さて、博物館停電事故から約2時間が経ち、俺たちの班は博物館から離れた場所の散策をしている。
「しっかし......びっくりしたよなぁ」
「まだ言うか、もう2時間前だぞ。それに女子陣見てみ、怖がってるよ」
言いながら目線を向けると、怖がる二人の姿。
「あ、いや、その」
「さっさと謝れ。女性を怖がらせるのは何とやらだぞ」
ま、聞いたことないけど。
さて、無事に仲直りも終わったところで、今日泊まる宿に着いた。
敷地は相当広く、しかも3階建てとか言う豪邸。
どうやらここも学園所持の宿らしい。
金持ち学校、すげえな。
そして今、1年全員は宿の外で講習を受けている。
何でも、失礼が無いようにだとか。
俺たちの代でやらかすと、後の代が使えなくなるとか何とか。
「すでに荷物は宿の中にある。各自自分の部屋に持っていって中身の確認をしておくように。この後の予定はーー」
現在時刻が17:39。
まず、18:00に部屋代表が部屋の人間の健康チェックシートなるものを受け取りに行く。
その後、18:30に夕食。
1時間後の19:30にA組の女子からB組、C組と、20分刻みで風呂に入る。
で、余裕をもって30分後、男子がまとめて入る。
......学園所有の宿で、大浴場しかないというのもいかがなものかとは思うが、この学園は去年だかに共学になったばかり、しかもまだまだ男子の数は少ない。
故、そのままでいいという判断になったのだろう。
まぁ、大体は箱入りの坊々だろうし、わざと早く入って女子たちを驚かす、などと言う不埒な発想は出てこないだろう。
話が逸れた。
その後、22:00まで自由時間、という名の部屋にこもる時間があって、22:00消灯。
「と、いった以下の流れだ。......聞いていたか、合月」
明らかに他の場所に目線があった俺を、これ見よがしにニヤニヤしながら教師が名指しする。
はいと返事をして、さっきまで頭で復唱していた予定をすらすらと話す。
教師は口を曲げて、
「ほう。では、チェックシートの受け取りはどこで行うか聞いていたか?」
と聞いてくる。
「ロビーですよね」
「......ふん」
......聞いてないような生徒がすらすらと答えられたら不貞腐れるのは分からなくはないが、生徒がいる前で鼻を鳴らすのはどうかと思う。
さて、これからの行動方針のうち、一番気に掛けなければいけないのは
逐一
......ちなみに言うと、盗聴に関しては聞くだけなら犯罪にならないらしい。
まぁ、法に触れるギリギリのことは今までやってきたし、今更って言う部分はある。
それが許されるはずがないことは分かってはいるが、俺が敵対する組織なんて、もっとえげつないことを平気な顔をしてやっていた。
だからと言って俺の行為が正当化されるなんて、微塵も思ってない。
俺がやってきたことは、必ずどっかに残る。
罪は背負って、生きていく。
......おっと、話が逸れたな。
さて、そろそろ18:00だ。
部屋代表になったのは俺なので、チェックシートを取りにいかねば。
「あれ?カノン?」
「チェックシート取りに行ってくるよ」
「あぁ、行ってらっしゃい」
外用の普段着に着替え、部屋を出る。
「......C-08の動きは」
「はっ。依然変わらず」
「ふん......あいつも、やはり人間
「では、いよいよ」
「あぁ。CP-01、及び02を出せ。「作戦:ネガデータのカット・ペースト」を開始する」
「はっ!!」
不穏な影がちらつきますね