

少し前の青白い顔よりは健康的な顔をしていたので、提供した胃薬と薬用酒は確かに効果があったみたいだ。

 

「この前はロキが迷惑をかけたようですまないね。薬用酒の味を知った酒好きのロキがミアハ・ファミリアにまで、ラウルを連れて突撃していったと聞いた時は、胃がまた痛んだよ」

 

「女神ロキは薬用酒を買いたいと頼んできた程度なんで迷惑という程ではないですよ。薬用酒は売り物ではないと伝えましたが」

 

「数本の薬用酒をきみから貰ったロキが上機嫌で帰ってきたのを見た時は驚いたけどね。薬用酒を贈答品ということでロキに提供してくれたのは感謝するよ」

 

「あの数本程度なら問題ありませんよ。女神ロキには「お小遣い」も貰いましたから、また薬用酒を提供しても大丈夫です」

 

「なるほど、それでロキの所持金が減っていたんだね。僕もきみに「お小遣い」を渡した方が良いのかな?」

 

「流石に「お小遣い」ばかり貰うのは問題がありそうなんでフィンさんは、やめてください」

 

「そうかい、それは残念だね」

 

フィンさんと会話しながらリトルフィートで小さくしている複数の木箱を指示された場所に置き、元の大きさに戻す。

 

「中身は、頼まれたエナジーポーション60本と胃薬に、おまけで薬用酒が3本入ってます」

 

木箱の中身を見てもらい、全ての商品が配達されたことを、配達を頼んだフィンさんに確認してもらった。

 

「ありがとう、こうして当日に配達してもらえるのは便利だね」

 

感謝の言葉を言いながら、さっそく胃薬を飲み始めたフィンさんは、やはりまだ胃が痛んでいたらしい。

 

「ポーションや薬の配達を、ここまで早くやってるファミリアは、他には無いみたいですね」

 

他のファミリアで大量の商品を頼んでも、こうして直ぐに商品が配達されることはないようで、基本的には荷馬車が必要になるようだ。

 

「流石にきみと同じ魔法を持っている人は居ないからね。物資の大量運搬に適した魔法を持っている人も少ないだろうし、大量の商品を頼んだ当日に数十分程度で配達するのは、きみが居ないと出来ないことだと思うよ」

 

フィンさんが言うように、大量の商品を小さくして簡単に運ぶことが出来るのは、今のオラリオでは俺だけなのだろう。

 

「俺の魔法を有効活用してみようかと思って始めた配達ですが、結構他のファミリアにも好評でしたね。短時間で直ぐに商品が届くのが嬉しいみたいです」

 

物を小さくするリトルフィートの魔法を有効活用した結果として、身軽な状態で移動が可能な俺なら短時間で何処のファミリアにも大量の商品を配達することが可能だった。

 

「頼んだ当日に直ぐ大量の商品が届くのは、とても便利で助かるよ。僕もまた頼みたいと思うから、きっと他のファミリアも同じことを思っているんじゃないかな」

 

頼んで直ぐに商品が届くのは、俺の前世では普通のことだったが、今生の世界では普通のことではない。

 

だからこそ様々なファミリアがミアハ・ファミリアに配達を頼んでくる程に需要があるのだろうな。

 

「大量の商品の当日短時間配達は意外と需要があるみたいですね。ミアハ・ファミリアでは俺以外には出来ないことですから、俺の予定が空いてる時だけ出来る限定の配達ということにしておきますよ」

 

ロキ・ファミリアのホームでのフィンさんとの会話を終わらせて、ミアハ・ファミリアのホームに戻ると、見たことのないお客さんが1人居た。

 

そのお客さんは褐色の肌をした女性であり、どう見てもアマゾネスであることは間違い無さそうだ。

 

アマゾネスの女性は商品の配達を頼みにきたようで、大量のポーションとエナジーポーションに加えてミアハ・ファミリアで販売している美容関係の商品も全種類頼むらしい。

 

何処のファミリアまで配達すれば良いかを聞いてみると、歓楽街にある女主の神娼殿にまで配達してほしいとのことだ。

 

女主の神娼殿は、イシュタル・ファミリアのホームであるので、どうやらこの女性は、イシュタル・ファミリアに所属しているようである。

 

大量のポーションとエナジーポーションに美容関係の商品を幾つかの木箱に詰めて、リトルフィートで小さくして歓楽街にまで配達に向かうことになったが、イシュタル・ファミリアの女性が歓楽街を案内してくれた。

 

昼間の歓楽街は静かで歓楽街とは思えない程であるが、日が沈めば賑やかになるようなので、早めに配達を終わらせるとしよう。

 

到着したイシュタル・ファミリアのホームの女主の神娼殿は城であり、かなり広いホームであることは間違いない。

 

アマゾネスの女性に案内されて向かった先の部屋で、頼まれた商品が詰まった木箱を置き、大きさを元に戻した後に商品を確認してもらっていると、カエルに似た女性が現れた。

 

「ゲゲゲゲゲゲ、逞しい良い男じゃないかい。良いねぇ」

 

そんなことを言いながら舐めるような眼で此方を見るカエルに似た女性。

 

舌舐めずりまでしているカエルに似た女性に俺が性的に狙われているのは間違いないようだ。

 

普通に嫌だなと思う気持ちはあったが、顔には出さないようにして帰ろうとすると、カエルに似た女性が出入り口に立ち塞がっていた。

 

「アタイと楽しもうじゃないか」

 

口を三日月のように吊り上げて笑みを浮かべたまま近付いてきたカエルに似た女性。

 

今まで案内してくれたアマゾネスの女性が間に割り込んで庇ってくれようとしていたが、カエルに似た女性は「邪魔だよ!退きなっ!」と言いながらアマゾネスの女性に拳を振るおうとした。

 

アマゾネスの女性の前に出て、カエルに似た女性が振るう拳を受け止めておき、掴んだ左拳を握り締めておく。

 

「ぐっ!このっ!なめんじゃないよ!」

 

俺に握られた左拳が軋んでいても、構わずに右拳を此方に放とうとしたカエルに似た女性は、まだやる気らしい。

 

此方に右拳が放たれる前に、カエルに似た女性の顔面に思わず拳を叩き込んでしまったが、俺は悪くないと思う。

 

死なない程度に加減はしたが、顔面に叩き込まれた拳の一撃で勢い良く吹っ飛んで壁に叩きつけられたカエルに似た女性は失神していたようだ。

 

俺の拳の一撃で失神しているカエルに似た女性は、もう起き上がることはない。

 

とりあえず今の内に帰ろうかと考えていると、騒ぎに気付いたイシュタル・ファミリアの面々が次々と現れた。

 

「フリュネを一撃で倒すなんてやるじゃないか」

 

集まった面々から前に出てきて近付いてきた長髪のアマゾネスの女性が笑みを浮かべながらそう言ってくる。

 

どうやらフリュネとやらが俺に殴られて吹っ飛んでいくまでの一部始終を見ていたみたいだ。

 

「私はアイシャ、歓楽街じゃ見ない顔のあんたは竜殺しのカオスエッジだったか」

 

「そう呼ばれることもありますね。配達も終わりましたし、俺はもう帰りますよ」

 

「こっちは、あんたに興味が湧いてきたところだよ。一晩じっくりと話をしてみたいところさ」

 

「女性に興味が無い訳じゃありませんが、今日はそんな気分じゃないので帰らせてもらいますよ」

 

「アマゾネスが獲物を逃がすと思うのかい」

 

「俺の動きに着いてこれる人が居るとは思えませんが、どうでしょうね」

 

走り出した俺の動きに着いてこれるイシュタル・ファミリアの団員はおらず、疾走する俺の動きを眼で捉えることも出来ていない。

 

余計な荷物がないLv6の俺の速度に着いてこれる奴は居なかったようで、イシュタル・ファミリアのホームから直ぐに脱出することが出来た。

 

こういうこともあると知ることができたのは悪いことじゃないが、歓楽街を案内してくれたアマゾネスの女性が悪い人ではなかったのは確かだ。

 

フリュネとやらから庇おうとしてくれたあのアマゾネスの女性は、普通に良い人そうに見えたな。

 

「そういえば、あのアマゾネスの人の名前を聞いていなかったな」

 

聞いておけば良かったかなと思わなくもない。

 

まあ、次に会うことがあったら聞いてみよう。

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