さて、最初の難関だ。
どうやらオリエンテーションと林間学校を兼ねて、一泊二日で学園が所持している博物館見学と、その他様々な場所を見て回るらしい。
ここで一番の鬼門なのは、いかに守護対象に近づけるか。
班分けで同じになれればよし、そうでなければアウト......ではないにしろ、かなりまずい。
宿泊先の部屋割りに関しては、男女という性別の壁がある以上仕方ないし、割り切る。
外部生だからと言って、部屋の中でいじめるような気品のない奴らではないだろう。
まぁ、俺も外部生として入学してきているし、いじめられる確率としては俺の方が高いのだが。
そんなことにはならないし、一応元黒服だし。
いや、俺の話はどうでもいいな。
「では、今から班分けを行う。班の中には少なくとも一人以上外部生を入れること」
クラス担任が気を利かせたのか、それとも嫌味で言ったのかは知らないが、1-Aにはそこまで外部生が多いわけじゃない。
というか、この学園に外部生で入れること自体、結構すごいことなんだと事前情報で聞いている。
俺も試験問題を解いたが、今までのどの高校よりも格段に難しかった。
そういう点で行くと今回の護衛対象、結構頭は良いと言えるだろう。
おっと、危ない。
ハブられる前に俺も班に入れてもらわなければ。
「お、ちょうどいいや、そこの二人!」
声がかかる。
俺の右肩付近を指さし、その先を追うと、守護対象の顔が。
「お、俺たち?」
「そう!人数もそれで埋まるし、声かかってないなら、こっち来てくれよ!」
気さくな男がこちらに手招きをする。
ちょうどいい、彼女も一緒なら、ここに混ぜてもらおう。
......しかし、お金持ち、という言い方には語弊があるが、階級が上の方の人間が指を指すのはいかがなものだろうか?
「ありがとう。ちょうどハブられるんじゃないかと怖かったんだよ」
「ははは!そうなったら教師と一緒に回るんだよ!」
なし崩し的ではあるが、班に入れてはもらった。
彼女も一緒、これは護りやすくて好都合だ。
「全員、行動班は決まったな?では、先日もしただろうが、軽い自己紹介で、お互いを知っておいてくれ。班員の顔と名前ぐらいは一致させておくように」
確かに、一理ある。
「じゃ、俺からだな!
怜人......一文字少ないが、将来大学教授になりそうな名前だ。
きっと親は考古学者なのだろう。
ついでに5年ぐらいコールドスリープしてそうだ。
「俺、か。合月カノン。よろしく」
「カノンか!よろしくな!名前かっけえな!」
「あ、あぁ。ありがとう、でいいのか?」
やりづらい。
が、このくらい陽気なやつがいてくれた方が良い。
「じゃあ、私だね。
責任感が強すぎて逆に空回りしそうだ、見かけたらフォローする準備ぐらいはしておくか。
「......え、えっと、倉田、ましろです。その、よろしくお願いします」
とりあえずこれで班員の把握はできた。
クラスメイトにも一応の危険はないようだし、この林間学校中は警戒は緩くてもよさそうだ。
けれど、決してゼロにはしない。
それは、仕事人のプライドでもあるから。