フランスの悪魔   作:林部

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ぐだ子視点です。


第3話 1431年6月17日

藤丸六香 - 3

 

黒騎士 ジャック・ド・フゥベー

兵士さんが言うには、身内相手でも歯向かう人には皆殺しにするような人で。

ジルさんが言うには、信用してはいけないユダで。

マリーが言うには、フランスを救った救世主で。

ジャンヌが言うには、ずっと一緒にいたはずなのに理解できなかった人で。

マシュが言うには、イングランドにいたけれどフランス側についた裏切りの英雄で。

ドクターが言うには、フランスの悪魔。

 

なんだかよく分からない人だと思っていた。けれど今はっきりと分かった。

 

 

「君達が選べ」

 

私は思った。もし、この黒い鎧の騎士がドクターの言う黒騎士なのだとしたら。

確かに史実通り、この人は悪魔だと。

 

 

 

 

その日はリオンからラ・シャリテへ戻った日の翌日だった。聖女マルタに言われた通りリオンへ行ったけれどサーヴァントはいなかった。もうどこかへ移動してしまったようだ。絶対に帰ってくるようジルさんに言われているので一旦ラ・シャリテへ帰り翌日に作戦会議をしようという話になっていた。つまり今日はその作戦会議の日だった。

 

「リッシュモン大元帥から連絡が」

 

その日も朝早くからジルさんや兵士さん達は働いていた。私は硬すぎるベッドのせいで早起きする習慣になっていた。

 

「門は開けないと伝えたはずだろう」

「いえ。今回は別の要求でして」

「……言ってみなさい」

「はい。”こちらの条件を呑むのであれば白旗を掲げよ”と」

「どういう意味だ…白旗…?」

 

「元帥。昨夜の件どうされますか?」

「物資補給の件か。あの後どうなった?」

「監視を続けていますが変化はありません。物資と見て間違いないかと」

「何故あのような場所に…まぁいい。ちょうど尽きてきた頃だ。午後回収に向かおう」

 

ジルさんは真剣な顔で兵士さん達と会話している。これは流石に邪魔しちゃダメなやつだ。挨拶は後でしよう。私はなるべく足音を立てずに廊下を歩いていった。

 

「六香 !おはようございます」

「ジャンヌ、おはよう」

 

少し歩いた先にジャンヌがいた。朝から太陽のように輝かしい笑顔で彼女は微笑む。とても寝起きが悪い子とは思えない…本当に寝起きが悪いんだろうか?もし私がサーヴァントになっても朝からこんな素敵な笑顔はできないと思う。

 

「あれ。マリーは?一緒じゃないの?」

「はい…少し気になることがありまして」

「気になること?」

 

ジャンヌは曖昧に笑い空を見上げた。

 

「前にもお伝えした通り今の私はサーヴァントとしてとても未熟です。主の啓示も…分からない。ですから、これはただの私の勘なんですが……嫌な予感がして」

「嫌な予感…って」

「ただの勘です。けれど私の勘は思いの外よく当たる。だから気になってしまって」

 

私は彼女と同じように空を見上げる。晴天だ。いい洗濯物日和だと思う。嫌な予感なんて全く感じない。

 

「気のせいかもしれませんね。他にも気になることがあったので。少し気持ちが沈んでいたせいかもしれません」

「気になることって」

 

「ジャンヌ。それに六香も」

 

綺麗な声が聞こえた。マリーだ。彼女はニコニコと微笑みこちらへ歩み寄った。

 

「おはようマリー」

「えぇおはよう六香。ジャンヌも……あら、どうしたの。怖い顔して」

「えっ!怖い顔、していましたか…?」

「ごめんなさい。言い過ぎたわ。怖いというより真剣といった方が正しいわね。でもダメよジャンヌ。眉間に皺を寄せては。折角こんなに可愛い顔をしているのに」

「あ、あの。マリー…ッ!」

 

マリーはジャンヌの額に自身の額をくっつける。あまりの近さにジャンヌの顔が赤く染まった。マリーはそんな初心な反応のジャンヌを見て、ふふと笑った。とても百合百合しい。美少女2人のこんな姿は目の保養だ。助かる。

 

「何かあったの?」

 

マリーはゆっくりと離れる。それでも、これからキスするんですかって聞きたくなるほど近いけれど。

 

「…少し考え事を」

 

ジャンヌは開いた距離に安心し、いつも通り平然と会話を続ける。普段のジャンヌだったらまだ赤面していそうだけど。さっきがあんまりにも近すぎたから感覚が麻痺しているのだろう。

 

「竜の魔女のこと?」

「はい……本当に何一つ身に覚えがないのです。フランスやイングランドに憎しみを抱く理由が私には分からない」

 

マリーはじっとジャンヌを見つめ彼女の言葉を聞いていた。

 

「うん。やっぱりジャンヌは綺麗よね」

「何でそんな!?か、からかわないで下さい!」

「いいえ真実よ。だって、もし私がジャンヌの立場だったら竜の魔女の話を多分受け入れているもの」

「…マリー…?」

 

ジャンヌは困惑した表情でマリーの言葉を待った。

 

「私は私を処刑した民を憎んでいません。それは9割の確証を持って言えます。けれど残り1割……もしかするともっと小さなものかもしれないけれど。私の子供を殺した人達を少しだけ憎んでいる」

「…!!」

「だから納得できる。”フランスに呪いを!”と言われても納得できてしまう」

 

イングランドを憎んだりしないでしょうけど。とマリーは付け加えた。

 

「でもジャンヌはそうじゃないのでしょう。人間が好きなのよね?」

「えぇ。大好きです。好きだから恨めるはずもなかった」

「そう思えるのはね、貴女が綺麗だからなのよ」

「それは…。そう、なのでしょうか…?」

「えぇ」

 

自信満々に告げるマリーにジャンヌは戸惑い、けれど少しだけ嬉しそうに微笑んだ。

 

《とてもいい雰囲気なところ申し訳ないがワイバーンだ!!》

「ドクター流石に空気読んで」

《い、いやこれ僕のせいじゃないだろ!僕だって後1時間は2人の百合百合しい様子を見ていたかったさ!》

「ゆ、ゆりゆりしい?とはどのような意味でしょうか?」

「ドクターそれセクハラだからね?」

「せく、はら?」

 

生まれたてのサーヴァント状態のジャンヌは聖杯から知識を与えてもらえないせいで、よくこんな風に困惑している。可哀想だけど可愛いし。今回のは割とどうでもいいので笑って誤魔化しておくことにした。

 

「ドクター。立香は?」

《勿論呼んでるよ。すぐに来るはずだ。他のサーヴァント達と一緒に》

「了解。じゃあ立香達が来たらワイバーンを倒しに行こう」

「はい!」

「えぇ!」

 

マリーとジャンヌは元気よく返事をしてくれた。その後駆けつけた兄や兵士達と共にワイバーンを倒しにいった。

 

 

「流石に数多くない!?どうなってるのよこれ!!」

 

エリーが不満を漏らす。彼女のいうとおりワイバーンは倒しても倒しても現れた。まさに無限ワイバーン状態。いくら倒せる相手とはいえ連戦となると消耗が激しい。私も兄も魔力の問題でサーヴァントとの仮契約は1人が限界な上に宝具を使われると立つ事すら危うくなる。そのせいで全員宝具は使わずに倒している。流石はサーヴァントといったところだが、いくら何でも数が多すぎて皆の顔にも疲弊の色が見えてきていた。兵士さん達も必死に戦ってくれているけれど如何せん数が多すぎる。どんどん負傷者が増えていっている。これはまずい。

 

《立香君、兵士達を守ろうとしなくていい》

「っでも!」

 

今にもワイバーンに喰われそうになっている兵士達を助けようと走り出した兄へダ・ヴィンチちゃんから鋭い声がとんだ。

 

《前にも言っただろう。その時代で死んではいけないのは君と六香ちゃんとマシュだけだ》

「だからって!見殺しにしろって言うんですか!!」

《民間人ならともかく彼らは兵士だ。自らの意思でワイバーンと戦うと覚悟を決めた者達だ》

「ッ…!」

《それにこの状況。助けに行ったところでキリがない。立香君、君のその意思は素晴らしい。尊敬すべきものだ》

 

兄は顔を歪ませグッと拳を握った。兄の目の前で人がワイバーンに喰われた。

 

《しかし君の命は重い。それをちゃんと理解してくれ》

「マスター!危ない!!」

「ッ…!?」

 

マシュが兄の前に飛び出し、襲いかかってきたワイバーンの爪を盾で防いだ。

 

「ごめん…ありがとう、マシュ」

「いえ。マスター、私は貴方の指示に従いますから」

「…ッうん、ありがとう…ッ倒そう。ワイバーンを一体でも多く!」

「はい!」

 

兄は兵士さん達を見つめるのをやめ自分が戦うべきワイバーンをグッと睨んだ。

 

「ますたぁ!どうか回復を」

「ご、ごめん。【応急手当】」

 

唯一私と仮契約を結んだ清姫は腕に怪我を負っていた。いかにサーヴァントといえど何十匹ものワイバーン相手に無傷とはいかない。私は礼装に備わっている魔術で清姫を回復させた。

 

「ありがとうございます。ますたぁ」

「いいえ。守ってくれてありがとう。清姫」

「当然です。貴女は私の旦那さま(ますたぁ)ですから」

「……うん?」

 

何だろう。なんか悪寒が走ったような…気のせいかな。私はジャンヌみたいに勘が当たる方でもないし。それよりもこのワイバーンの数、流石におかしすぎる。ラ・シャリテにもワイバーンは来るけれど、いつもはこの1/3以下のはず。なのに何で今日だけこんなに。

 

「っ一体いつになったら終わるのかしら…ッもう!これも竜の魔女の仕業なんでしょうけど、やり方が陰湿よ!!来るんなら本人が正々堂々と来なさいよ!!」

「口を動かす暇があるのなら手を動かしてくださいませ。全く…今日はますたぁとゆっくり過ごす予定でしたのに」

 

そんな予定聞いてないけれど。何きっかけだか全く分からないが清姫は私に好意を抱いてくれているようだ。そんな清姫も流石に息を荒くしている。勿論清姫に限った話ではない。皆まだ戦えるけれど、これ以上は避けたい。サーヴァントでさえ疲れているのだから遠くで戦っている兵士さん達は、もう…。

 

”リッシュモン大元帥から連絡が”

 

その時ふと思い出した。戦いの最中だというのに。

 

”…門は開けないと伝えたはずだろう”

”いえ。今回は別の要求でして”

”こちらの条件を呑むのであれば白旗を掲げよ”

 

「白旗…」

「子ジカ?」

「エリー…ワイバーンって人間でも従わせること、できると思う?」

「召喚したのであればッ従わせることはできるけれど。ただの人間には無理よ。竜を従わせるなんて」

「そう。うん…そうだよね」

 

エリーの言う通り、ただの人間にワイバーンを従わせることなんてできない。でも、そうやって切り捨てるには、あまりにもタイミングが良すぎると思ってしまう。そんな訳ないと思うけれど。けれど、もし。ただの人間以外の何者かがいるのならば。

 

”リッシュモン大元帥から連絡が”

 

竜の魔女ではなく。リッシュモンの方に竜を従えるサーヴァントがいるのならば___。

 

「ッジルさん!!白旗です!!!」

 

私はたまらず叫んだ。ジルさんはカルデアの通信機を持たせている。兵士さん達と連携した動きを取れるようにと随分前に渡していた。

 

《六香…?何を》

 

通信機から困惑したジルさんの声が聞こえた。

 

「今朝兵士さんと話していた白旗!あれを掲げないと!!」

《ッ!?貴女はこのワイバーン達が彼の仕業だと思っているのか》

「分からないけれど、あまりにもタイミングが良いから。試す価値はあると思います!》

《……すまないが、それはできない》

 

ジルさんは静かにそう告げた。

 

「どうして…?それでこの状況が改善するかもしれないのにッもうこれ以上兵士さん達が亡くなるのはジルさんだって嫌なはずでしょう!」

《ッどうしても、ダメなんだ…ッ!》

「何でですか!?」

 

「子ジカ!危ない!!」

「ッ!?」

 

ガンッと、目の前で音がした。私を喰おうとしていたワイバーンをエリーが食い止めた音だった。

 

「痛ぅ…っ」

「エリー!!」

 

彼女は私を守るため突っ込んできてくれた。私の代わりに彼女が腹を食いちぎられた。

 

「か、回復を」

《無理だ六香ちゃん。礼装の魔術は一度使うと暫く使えなくなる…あと少し魔力が貯まるまで待ってくれ》

「待っていたら…このままじゃ皆死んじゃうよ…ッ!」

 

私のせいでエリーが酷い怪我を負ってしまった。そのことが悔しくて。私を喰おうとしたワイバーンが恐ろしくて身体が震える。どうにかしないと。何とかして、この状況を打開しないといけないのに。解決策は分かっている。白旗を掲げればいい。そうすればきっと何かが変わる。けれどジルさんが許してくれない。あぁもう、どうすればいい。どうしてジルさんは白旗を立てることをそこまで嫌がる?どうすればジルさんを説得できる?

 

「っく…!キリがありませんね…このままでは…!」

「ジャンヌ下がって。攻撃を仕掛けます!」

「マリー!えぇ」

 

視界に入ってきたのは私の前で必死に戦う少女達。

 

”……ジャンヌも、死んで、しまったんですね…”

”目を閉じれば、いつも聞こえてくるんだ……彼女の、火にかけられた時の悲鳴が”

 

思い出すのは、ついこの間のジルさんの言葉。

 

”あんな風にしている彼女を見ていると、彼女があんな惨い思いをさせられたことを忘れられそうだ”

 

「……あぁそっか…ジャンヌですか」

 

その言葉を思い出して、私は理解した。

 

「今ジャンヌは竜の魔女と言われている…ラ・シャリテはジルさんが皆を説得してくれたから、ここで彼女をそう呼ぶ人はいないけれど。リッシュモンはきっとジャンヌを竜の魔女だと思うだろうから。だから白旗を掲げたくないんですよね。ここにリッシュモンが来てしまったらジャンヌが危ないめにあうかもしれないから」

《………》

 

ジルさんは何も言わなかった。沈黙は肯定だ。きっと私の考えはあっている。ジルさんが反対する理由は分かった。では、どうすれば彼を説得できるのか。私はそれも思いついていた。思いついてしまっていた。

人の心を利用する悪魔のような解決策を。

 

「ッ……」

 

私は被りを降った。ダメだ。そんなこと。人の気持ちを弄ぶようなこと絶対にやってはダメだ。それは人としてやってはいけないことだ。

 

「マシュ!!っくそ…ッ礼装の魔術が使えていれば…!!宝具を…!!!」

《ダメだ立香君!今の君の状態で宝具を使えば君の命に関わるかもしれない!それだけは絶対に避けなければならないんだ!!》

「っ畜生…!!じゃあどうすれば良いんだ!!!」

 

立香が泣きそうな顔で地面を殴る。ワイバーンの攻撃をマシュが耐える。遠目で見ていても肩で息をしているのが分かる。もう、あの子も限界だ。

 

「………ジルさん」

 

私はもう一度通信機でジルさんを呼ぶ。

 

「白旗を掲げましょう。でないと…」

 

これは、やってはいけないことだ。人として、人の感情を弄ぶようなことはしてはいけないんだ。そう認識した上で私は彼に言う。

 

「ジャンヌがワイバーンに喰われてしまうかもしれません」

《ッ…!?》

 

通信機越しに彼の動揺する声が聞こえた。私は彼に考えさせる暇を与えぬようすぐに次の言葉を言った。

 

「私達では彼女を召喚することはできません。もしここで彼女が殺されてしまえば、もう2度と彼女に会えなくなるんです」

 

だから、ねぇ。ジルさん。

私は話しかける。この状況を打開するために。彼を説得するために。

 

「白旗を掲げましょう。ジャンヌを助けるために」

 

手段を選ぶのをやめた。

 

《………ッーー!!!》

 

胸が痛い。罪悪感で心が押し潰されそうだ。私は、ごめんなさいと謝りたくなる衝動をグッと堪え彼の言葉を待った。

ジルさんは、白旗を掲げる選択を選んだ。

 

 

《まさか竜の魔女ではなく別の勢力だとはね…六香ちゃん良くわかったね》

「…うん。ほとんど勘だったんだけどね」

 

白旗を掲げてから徐々にワイバーンの数が減っていった。少しずつの変化だったけれどダ・ヴィンチちゃん達はワイバーンの離脱が見えていたようだ。白旗を掲げてから2時間。ようやくラ・シャリテからワイバーンがいなくなった。もう夕暮れだ。朝から戦っていたから、きっと8時間くらい休憩なしでワイバーンと戦っていた。兵力はおよそ2割失い3割負傷している。サーヴァントは全員回復し問題ないようだけど流石に8時間は疲れたらしい。全員疲弊していた。

 

「勘であったとしても…いえ。だからこそ決断できた六香は素晴らしいと思います」

 

ジャンヌは笑顔でそう言った。罪悪感でズキリと胸が痛む。彼女は知らない。ジルさんに白旗を掲げさせるため私が彼女とジルさんの絆を利用した事を。だから私に微笑みかけてくれる。……言ったら間違いなく軽蔑させるだろう。

そして今私が自分の選択に後悔していないことも彼女は許せないだろう。

 

「本当に…竜の魔女じゃなくて。軍の人達がやったことなんだな」

 

ボツリと立香が呟く。

 

《おそらくリッシュモン軍が召喚したサーヴァントの仕業なんだろう。ワイバーンが我々を襲うよう軍が仕向けたと考えて間違い無いね》

「何で…ッ!ジルさんと同じ軍なんだろ!何でこんなことをしたんだ!!仲間が、殺されたんだぞ!!?」

「…真意は分からないけれど多分、支配下におきたいんだと思う」

「支配下?」

「リッシュモンはジルさんに条件を呑むのであれば白旗を掲げろと言ったの。絶対服従ってことでしょ、それ」

「支配するためだけに、あれをやったのか…?同じ仲間をワイバーンに喰わせたっていうのか…ッ!!」

 

立香の顔が怒りに染まる。目の前で兵士さん達がワイバーンに殺される瞬間を何度も見た彼はどうしても許せないのだろう。同じ仲間である人間がこんな残酷な選択をしたことを兄はどうしたって受け入れられない。私も同意見だ。どうして同じ人間同士でこんな惨いことが起こってしまうんだろう。

 

「立香。六香。あなた達はサーヴァントと共にどこかへ身を潜めてください……いや、ここから逃げてください。リッシュモンがくる前に」

「それはできません。俺はこんな事をした、そのリッシュモンって人をどうしても許すことができない。せめて、どうしてこんな事をしたのか。その理由を聞くまでは絶対に」

「…気持ちはわかります。ですが逃げてください。彼がここへ来てはジャンヌが」

「私なら大丈夫です。私も彼と同じくリッシュモンに問わねばなりません。彼が望んでワイバーンを襲わせたとは思えない……何か、あるはずです。彼がこの選択をした理由が絶対に」

「しかし!危険です!彼は私よりも強い…彼の軍も他とは練度が違う。我々で貴女をお守りしようとしても……ッ」

「ジル。私は貴方に守ってもらいたいと思ったことはありません」

「ッ…!」

「ジルさん。お願いします」

「立香…?」

 

兄は頭を下げた。ジルさんは困惑した顔で兄を見た。

 

「どうかここに残らせてください。お願いします!」

「………。ここで私が何を言っても、きっと貴方は動かないのでしょうね」

 

ジルさんは大きくため息を吐いた。兄は頭を下げたままだった。

 

「……明日の朝は広間にいてください。きっと彼は明日ここへくるでしょうから」

「!ジルさん…!ありがとうございます!」

 

兄は顔を上げ微笑んだ。ジルさんは困った顔で笑い返した。

 

「とりあえず夕食にしましょう。皆戦い続けで空腹です。もう食料も残り少ないですが…」

「それならカルデアから支給された食料を使ってください」

「六香…しかし、それは貴方達の大切な」

「制限はありますが追加物資を送ることはできるみたいなので。皆で食べましょう。いいよね立香」

「うん。今日はいつもより贅沢に使ってしまおうか。こういう時こそいっぱい食べないと」

「そうだね」

 

私と兄は頷き合う。

 

「…ありがとう。カルデアのマスター達」

 

ジルさんは穏やかに微笑んだ。

 

 

「……お前ら、何してんだ」

 

彼らは夕食どきにやってきた。ジルさんは明日来るだろうと言っていたけれど、まさかのその日の夜に突入してきたのだ。私達は身構えることすらできず呆然としていた。

 

「何って、食事を…」

「食事…?はぁ?…なに、呑気に食ってるんだよ。なんで…そんな…楽しそうなんだよ。お前ら。なぁ」

 

私はジャンヌやマリーと。兄はマシュやジルさん達と。兵士さん達は兵士さん同士で会話しながら食事していた。食事時はいつもこんな光景だ。最も今日は亡くなった兵士さんの事を思い皆どこか暗かったけれど。それでも暗い気持ちを引きずってはいけないと皆で気持ちを切り替え食事をしていた。

侵入してきたリッシュモンの兵士達は私たちのその様子に目を見開き驚いていた。否、怒っていた。

 

「なんで、笑ってたんだよ…なんで笑えるんだよ。なぁ、リモージュもブールシュもヴァルシーも。全部全部壊されて…人が殺されてゾンビになっているんだぞ…なのに、なんで。なんであんな地獄を見てお前ら、笑っていられるんだよ。頭、おかしいんじゃないか」

 

声が震えている。信じられないものを見る目で彼らは私達を見る。

 

「違う、こいつら。ここで引きこもってたから知らねぇんだ。あの地獄を見ずにずっとここで過ごしていたんだから」

「自分たちだけ現実逃避して、ここで楽しく暮らしてたってことか…ッ」

 

何故か一方的に責められていた。ワイバーンを使って仲間を殺そうとしたのは、そっちのはずなのに。私たちは何も悪いことをしていないのに。食事をしているだけで彼らは怒り叫んでいた。意味が分からない。全員呆然としていた。

 

「ワイバーンの大群にあれだけ耐えられる戦力があるなら!他の都市を救うことだってできただろうに!!お前らは!!!ここで皆で仲良しごっこしてたってわけかぁ!!!」

「さぞ楽しかっただろうよ…!仲間が殺されていく中こんな豪勢な飯が食えるなんて!最低最悪のクズ野郎どもめ…!!遠くから仲間の悲鳴を聞きながら食う飯は美味いか!?」

 

ギリギリと歯軋りをして侵入してきた兵士は言う。全員怒りを露わにしていて本当に怖かった。

 

「さ、最低最悪のクズ野郎はお前らだろうが!!!」

 

ジルさんの兵士が立ち上がった。

 

「遺体をワイバーンに喰わせて!!!俺達もワイバーンに喰わせようとして!!!」

「そうだ!お前らのせいで何人死んだと思ってるんだ!?」

「俺らを屈服させるためにそこまでするのかクズ野郎ども!!お前らは!人間じゃない!!悪魔だ!!!」

 

次々と兵士さんが椅子から立ち上がり大声で言い返す。

 

「なんだと貴様ぁ!!!ふざけるなぁああ!!!戦うことを放棄した面汚しどもめ!!!」

「悪魔はお前達だろう!!ワイバーンに仲間を喰われただぁ?そんなもん何回も見てきた!!!逃げ惑う民衆がワイバーンに生きたまま喰われて!!!助けようとした兵士も喰われて!!!」

 

お互いがお互いを罵り合う。大声で怒り任せに叫ぶ。なんで。何でこんなことになっているんだろう。私は感情をむき出しにしている兵士達を見てそう思った。さっきまで、いつも通り光景だったはずなのに。何でこんなことに。

 

「全部!!!全部お前らのせいだろうがあぁああ!!!お前らのせいでこうなっているんだろうが!!!裏切り者め!!!ジル・ド・レェが竜の魔女の後ろ盾だってことはもう分かっているんだぞ!!!」

「え…?」

 

思わず声が漏れた。叫んだ兵士を見る。今彼はなんて言った?ジルさんが竜の魔女の後ろ盾?そんなわけない。だってジルさんはずっとここにいた。ここを、私たちの居場所を守ってくれていた。なのに何でこの人はジルさんを竜の魔女の後ろ盾だって断言したのだろう。

 

「待ってくれ。私が竜の魔女の後ろ盾とは、どういうことだ!私は断じてフランスを裏切ったりしない!」

 

ジルさんは前に出て侵入してきた兵士に訴える。兵士達はすぐさまジルさんを取り囲んだ。もうジルさんの言うことに聞く耳を持っていなかった。

 

「では何故、増援要請に応じなかった」

 

体格のいい、如何にも強そうな騎士がジルさんに問う。ジルさんは目を逸らした。

増援、要請…。

 

”今度はオーセールから増援要請が来ておりますが…”

”申し訳ないが応えられないと回答しろ。こちらも精一杯だ”

 

そういえば確かにジルさんの元へ増援要請は来ていたようだった。それをジルさんは断っていた。

 

「それは、ここが手薄になるのを避けるために」

「貴様の兵士たちはワイバーンの大群に8時間も耐えられた屈強な者達だ。一部ここから離れたとて問題はなかったはずだろう」

 

すぐに騎士が言い返した。ジルさんは、何も言い返さず黙り込んだ。

 

「……」

 

その姿を見て思った。何か様子がおかしい。ジルさんは、何かを隠している…?増援要請に応じなかった理由は手薄になるのを避けるためではなかった…?他に応じたくない理由があった…?それは一体何……。まさか…。

 

「ジル、貴方まさか。私を守るために兵士達がここから離れるのを避けたのですか」

 

その時、凛とした声が聞こえた。ジャンヌだ。霊体化ができない彼女は兵士達が来てから兄の指示で柱の後ろに身を隠していたのに、このタイミングで柱から姿を現した。彼女は真っ直ぐジルさんを見ていた。罵り合っていた兵士達が声の聞こえた方向を向き始める。

ああ。これは、まずい。

 

「ジャンヌっダメ!隠れて」

「お、おい。あれ。あそこにいるの。ジャンヌ・ダルク…じゃないか」

 

私がジャンヌのところへ駆けつけるより先に1人の兵士がそう言った。その声を合図にしたかのように侵入してきた兵士達は一斉にジャンヌを見た。間に合わなかった。

まずい。この状況じゃあ、どう考えても。

 

「どういう事だ…!?竜の魔女はオルレアンにいるんじゃなかったのか!?」

「お前…お前らが囲っていたのは竜の魔女だったのか…!!!」

 

どう考えても誤解される。どうしよう。このままじゃ、この侵入してきた兵士達がジャンヌを攻撃しようとしてしまう。私は思わず兄を見た。兄も私と同じでまずいと思っているようだった。

 

「違う!彼女は竜の魔女ではない!!彼女は本物のジャンヌ・ダルクだ!!!」

 

ジルさんが必死に叫ぶ。

 

「本物のジャンヌ・ダルクが竜の魔女になったんだろうが!」

「違う!彼女は聖女だ!!竜の魔女なんて嘘だ!!!」

「俺は見たぞ!!ジャンヌ・ダルクが愉しそうに街を破壊しているのを!!人を殺しているのを!!!!イングランドに呪いを!フランスに呪いをと高らかに叫ぶジャンヌ・ダルクを!!!」

 

けれど兵士達はジルさんの言うことを信じてくれなかった。

 

「違う!!!それは彼女ではない!!!」

「やっぱりジル・ド・レェは裏切り者だったんだ!!!殺せ!」

「ま、待って!」

 

兵士達は怒りで顔を真っ赤にさせ剣を抜いた。私の声なんて全く聞こえていなかった。何でこうなった。どうして仲間同士で殺し合いなんかしないといけないんだろう。ジルさんは裏切り者なんかじゃないのに。

 

「り、立香…」

「ッ止めないと。マシュ、峰打ちでいける?」

「はい!」

 

マシュが盾を出現させジャンヌの前へ立とうとした時だった。

 

「待て。殺すな」

 

1人の男の人の声が響いた。思わずマシュも私達も足を止め声が聞こえた方を向いた。

 

「いつ誰が殺せと命じた。私は捕えろと言ったはずだが?」

 

そこにいたのは真っ黒な鎧。見ているだけで震えてしまいそうになるほど禍々しい兜。温度の感じない淡々とした声。

 

「命令違反で私に殺されたいのは、どこのどいつだ」

 

怖い。

圧倒的な迫力を前に抱いた気持ちは、怖いの一色だけだった。

 

「ッ…」

 

兵士達の目から怒りが消えていった。彼らは剣を鞘へ納めた。ひとまず最悪の事態は回避できたようだ。

 

「……何で、貴様がここに、いる」

 

静まり返った広間に低い声が響いた。ジルさんだ。

 

「何でっ何で貴様が!!!ここへやってくるのはリッシュモン軍のはずだろう!!何故!!何故ぇ!!!」

「ッジ、ルさん…?」

「何故貴様がここにいる!!!?ジャック・ブラウン!!!!」

 

ジルさんは酷く取り乱し黒い鎧の騎士を睨みつけた。

ジャック・ブラウン。聞いたことのない名前だった。

 

「イングランド軍とフランス軍は同盟を結んだ。フランスのリッシュモン軍と私が共にいたところで何もおかしなことはないだろう」

「ッーー!!!裏切り者が!!!皆騙されるな!!!目を覚ませ!!あの男はジャンヌを火あぶりにした男だ!!信頼に値しない!!あの男はユダだ!!!」

「ユダは貴様だろう。ジル・ド・レェ。何かを囲っているとは思っていたが、それがまさかジャンヌ・ダルクご本人とはな。フランスの騎士がフランスを貶める悪魔になろうとは」

「フランスを貶めたのはッ!!悪魔なのは!!貴様だろう!私は覚えているぞ!!!」

 

ジルさんは目を見開き黒い鎧の騎士に怒りをぶつける。さっきまでの兵士と同様に。否それ以上に怒りを露わにしていた。いつものジルさんの面影を全く感じない、狂気すら感じるその姿に、あまりの気迫に私達は困惑していた。

 

「決して忘れないッあの日の、貴様を!!」

「……。どうやら狂乱しているようだ。フランスの騎士の身分で竜の魔女を囲おうとする奴とまともに会話しようと思った私が間違いだった。貴様ら。その命、保証されていると思うな」

「貴様”ら”、だと……」

 

ジルさんはハッとした顔でジャンヌを見た。

 

「おい…待て。貴様、まさか。また、ジャンヌを…ッ!」

「ジル・ド・レェを捕えろ」

 

黒い鎧の騎士は自分の兵士達にそう命じる。

 

「ッジャンヌには!手を出すな!!!」

 

近づいてくる兵士達には目もくれずジルさんは黒い鎧の騎士に向かって叫ぶ。

 

「ジル…」

 

私達と同じくこの状況を困惑しながら見守っていたジャンヌが口を開いた。

 

「私なら大丈夫です。この身はサーヴァント。貴方よりもずっと頑丈に作られた身体ですから」

「私がジャンヌ・ダルクに手を出さなければ大人しく捕まってくれるか?」

 

ジャンヌの声が聞こえなかったのか黒い鎧の騎士は淡々とジルさんに問う。ジルさんは怒りに満ちた顔で黒い鎧の騎士を睨みつけた。

 

「ッ卑怯者め…!」

「その場で武器を外し両手を上げろ。この命令がきけるだろう。ジル・ド・レェ」

「ッーーー!!」

 

ジルさんは剣を外し両手を上げた。すぐに取り囲んでいた兵士達が彼を拘束する。

 

「っ待って。何故このようなことをするのですか…!ジルは貴方達の敵ではありません!」

 

ジャンヌが真っ直ぐ黒い鎧の騎士を見つめて訴える。

 

「さて」

 

黒い鎧の騎士はジャンヌを見なかった。まるでジャンヌが見えていないかのように彼は話を進めた。

 

「ジル・ド・レェ軍に問う。君達はこの男と同じく竜の魔女を囲んでいた共犯者といえる」

「ッ!」

 

ビクリと兵士さん達が震える。怯えた顔で黒い鎧の騎士を見ていた。

 

「竜の魔女が何をしたか知っているか。ここで引きこもり続けた君達は知らないかもしれないな。教えてやろうか。この女が何千もの命を散らしたか。どれだけ愉しそうに殺していたか……。なぁ、何故君達はジャンヌ・ダルクがここにいる事を軍へ連絡しなかった?」

「ッ…!」

「君達は重罪人だ。今、息をしていることすら許されない存在だ」

 

兜越しに紫色とも青色ともいえる瞳が見えた。真っ暗な中で見えたその2つの目が余計恐怖を煽った。

 

「ぁっ…ッあ、ぁあ…ッい、いやだ……死にたくない…ッ」

 

兵士さん達が震える。黒い鎧の騎士から目を逸らすことさえもできずガタガタと震えていた。

 

「ま、待て!貴様、私の兵士達に一体何をする気だ!!!」

 

拘束されたままジルさんが叫ぶ。黒い鎧の騎士は構わず兵士さん達を見つめていた。

 

「だが君達は哀れにも上官が竜の魔女の仲間だっただけの可能性がある。君達では彼に逆らえば殺されるだろう。人間の本能は生きることを求める。もし君たちが死を恐れジル・ド・レェに逆らうことができなかったのだとしたら、それは仕方がないことだ。しかし私には分からない。君たちが望んで竜の魔女を囲っていたのか。それとも、そうではなかったのかの区別がつかない」

「ッお、俺は!俺は初めから反対だった!」

 

1人の兵士さんが叫んだ。

 

「初めからジャンヌ・ダルクをこの砦に受け入れるなんて!嫌だった!!でも元帥が受け入れると言って引かなかったから!」

「そうだ!元帥がジャンヌ・ダルクを受け入れるなんて言わなければ、こんなことにはならなかったんだ!!!」

「俺達は違う!!この女の仲間なんかじゃない!!!」

 

聞こえた言葉に耳を疑った。何でそうなるの?ずっと一緒にいたはずなのに。誰もジャンヌの事を悪く言う人なんていなかったのに。皆、竜の魔女とジャンヌは別人だって言っていたはずなのに。何でこの黒い鎧の人の言う事に従うの?私達が正しいはずなのに。

私は兄を見た。兄も驚愕していた。次にジルさんを見た。ジルさんは絶望していた。ジャンヌは何も言わず目を伏せた。

 

「口先だけでは何とでも言える。もし君達のその言葉が嘘でないというのならば君達は行動でそれを示さなければならない」

「ッ何を!何をすればいいのですか!?頼む…!何でもする!何でもするから、どうか…殺さないで、ください…!」

 

兵士さん達は縋り付くような目で黒い鎧の騎士を見つめていた。再度、禍々しい兜越しに目が見えた。その目が彼らを捉えていた。

 

 

「君達がジャンヌ・ダルクを殺せ。今、ここで」

 

淡々と彼は告げた。

 

「待て…おい、おい!!話が違うだろ!!!ジャック!!!!ジャンヌには手を出さないと約束したはずだ!!!」

 

ジルさんが叫ぶ。拘束されながらもジルさんは暴れていた。黒い鎧の騎士の兵士達は必死に暴れるジルさんを抑えていた。

 

「あぁ。約束通り私は手を出していない。手を出すのは貴様の部下だ」

「ッ貴様ぁああぁあああぁああ!!!!!」

「っおい、動くな…っ!」

 

何人もの兵士が暴れ狂うジルさんを抑えつける。黒い鎧の騎士はまるで兵士さん達を逃さないというかのように、ゆっくり前に出た。

 

「何をぼんやりしている。先程までの威勢はどうした」

「ッ……」

「仲間でないのなら殺せるはずだろう。相手は散々我々を追い詰めた女だ。大量虐殺犯だ。君達がジャンヌ・ダルクを殺せた場合これまでの事は全て不問とする」

「その男の声に耳を傾けるな!!その男はユダだ!!信用してはいけない!!絶対に裏切られる!!!」

 

ジルさんが必死に叫ぶ。兵士さん達は泣きそうな顔で黒い鎧の騎士とジルさんとジャンヌを見ていた。もうどうしたらいいか分からないとその顔が言っていた。

 

「選べ。ここで我々に君達の忠誠心を示すか。それともジル・ド・レェや竜の魔女の仲間だと認め私に殺されるか」

 

黒い鎧の騎士はまだ彼らに言う。思考する余裕を与えず着実に彼らを追い詰めていた。

 

 

「君達が選べ」

 

 

私は思った。もし、この黒い鎧の騎士がドクターの言う黒騎士なのだとしたら。

確かに史実通り、この人は悪魔だと。




【カルデア陣営】
・ぐだーず
・マシュ[シールダー]
・ジャンヌ[ルーラー]
・マリー[ライダー]
・アマデウス[キャスター]
・清姫[バーサーカー]
・エリザベート[ライダー]
・ジル
 →拘束
・ジル軍の兵士
 →2割死亡、3割負傷

【竜の魔女陣営のメンバー(現時点での情報)】
・ジャンヌ(竜の魔女)[ルーラー]
・ジル[キャスター]
・????[キャスター]
・聖女マルタ[バーサーク・ライダー]
 →消滅

カルデアによびたい英霊

  • 聖女
  • 復讐者
  • 黒騎士
  • 貴族
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