「...そうだ、倉田...」
謎のやつに気を取られていたが、メインは倉田の救出だ。
マジで何だったんだ?
飛び降りた後落ちた音がしなければ何かが飛んでる音もしなかった。
「倉田?どこだ?」
返事はない。
『生体反応はある。生きてはいるぞ』
「場所とか分かったりしないのかよ...」
不親切な親...代わりだけど、まぁいい。
幸い月ノ森の屋上はそこまで広いわけじゃない。
さらに範囲も絞れてるなら、いける屋上全て調べる必要はない。
「後はそこの裏...」
階段分だけ突き出した、扉のためだけの場所の裏。
もしくはそこの上。
「...いた」
ご丁寧に制服の上から布団にくるまれた倉田を見つけた。
「...倉田、起きろ」
「...ぇ、かのん、くん」
「おはよう、とりあえずホームルーム始まってるから急ぐぞ」
失礼と言って倉田を担ぐ。
...軽いな。
まぁ、案の定というか、俺が謎のやつと口論してる間にHRは終わっており、倉田を連れ帰るころには1限の開始5分前だった。
不気味なことに、帰ってきたことにも、長く席を開けていたことにも、倉田を連れて帰ってきたことにも、誰も触れることなく授業が始まった。
「で、あるからしてこの答えはーー」
何故誰も触れないんだ。
いや、触れられないこと自体はありがたいからいい。
変な噂とか立たない限りはそれで。
「ーー合月、答えてみろ」
「...2√5」
正解とも不正解とも言わずに授業が進む。
どうやら認識自体はされてるようだ。
数学教師は林間学校の付き添いだった教師だから、どうせ当てつけだろうが。
なにかがおかしい。
なにかが、ズレている気がする。
原因は、俺を行動をすべて予測してたあいつ。
屋上から嬉々とした顔で飛び降りたあいつ。
なにかを握ってるに違いない。
「...っ」
うつらうつらとする意識をどうにか覚醒させ、残り10分の授業と向き合った。
昼休み。
俺の手の回るとこには連絡をしたが、何も情報がないという。
そもそも上のセンサーで引っかからなかった、あいつは何なんだ?
それに。
「やっぱおかしい」
誰一人として、俺を認識していないような。
さっきまでは目線こそあったものの、今はない。
「何が起こって...?」
ポケットの携帯が震える。
画面を見ると「非通知」の字。
「...もしもし」
『やぁやぁ、こんにちはカノン君』
「お前、さっきの...」
教室を飛び出し、廊下を歩きながら向こうの様子を探る。
『お姫様救出はうまくいったようだね、おめでとう』
「やっぱりお前が攫ったのか」
『人聞きが悪いなぁ。遅刻しないように送ってあげたんだよ』
「余計なお世話だ。ご丁寧にGPS迄壊しやがって」
『君のそれはストーカー行為と同義だからね、今の僕は彼女の味方で、君は敵だ』
いまいちつかめない。
何が言いたい、こいつは。
『そういえば今の時間は...人間でいうところの昼休みと言う奴だね?じゃあ屋上に来てよ。ゆっくり話をしよう』
「あいにくそんな時間はない。5限があるからな」
『いいじゃないか。どうせ
「...それもお前の仕業か」
『まぁ僕と言うか、何というか。ともかくその辺も含めて、ゆっくりお話ししよう。幸い、時間は大量にあるよ』
通話が途切れた。
無視することはできなかった。
「...とっ捕まえて全部吐かせる」
また面白いバンドが出てきましたね
書きたさがあるね