仕事人、護り人になる   作:ユイトアクエリア

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8月全お休み
まさかここまで筆が乗らないとは(言い訳)

ではどうぞ


特別

『おい!なんでガキがこんな場所にいる!?』『分かりません!ですがそのガキ、銃を携帯していて...!』

「おじさん達、悪い人?」

 

子供は無邪気に聞く。

子供は答えてもらえないことは分からない。

 

『ガキが持ってる銃がなんだって言うんだ!』

「ねぇ、おじさんたちってば」

 

子供は無造作に銃を握り、それを突き出す。

 

『へへっ、ガキの銃なんてお飾りに決まって』

 

彼の言葉は、子供が放った銃声によってかき消され、それきり彼は動かなくなった。

 

「ごめんねおじさん。おじさんは別に悪くないんだけど、さっきのおじさんは悪い人だったから。だから、ね」

 

銃声が二つ鳴り響くと、亡骸が一つ増えた。

 


 

「ん...」

 

程よい揺れと、右側からの視線を感じて、目が覚めた。

 

「あっ...お、はよう、カノン君」

「あー...おはよう」

 

どうやら、本を読んでる最中に寝落ちしたようだ。

よく本を落とさなかったものだと自分を褒める前に、状況確認。

 

「もしかしてもう着くか?」

「もうちょっと、かな?」

 

寝てて覚えてないと言う彼女を見て、そうかと返す。

それにしても、随分と不思議な夢を見た気がする。

あんまり覚えてないけれど。

 

「...?」

「...倉田?」

「あっ、ご、ごめんね。その、何読んでたのかなって...」

「気になるなら読む?はい」

「あ、ありがとう」

 

本を開いてすぐに倉田は顔をしかめた。

日本にいて英字で小説なんてそうそう見ない...いや、古本屋に行けばあるか?

ともかく、そんな本を読んで倉田は頭を押さえている。

 

「大丈夫か?」

「うん...カノン君、こんな難しいのずっと読んでるの...?」

「まぁ、うん。勉強にもなるからね」

「カノン君も、すごいんだなぁ」

 

遠くを見る倉田。

その目にはなんだか陰りがあるような気がして。

 

「倉田もすごいだろ」

 

思わずそんなことを口走った。

 

「え?」

「外部生ってことは、試験受けて入ったんだろ?あれ難しかったし、よく受かったな」

「あれは、いっぱい勉強したからで...ここに入ったのも自分の『特別』を探したかったからで」

「いいじゃん、特別」

 

倉田を守るという意外に目的が無い俺にとって、倉田の『特別を探す』という目的は眩しく見えた。

 

「カノン君は、笑わないんだね」

「...人の夢を笑う奴が、俺は嫌いだから」

「...そっか、ありがとう」

 

初めて笑顔を見た気がする。

対象との過度な接近は情が湧くからどうとかっていうのが規定で何とかあった気がするけど。

護衛対象と仲良くなるのは仕事の効率的に良くなると自分を納得させた。

 

『お前ら起きろ~、学園到着だ』

 

担任の声でほとんど寝ていた生徒が目を覚ます。

 

『じゃあ次来るのは月曜、明日明後日は休みだからな、間違えて来るなよ』

 

そのアナウンスが終わると、前からぞろぞろと降りていく。

倉田を前に行かせ、降りてバス下から荷物を持って正門を出る。

 

「か、カノン君!」

 

その直前で、倉田に声を掛けられる。

 

「どうした?」

「その、本、もちっぱで」

「あぁ、忘れてた。ありがとう」

 

受け取り、カバンに突っ込む。

 

「それと...また、明日」

 

様子的に勇気を出したようだが、さっきの担任の話は入っていなかったようだ。

 

「倉田、明日と明後日は休みだ」

「あっ...うぅ...」

 

落ち込む姿は可愛らしいが、俺が泣かせたみたいな構図になるのはごめんだ。

肩を軽く叩き、

 

「あはは、気にするなよ。また月曜な」

 

と言えば、ものすごい笑顔で、

 

「...うん!」

 

と返された。

 

途端に恥ずかしくなったのでその場を後にした。

帰路を辿る間、俺はあそこまで好感度が高くなった訳をずっと考えていた。

 




10月か、9月末に1本
出せるように頑張ります

それでは。
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