転生したらゲド・ライッシュだった   作:色々残念

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なんとか書けたので更新します


第4話、創薬師

パーティを組んでいる椿と共にダンジョンの中層でモンスターを狩っては、魔石とドロップアイテムを回収し、それを繰り返して鞄が満杯になったらダンジョンから出て、魔石をギルドで換金。

 

ヴァリスよりもドロップアイテムを欲しがる椿には、ドロップアイテムを全て渡しておき、ヴァリスは此方が多目に貰っておく。

 

椿が持ち帰ったドロップアイテムは基本的に、ヘファイストス・ファミリアの末端の鍜冶師達に提供するつもりらしい。

 

俺の剣に使う分のミノタウロスの角は、既に椿は選り分けてあるようである。

 

ダンジョンでしか採れない鉱物である「アダマンタイト」の性質を持つミノタウロスの角は、武器の素材にうってつけだ。

 

俺の剣をミノタウロスの角で打ってくれる椿の工房に向かい、剣の作成を見学することにした。

 

ちょっとの熱では加工ができないミノタウロスの角を加工するために炉の熱を高めていった椿。

 

そんな椿からの指示に従い、工房の窓を開けて工房内にこもる熱を逃がしていく。

 

炉から取り出した赤熱するミノタウロスの角達を束ねて、鎚を振り下ろしていく椿は、真剣な顔をしていた。

 

鎚によって叩かれて鍛造されていくミノタウロスの角が、剣の形へと変わっていき、汗を滲ませながらも鎚を振るう椿の手は止まることはない。

 

ミノタウロスの角であった物体が剣に姿を変える一部始終を、最後まで見届けた俺は、椿・コルブランドという鍜冶師が作り上げた剣を受け取る。

 

その剣の名は「一角」と名付けられた。

 

俺だけの為に作られた長剣である「一角」の値段は、それなりに安くしてはもらったが、中層で稼いでいなければ払えない値段だったことは確かだ。

 

しかし「一角」には、それだけの価値があることは間違いない。

 

ヘファイストス・ファミリアの団長が打った剣というだけではなく、鍜冶師である椿・コルブランドの技術の高さが発揮された「一角」は見事な剣だった。

 

持っただけで手に吸い付くような一体感がある「一角」は、とても振るいやすい良い剣でもある。

 

ダンジョンの中層で実際に振るってみると、すんなりとミノタウロスを両断することが可能であったことから斬れ味も悪くはない。

 

「一角」という新しい武器を手にした俺のダンジョン探索は、とても順調だった。

 

そして中層を攻略するようになってから更にヴァリスを稼げるようになったことで、ミアハ・ファミリアの財政が安定してきたことは確かだろう。

 

借金の返済が完了するのは、まだ遠いようだが、何かあった時の為の貯金をする程度の余裕はできたみたいだ。

 

ひたすら椿とダンジョンに潜って中層を探索しては、神ミアハにステイタスを更新してもらう日々を過ごす。

 

ある程度ミアハ・ファミリアに貯金が貯まったところで、人気がある鍜冶師である椿に鍜冶師としての依頼が入った。

 

これでしばらくの間、パーティでダンジョンに向かうことができなくなってしまったが、鍜冶師としての仕事を椿は疎かにすることはない。

 

「手前が仕事をしている間は、少し休んでみたらどうだ?冒険者にも休息は必要だぞ」

 

椿にもそう言われたので、たまにはダンジョンに向かうことを止めて休日にしてみたが、やることがなくて俺は暇をしていたな。

 

退屈そうにしていた俺に神ミアハが「暇ならゲドもポーションを作ってみるか?作り方は私が教えよう」と言ってきたので、試しにポーション作りをやってみた。

 

初めてだとは思えない程に俺は手際が良かったらしく、驚いていた神ミアハ。

 

俺の初めてのポーション作成は失敗することなく成功し、完成したポーションは、ミアハ・ファミリアで売りに出しても問題ない出来だったらしい。

 

「ゲドには薬師としての才能もあるようだな」

 

神ミアハは、俺が作ったポーションを見ながら満足気に頷いて、そう言っていた。

 

そんな神ミアハに様々なポーションについて詳しい知識を教えてもらう。

 

実際にポーションを作成し、ポーションについての知識も得て、今まで消費するだけだったポーションにも詳しくなったことは、冒険者として悪いことではない筈だ。

 

椿が鍜冶師としての仕事をしている間は中層に向かったりはしないが、ダンジョンの上層でモンスターを倒してヴァリスを稼ぐことは借金があるミアハ・ファミリアには必要なことである。

 

という訳でダンジョンの上層で稼いでからミアハ・ファミリアのホームに戻ってきて、一応ステイタスの更新もしてもらった。

 

すると、俺には新しいスキルが発現していたようだ。

 

「創薬師」と書いて「ドラッグストア」と読むスキルの効果は、薬を作成している間だけ、発展アビリティに創薬と薬師が発現し、更に薬の品質が向上しやすくなるというものだった。

 

薬師としての才能がある俺に、とんでもないスキルが発現したことに頭を抱えていた神ミアハ。

 

とはいえ発現してしまったものは仕方がないので、このスキルの検証も行う必要があるだろう。

 

検証として試しにポーションを作成してみたところ、この前作成したポーションよりも格段に品質が良くて、更に回復効果も向上したポーションが物凄く簡単に作れてしまった。

 

ポーションの最適な作り方が頭に浮かんできたのは、創薬の効果で間違いない。

 

そして回復効果が向上していたのは薬師の効果だろうな。

 

創薬と薬師が組み合わさった「創薬師」のスキルを上手く活用すれば、ポーション以外にも様々な薬を高品質で作成することが可能だということが理解できた。

 

この「創薬師」のスキルは医療系ファミリアにとっては、喉から手が出る程に欲しいスキルなのは確実だ。

 

しかも「創薬師」のスキルを活用して作成したポーションは、味までも良くなっていて、まるでスポーツドリンクのようで非常に飲みやすくもなっている。

 

このポーションを売りに出してみたら物凄く売れそうな気がするので「数量限定で売りに出してみるのはどうですかね」と俺は神ミアハに言ってみた。

 

「確かに間違いなく売れるだろうが、ゲドの負担になるなら私は反対だ」

 

借金の返済が楽になるとしても、それが眷族の負担になってしまうと思うなら迷わず反対する神ミアハは善神だ。

 

眷族を大切にしていない神も多く存在する中で、とても眷族を大切にしてくれる神ミアハと出会えたことは幸運だった。

 

借金があるとしても神ミアハのファミリアに入れて、本当に良かったと俺は思う。

 

だからこそ神ミアハの手助けになるなら、多少忙しくなろうと俺は問題ない。

 

「負担なんてことはありませんから、新作のポーションとして売り出してみましょう」

 

そう言った俺に嘘がなく、無理をしている訳ではないと理解した神ミアハは、俺が「創薬師」のスキルを用いて作ったポーションを売り出すことを了承してくれた。

 

数量限定の新作としてミアハ・ファミリアから売りに出されたポーションは通常のポーションよりも割高ではあったが、飛ぶように売れていく。

 

高い回復効果と、飲んだことのない味が気に入った冒険者が多かったようで、リピーターが続出し、直ぐに売り切れるようになってしまった俺が作ったポーション。

 

かなり好評であることから「もうちょっと多目に売りに出しても」と神ミアハを説得しようとするナァーザ。

 

「あまり目立つのは良くないだろう」と難色を示す神ミアハ。

 

ミアハ・ファミリアのホームでナァーザと神ミアハが、そう話し合っているところをよく目撃するようになったな。

 

俺としてはナァーザが言うようにポーションを多少多目に作っても問題はないが、神ミアハの懸念も理解できる。

 

新作のポーションが、これ以上売り出されるようになれば、他の医療系ファミリアには大打撃だ。

 

大手を含む他の医療系ファミリアに目をつけられるようなことになれば、面倒なことになると神ミアハは考えているのだろう。

 

神ミアハのその判断は、きっと間違ってはいない。

 

だからこれからも新作ポーションは数量限定で売りに出していくのが正解だ。

 

いつも直ぐに売り切れる新作ポーションを用意する為に、俺はダンジョン探索が終わってからは毎日「創薬師」のスキルを活用しながらポーションを作成していく日々を過ごす。

 

そんな日常の最中、新作ポーション目当ての客が更に増えて連日忙しく働いていたナァーザと神ミアハは、だいぶ疲れていたようだ。

 

そこで疲労回復用のポーションを作ってみるのはどうだろうかと考えた俺は「創薬師」のスキルを用いて、疲労回復用のポーションを作り出してみる。

 

エナジーポーションと名付けたそれは、かなりの疲労回復効果があったようで、とても疲れていたナァーザと神ミアハがエナジーポーションを飲むと、直ぐに元気になっていた。

 

ちなみにエナジーポーションの味は、何故かエナジードリンクみたいな味だったが、エナジードリンクよりも効果があることは確かだろう。

 

疲労回復専門のポーションとしてエナジーポーションも売りに出してみたところ、冒険者だけではなく、オラリオの人々にも人気の商品となった。




創薬
出典、チート薬師のスローライフ〜異世界に作ろうドラッグストア〜、主人公のレイジ
創薬という薬の作り方がわかるスキル
レイジは、創薬以外にも鑑定のスキルも持っており、この2つのスキルを使って異世界でドラッグストアを開く
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